DVD

Il Trovatore: Karajan / Vienna State Opera Domingo Cappuccilli Cossotto

Verdi (1813-1901)

User Review :4.5

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
TDBA0088
Number of Discs
:
1
Label
:
Aspect
:
Normal
Color
:
Colour
Format
:
DVD
Other
:
Live Recording

Product Description

ヴェルディ:『トロヴァトーレ』全曲
ドミンゴ、カラヤン&ウィーン国立歌劇場

1978年、ウィーン国立歌劇場で上演された伝説的な公演を収録した映像ソフト。以前にビデオで出回っていたことがありましたが、今回は音質・画質とも比較にならない高水準です。
 1964年にウィーン国立歌劇場の音楽監督を退いて以来「もはやあり得ない」とされていたカラヤンの国立歌劇場復帰が実現したのが1977年。以降、1981年まで続いた通称「カラヤン・フェスティヴァル」の中でも白眉の公演として名高かったのが、1978年に上演されたこの『トロヴァトーレ』でした。主役マンリーコに最盛期のドミンゴ、レオノーラ役に演技派としても知られた美貌のソプラノ、カバイヴァンスカ、ルナ伯爵にはこのとき絶頂をきわめていた名バリトン、カプッチッリ、このオペラの要とされる重要なアズチェーナ役には、驚異的な集中力で怖ろしいほどの没入をみせたコッソットという、まさにドリーム・キャストを実現、テレビ中継を通じてヨーロッパ全土の音楽ファンを魅了した貴重な映像記録です。
 これまで粗悪なビデオ画像と音だけで偲ぶしかなかったこの伝説的な『トロヴァトーレ』、こうして鮮明な画と音声で接すると、演奏の素晴らしさと同時に聴衆の興奮も非常によく伝わってきます。久々にウィーン国立オペラに帰ってきたカラヤンに対する熱狂的な歓呼は、2年目の映像記録であるにもかかわらずここでも大変なもので、既に冒頭から、一度はオケに向かいながら鳴り止まぬ拍手にふたたび客席へ向きなおらざるを得ないほど。さらに第3幕では、熱烈な喝采がそのきわみに達してなかなか幕を開けられず、とうとうカラヤンがオーケストラを起立させて万雷の拍手に応える様子が収められています。その拍手が鳴り止まぬうちに、流れるように指揮棒を振るいはじめるカラヤンの仕草も見もの。カーテンコールでは客席から投げ入れられた花束がカラヤンの頭にあたり、苦笑いしながらオケに投げキッスを送るなど、まだまだ本当に元気で颯爽としたその姿は、ファンにはたまらないものでしょう。
 キャストでは、ドミンゴの若々しい声の魅力が絶品。ハープの伴奏に乗って登場する第一声からして、充分な甘味を帯びたその力強い輝かしさがたまりません。有名な『見よ、燃え盛る炎を』を頂点とする第3幕終結部付近での絶唱も見事のひとこと。
 カプッチッリの剛毅なルナ伯爵も、ドミンゴと互角に張り合う素晴らしさ。その情熱的かつ圧倒的な力に満ちた歌唱は、先ごろ亡くなったこの名バリトンを偲ぶ絶好の名唱といえるでしょう。
 「歌う女優」と異名を取ったカバイヴァンスカもさすがの歌唱。周到な声の表現と役作りとで毅然とした気品をただよわせた第1幕のカバティーナ、フレーズの絶妙なコントロールが光る第4幕のアリアは秀逸です。
 コッソットのアズチェーナ役は、これはもうあらゆる面で文句の付けようがない凄まじさ。有名なアリア『炎は燃えて』も見事ですが、続く『重い鎖に繋がれて』はもはや独擅場といってよく、その凄絶な切れ味には横にいるドミンゴもたじたじといった様子です。
 その他、第1幕冒頭のほぼ10分間、男声合唱を合いの手に物語の背景を歌うフェランド役(脇役でありながら、ヴェルディ自身が初演時に「ふつうの脇役でなく、もっと力のある歌手を」と念押ししたという重要な役)を歌うヴァン・ダムの引き締まった存在感、第4幕の始めにほんの少しだけ登場するルイス役に扮したウィーンの名手ツェドニクの味わい深い歌唱などなど、この映像ソフトは本当に聴きどころが満載です。
 画質と音声は、収録年代の水準を充分に上回るもの。テレビ中継を念頭に周到な収録計画が練られたもののようで、舞台袖や装置の物陰をうまく利用したカメラ配置を思わせるアングルや、第1幕の夜の庭の場面では紗をかけたような効果で宵闇を演出するなど、通常の舞台映像より凝ったものとなっています。その映像収録を、カラヤンのオペラ上演で舞台装置を手掛けることが多いシュナイダー=ジームセンが担当していることも興味深いところです。 

【収録情報】
・ヴェルディ:歌劇『トロヴァトーレ』全曲

 プラシド・ドミンゴ(T:マンリーコ)
 ライナ・カバイヴァンスカ(S:レオノーラ)
 ピエロ・カプッチッリ(Br:ルナ伯爵)
 フィオレンツァ・コッソット(M:アズチェーナ)
 ジョゼ・ヴァン・ダム(B:フェランド)
 マリア・ヴェヌーティ(S:イネス)
 ハインツ・ツェドニク(T:ルイス)
 カール・カズラフスキー(B:老ジプシー)
 エヴァルト・アイヒベルガー(T:使者)

 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

 収録:1978年5月 ウィーン国立歌劇場

 演出:ヘルベルト・フォン・カラヤン
 装置:テオ・オットー
 衣裳:ジョルジュ・ヴァケヴィッチ
 照明:ロバート・スタングル
 映像撮影:ギュンター・シュナイダー=ジームセン

 収録時間:151分
 画面:カラー(4:3)
 音声:リニアPCMステレオ
 字幕:イタリア語、日本語
 片面2層収録

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Comprehensive Evaluation

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1970年代後半のウィーン国立歌劇場での大き...

