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『愛のむきだし』 満島ひかり インタビュー

2010年10月26日 (火)

満島ひかり Mitsushima Hikari

『愛のむきだし』を観終わってからすっかり、ひかりちゃんの虜になってしまい、DVDのリリースのタイミングで「ぜひ、お話ししたい」と思っておりまして・・・念願叶っての今回のインタビューとなったのですが、『愛のむきだし』をきっかけに映画や舞台と、演じる機会が増えている彼女の”今”。その心境や想いなど、目をらんらんとさせながら、お話してくれました。本日発表!第34回報知映画賞 新人賞受賞! INTERVIEW and TEXT: 長澤玲美

自分自身では、満島ひかりになれた感じがします。『愛のむきだし』を終わることによって。

--- 本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

--- 7月24日に『愛のむきだし』がDVDでリリースされるタイミングでの今日のお話しになるんですけど、『愛のむきだし』を観て、作品ももちろん大好きだったんですけど、わたし、ひかりちゃんにずっとお会いしたくて(笑)。「この子すごいな」って思っていたので、いろいろお話しさせてもらいたかったんです。

うれしいです、ありがとうございます(笑)。

--- 映画の公開の時に、園監督にもお話しを伺ったんですけど、園さんにすっごく鍛えられたそうですね?(笑)。

はい、撮影中はすごく鍛えられました(笑)。体育会系のコーチと選手みたいな状態でやってましたね。

--- 園さんは、ひかりちゃんのことを「『エクステ』の時に「ちょっとおもしろい子だな」と思ったそうで、その後、『帰ってきた時効警察』の「#3 えっ!?真犯人は霧島くん!?」では・・・。

タコ踏んじゃって死ぬ人の役を(笑)。

--- ですよね?(笑)。その時に、「まだ発見されてないけど、この子は“原石”だな」と思ったそうで、「次に何か、満島ひかりできちっとやろうかな」と思ったそうなんですが、ひかりちゃんがヨーコ役に決定したのは、具体的にどのような経緯があったんですか?

わたしがちょうどその頃に、すごい小さい劇場ですけど舞台をやってて、監督がそれを見に来て下さって。実は最初、コイケ役でお話しを頂いていたので、「コイケをやるんだ」って思って、ずっと(台)本を読んでたんですけど、舞台を見に来てくれて、その芝居を見て、「これ、ヨーコじゃねえか」って思ったらしくて(笑)、「前はコイケって言ったんですけど、改めて、ヨーコでオファーしたいんですけど・・・」っていう風にお話しが来て、それでヨーコに決まった感じですね。最初、(台)本とかも、ヨーコ自体がもうちょっとこう・・・清純系というか、毎日白いワンピース着てそうな女の子の設定で描かれてたんですけど、わたしがやることに決まって、ロックテイストになっていったというか。

--- 園さんの中でひかりちゃんのイメージがあったんですね?

そうですね。園監督の作品に出る時、だいたいロックになっちゃいますね(笑)。必ずタバコを吸わされて、目の周り真っ黒にされるんで。それはたぶん、イメージかもしれませんね。今回ももっと、最初はコテコテのロックで衣装とかも全部作ってたんですけど、安藤サクラちゃんが真っ白な衣装で、すごくいいお芝居をしてたから、園さんがそれを見て、「ロックやってるとそういう格好によって、この子が生きてるって見られるから、とりあえず全部落として、まっさらで安藤(サクラ)と戦え!」って言われて、そういうロックテイストが徐々に落ちていったりはしましたけど。

--- 園さんの撮影現場はリハーサルみたいな感じで、お芝居の稽古があってから撮影に入るんですよね?

