トップ > 音楽CD・DVD > ニュース > 『MMM Radio Psychedelic』2009 Vol.9

『MMM Radio Psychedelic』2009 Vol.9 MMM Radio Psychedelicへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

2009年10月14日 (水)

MMMRadio_logo    
mito mito
from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
 
MMMatsumoto MMMatsumoto
from 「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。
 
『MMM Radio Psychedelic』 X 「3.10MMM」 X HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート! その名も 『MMM Radio Psychedelic』。 今回は第9弾です。2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!必見必読です!






【Mito氏からのコメント!】

どもです、ミトです!お待たせいたしました『MMM Radio Psychedelic』、第9回目の配信開始でありますっ。今回は「ブリティッシュ・フォーク特集」、、、ついに、、、ついに、、、ついに念願のこの特集です!!MMMatsumotoさんと僕は狂気乱舞ですっ、だってだってもーそりゃーもー大好きなジャンルなのですから!!!で、蓋を勢いよく開けてみたらっ、、、なんとあまりに多すぎて全然時間が足りない(汗。。。挙げ句の果てに二人が「一番聴かせたいバンド」(これは、ラジオを聞いていただければわかります)を流そうとしたら、そのバンドのソロだけで「放送3回分」は消化しなくてはならないほど内容が濃い事が判明!!なので、今回は「源流」を探るのではなく、あくまでブリティッシュ・フォークが持つ「膨大なバリエーション」をチラリとお聴かせしようと思います。濃いです。今回も目眩がするくらい濃いです!ぜひぜひお楽しみくださいっ。では、いってみよう!!!

【MMMRadio Psychedelic 2009 Vol.9】

音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介
  1st Set
Heron
Heron / Twice As Nice -Half The Price
mito「田園、というか原っぱでマイクを立てて、ギター持ってイス持ってマンドリンとか持って録音してる、っていう感じですね」
MMMatsumoto「とにかくのんびりしてる感じですよね(笑)」
mito「のんびりしてますね〜、無駄無くのんびりですね(笑)。彼らの中にどこまで『サイケデリック』『ラヴ&ピース』からの流れがあったのかが気になります。外で演奏しているのを『そのまま録ったほうがいいよ』っていう気持ちになるのは'69年の『サマー・オブ・ラヴ』があった後の変化なんでしょうけど」
MMMatsumoto「全体にそういう空気があったんでしょうね」
mito「でもドラッギーじゃない、っていうのが凄いですよね」
MMMatsumoto「そこがHeronの特長だよね」
mito「『開放的』というか『ちょっと遊びに来ちゃった』的な。例えばハナレグミの永積タカシとかいるじゃないですか。ああいうところが受け入れられているのはその『開放的』な部分なんでしょうね。ある種、その基礎を作った人ですよね。」
MMMatsumoto「そうだね、簡単に言うと『永積くんの元祖』ですね(笑)。『元祖ハナレグミ』(笑)」

【解説 by mito】
1970年にセルフタイトル「HERON」でデビュー。1stから野外に機材を持ち込んでの「フィールド・レコーディング」を行い、鳥の声などをバックに演奏するその楽曲たちには、これでもかというほどのまばゆい美しさが宿っている。2ndも同じくフィールド・レコーディングを慣行し、それにドラム、エレキベースなどを持ち込み、よりキャッチーな楽曲が並ぶ。なんと今でも現役で活動しており、そのクオリティは相変わらず高い評価を得ているようだ。


  2nd Set
Comus
Comus / First Utterance: 魂の叫び
mito 「これが当時流行ってたわけですからねぇ」
MMMatsumoto 「こういう音楽が一番イケてる音楽だった、っていう(笑)。ほんとか?っていうね(笑)」
mito 「病んでますよね〜(笑)UKっていいなぁ〜、っていう感じ」
MMMatsumoto 「アートスクール系の大学生が聴いていたわけだから。今で言う美大系?そういう子たちがこういう音楽を裏原で聴いてる、みたいな」
mito 「そう...ですか?」
MMMatsumoto 「全然わかんないんですけど(笑)」
mito 「今の方が全然聴きやすいじゃないですか!(笑)。要するに『複雑系』には行かないんでしょうね、音楽に対して」
MMMatsumoto 「今はね。でもこの当時は複雑な方がいい、っていうね」
mito 「そういうところにリバイバルする日は今後無いんですかね?」
MMMatsumoto 「どうなんですかね〜(苦笑)」