投稿日:2024/11/11 (月)

1970年代後半のウィーン国立歌劇場での大きな話題は何と言っても「カラヤン・フェスティバル」と呼ばれた一連のカラヤンのプロダクションだろう。中でもこの「トロヴァトーレ」は傑出した名舞台だった。あまりにも伝統的なカラヤンの演出は、読み替え演出全盛の現代では、かえって新鮮に見えるから何とも面白い。またカラヤンの演出では舞台装置を手掛けることが多いギュンター・シュナイダー=ジームセンが映像収録を行ない、舞台装置はテオ・オットーが手掛けているのも何だか懐かしい。歌手ではコッソットとカプッチッリの二人がずば抜けて素晴らしい。まさにヴェルディがメゾとバリトンをキーロールに据え、ベルカント・オペラとは異なる性格的なイタリア・オペラを創造したことが、この二人の名歌手の絶唱を聴くと実感出来る。モデル並みの容姿で人気を博したカヴァイバンスカはライヴでこそ実力を発揮する歌手だったので、正規録音は少ないが、こうしてベストフォームが映像として残されたことは嬉しい限りだ。残念なのはドミンゴだ。やはり高音が苦しく、あの「見よ恐ろしい炎を」では最後のアクートを下げているにもかかわらず、雄渾な輝きに不足している。本来はボニゾッリが歌うはずだったが、カラヤンと喧嘩別れしてしまい、急遽ドミンゴが呼ばれたわけだ。しかしマンリーコはドミンゴに相応しい役ではない。どうせならバルトリーニあたりを起用して欲しかったが、ネームバリューでドミンゴが起用されたのだろう。期待外れとしか言いようがない。そのドミンゴの不調をカバーしようとしてか、カラヤンの指揮が尋常でなく燃え盛っている。EMIでのセッション録音とは別人のように生き生きした音楽を生み出し、劇場は興奮の坩堝と化している。当たり前だが、カラヤンもライヴでこそ実力を発揮する指揮者だ。まだまだカラヤンのライヴ発掘は進んでいるとは言えないが、これからもカラヤンのライヴがリリースされることを大いに期待したい。ドミンゴがミスキャストなので減点したいところだが、これ以上の「トロヴァトーレ」の映像はないので星5つにしましょう。

banban さん | 東京都 | 不明

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ルーナ伯爵ではバスティアニーニ、レオノーラではカラス、アズチ...

投稿日:2012/07/09 (月)

ルーナ伯爵ではバスティアニーニ、レオノーラではカラス、アズチェーナではシミオナート、マンリーコではコレッリ、フェルランドではザッカリアが私のBESTではありますが、カプッチルリ、コッソット、ドミンゴを揃えたこのディスクはカラヤンの巧みなタクトも加わり最上のトロヴァトーレだと思います。 カラヤンには上記の歌手陣のほとんどを揃えたザルツブルク音楽祭の白熱のライヴ録音もありますが、録音の事、映像の有る無しを考え併せると、このDVDに軍配をあげざるをえません。 こんなに素晴らしいトロヴァトーレの映像を我々に残してくれたカラヤンに感謝します。 ありがとうございました。

れいくー さん | 奈良県 | 不明

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マンリーコがドミンゴ、レオノーラがカバイ...

投稿日:2012/03/09 (金)

マンリーコがドミンゴ、レオノーラがカバイヴァンスカ、アズチューナがコソット、ルーナ伯爵にカップチッリ、そしてフェランドにファン・ダムという超豪華メンバー。 CDのスタジオ録音でもないのによくこれだけ揃ったものです。しかもこのときマンリーコは別のテノールが歌うはずだったのが急遽ドミンゴに変更になったというから二度びっくり。 まずカラヤン指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団の反応がいい。ヴェルデイのいきいきとした旋律を見事に(のりのりで)演奏している。 ウィーン国立歌劇場合唱団にしても演奏も演技もいい。特に第一幕。 ただ第二幕のこれはカラヤンの演出の問題だろうが、合唱団の配置(立ち位置)が詰まりすぎていて舞台を観ていてごちゃごちゃした分かりにくいものになっている。しかも合唱団の役はジプシーなので、その衣装が暗くよけいにそう感じてしまう。 間が空きすぎてもいけないし、離れすぎると歌いにくかったりするのだろうか? それとも映像で観ているからそう感じるのだろうか? 難しいところだ。 DVDの映像監督はブライアン・ラージが多いが、ここではギュンター・シュナイダー=ジームセン。カメラ・ワークがとてもよかった。 あまり関係ないことだが幕を閉めるタイミングが若干速いような気がする。 この作品のタイトルは「イル・トロヴァトーレ」つまり吟遊詩人だが、本当の主人公はアズチューナなのだろうか? コソットの歌唱がすさまじく、アズチューナの役が要求するものを見事に歌い切り、演じている。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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