そうですね。リハーサルもあるんですけど、むちゃくちゃなんですよ、全部。本読みもむちゃくちゃだし、いない人のパートは全部、監督が読んでたりとかするんですけど、監督が一番上手かったりするし(笑)。最初のリハーサルは精神病院のシーンとかからだったんですけど、全然セリフも覚えられないし、感情も入らないしっていう状態でやってて、リハーサルの段階からしごかれてるというか。アクションも、坂口(拓)さんはわたししか教えてないんですけど、坂口さんのチームの方が道場で2ヶ月くらい稽古してた時にも、それを目を光らせてちょくちょく観に来るというか。そういう感じはずっとありましたね。だから、形をきちんと作るっていうよりも、感情を開放出来るとか、身体の動きを開放出来る瞬間を増やしていく作業というか。それをしてくれる監督だなって。舞台とかとはまたちょっと違う稽古の仕方かもしれないですね。とりあえずみんな、汗だくでドロドロで、涙とか鼻水とかも出てる状態の稽古でしたね、ずっと(笑)。

--- そういう現場を体験されたことは今までなかったですか?

そこまで受け入れてくれる現場はなかったですね。「出せなかったんじゃなくて、出さなかったんだな」って思いました。園さんは、許容範囲がすごい広くて、人間に対して大きく受け止められる方だと思うので、そこに開放できる瞬間を見出せるというか。「もっとぶつかってもいいんだぞ」みたいなのをたくさん学んだ気がします。やらないと怒るんですけど、やればやるほど怒られないんで(笑)・・・やればやるほど受け止めるタイプの方ですね。

--- 現場に入って時間が経つごとに、要求に変化はありましたか?

要求してることは、リハーサルとか(台)本読みの段階から1つも変わらずに一貫してて、「役者なら感動させろ」っていうのと「君の人生自体がダメ」っていうのと(笑)・・・「もっと!もっと!」みたいな「人間力を出せ」っていう要求しかされてなくて、「役を作れ」とかそういうのはなかったですね。1週間ちょっと撮影した時に、「今日やっと、ヨーコになりましたね」とかって言われたりしたんですけど、わたしの中では何も変わってなくて。でも、見てる方からしたら、顔つきが変わったりとかすることがもしかしたらあったかもしれないです。

--- 最近は、「『愛のむきだし』の満島ひかり」っていう風に紹介されることが多いと思うんですけど、この作品に出演される前と後では、ひかりちゃん自身の心境も含めて、取り巻く環境の変化も大きいですよね?

そうですね。とても変化しました(笑)。そして、わたし自身は、とても普通になりました。これだけ自分を解放した状態の作品を出して、受け止めてくれる人がたくさんいたから、「生きてていいんだ」っていうか(笑)、「何かを表現する立場にあっていいんだな」っていう自信が少し付きましたね。この前まではわたし、よく分からなかったんです。「わたし誰だろう?」とか(笑)。もちろんそれは今もありますけど、自分の自己紹介とかを普通に堂々と出来るというか、「わたしここに生きてますけど?」みたいな(笑)、そんな風に言えるように、普通に存在出来るようになったっていうのがわたし自身は大きくて。「もうわたしダメかも」とか「この役一番難しい」とかって毎回言いながら、もがきますけど(笑)、自分自身では、満島ひかりになれた感じがします、『愛のむきだし』を終わることによって。

小さい頃から、歌って踊ってアイドルとかをしてたから、その流れで今までアイドルっぽい、かわいい役が多かったんですよね。でも、『愛のむきだし』では、こんなに汗みどろで鼻水だらだらで、汚い顔とか汚いこともいろいろしたりとかしているので、そういうものを見せたことによって、周りも「ああ、この子はこんなに自分を解放して取り組んでくれるんだ」っていうのをたぶん、感じて下さったようで、出演出来る作品が増えてきた、呼ばれるようになってきたっていうのも変化だと思いますね。

--- すごく大きいですよね。

もう、すごく大きいです。今、この『愛のむきだし』の後って、ほとんどいい作品しかやってなくて(笑)。それもすごいなって思うんですけど、やっぱり、ここでしっかりベースを作っておいたから、本気の人達が呼んでくれるっていうか。ただ売れるとか、かわいい映画を作ろうとしてる人じゃなくて、「本気で誰かに何かを感じて欲しい」って思うような作品を作りたい人達が周りに増えてきてるし、呼ばれるようになってきたのはすごいなあって。

