SSSCインタビュー

2009年7月2日 (木)

interview

Street Sweeper Social Club

つまり、僕たちの音楽は武器である、という発想さ。

---  今回のアルバム制作のきっかけは、仕事をしたくてもできない人が多い現在の社会情勢であると伺いましたが。

まさに、この経済的に波乱の時代にこういうレコードを作って発表するのはきわめてタイムリーだと思うよ。ここアメリカは不況のまっただ中で、たった1%の欲に駆られた悪徳富裕層が経済を破壊してしまったというのに、苦しんでいる納税者からのプレゼントとして彼らに巨額の救済措置を施してやるなんて……。こういう時代には、たんに聞いてロックできるだけじゃなく、不満の炎を煽るような音楽が必要なんだ。ウォールストリートにピッチフォーク(三つ叉)や松明(たいまつ)を持って乗り込んでいきたいと思っている人がいたら、そういうすべての人たちへのサウンドトラックなんだよ。

--- ブーツ・ライリーのリリックについて教えてください。ギター・リフに負けない熱いライムを聞かせていると思いますが、オーディエンスにもっとも聞いてほしいメッセージがこもった曲があれば曲名とその理由を教えてください。

ひとつだけだけことに強調したいメッセージを持った曲を選ぶというのはむずかしいな。でも、アルバムの最後の「Nobody Moves (Till We Say Go)」という曲はバンドのヴァイブとアルバムの歌詞が持つパンチの両方を見事に要約していると思う。ブーツとは政治面でもきわめて似通った意見を持っているから、彼の書くものを全面的に信頼しているんだ。僕が意見を挟むことはなかったね。

--- アルバムを通じて、リスナーにはどんなことを感じてほしいですか? また、どういった行動を起こしてほしいですか? 

まず言いたいのは、どんなレコードだってメッセージを持つことはできるってことだ。でも、何より大切なのは、歌と音楽が素晴らしくなくちゃいけないってこと。それでこそメッセージにインパクトが加わるんだ。だから、このアルバムで人々が狂ったようにヘッド・バンギングし、ワイルドにお尻を振りながらノリまくってくれることを期待してるよ。そして、そうしながら何かをいくらかでも学んでくれることを願ってる。

--- 日本もまた失業問題は深刻で、社会にはフラストレーションがわだかまっていて、あまり雰囲気はよくないのですが。このアルバムはそんな状況に何らかの影響を与えられるでしょうか。

音楽にはふたつのこと——時代を反映すること、それと時代を変化させること——ができるんだ。今はたしかに、ふたつの違法な戦争や掃きだめ化した経済に関して不安が大いに渦巻いている。そういった多くの不安がこのアルバムには反映されているけど、同時にこれは戦いの歌でもあるんだ。自分の権利のために立ち上がる人々に捧げるアンセムなのさ。自分のために役人の代表が何かやってくれることをただ待っているのでなく、自らの手で歴史を掴み取ろうとしている人たちに捧げるものなんだ。

--- アルバムのアートワークはすごく象徴的なものだと思いますが、そのコンセプトについて教えてください。

さっきも言ったように、ストリート・スウィーパーというのはオートマチックの銃器であって、ブームボックス(大型ステレオラジカセ)の前面から銃が突き出しているというアイデアは、音楽が僕たちの武器であるということを示しているわけだよ。これで僕らは通りを掃き清めるんだ——バカどもでいっぱいの通りをね(笑)

--- あなたは他にいくつものバンドを抱えて活動されていますが、頭が混乱してしまうことはないんですか?

アーハッハハ(爆)、いやあ、しょっちゅう混乱してるんだよ! 僕は音楽的にあれをやったりこれをやったりというのを行ったり来たりできる自由がすごく好きなんだ。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンでライブをやるのが大好きだし、ナイトウォッチマンみたいなアコースティック・ミュージックをやるのも大好きだし、ああいう音楽は自分にとってとても重要なものだと思ってる。で、今はとにかくストリート・スウィーパー・ソシアル・クラブに集中しているんだ。すごくエキサイティングなニュー・バンドで、プレイしているのが最高に楽しいからね。

--- ナイン・インチ・ネイルズやジェーンズ・アディクションなどのツアーがほぼ終了したところだと思いますが、今後このユニットはどういった活動をしていくのでしょう。今回限りのプロジェクトになるのでしょうか?

バンドとして2度目にやったショーはニューヨークのアップステートにあるシング・シングという最高に厳重警備の刑務所だったんだよ。ライブ・グループとしてのキャリアを最重警備の刑務所でスタートできるなんてすごくエキサイティングだろ? 今後も可能性は大きく開いてるから、いろんなことができると思ってるよ。

1stアルバムStreet Sweeper Social Club
Tom Morello とThe CoupのラッパーであるBoots Riley の2人ユニット。Tomがギター&ベースを担当、Boots Riley がヴォーカル担当、そしてドラムはGalacticのStanton Moore が参加しており、プロデュースもTom自身が行っている。
アルバムについてはTomは、「失業者がウォール街を襲撃する時にipodで聞くにふさわしい曲」とコメントしていように、Boots Riley のライムする政治的メッセージは、まさにRATM直系!
常にポリティカルなメッセージを発信し続けるTom Morelloですが、今作はまさに闘争心湧き上がるRATMファンも必聴のサウンドとなっています!!

profile

元レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが新たなパートナ、ブーツ・ライリーとともに立ち上げた最新プロジェクト。
ドラムにギャランティックのスタントン・ムーアを迎え、そのしなやかで強靭、爆裂すファンクネスを手にしたトムは、レイジ時代を彷彿とさせるハード・エッジなギター・リフが完全復活。ブーツ・ライリーの扇情的なライムとトムのギター・ワーク、スタントン・ムーアの強靭なファンクネスとが渾然一体となり迫ってくる、ファン待望の作品となった。
最も信頼されるミュージシャンによる最強のストリート・ミュージック!それがストリート・スウィーパー・ソシアル・クラブだ!!