【解説 by mito】
イギリスの詩人が書いた劇のタイトル、そして神話では「欲望と快楽の神」の名を冠したのがこの「コーマス」。デビュー前のライヴをデヴィッド・ボウイに絶賛され、ドーン・レーベルと契約、71年に制作されたのがこの1stである。まずジャケットのおどろおどろしさに驚愕し、そして音を聴いてその狂気に一瞬で混乱する事だろう。ロジャー・ウットンの倍音を讃えた唄は荒々しく狂い、 その周りを亡霊のようなコーラスが包み込む。まさに「狂気の音楽」がここにある。ちなみに現在、このバンドのメンバー全てが消息不明だそう。


  3rd Set
John Martyn
John Martyn / Solid Air
mito 「とにかく音が良い!」
MMMatsumoto 「ジョン・マーティンはアナログの時代から音は良かったですよ」
mito 「これとリチャード・トンプソン辺りの音源もクリアというか」
MMMatsumoto 「そうですね。リチャード・トンプソンは2nd以降は良いですよね。」
mito 「ジョン・マーティンはUKフォーク・シーンの中ではどっちかというとジャズだったり、『黒い』感じですよね」
MMMatsumoto 「ソウルっぽいですよね」
mito 「唄い方は『年取ったジョン・スペンサー』みたいな(笑)」
MMMatsumoto 「そうだね〜(笑)」

【解説 by mito】
一人のグラスゴー出身の若者がロンドンに移住し、その後アイランドからシンガーソングライターとしてデビューする。当初は正当なブリティッシュ・フォークの流れを汲むスタイルだったが、プロデューサーのアル・スチュワートとの交流からジャズ・エッセンス、そしてエフェクターを多用する前衛的ギター・プレイの才を発揮し始め、そこからなおもブルースの要素も取り込み、まさにオリジナルなスタイルを確立した後に発表したのが、この「Solid Air」である。エリック・クラプトンもカヴァした「May your never」の早すぎたサーフ・ミュージックの原型さえも、彼は無意識に形成していたのだから凄い才能である。


  4th Set
Trees
Trees / On The Shore
MMMatsumoto 「普通のフォークに収まってないところがTreesの良い所なんだけど、それは遡るとFairport( Convention)もそうなんだよね。みんな『フォーク』っていうと『アコースティック・ギター弾いて歌ってる』みたいなイメージがあるかもしれないけど、当時のUKのフォークっていうのは斬新で実験性が強いところがあるんですよね」
mito 「トラッドに戻ってきてるんですけど、ロックの要素を一緒にしたことによって『ずれ』が起きてる、っていうか」
MMMatsumoto 「そうですね」
mito 「あの構成然とした空気は、それこそRadioheadとか好きなひとは全然入れる世界だと思うんですよね。とにかくFairportは奥が深い、というかSandy Dennyが『孤高』、というか。どこで鳴ってても空気が変わっちゃう音楽なんで。その流れを作り出そうとしている熱意がTreesにある」
MMMatsumoto 「そうですね。Fairportにあこがれたバンドっていっぱいいるんですけど、その中で盤として成功しているのは数少ないですね。Treesはそのひとつかな」
mito 「ギターの入り方とかそうですよね。うまいこと入れないと雰囲気が崩れてしまう、ギリギリのところでやってる感じが」
MMMatsumoto 「雰囲気つかんでるよね」
mito 「いや〜、そうなってくると『じゃあFairport聴かせろよ!』って話ですね(笑)」

【解説 by MMMatsumoto】
70's UKエレクトリックフォークの中核、サンディ・デニー在籍時の初期フェアポート・コンヴェンションの影響下にあったバンド。 70年代初頭に活動し2作を残した。リチャード・トンプソン譲りのフィンガリングで醸すサイケデリック・テイストが、フォーク/ト ラッドに混ざってたまらない! その上にエモーショナルで透明感ある美声女性ヴォーカルが乗る。基本トラッドをエレクトリックに、 要するにロック編成で聴かせる中でも極め付けは、こちら2ndに収録されたロングチューンのオリジナル曲「Sally Free and Easy」。 さざめくようにピアノで幕開け、アコギの響きも繊細に歌が乗り、やがてサイケにロックに徐々に競り上がっていった先で、幾重にも 響き渡ってくる歌声は天上的、というか昇天! UKフォークの最もプログレッシヴな瞬間だったかも。ヒプノシスのコワカワイイ不思 議ジャケと一緒に是非一家に一枚!