あと、名画座とかに通ってそうな(笑)映画のファンが増えたのがうれしいです。映画のファンって、「満島さん、あのシーンよかったですよ」とか帰り際に声をかけたり、すごい普通なんですよ、役者との接点が(笑)。そこがおもしろいっていうか、こんなに冷静にしゃべられると、「ああ、この人達のためにもっと何かやろう」って思うっていうか。「あなたが存在するだけでいいんで、いっぱい映画出て下さい」とかって言われると、「あ、いっぱい出ます」みたいな・・・いいファンが増えたというか。今までを否定してるわけではなくて、今までは身体に付属してる何かを見て評価する人の方が多かった気がするんですけど、今は、わたし自身を見てくれる人達が増えた感じがします。わたし自身を解放したものが1つずつみんなに受け入れられるっていう現状はとてもうれしいです(笑)。

--- そういうお話しを聞いて、こっちまでうれしくなっちゃいました(笑)。

(笑)。「『愛のむきだし』の満島ひかり」って書かれても、すごいうれしいです。そういうの嫌がる人っているじゃないですか?たまに。でも、「もう、どんどん書いて下さい」みたいな(笑)。

--- ある意味、ここからスタートというか、お芝居への道がすごく広がったっていうことでも、重要な作品ですね。

はい、とても。

--- Folderでデビューされて、Folder5になった後、今はソロ活動をメインにされていますが、以前から役者さんをやりたかったんですか?

お芝居はもともと、仕事をする前から好きだったんですよね。小学生の時、学校の文化祭とかで一人芝居をやったりもしてて。その後、ダンスとか歌をやるようになったんですけど、たまたま縁があって、Folderをやるちょっと前に『モスラ2』っていう映画に出ました。その当時、まだ12歳だったんですけど、やってる最中は本当に帰りたくて、「夏休み返して」とか(笑)、毎日わがまま言ってたんですけど、出来上がった作品を観て、スクリーンで大きく映し出された自分の顔とか表情とか、見たことない声とか動きとかを観て、その時に自分で自分に感動しちゃったんですよね。そこから「お芝居がしたいな」って思うようになったんですけど、でも、音楽の世界にいて。気持ちの中ではずっと、「役者がしたい」っていうのはありましたね。

--- ひかりちゃんのブログ、“きょうのひかり”には、ご自身のいろいろな悩みも含めて、お芝居に対する気持ちがたくさん書かれていて、「演じたい」っていう気持ちがすごく伝わってきたんですけど、カオリ役で共演された渡辺真紀子さんとご飯に行かれたりもしてるんですよね?演技のお話しなどもされるんですか?

はい、よくお会いして、いろいろお話ししますね。渡辺(真紀子)さん、芝居とかするよりたぶん、観る方が好きな人だと思うんですよね(笑)。だから、新しいものとかも知ってるし、いろんなもの観てるから、めちゃくちゃ詳しいんですよね。お芝居のお話しをすることもたくさんあるんですけど、でも最近会うと何か、「満島くん、めんどくさい」って言われます(笑)。「あんたさ、あたし最近気付いたんだけど、あんた本当面倒くさい、性格が面倒くさい」って(笑)。でも、あのカオリとヨーコの関係性がずっと、同じように続いてる状態の感じはありますね。母親のようなお姉ちゃんのようなすごくいい関係で、真紀子さんにはすごくお世話になってます(笑)。

--- 「いい出会いなんだろうなあ」って、ブログを拝見してて思いました。

愛のむきだし』の前って、どの作品に出ても友達一人も出来なかったんですけど、この映画をやってから、自分がちゃんと現場に関わるようになってるから、いろんな人に出会って、いろんな人と普段でも交流を持てるようになったんですよね。(安藤)サクラちゃんもすごい仲いいですし。それはすごく大きいなと思います。

--- 今、安藤サクラちゃんのお話しが出たので・・・安藤モモ子(奥田瑛二さんと安藤和津さんの長女、サクラちゃんは次女)監督の 『カケラ』(監督デビュー作)に主演されたり、第19回PFFスカラシップ作品でもある、7月30日に初お披露目となる、石井裕也監督最新作の『川の底からこんにちは』でも主演、吉田大八監督の 『クヒオ大佐』(今秋、公開予定)や富永まい監督の『食堂かたつむり』(2010年、全国東宝系公開予定)にも参加、舞台では倉持裕さん演出の 『ネジと紙幣』(9月17日〜9月27日)にも参加されて、様々なタイプの作品で演じる機会が増えてると思うんですけど、作品選びに関してはどうされてるんですか?「きっと、これよりもたくさん、出演のオファーが来てるんだろうな」って、思ってるんですけど(笑)。

