同調者 光文社古典新訳文庫

モラヴィア

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334754730
ISBN 10 : 4334754732
フォーマット
出版社
発行年月
2023年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
610p;16

内容詳細

マルチェッロが殺人を犯したのは13歳のとき。以来、生活のなかでは「正常」であろうと努め、果てはファシズム政権下の政治警察の一員に。人並みな結婚を目前にある暗殺計画に関わるが、任務中に思わぬ感情の昂ぶりを覚え…。20世紀最大の小説家の一人による円熟期の代表作。

【著者紹介】
アルベルト・モラヴィア : 1907‐1990。イタリアの作家。ローマ生まれ。9歳で患った脊椎カリエスで自宅とサナトリウムで長い療養生活を送る。サナトリウムを出て執筆を始めた処女作『無関心な人びと』(1929年刊)が大きな話題となり、以後、多くの長短篇小説のほか、評論、戯曲、旅行記など多岐にわたるジャンルで精力的に執筆活動を行った。またイタリア共産党から欧州議会に立候補して当選するなど、積極的に社会参加を行った。主な著書に長篇『無関心な人びと』『軽蔑』『倦怠』がある

関口英子 : 埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。イタリア文学翻訳家。『月を見つけたチャウラ』(ピランデッロ)で第1回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    自分が異常だと感じてしまったがために、それを他人には知られまいとしたために、大多数の中の一人になりきろうとしたマルチェッロ。だが、その大多数も、一人ひとりをよくよく見ると実はみな一癖も二癖もある秘密を抱えた者たちだった。そして、自分の身を守るためにと属した多数派は、実は誤った理論を信奉していた・・。マルチェッロの悲劇は、しっかり自分の罪と向かい合わなかったことの代償なのか。ちゃんと自分で考えることなく多数派だということに安心して身を任せてしまったマルチェッロを、私たちは笑えないのではないだろうか。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    両親から気に掛けてもらえず、弱きものを殺す残虐性を内包していた少年。幼い彼が罪を犯したのは自己防衛故だったが、罪の発覚を恐れる彼は「普通」になろうとする。時代の波に乗り、ファシストに所属し、義務的な結婚をした彼の今後は順風満帆に思えた。暗殺対象である恩師の若き妻に今まで抱かなかった恋慕を抱くまでは。今までの立場が崩れ去ろうとした時に今までの生き方の根底を覆される事実が明かされ、他者への思いやりが生まれるとは何て皮肉なのだろう。また、解説での映画のとある場面での解説と私が抱いた感想で差異があったのも印象深い

  • 巨峰 さん

    ああ、20世紀の世界だな、20世紀の小説だなと、思った。青い空と日常と戦争と。リーナはそんなに良くは思えないのに何が良かったのだろうか?ラストの暗転をみると、モラビアという人はモラリストだったのかなぁ

  • かすみ さん

    主人公の男性が子供のときの出来事をきっかけに、自分が正常であると思いながら生きていきます。古典で難しいかなと思いましたが、すらすらと読めました。

  • うさえ さん

    イタリアにおけるファシズムの時代が舞台だが、政治小説や反戦小説ではない。体制側の諜報部員であるマルチェッロの視点で、物語は語られていく。内面に、絶望的なほどの哀しさ・寂しさ・恐怖を抱えた彼にとって、他者と同じ「普通」の人間として社会に紛れ込んで生きるのが何よりの優先事項であり、多くの人が支持するものを信じる(もしくは信じるふりをする)ことこそ「正しい」行為であった。その帰結が語られるエピローグを、我々は胸が締めつけられる思いで読むことになる。我が身の内のマルチェッロに気づき、改めて作品名に戦慄する。

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