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10/7より動画メッセージ公開! 寄席対談 〜第拾幕〜

Wednesday, October 7th 2009

落語インタビュー全12回連載 − 第10回 柳家喬太郎







古典と新作を話される時では、表情の違いを感じます。
そうですね。
今回のように、寄席で古典落語をなさる大先輩の噺家さんや、一門が集まっている場所では、
それなりの主旨がありますからね。表情が違うかもしれませんね。
その時々の主旨や全体的なイメージによって、見せる顔が違いますし、
もし、同じ人間が同じ場所に集まったとしても、
高座では、その都度、湧き出てくるものが違いますから。


高座でアドリブを使われますが、アドリブのネタは、日常生活で意識して拾っているんですか?

新作落語を作ることに関しては、イメージが漠然としているんですよね。
等身大の45歳になるおじさんが、日常を生きているんですが
うーん、まぁ...普通ではないですよね...
普通の45歳は、経済の勉強をしたり、株価を気にしたりするんですよね。

ありとあらゆる私生活の中で、ネタを拾おうと意識するは、ことさらにしていないんですね。
生活していて、引っかかったことをネタします。
ただ、現段階での方法論ですから、これから変化するかもしれませんけどね。


引っかかる事を自身の中で笑いに換える、作業をなさっているんですね?
普通に生きていて、引っかかる事っていうのは、自分にとって面白い出来事なんですよ。
僕にしか面白くない事は、その事だけを見ると、誰とも共有できないかもしれない。
だから敢えて、「僕は、こういう事を面白いと思ったんです」っていう出来事を
ストーリーにしたり、どんどん転がしていって、お客さんに提示するんですよ。

伝えるために必死になって、面白くする作業を進めていくと、
普段、何とも思っていない事でも、「コイツは、こんな事を面白いと思ってるんだ」という人が出てきて、
僕と聞き手との間に、ひとつ、世界ができるんですよね。
それは、創作する上での、ある一つの方法論で、時には、馬鹿馬鹿しい噺を作ることもありますよ。
ものすごく陰気な、一つも、笑いや救いが無いような、そういう噺も作りましたしね。
ハードな噺をする事によって、マイナス評価を受けるのも僕自身だから、それなりの覚悟もしていますしね。

色んな可能性が、ありますよ。落語には。
シンプルに、「芸」という観点から落語をみてみると、大きな拡がりがありますよ。


「聞き手との世界」をつくり出す時に、気を付けているのは、どういった点でしょうか?
もちろん、場所は選びますよ。

極論を言うと、「楽しもうと思うなよ」って思いながら高座に立つ事もあります。
それは、「笑う事だけが、楽しみ方じゃないんだよ」という意味なんです。

濃いものを聴いた時に沈んで帰る事があっても、
それが一種の「充実感」だと考えれば、
僕自身は、それを大切にする事だってありますよ。



アドリブを振る時の感覚とは、また少し違いますよね?
アドリブに関して言えば、やっぱり芸人は、その場でウケが欲しいんですよ。
一所でも笑って欲しいっていう時に、申し訳ないけど、アドリブを使いますよね。
逆に、お客さんとの歯車が凄く合ってて、
程よくアドリブを重ねると、さらにポッーンと跳ね上がるときもありますしね。


古典と新作のどちらを演るかは、高座の前に決めていらっしゃるんですか?
そうですね、事前に演目を決めないといけない場合は、
その会の主旨を考えたり、演者を見回してみて、新作でいくか、古典でいくかを決めたりするんですが、
うちの師匠が出るとしたら、
「師匠の前で大きいのは恥ずかしいから止めとこう」とかね(笑)。
そういう駆け引きはありますよね(笑)。


(笑)。
さん喬師匠が、 先程のインタビューで、
「最近はわたしが喬太郎に似てるなんて言われるんですよ」っておっしゃってました。
(大笑)。本当に申し訳ない(笑)。


謙虚でありながら、やんちゃな部分も見え隠れしていますね。
そうなんでしょうね。
謙虚にしているつもりは無いんですが、そのあたりは、うちの師匠に仕込まれたんですね。
やんちゃなのは、謙虚になりきれないんでしょうね(笑)。


その全体像が、ちょうどよく、聞き手にも伝わっているような気がします。
それが、上手く伝わって、喜んで頂けたらと思います。


今後の活動予定など、ありますでしょうか?
8月に「斎藤幸子」というお芝居に出ます。


楽しみにしています。
ありがとう御座いました。
宜しくお願いします!
ありがとう御座いました。

HMV独占入手!スペシャルメッセージ


2009年4月8日 春の大落語祭り
角川エンタテインメント「とっておき寄席」公開録画
in 深川江戸資料館



柳家喬太郎 の全商品リストは、こちら

(社)落語協会;柳家喬太郎プロフィール

今後の予定

2009年8月16日 柳家喬太郎独演会 on『斎藤幸子』
2009年8月31日 第28回 読売GINZA落語会
2009年9月24日 第二回 柳家喬太郎独演会






「寄席対談」前回の対談は、こちら
「寄席対談」全ての対談リストは、こちら



番外編 〜インタビューの最後に〜 よく聴かれる音楽は、ありますか?
僕はね、ロックは聴かなかったですね。
パンクは、殴られそうで怖いですし(笑)。


(笑)。殴るイメージではなく、殴られるイメージなんですね。

そうそう、なんか怖いでしょ?穏やかな歌謡曲が好きですね。

この年になって、ひとりでカラオケ行くようになったんですよ。
打ち上げの後とか、ひとりで飲みたくなったら、地元のカラオケに行くんです。
気持ち悪いでしょ?
でもねえ、気持ちいいんですよ。

だってさ、周りを気にしなくていいでしょ。気を遣って拍手しなくていいしさ。
この前はね、キャンディーズ桜田淳子岡田奈々とか歌いました。
煙草に咽ながら、「俺は、何で夜中の1時に哀愁のシンフォニー歌ってるんだろう??」とか思ってさ。
倅はもう高校1年生だっていうのにさぁ...。

(扇子をマイクにして、「哀愁のシンフォニー」と「気まぐれヴィーナス」をアカペラで歌ってくださいました。)
是非、柳家喬太郎「の・ようなうた-柳家喬太郎歌謡図鑑」をお楽しみ下さい。




CD
落語秘宝館: 5


【収録内容】
1、ハンバーグができるまで(46'08)
2、夜の慣用句(21'42)


DVD
落語集: アナザーサイド Vol.2


「落語の大学」は噺家やネタをパロッた語り口がマニアにはたまらない作品。「鬼背参り」は夢枕漠の書き下ろし。江戸期が舞台の鬼や陰陽師も登場する怪談味タップリの緻密な構成で、 喬太郎は真っ向勝負の熱演で聴かせる。50分超の大作にして未来の古典。



CD
名演集: 1: 寿限夢 / 子ほめ / 松竹梅

【収録内容】
1、寿限無
2、子ほめ
3、松竹梅




BOOK
落語こてんパン


あらすじ紹介や解説はもちろん、演じる立場からみた作品論、 やりどころや難しさのエピソードも満載。新しい古典落語案内。


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