LIVE REVIEW

2010年8月4日 (水)

LIVE REVIEW

磯部正文

磯部正文 "磯部正文BAND ONE MAN LIVE"
2010.7.14 (wed) @ Shindaita FEVER, Tokyo

過去の光は、現在を照らしてくれない。現在の光だけが、過去を激しく照らし出す。その光多き場所に、"イッソン"こと磯部正文が姿を現した。「こっちへ来い!」と彼の手を力強く引っ張ったのは、あのヒダカトオルである。

05年にHUSKING BEE(ハスキン)が解散すると、同時進行でやっていたCORNERをやり、その翌年にMARS EURYTHMICSを始動させた磯部だが、今年3月に活動を休止させた。そして、今回ヒダカをプロデューサーに迎え、ソロ・プロジェクト第1弾シングル「Do we know ?」を8月25日にドロップする。今日はそれに先駆けた初ソロ・ライヴとなった。会場は音源発表前にも関わらず、満杯の観客で溢れ返っている。 MySpaceで逸早くアップされた新曲を視聴し、何かを嗅ぎ取った人が多かったに違いない。

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Predawn

Predawn "「手のなかの鳥」 release party"
2010.7.14 (wed) @ Shinjuku MARZ, Tokyo
ACTs : Turntable Films / riddim saunter / ent / Predawn

23歳のシンガー・ソングライター、清水美和子のソロ・ユニット、Predawn。その初の全国流通盤となる『手のなかの鳥』のリリース記念パーティが開催された。すでにさまざまな場所で話題を呼んでいる彼女だけに、Turntable Films、riddim saunter、entという豪華な共演者もさることながら、チケットはソールドアウト、関係者の姿も多く、その注目の高さをうかがわせた。

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SPECIAL OTHERS

SPECIAL OTHERS "QUTIMA Ver.11 〜シングル配布センター〜"
2010.7.4 (sun) @ Akasaka BLITZ, Tokyo

SPECIAL OTHERSが2010年最初に放つシングルは、ライヴ会場での配布CDという形でのリリースとなった。ほぼ毎年コンスタントに作品を重ねながら、あくまでもステージ上でのパフォーマンスでリスナーを惹きつけてきた彼ららしいやり方だと思う。4人のメンバーがその場で鳴らす音楽そのものが彼らにとっての表現であり、録音物はその瞬間をパッケージしたもの。そこから聴こえてくる彼らの楽曲は、時として言葉や声質で聴き手を分けてしまう歌モノ以上に、幅広い層にアピール出来る風通しのよさを備えている。現在のメイン・ストリームの中で、彼らがインストゥルメンタル主体のジャム・バンドという形態を取っていることは、もはや強みだとすら思えてくる

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Pay money To my Pain

Pay money To my Pain "STAY REAL TOUR"
2010.06.19 (sat) @ Shibuya AX, Tokyo

「次はみんなでZEPP(東京)に行くぞ!」という言葉が何の抵抗もなく耳に入り、心の中で深く頷いてしまった。なぜなら、今日のライヴは上り調子にいるバンド特有の覇気に漲り、さらなる飛躍を約束してくれるすさまじいパフォーマンスだったから。

Pay money To my Pain(以下PTP)が6月9日に4曲入りEPと2枚組DVD(その尺はなんと5時間超!)『PICTURES』(タイトルはどちらも『PICTURES』)をリリースし、その東名阪レコ発ワンマン最終日は渋谷AXでおこなわれた。開演前から早くも一部でサークル・モッシュが起き、その光景は後方までビッシリ埋め尽くされた観客の気持ちを代弁しているようだった。緑のレーザー光線が鮮やかに場内を照らす中、メンバーがひとりずつ現れ、最後にK(Vocal)がステージに設置された高台に上がり、両手を広げ、深くお辞儀をする。割れんばかりの歓声を響く中、「Here I'm Singing」のタイトかつシャープなリズムがすさまじい躍動感で観客を牽引し、すかさず怒涛のリフで畳みかける「Against the pill」に移ると、クラウド・サーファー続出で場内は騒乱状態になり、ド頭から完全に引き込まれてしまった。

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9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet "Revolutionary Tour 2010"
2010.6.24 (thu) @ Shibuya NHK HALL, Tokyo

