9/30より動画メッセージ公開! 寄席対談 〜第九幕〜
Wednesday, September 30th 2009
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人情噺で涙を流させ、滑稽噺で笑わせる。 |
高座では、美しさの中に無邪気さが見え隠れしているように思えるのですが、 ご自身の性格というよりも、何処かで拾ってくる表現方法なのですか? |
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普段の生活で落語のヒントになるのは、周りの人を、よく見ることですね。 例えば、デパートでお祖父ちゃまが蕎麦の汁を買っている、とします。 それを見て、お祖父ちゃまの生活をイメージします。 お祖母ちゃまが居ないので、一人でご飯を食べるのか、 久し振りに、お孫さんが訪ねて来ているのか、 蕎麦の汁を買い置きするだけなのか、そういう事を幾通りも連想するんです。 |
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昔、よく話されていた枕に、手袋シリーズがありましたよね。 手袋を落とした女性の表現が、絶妙でした。 |
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え?そんな枕、ありましたか(笑)!?そうですか...。 |
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連想することで、古典落語が如何様にも拡がるんですね。 |
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そういうことですね。 こんな見方もあります。 世間一般で、大人が「この頃の若い者は...」って若者への文句を言うけれど、 ローマ時代の書物にも「この頃の若い者は...」というフレーズがあるんです。 この「この頃の若い者は...」っていう表現は、なかなかの歴史を持っていますね。 同じ言葉で語り継がれていても、その時代にしか捉えられない側面がある。 そういった細かい部分を、どのように表現していくか、っていうところが落語の面白さですよね。 吉原のような、偏見を持たれてしまう可能性がある題材を扱うときに関して言えば、 矛盾や反発を感じさせないよう、「身売りをしてまで、守りたいものがあった」という事実を語らないと、 お客さんの心にきちんと届きませんからね。 |
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人情噺の背景にも、きちんとした意味付けがなされている、ということですね。 |
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これは、小さん師匠(五代目 柳家小さん)が言ってくれたことで、 「お前の考えなんて、誰も聴きに来てないんだよ。 お前の考えを他人に押し付けるんじゃねえ。 どんな噺でも笑えて、どんな噺でも泣けるのが、落語だ。 お前の考えを押し付けられたって、お客は楽しくも悲しくもねえよ。」 そう言われたことで、体中の鱗が取れて、素っ裸になりましたよ。 初めて、私の落語を全編聴いてくれた時でしたね。 うちの師匠は、よく楽屋で弟子の落語を観てくれて、 「おい、こっちおいで」って呼んで注意してくれましたけど、 あの時の「おめえの考えなんて、誰も聴きたくねえ」っていう言葉は、 横っ面張り倒されたような衝撃がありましたね。 自分とお客さんが一緒に楽しんで、一緒に悲しくなれる。 そいういうことを演るのが、落語なんだ。 って思うようになりましたね。 |
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そういった考えは、お弟子さんにも伝承されていくのでしょうか? |
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そこが、難しいんですよ(笑)。 うちの喬太郎を見ていると、わかるでしょ? アイツは、なにを考えてんだか、私にはさっぱり解かりませんよ。 ・・・・・。冗談ですけどね(笑)。 大体、弟子っていうのは、師匠に似るんですよ。 生活も食事も一緒ですし、プライベートの事も全部知ってるし、 「師匠は本音と建前を、こんなふうに使い分けるんだな」とか、よく観察してますから、自然と似てきますよ。 最近の枕でも、よく話しますが、「弟子は、師匠の名前を残す唯一の人間」なんですよ。 師匠が弟子の名前を残してあげることは、出来ない。 弟子が師匠の名前を残す。 それによって、両者が立ち行くんですね。 能とか歌舞伎には、継承しなくてはならない「カタチ」があるんですが、 落語には、そういった意味の「カタチ」がありませんから、師匠と同じように演る必要は、無いんです。 師匠の考え方や、物の見方を受け継いで、新しい「カタチ」を造っていくんです。 |
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どうですかねぇ。 若い頃は、すごく似てたんだけどね。 最近は、俺が喬太郎に似てる、な〜んて話も出てますよ(笑)。 ただねぇ、アイツは落語が好きなんですよ。 私はね、落語をあんまり好きだと思った事が無くてね。 自分にとって、落語っていうのは、苦しいものでしたから。 どうして噺家になったんだろうなぁ...なんて、思った事もありましたよ。 |
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もし、噺家さんになっていらっしゃらなかったら、どのような道へ進まれていましたか? |
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学校の先生ですね。 それにしたって、同じような商売ですね(笑)。 |
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やはり、語ることがお好きなんですね。 |
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理屈を捏ねる事が好きなんでしょうね。 落語というパフォーマンスを与えられて、いまは、とても満足していますよ。 お帰りになるお客様と、演芸場のエレベーターで一緒になった時、 素敵なお顔で「楽しかったです。感動しました。」そんな言葉を頂いて、一人になった瞬間、 顔がポ〜っとして、嬉しいような恥ずかしいような気持ちになったりします。 |
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さん喬さんが、「とっておき寄席」の出演者を召集なさった、というエピソードを伺いましたが? |
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いえいえ、企画者の方からご相談頂いたので、今回のような内容を一例として挙げさせて頂いたんです。 落語に関してマニアックな方で無くても、十分楽しめますし、 遠方から寄席へ出かけられない方も、寄席の雰囲気を味わえるので、とても画期的な作品だと思いますよ。 |
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この後の高座も、楽しみにしています。 ありがとう御座いました。 |
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是非、楽しんで下さい。 ありがとう御座いました。 |
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HMV独占入手!柳家さん喬師匠の動画メッセージ
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2009年4月8日 春の大落語祭り 角川エンタテインメント「とっておき寄席」公開録画 in 深川江戸資料館 |
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柳家さん喬 の全商品リストは、こちら
(社)落語協会;柳家さん喬プロフィール |
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「寄席対談」 前回の対談は、
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「寄席対談」 全ての対談リストは、
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DVD 本格 本寸法 ビクター落語会: 柳家さん喬: 其の参 [収録内容] 「時そば」 18分18秒 ビクター落語会 第9回(夜席)より 「掛取万歳」45分45秒 ビクター落語会 第11回(大感謝祭)より |
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BOOK えほん寄席 伸縮自在の巻 おもしろ落語絵本 落語の名作を子どもにも分かる内容にアレンジし、著名イラストレーターが絵を描いてアニメーション化。 小学館では放送と同じ音源を使ったCD付の「えほん寄席」の単行本をすでに6冊刊行し、 テレビと同様、大きな話題を集めています。 今回の本はその続巻になります。もちろん今回もCD付き。 「読んで、見て、聴いて」楽しむ落語絵本です。 |
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