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2009年8月11日 (火)
mito from clammbon クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。 |
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MMMatsumoto from 「MARQUEE」 ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。 |
どもですっ、ミトです。お待たせいたしました、『MMM Radio Psychedelic』第8弾お届けです! 今回は初の試みとして、僕が昨今気になった「最近の日本のアーティスト」のご紹介。普段のマニアックさは 影を潜め...と一瞬でも思ったあなた、残念ですっ!!音源にいたっては、むしろいつもより濃厚な サウンドばかりが目白押し!!しかも、今回はいつもより一枚多めの6アーティストをご紹介しますっ そして、今回のMMMatsumotoさんの選曲は、、、、はっきりいって暴走気味ですっ(笑。では、今回も 張り切っていってみましょう!!!
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介
1st Set | |
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mouse on the keys / an anxious object |
MMMatsumoto 「ピアノっていう楽器特性はすごい凛としてると思うんですよ。例えばハモンドオルガンとかムーグとかに比べるとピアノの音ってすごいすっきりしてるじゃない?あのすっきり感っていうのはポストロックみたいな音の感触上にあるだろうな、っていうのはすごくわかるんですよ。」 mito 「ポストロック的なアプローチをしている人達が、だんだんプログレッシヴなものになっていってるのは僕にとってはちょっとニヤリとする、というか(笑)」 MMMatsumoto 「すごいストイックなモノクロの世界だったのが、そこからだんだん色付きが見えてきて、その時にピアノみたいな凛とした響きの楽器だともっと音幅もあるわけじゃない?だからポストロックが成熟して音楽的になってきた、っていう感じがする」 mito 「あと、ドラム叩きながらピアノを弾き、しかもピアノを弾いてる人がいる、っていう『自分たちで出来る限りをやる』この感じはすごいシンパシーを感じますね。それをあまり『やってます!』感を見せない、聴かせないのもいい。toeのレーベルにいて『間違いない』ていう感じがする」 MMMatsumoto 「そうですね」 mito 「もしかしたら現代音楽的なところから入ってる、っていうのもあるのかな?」 MMMatsumoto 「ような気がしますよね。このピアノのフレーズとか響かせ方を聴いてると現代音楽以降、っていう感じはしますよね」 |
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【解説 by mito】 2Keybord(Piano)+Drums、いわゆる普通のバンド形態から全く離れた彼らが紡ぐ、ひずみに頼らない 強靭なハードコア・サウンド。元NINE DAYS WONDERの川崎昭、清田敦、新留大介からなるmotk の1st albumがこの『an anxious object』である。前回のEP『sezession』から引き継ぐ重厚で ポリ・グルーヴを基本とするピアノ・サウンド、機械的に大量のフレーズをねじ込むドラムは そのままに、よりストーリー性の強い楽曲たちがそろった傑作アルバムとなった。本人たちは意識して いないようだが、初めて聴いたとき、[アルティ・エ・メスティエリ]や[レ・オルメ]のような良質なイタリアン ・プログレッシヴを最初に聴いたときのような興奮を感じた。 |
2nd Set | |
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Thirdiq / Who May Fid Love In The Imaginary Axis |
mito 「最近『クラブジャズ』と言われるものがおもしろかった時があって、それで探ってたときにiTunesにあったんですよ。それがすごく良くて」 MMMatsumoto 「うんうん」 mito 「基本的にバンドでセッションしたものをオーディオ編集して楽曲に仕上げる、ていう感じなんですけど」 MMMatsumoto 「なるほどね」 mito 「で、すごい良くて去年のクラムボンの野音のSEに何曲か入れてたんですよ。それをThirdiqの渥美君がどっかからその情報を仕入れてなんとこのwebDICEに直接メッセージを送ってくれたんですよ!『かけて頂いてありがとうございます』みたいな感じで。『え〜っ、日本人だったんだ!』と思って。(笑)」 MMMatsumoto 「音聴くとそうだよね。ちょっとヨーロピアンな感じもするし」 mito 「すごい、日本の空気を全く感じさせないぐらいの、ハイプな感じ、っていうのかな。」 |