オファーをしてもらえる機会がとても増えたのは確かなんですけど、やっぱり、出来るものって限られてるじゃないですか?だから、選んでるような選んでないような状態で決めさせてもらってるんですけど、最近は、新進気鋭みたいな人達とばっかり仕事させてもらってるので、それはすごく刺激になりますね。吉田(大八)監督とかもまだ『クヒオ大佐』が2本目で、1作目の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が評価されて、パワーが沸々してるちょっとおかしな方だったんですけど(笑)、それも何か、題材がおもしろかったっていう決め方もありますし。安藤モモ子監督はもう、会った瞬間に「絶対やりたい!」って思って、これはオーディションだったんですけど。たくさん迷惑かけましたけど(笑)。

--- 迷惑を?

毎回なんですけど、現場でまた案の定、ケンカしたりとか(笑)。吉田監督は大人なので、ケンカはなかったですけどね(笑)。倉持(裕)さんの舞台に関しても、オーディションだったんですけど、すごくおもしろい作品で。だから、選んでるっていうよりも、天の人達が選んでくれてるっていうか。(強調して)本当に運がいいと思います、そういう意味では。で、やっぱり、運がいいだけだと残れないので、その度に『愛のむきだし』以上のモチベーションでいろんなものに応えていかなきゃなって思ってるんですけど、この『愛のむきだし』って絶対、ベースにもなるしネックにもなりがちだと思うんですよね。「これ以上のものが出来ないじゃん」とかって言われたりとかすることもあると思うんですけど、いつも、「前の作品以上のものを」っていうのは心がけてます。でも結局、全部自分でしかないので、自分が日常で成長することを心がけるようにはしてますね。

あと、演じる役も毎回、全然違くて。『愛のむきだし』と『プライド』やった後から、おとなしい役というか、だっさい人の役が多くて、「これは何なんだろう?」って思ってるんですけど(笑)。石井裕也監督の『川の底からこんにちは』では、「立川談志をイメージして下さい」とかって毎日言われて(笑)、「立川談志?イメージ分かんない」とかって思いながらやってましたね(笑)。でも、どの現場も結構ハードにやってます。ただ、いわゆる一般的に有名な人が出るような大きな作品になってくると、特に緊張しちゃうんですよ、すっごく。「一緒に戦える人がもしかしたらいないんじゃないか?」っていう感覚に陥ってしまって。

--- 緊張した時はどうしますか?(笑)。

本番になっちゃえば緊張しないんですけど、本番前が結構、まずい状態なので(笑)、好きな人のCDをめちゃくちゃ大音量で聞いてたりとかして。わたし、すぐ目がらんらんとしちゃうので(笑)、この間は『食堂かたつむり』の撮影で、「満島さん、感情が出過ぎてるので抑えてもらってもいいですか」とか「ちょっとこわいです・・・」とかってずっと言われてたんですけど、その抑え方がよく分かんなくて、日活撮影所でダッシュしたりして、とりあえず普通にしようとしたりとかして(笑)。

--- そのテンションを正すのもお芝居というか。

そうですね。現場に行ったら、「監督と横並びで歩くような役者でいたいな」とは絶対に思っていて。監督より先に行ってもダメだし、後ろに下がってもダメだし、横にいて常に何を求めてるかとか、わたしがしたいことをちまちま伝えたりとか。

--- わたしは、ひかりちゃんはそのうち、「大きな賞を獲るんじゃないかな」って思ってるんですよね(笑)。

獲りたいです(笑)。賞とかもらったことないです。 (この取材の後に、2009年 モントリオールファンタジア映画祭 Fantasia International Festival 2009で、ひかりちゃんは、最優秀女優賞(Best Female Performance) を獲りました!)

