【インタビュー】BORIS

Friday, September 18th 2009

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boris

TORCHE、9DWとそれぞれスプリット作品をリリースしたBORIS。さらにジム・ジャームッシュの最新作品『THE LIMITS OF CONTROL』へと楽曲提供と精力的に活動を続けるBORISのAtsuo氏にインタビュー!

--- 8月19日に「Chapter Ahead Being Fake」、「Golden Dance Classics」の2作品がリリースされました。でそれぞれTORCHE、9DWとのスプリットということですが、そもそもどういった経緯でこのスプリットを出すことになったのですか?

Atsuo:TORCHEとは去年のアメリカツアーでオープニングとして一緒に周ってもらってて、お互いルーツ的にかぶる部分とかがあって、ツアー中も彼らがスゴイ力をくれた部分とかもあってりして。それで一緒にスプリットなんかできたらいいねなんて話もして進んでいきました。9DWは、、、斎藤健介、彼がバンドもやってますしCATUNEっていうレーベルも主催してて、以前に『マブタノウラ』っていう作品をリリースさせてもらったことがあるんですけど、そこからCATUNEとはまた一緒に仕事をしたいなと思っていて。9DWもバンド形態からソロに移行していって、音楽性がドンドン変わっていく感じであったりとか。僕らも常に音の部分が変化してるバンドで、彼とももう10年以上前から知り合いで、生き残ってるもの同士というか(笑)。9DWにしてもTORCHEにしても色々共感できる部分があって、この二つのスプリットのどっちもキャラクター、幅が広がってさらに今までの音楽に幅が広がってる部分があったので。色んなタイミングがそこであって、進んでいった感じですね。

--- 制作はどんな感じで進んでいったのでしょうか?

Atsuo:僕らは基本的にいつも作曲とかしないで、スタジオで素材を録るというか、ジャム、インプロビゼーション主体で録れた素材がどんな感じで曲になっていくのかっていうのを見ていくっていうのが僕らの作曲法というか。それで曲がぼんやりしてたものが形になっていったときに、コレは9DWのほうにはまっていきそうだ、コレはTORCHEのほうにはまっていきそうだっていうのが徐々に見えてくる感じで。スプリットとかコラボレーションって相手の責任に出来る部分があって(笑)、それが僕らを楽にしてくれるっていう部分もあるんですよね(笑)。

--- でも逆にそこでしか生まれないものがあるわけで、刺激も受けますよね?

Atsuo:そうですね。僕らは基本的に外側からの刺激に動かされるというか、生かされるというか(笑)。基本的に怠惰な人間で(笑)、しかも飽きちゃうという感じなので外側からの新しい経験とか体験とかが僕らを動かしていってくれる。ツアーもそういった意味ですごく重要ですし。それをレコーディングして出すって言うこともすごい重要ですし。

--- ツアーといえば、NINE INCH NAILESと一緒にツアーを周ってましたよね。

Atsuo:はじめに誘われたのが96年かな??でもその時はなかなかスケジュールが合わなくてお断りさせていただいて。。今回はタイミングがうまいことあって、しんどかったですけどね(笑)。僕らの中では『SMILE』のツアーをヨーロッパ、アメリカと周って一区切りついたっていう感じだったんですけど。そこからまたアメリカに行くっていうのは体力的にはしんどい部分もあったんですけど(笑)。でも何度もお誘いしてくれてるし、実際やりたかったので、実現してよかったですね。色々刺激は受けましたし。

--- 直接トレント・レズナーとコミュニケーション取ることもあるんですか?

Atsuo:現地のツアースタッフとの間を取り持ってくれたりもしたし、彼らの機材を使ってSHOWの演出もできるよなんてことも、彼が直接楽屋に来て話してくれたりもしたし、一度彼の楽屋に遊びにいったこともあるし。まあ彼らはツアーに出たらツアーバスとトレーラーで、サーカスみたいな感じで周ってるので。シェフも同行してるし、マッサージ師も同行してるような、すごい大所帯で。お食事もみんなで同じ場所で取ってっていう感じで、アリーナの一部に厨房を作って食事するんですよ。そういう意味では快適でしたね(笑)。

--- 今年のサマーソニックにNINE INCHが出演してましたけど、コミュニケーション取られたりしました?

Atsuo:そうなんですよね。でも結局連絡が上手くつかなくて行けなかったんですよね。3日目は遊びに行きましたけど。9月にFlaming LipsキュレターをやるAll Tomorrows Partyに出演するので、それでFlaming Lipsに会いに、、、結局会えませんでしたけど(笑)。SHOWは観たんですけどね。

--- Flaming Lipsとかも聴いたりするんですか?

Atsuo:いや、、、あの、、色々勉強させていただきました(笑)。他のメンバーは聴いたりするんですけどね。でもライブ観てビックリしました。凄かったな〜。アレを観て色々吹っ切れたし、刺激を受けましたね。

--- BORISのライブは今度Quattoroでありますよね。All Tomorrows Partyの次の週になるんですかね。

Atsuo:そうですね、、もうかつかつです(笑)。レコーディングも同時に、ずっとレコーディングもしてるんで。隙があればレコーディングはしてるんで。

--- そのあたりの作品はいつ頃リリースできそうですか?