  5th Set
Simon Finn
Simon Finn / Pass The Distance
mito 「この空間はすごい」
MMMatsumoto 「すごいですね。今も生きてて新作が出てる、っていうのもすごい。アナログ盤で聴いていたとき『このひと危ないよね』とか良く言ってたんですよ。全然現役でしたね(笑)」
mito 「普通にmyspaceに音あげてるんですよね(笑)」
MMMatsumoto 「ははは(笑)」
mito 「myspaceがあった上にフレンドに『Pentangle』って書いてある!(笑)」
MMMatsumoto 「歴史が勝手に歴史を生んでる、っていうね(笑)」
mito 「いや、これを意識的に作ってたとするならば生き残っててもらって当然ですよね」
MMMatsumoto 「そうだね〜」

【解説 by mito】
1970年に発売されたアシッド・フォークの名盤中の名盤。一曲目から空間が歪み、重力を変調させるかのようなそのサウンドはまさに唯一無比である。一聴すると完全にアシッド・パワーに流されきったような彼の唄い方もギターも、何度か聴くごとにその裏に潜む確信的なテクニックが見え隠れし、特に唄い方は意識的にコントロールしている箇所があったりなど、彼の「黒い」ところがわかるのがこのアルバムの素晴らしいところだと思う。現代音楽家であるデヴィッド・トゥープが参加しているところなどは、まさにその確信犯である証拠だろう。ちなみに10月には、国内初のリマスター盤がキャプテン・トリップからリリースされる。


  6th Set
Spirogyra  ※現在廃盤 Spirogyra / Bells, Boots & Shambles
MMMatsumoto 「フォークミュージックをやってるからおとなしい生活をしているわけでは全然無くて」
mito 「むしろハードコアだったと思いますよ」
MMMatsumoto 「(笑)時代が根本的にそうだったんだと思うんだよね」
mito 「きれいな音楽をやってることの反動なんじゃないかな、って思うんですよね」
MMMatsumoto 「そうかもしれないね」
mito 「時代背景とか、『平和』っていうのも変ですけどあの時代そんなにagainstする内容があったかな、っていうか」
MMMatsumoto 「うん?あの時代ですか?逆にあるじゃないですかベトナム戦争とか」
mito 「でもUKですよ」
MMMatsumoto 「あ〜、UKはそうだね。インタビューすると『対岸の火事だった』って言うもんね」
mito 「だからなのか分かんないですけど、世の中が暗くなっていることの反動なのか、こと『フォーク』と言われているものには極端な要素が強いじゃないですか」
MMMatsumoto 「うんうん」
mito 「だから『反動』を歴史で見たりその人のヒューマニティを見たり、っていうのがフォークの中には凄くあると思いますね」

【解説 by MMMatsumoto】
これも一家に一枚!(笑)。人脈的には完璧カンタベリー系のフォーク・デュオ。音は70's UKらしい陰りのある生粋のUKフォーク。 だけれども何か時々ヨレてて変。要するにアシッド感が...(笑)。ズバリ、最近だとエスパーズとか大好きな人達には絶対のジャ スト。ヴァシュティ・バニヤンやブリジット・セント・ジョンよりも遥かに。少しスワンプな首謀者マーティン・コッカーハムのダミ 声はさておき、相方バーバラ・ガスキンの歌声が低音系の超絶美声。ささやくようにドリーミーで、かなり夢見れます(笑)。このデ ュオは3作を70年代初期にリリースしていて、断トツこの3作目の出来がいい。陰影の付いた物悲しくドリーミーな曲が多いのと、バー バラ・ガスキンのフィーチャー度が高いから。しかも美形!(関係ある?ありますよね?)。







MARQUEE Vol.75
MARQUEE Vol.75

2009年10月14日発売

800円(tax in)
コード ISBN978-4-434-13628-3

今回はBEAT CRUSADERSの「面が割れた?」表紙&メンバー個別インタビューも込みの第一特集、□□□の第二特集以外にも、ミドリや immiの変形仕様での各10P特集、更には5年振りのイベント復活:MARQUEE NIGHTの予告、非既成概念の感性を持つバンド群「OUT ROCK」 特集10Pとか、構築派ロックの現在:serial TV dramaの巻頭特集、超森ガール:コトリンゴの巻末特集、原宿の先鋭ブランド MonomaniaやMACARONICとのミュージシャンコラボなど、撮影も多数で、息付く暇なしの増ページ! 全部持ってけいッ!


Back Numberはこちら
MARQUEEwebはこちら 



『MMM Radio Psychedelic』 X 「3.10MMM」 X HMV Backnumber

【2009 Vol.8】
【2009 Vol.7】
【2009 Vol.6】
【2008 Vol.5】


 

ページTopへ戻る