--- 真剣に役を演じることを今みたいに続けられていたら、きっと近々、そういう結果になって出てくるんじゃないかなって、わたしは勝手に思ってるので・・・1ファンとして応援してます(笑)。

がんばります(笑)。映画って、撮影しても公開されるまで1年近くあるじゃないですか?だから、結果が分からない・・・結果というか、観た人の反応が伝わって来ないから、次の作品に行く時にまた、こわいんですよ。やっぱり、ダメだったらダメって言って欲しいし、1回よかったからって、次の作品がちょっとダメでも、「次また呼びます」みたいなのってすごい嫌いなんですよ。「『愛のむきだし』でよくて、『プライド』でダメだったらもう呼ばない」とか、それぐらいシビアな世界だとは絶対思っているので。そういう意味でも、反応が返ってくる時間がおそいから、自分で自分に反応しながら次に進まなきゃいけないというか。「わたしは今回、何が出来た」とかっていうのを確認する作業がもう、本当に嫌です(笑)。

--- 嫌ですか?

(きっぱり)嫌です(笑)。もう息詰まります、苦しくなっちゃって。最近も、家に帰る時いつも、そわそわし過ぎて泣いてたりとか。することもたくさんあるんですけど、何していいか分からない感じで。でも、もうちょっとがんばらなきゃって思ってるんですけどね(笑)。

--- 他に今後の予定で決まっているものはありますか?

ちょっとこれはまだくわしく言えないんですけど・・・撮影もだいぶ先なんで。ただ、すっごいいい話ですっごいいい役なんですよ!だから、どうしても取りたくて、オーディションがんばったら通っちゃって!(笑)。

--- どんな作品だろう・・・(笑)。

すっごい、本当にいい作品に巡り合って、「こんなにいい人間がたくさん溢れてるんだなあ」って思いますよ、役やりながら(笑)。おもしろいものにやっぱり当たってるんで。

--- ひかりちゃん自身がそういう波を生んでると思いますよ?(笑)。

そうですか?(笑)。

--- わたしは結構、目に見えないものを信じる方なんですけど、いい波長が出てる人の周りには、そういう人達が集まってくるようになってると思いますね。

絶対そうですよね!わたしは、波長でしか生きてないので、むしろ(笑)。だから今、論理を学んでるんですけど、がんばって。いい作品に巡り合うようになってるというか、本気で行くと、本気の人と目が合うと伝わるんですよね、本気さが。今も、捨て身っていえばそうなんですけど、『愛のむきだし』とかをやってる時は、もっと捨て身だったというか。でも、前より瞬間的にパワーが出ることが増えましたね。前はもう、常にダッシュみたいな状態で、疲れて血が出てもダッシュみたいな(笑)・・・もう、ダッシュしまくって死んでやる!みたいな状態だったんですけど(笑)、今はちゃんと歩きながら、ダッシュしなきゃ行けない時には出来るような状態になりつつあるので、それはいい状態だなって。

あとは常に、今後も毎回新鮮な人でいたいなって思います。「ああ、満島さんだね」って風に見られるよりも、「え、誰これ?」っていうくらいの方がいつもちょうどいい。売れたくないとかそういうわけじゃなくて・・・売れたいですけど(笑)、名前は世に出て、見てくれる人が増えればいいって思いますけど、そうじゃなくて、毎回ちゃんと挑戦出来て、毎回新鮮でいられる役者でいなきゃいけないなっていうのは、絶対そうだなっていうのは思いますね。

--- 演技の方に完全に・・・。

シフトチェンジ(笑)。

--- その噂の大きな作品というのが公式発表されるのもたのしみにしてますね(笑)。

はい、たのしみにしてて下さい(笑)。本当にがんばります(笑)。

--- 『愛のむきだし』には、特典ディスクが付いていて、メイキング、未公開シーン他、特典映像満載!ということで、『愛のむきだし』を“むきだし”にする130分を越える映像特典が収録されているんですよね?