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【解説 by mito】 ギターリスト、プロデューサーである渥美幸裕のソロ・プロジェクトthirdiq。ここで彼は作曲家、アレンジャー、 そしてアートワークまで完全セルフディレクションで行っている。1st albumであった『monologue』で衝撃の デビューを飾り、数々のクラブ・サイドから熱烈なファンを獲得。club jazz、R&Bを主体としつつも、ミュージシャン を集め一発レコーディングした素材からオーディオ編集しトラックを作り上げてゆくという、昨今のトラックメイカー とは完全に独立したアプローチを確立。いままで聴いたことの無いほど繊細で甘美、独創的な音世界を作り出した。 この2nd albumにはローリン・ヒルのカヴァ"To zion"も入っており、大胆なアレンジ手法から発売前にもかかわらず、 my spaceのアクセスランキングの1位になるほどの話題に。 |
3rd Set | |
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グッドラックヘイワ / THUNDER |
mito 「この人達がすごいな、と思うのは『掛け合わせの妙』をちゃんとオリジナルに昇華してる、っていうのと、あとデュオってかっこいいですよね〜。デュオでこれぐらいやられちゃうと」 MMMatsumoto 「あ、デュオは卑怯なんだよ。(笑)緊迫感を生むことが容易に出来る、っていうのとあと、逃げられないじゃない」 mito 「まぁ、そうですね」 MMMatsumoto 「スリーピースはまだ甘くてさ、1人逃げられるな、って感じがするんだよ。(笑)でもデュオは1人逃げたら分かっちゃうから。(笑)」 mito 「逃げられないですからね、そもそも」 MMMatsumoto 「あと、自由が利く。2人だと。」 mito 「あと、自分がベースをやってるからなのか、『ベースがいることの弊害』っていうのをベーシストである自分がものすごい感じるときがあるんですよ。(苦笑)」 |
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【解説 by mito】 野村卓史(Keybord)、そしてSAKEROCKの伊藤大地(Dr)からなるインスト・デュオ。彼らの楽曲から感じられる独自性は、 80年代〜90年代にかけてのゲームミュージックにある8ビットサウンドを、この2000年代に見事肉体化してアプローチ したことにあるように感じる。もちろん彼らの魅力はそれだけではなく、エスノ、リズム&ブルース、ガンボなどの背景 もみられる、非常に多様なサウンドなのだが、こと今回の『THUNDER』に使用されたヴィンテージシンセのエッセンスに、 彼らの潜在下にある興味がそこにあるように感じてしかたがない。前回の『PATCHWORK』にもあった主張の強いリフは、 より極太でキャッチー、そしてメロディックに富み、熱を持ったドラムはよりコシが強く、タイトになってきている。 その絶妙なアンサンブルが描き出す風景は、懐かしさと優しさを含みながらも不思議とエレクトリック、そしてクールなのだ。 |
4th Set | |
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あだち麗三郎 / 風のうたが聴こえるかい? |
mito 「いやぁ〜、サイケですよね」 MMMatsumoto 「アシッドフォークな感じだよね」 mito 「かなりサイケだなぁ〜、と思って。ただそのサイケの仕方も、なんかもう『開いたひと』ってこういう感じだよな、みたいな」 MMMatsumoto 「フフフ(笑)」 mito 「聴いた瞬間にあまりに無防備な開かれ方加減で、それですごい感動しちゃったんですけど。本人が唄を唄う、ってことさえも知らなかったし余計に面識があったからこそ尚更」 MMMatsumoto 「意外だったでしょ」 mito 「そうそう。凄すぎて。それでいて曲とかも非常に良くできていて。」 MMMatsumoto 「俺はこのひと一体何があったんだろう、と思いますね。(笑)」 |
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【解説 by mito】 【俺はこんなもんじゃない】のサックス、そして【タラチネ】のドラマーとして活躍していた彼が、突然すべての活動に 終止符を打ち、ギターを持って唄を唄い始める。そのあまりにも逸話的なスタートで始まった彼の新たな音楽には、おお よそ普通のミュージシャンではたどり着くことのできない、「開かれた」メッセージと風刺、そしてとてつもないリアリティがある。 全体的にアコースティックなバンドサウンドである、が、質感は非常に現代的(ともすれば、とてもデジタル)な音像、それ でいて目眩のするように定位がねじ曲がってしまうサイケデリック感、、、そして特筆すべきは彼の唄とそのリリックであり、 ここまでねじ曲がった感性を持ちながら、ネガティヴな要素が一切感じられないという、信じられないバランスを持って僕ら の耳に飛び込んでくる。昨今出会った日本のアーティストのなかでは、ダントツに鬼才。ぜひライヴが見たい。 |
