基本情報
内容詳細
一変数関数論の基礎から多変数関数論入門までを、透徹した筆致で簡潔明瞭に解説する、新たな複素解析(関数論)の入門書が登場。
その理論の美しさで多くの人々を魅了する複素解析。現在 理工学分野の基礎として広く学ばれている一変数関数論の諸結果は、概ねA.L.コーシー(1789-1857)の時代から19世紀末までに得られた成果である。多変数関数論と呼ばれる分野が大きく進展したのは20世紀中葉であり、岡潔(1901-1978)による「連接定理」がその基礎をなす。その成果は数学内に留まらず、今は科学の諸分野で深く使われている。
変数が2以上になることによる理論的困難さの増加は著しく、岡の仕事から半世紀以上が経過したが、一変数から多変数の理論までを基礎から展開する複素解析の本格的教科書は、これまであまり出版されてこなかった。しかし近年の研究で、多変数関数論の諸結果の証明の簡明化が進み、多変数関数論の入門までを一変数の理論と同じレベルで記述することが可能となり、本書が実現した。本書は、いわば“コーシーから岡潔まで”をひとつとして捉えた、画期的な複素解析の入門書である。
内容としては、実数の性質(公理)から説き起こしてユークリッド空間、複素数を定義し、三角関数や円周率も実数の公理にもとづき定義する。つづいて、コーシーの積分定理、一次変換、留数定理、解析接続、楕円関数、リーマンの写像定理、ピカールの定理などの一変数関数論の基礎を経て、基本的な岡の第1連接定理、上空移行の原理、近似問題、補間問題、クザン問題、そして岡原理までを系統的に完全証明付きで解説する。
【著者紹介】
相原義弘 : 1954年東京都生まれ。1980年東北大学大学院理学研究科博士課程前期修了。一関工業高等専門学校専任講師、沼津工業高等専門学校専任講師、同助教授、同教授、福島大学人間発達文化学類教授を歴任。2020年福島大学名誉教授。博士(理学)
野口潤次郎 : 1948年神奈川県生まれ。1973年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年広島大学助手。その後、大阪大学教養部講師、東京工業大学理学部助教授、同教授、東京大学大学院数理科学研究科教授を歴任。2010年東京工業大学名誉教授、2013年東京大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
相原義弘
1954年東京都生まれ。1980年東北大学大学院理学研究科博士課程前期修了。一関工業高等専門学校専任講師、沼津工業高等専門学校専任講師、同助教授、同教授、福島大学人間発達文化学類教授を歴任。2020年福島大学名誉教授。博士(理学)
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