すっごいですよね(笑)。

--- ひかりちゃんのパートは、「踊れ!ヨーコのイメージアルバム(ヨーコの未使用シーン)」もあり・・・。

わたし、すっごい踊ったんですよね(笑)、クラブのシーンで。一人でカメラに向かって、ずっと踊ってるそのシーンを“Chapter ヨーコ”の始まりに使うはずだったので、ずっと踊ってました(笑)。それも入ってます。

--- 園さんは公開時、「6時間くらいだったものを編集で何とか4時間にした」っておっしゃってましたけど、メイキングはその2時間カットした分も満載なのかなあと・・・。

カットしたシーン自体って、実際はあんまりないんですよね。カットされたシーンが入ってるっていうよりは、カットがいくつかパパパパって入る感じですね。6時間から4時間にする時に、丸ごとシークエンスを落としたわけではないので、ちょっとずつつまんでいって。監督、間をつめるんで、編集ですごく。その間で1時間ちょっとぐらい、つまってるところはあると思いますね、絶対。改めて、メイキングとか観ましたけど、おもしろかったですよ?(笑)。何か、超むきだしてる(笑)。「監督、超キツいですけど負けません!」とか「園子温に勝ってやる!」とか「あいつムカつく!」とか普通にしゃべってたりとかしてて、「バカじゃないの」ってことを言ったりしてるんですけど(笑)、「ああ、わたし、ああいう人なんだな」って、観てて思いました。

--- そういうところも普通に使われてるんですね(笑)。

はい、使われてますね。普通のメイキングみたいにかしこまった感じはないですね。

メーカーさん:そういう余裕のある現場でもなかったのは、よく見て取れましたけどね(笑)。でも、「園さん、すげえこわいな」って思って(笑)。

こわい!(笑)。わたしが電話してるシーンとか「感動させろ!」とかって・・・。

メーカーさん:「うわー、無茶だな」って。

終わった後に、ソファーにへたり込んだりして、バッって立ち上がって、すごい顔でわたしも歩いていくんですよ。「負けねえ、アイツ」みたいな感じで(笑)。違う作品としてもおもしろいですよ?(笑)。

メーカーさん:『愛のむきだし』の“むきだし”っていう(笑)。

愛のむきだし』の“むきだし”!(笑)。

--- 話しがちょっと前後しちゃうんですけど・・・ひかりちゃんのブログ(“きょうのひかり”)は毎回、歌詞が文章の前後に入ってますよね?普段、音楽すごくいっぱい聴かれてるのかなあって思って。

音楽好きです。

--- 戸川純さんとかもお好きなんですよね?

はい、戸川純さん、大好きです。

--- 今回、ゆらゆら帝国が映画のテーマ曲としてたくさん使われてましたけど、ひかりちゃんがいろいろアクションしてる時にかかりますよね?

「僕の心を〜♪」とか(笑)。

--- わたし、ゆらゆら帝国も大好きなので、もうどんぴしゃというか(笑)。

合ってますよね、ゆらゆら帝国。あの人達、映画観たのか分からないけど、でも、観てなさそうな人達だからまたいいんだよなあ(笑)。

--- 「人を愛して、すごく虚しくなる気持ちを“空洞”ということに当てはめるとすごく、いいなあって思った」そうですね、園さんは。

「空洞」はいい言葉ですよね。わたしもこの作品をやって、でっかい空洞が出来た気がします。身体の中の細胞が・・・適当に散らばってたものがぎゅってつまって、真ん中が空いて、後が全部ぎゅってつまった感じの状態になったと思いますね。

--- 音楽が入ったことで、新しい感動はありましたか?

そうですね。音が付く前の状態もわたし見たんですけど、「音ってすごい」というか。表情も変わってるように見えたりとか。ゆらゆら帝国に限らず、賛美歌とかもすごいよかったし、あと、ヴェートーヴェンの交響曲第7番、あれ、わたしうれしかったですね。あの曲と一緒にコリント書第13章が流れたり、あとサン・サーンス(交響曲第3番)!音がすごいきれいな映画でもあるなあって思いますね。現場とかでむきだしでハチャメチャに撮ってた分、編集できちんとしたものが作り上げられているので、本当にすごい好きです、この映画(笑)。