Atsuo:来年とかに出せればいいですけどね。その前にこの2つのスプリットと同時にアメリカのサザンロードっていうレーベルから7incを9月から一月に一枚づつ3連発で出すんですけど。こちらはもうレコーディングが終了して、パッケージを待ってるだけで。

--- 結構忙しいですよね(笑)。

Atsuo:もう(笑)。ずーっと仕事してます(笑)。

--- さらに映画の話なんですが(笑)。今回BORISの楽曲がサントラに使用されているジム・ジャームッシュの映画ですが、映画はもうご覧になられました?

Atsuo:はい見ました。すごい豊な時間をもてた映画というか、いわゆるエンターテイメントの映画とは違い、また別の方法論で創られた映画で。なんて言うんでしょう、、、いまいる現実の経験に匹敵するような経験が出来る映画というか。前作「BROKEN FLOWERS」と比べて画にしても音にしてもすごく無駄な部分が多い。ごめんなさい、こんなこと言っちゃって(笑)。ノイジーなんですよ、画はすごいヴィヴィットで、色がすっごい入ってきたり、全然整理してない、なんて言うのかな、、、料理で言えばすごいオーガニックな料理というか、素材をむき出しのまま料理していくような、そういう情報量が凄く多い整理されて無い、そういう映画でした。映像って、一般的な方法論っていうのは、見えなくすることで見えるようにするとか、編集することでピントを物語の意味に絞り込んだりするんですけど。これは色んなものがむき出しで、めちゃめちゃ情報量が多いので、ゆったりとした時間のようで、凄い濃密な経験が出来る映画でしたね。久しぶりに映画で経験することをしたなって気がしましたね。

--- 今回BORISがサントラをやっていて、映画の印象的なシーンでBORISの楽曲が流れます。ジャームッシュ自信もBORISからの影響、刺激を受けているなとすごく感じました。

Atsuo:一回ニューヨークでジムとは会ってるんですけど、そのときに僕が話したのは、彼のDEADMANっていう映画がすごい好きで、そのサントラも何度も何度も聴いて、僕ら自信の作ったものから影響を受けて僕らの音創りに反映されてて、それをまたジムが聴いてくれて。そういう見えないところで繋がってる感じっていうのがあって、こういのって素晴らしいよねってジムに話したんですけど。繋がってる感じっていうのはうれしいし、長いことこういう“創る”ことをやってますけど、こういうことなんだなって感じがしましたね。見えないけど繋がってく感じ、その強靭さというかね。

--- サントラは制作はどんな感じだったんですか?

Atsuo:会った時に彼がこの曲とこの曲と、、を使ってみたいな話しをされて、そのあった時にはまだリリース前の『SMILE』を彼に渡して、そこからまた彼が気に入ってくれて『SMILE』の中から使用してくれたのもありますし、基本的には僕らが創りおえた作品から彼が選んだという形ですね。

--- ジャームッシュの楽曲も使われてますが、どうでした?

Atsuo:映画の中でこれが多分ジムの曲だろうなっていうのがあったんですけど。ジムめちゃくちゃサイケなことやってんなーって(笑)。

--- そうなんですよね(笑)。サイケでっかこいいんです。それでは最後にHMV ONLINEをご覧の皆さんに一言お願いします。

Atsuo:普段見ないようにしているものとか、無駄に思ってしまうものとか、ノイジーなものとか、そういうつい目をそらしてしまうようなものに、ちょっとでも目を向けると、新しい経験が待っていたりとか、なんかそうやって少しでも豊かな時間っていうのが創っていけたらいいと思います(笑)。

--- 本日はありがとうございました!
profile

BORIS

92年より活動開始、96年にTAKESHI (Vocal/Bass/Guitar)、WATA (Guitar/Vocal)、ATSUO (Vocal/Drums)という現在のメンバー編制へ。活動当初よりワールドワイドなスタンスを志し、96年から始めた海外ツアーも03年以降はほぼ毎年行う。現在はサポート・ギターに栗原ミチオを迎え、繊細かつ流麗な静寂パートから、眼球を揺らす正に‘体感’する轟音パートまでのダイナミクスをもって他に類を見ないライヴを展開。
08年中はNINE INCH NAILSのUSアリーナ・ツアー・サポートをはじめ、ライヴハウスから大規模なフェスまで、21カ国で100本のライヴを敢行した。音源制作ではヘヴィロック/パワー・アンビエントの殿堂Southern Lord(US)とDaymare Recordings(日本)を拠点に世界中で数々のレーベルと交流を持ち無数の作品を発表、様々な音像と徹底的にこだわったアートワークを提示している。 近年は“BORIS”(大文字)、“boris”(小文字)のふたつの表記を使い分け、“BORIS”ではロックの中心へ、“boris”ではロックの外側に向け、より実験的な音像の探求をも試みる。代表作の『PINK』(06)、『SMILE』(08)、SUNN O)))との共作『Altar』(07)はいずれも全世界で10万枚に迫るセールスを記録、世界の先鋭的音楽シーンの最前線で圧倒的な存在感を示している。また様々なミュージシャンのみならず他分野アーティストとのコラボレーションも活発に行い、創作意欲は留まることを知らない。 09年中には2枚のコラボ盤と3枚の連作シングル、ライヴDVDのリリースを予定。Borisの別名義fangsanalsatanではアートワーク、マーチャンダイズのデザイン、レコーディング、映像制作、及び周辺アーティストのアートワーク、プロデュースを手掛け、その活動範囲は広がるばかりだ。

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