5th Set | |
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SOUR / Water Flavor Ep |
mito 「非常に自然に活動してますよね。楽曲をとにかく磨く、っていうか1曲1曲を磨いていく、みたいなね。ポップにしようということに対してもすごい意識的だし。ここの3人の良さって『ライブのいびつさ』だと思うんですけど」 MMMatsumoto 「あ、そうなんですか?」 mito 「大体このドラムとガットギターがひとつのライブ会場にいる、っていうのは音響的な部分で言ったら、ガットは音小さいし、ドラムはあんだけフルショットで叩いてて、で、ウッドベースじゃないですか」 MMMatsumoto 「そっかそっか。どうやってバランスとるんだ?(笑)」 mito 「ほんとですよね。どういうバランスとるんだ、てライブ見ると、え〜、ぶっちゃけた話、結構すごいことになってるんですよ。(笑)」 MMMatsumoto 「ハハハ(笑)そうなんだ。(笑)」 mito 「でもそのカオスが、まとまってない状態、っていうのにすごい魅力があって」 | |
【解説 by mito】 ガット・ギター、ウッド、ドラムの3ピース。出発点はエモ/ハードコアだったという意外性をもつも、その最小限のアコースティック な編成を武器に、時にフガジ周辺のバンドの様にエッジのある演奏を行う。そこに乗るhoshijimaのボーカルは、あまり日本では聴かれない ファットなファルセット。昨今ではエレクトリックを多用し始めたSoheyのグルーヴかつペダル・トーンなベース、破壊衝動を抑制 するように肩を上げてフルショットするKENNNNNのドラム、、、この不安定きわまりないスタイルが織りなすアンサンブルが、 真摯にポップミュージックを作り上げようとする姿勢は非常に痛快だ。EPである今作では空間の響きを重視し、そのアンビエンス感 がよりバンドのサウンドを強化しているようにも感じられる。また収録曲である「日々の音色」のPVは、webカメラを使った革新的な PVで、発表1週間を待たずにYouTubeにて20万アクセス(!!)を突破し、監督であるMasashi Kawamuraとともに世界的にも大きなニュースとなった。 |
6th Set | |
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クラムボン / ドラマチック |
mito 「勘弁してくださいよ〜(笑)」 MMMatsumoto 「いやぁ〜、すごいね〜、格が違うって、格が違う!」 mito 「あのですね、まさか自分の番組で自分を挙げられるとは思ってないですよ。(笑)」 MMMatsumoto 「なんでクラムボンやってないんだ、て思ってさぁ。(笑)」 mito 「いいっすよ〜(笑)」 MMMatsumoto 「おかしい。だって今日もいろいろなもの聴いてきたけどやっぱりクラムボンは包括してるな、て思いますよ。」 mito 「いや〜(笑)どうなんでしょうね。これ、もう8年ぐらい前ですけど。」 MMMatsumoto 「でも『ドラマチック』はすごいよね。この、1曲目からレベルがピークのまま下がらない、っていう(笑)」 | |
【解説 by MMMatsumoto】 アヴァンギャルドなのにポップ。クラムボンは本当に様々な音楽エッセンスが複 合する。そんなクラムボンが、プロデュースに亀田誠治氏を迎え制作した2001年 リリースの3rd アルバム。強烈な1枚です。バンド初期に特有の勢いと旺盛なア イディアが、盤からはみ出しそうなくらい。針が振り切れんばかりのこのギリギ リ感上でのポップさは、とてもアクティヴだ。初期クラムボンのピークを示す意 欲的にして決定作。 |
表紙&第一特集(23ページ):capsule、裏表紙&第二特集:iLL、でお送りする
マーキー最新号は、他にも注目のクラブポップ・ユニット Sweet Vacation の5
ページ特集や、話題のエレクトロ・シンガーソングライター immi の中とじ10ペ
ージ特集、更には小誌企画のコンピレーション『パニック Level.01』リリース
記念特集でのSweet Vacation×ニルギリス対談やザ・ジェッジジョンソン×
1000say対談を中心に、ART-SCHOOLやthe telephones、GRAPEVINE、阿部真央、
SAWA、のあのわ等、盛り沢山!
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