--- 真ん中くらいでちょうど切れますよね?(笑)。マスコミ試写の時にああやって真ん中に入って、園さんは「あれは切るつもりもなかったし、あそこで切っちゃうと前半と後半っていう風に分かれちゃうから嫌だったんだけど、公開の時は切らないかも・・・」っておっしゃってたので、その事実も確かめたくて公開されてからもう1回観に行ったんですけど、やっぱり切れてて・・・(笑)。

しかも、変な風にブツって切れてるんですよね(笑)。でも、切れない方がおもしろいですよね、本当は。ベルリンは切らないで4時間流してたらしいんですけど、やっぱり、観方が違かったらしくて、サソリとかが0教会に入っていって、人を斬るシーンとか「ウァーオ!」とかみたいになってて、熱狂!みたいな(笑)。みんな、ビール飲みながら、「コイケ、イエイ!」とか言ったりしてたらしくて、何かおもしろいなあって思いましたね。これだけ解放してれば、どこの国に行っても伝わるっちゃあ伝わるなって思うのは、それこそ、見えないものをずっと表現してる映画だから。

--- 最後にこれだけは伝えたいとか、今ひかりちゃんの中で大きく、大切に思ってることなどがありましたら、お伝え下さい。

うーん、難しいですね。でもやっぱり、作品を観て、愛情を耕して下さい(笑)。あとは・・・伝えたいことたくさんあるんですけど、言葉にするのって難しいですよね。やっぱりすごいなあ、脚本書く人とかって本当に(笑)。でも、この作品を観てもそうだし、わたしが今からやっていくこともそうなんですけど、ものすごく開眼して、むきだしてやっていこうと思うので、「希望を見出して欲しい」って思いますね。映画を観た人とか、わたしが他の作品でお芝居をして観てくれた人に希望が与えられればいいなって思います、はい(笑)。希望でした(笑)。

--- 今日はいろいろ、ひかりちゃんとお話し出来て、たのしかったです(笑)。ありがとうございました。

ありがとうございました。すごくたのしかったです(笑)。

ひかりちゃんから動画コメントも到着!
愛のむきだし
観ないと・・・人生損しますよ?満島ひかりちゃんがヨーコ役で大熱演!園子温監督最新作『愛のむきだし』は、237分の超大作!キリスト教、罪作り、盗撮、アクション、カルト教団、三角関係、女装、脱出・・・。人間の本質を”むきだし”にする問題作!”実話をベースに描くめくるめく無敵の”純愛”エンタテインメント!メイキングも『愛のむきだし』の”むきだし”仕様に仕上がってます。「踊れ!ヨーコのイメージアルバム(ヨーコの未使用シーン)」でめちゃくちゃ踊ってるひかりちゃんも、すっごくかわいいのでぜひ!ゆらゆら帝国好きの方も必見!

interview

満島ひかり

profile

1985年11月30日生まれ、沖縄県出身。ダンスヴォーカルユニット「Folder」でデビュー、後に女性5人のユニット「Folder5」となり音楽を中心に活動する。女優としては、1997年『モスラ2 海底大決戦』(三好邦夫監督)にて子役として出演。その後、2005年テレビドラマ「ウルトラマンマックス」(総監督:金子修介)にて本格的に女優としての道を進み始める。近作には、2006年『デスノート前編』『デスノート the last name』(金子修平監督)での夜神粧裕役、その他主演を務めた2007年「僕と彼氏のその彼女」(本広克行監督)、NHK朝の連続テレビ小説「瞳」にも出演。また、2009年には『プライド』に緑川萌役で主演している。

主な公開待機作に、吉田大八監督作品『クヒオ大佐』(今秋、公開予定)、安藤モモ子監督作品『カケラ』(主演)、石井裕也監督作品『川の底からこんにちは』(主演)、富永まい監督監督『食堂かたつむり』(2010年、全国東宝系公開予定)がある。

また、湯布院映画祭 8/29(土)にて、『カケラ』 特別上演 ・出演者シンポジウムに参加決定!

舞台では、倉持裕作・演出の『ネジと紙幣』(9月17日〜9月27日)@ 天王洲 銀河劇場にも参加予定。

2009年 モントリオールファンタジア映画祭 Fantasia International Festival 2009にて、最優秀女優賞(Best Female Performance) 受賞!第34回報知映画賞 新人賞受賞!