9mm Parabellum Bulletがサード・アルバム『Revolutionary』を引っさげて行うワンマン・ツアー "Revolutionary Tour 2010"追加公演を残しファイナルとなる9本目の会場はNHKホール。9mmとNHKホールなんて、なんだか不思議な組み合わせだ。席を探しながら会場を歩くと、観客の年齢層がずいぶん幅広いことに気づく。首にタオルを巻いたライヴ・ハウス仕様の人もいれば、会社帰りに足を運んだ感じのシックな服装の人もいる。そういえばバッグにマタニティ・マークを付けた女性も見かけた。「そうか、ホールだからこそ観に来れる人もいっぱいいるんだな」。そう思いながら席に着いた。

開演時間を少し過ぎた頃、いきなり客電が落ちてフラッシュライトが瞬く。バリバリに音が割れたSEとともに4人が登場し、『Revolutionary』の冒頭曲「Lovecall From The World」でライヴはスタート。まず思ったのは「音、デカッ!」、その次に思ったのは「絵になるな、この4人!」だった。腰より低い位置にセットされたマイクに顔を寄せ、うずくまるようにしてスクリームする中村和彦(Bass)。射貫くような目でマイクに向かう菅原卓郎(Vocal & Guitar)。カンフー・アクションのごとくギターをブンまわしながら鋭い音を放つ滝善充(Guitar)。狙いを定め、ライフル銃で撃ち抜くようにビートを叩き出すかみじょうちひろ(Drums)。客席からは4人のアクションが隅々まで堪能できる。これぞ席ありライヴの醍醐味だろう。

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SAFARI

SAFARI "MIDNIGHT INSECTS"
2010.6.2 (wed) @ Shibuya O-NEST, Tokyo

浅野忠信とブライアン・バートンルイスのツイン・ヴォーカルを軸とする5人組ハードコア・バンドで、5月に出た3rdアルバム『IRAFAS』のレコ発ライヴ。浅野は登場するやいなやハイテンションで観客をアジりまくり、1曲目「THRILLER」でラップとも絶叫ともつかぬ言葉の連射を浴びせかけ、観客もすかさずモッシュの嵐でそれに応え、いきなりピークの様相だった。

そもそもSAFARIの大きな軸となっているのが、浅野の手によるポジティヴであり反逆的な歌詞で、それは典型的なパンクの精神性といえるものだ。いわばしごく単純なメッセージなのだが、それを浅野が歌うとやたらと説得力がある。このバンドでの彼は、映像作品の中でのクールなイメージではなく、“普段と違ってこんな才能もあるんだぜ”的な気取りもなく、思いっきりプリミティヴでピュアなパンク歌手に徹している……

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mudy on the 昨晩

mudy on the 昨晩 "pavilion tour 2010 FINAL"
2010.6.6 (sun) @ Daikanyama UNIT,Tokyo

開演直前にUNITのフロアへ降りていくと、すでにスペースシャワーTV「MONSTER ROCK」の企画「出張ライヴ on the 一晩」の上映は終わっていた。3月に発表した初のフル・アルバム『pavilion』とともに全国を2周まわるツアーを敢行し、1年半ぶりとなるワンマン、しかもツアー・ファイナルとなると、期待が高まりすぎたオーディエンスも気合いの入りすぎたメンバーもナーバスになるはずだけれど、バンドの心配りなのか生来の実直さからか、UNITの深い鉢のようなフロアは、ファイナルの緊張感や期待感とは別の、不思議な心地の良さが体をつつみ込む。 その新作より「YOUTH」でスタートしたライヴは、前半で「marm」、「ZITTA」と過去作の人気曲を前半に配置し、フロアの温度を一息に上昇させる。「僕らの音楽は言葉がないんですが、全力でぶつかっていくんで」というギターのフルサワのMCの後は、『pavilion』からのナンバーをがっちりと演奏。特に最新作でも個人的にいちばん好きな曲、エフェクティブなギターを多用した音響作「レダロ」とそこで赤い照明に照らされたバンドのフォルムのかっこよさや、USインディー感たっぷりの「Fashion」から疾走感に満ちたコーラス入りの「Sarliban」への巧みな流れ……

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mudy on the 昨晩

mudy on the 昨晩 "pavilion tour 2010 FINAL"
2010.6.6 (sun) @ Daikanyama UNIT,Tokyo

開演直前にUNITのフロアへ降りていくと、すでにスペースシャワーTV「MONSTER ROCK」の企画「出張ライヴ on the 一晩」の上映は終わっていた。3月に発表した初のフル・アルバム『pavilion』とともに全国を2周まわるツアーを敢行し、1年半ぶりとなるワンマン、しかもツアー・ファイナルとなると、期待が高まりすぎたオーディエンスも気合いの入りすぎたメンバーもナーバスになるはずだけれど、バンドの心配りなのか生来の実直さからか、UNITの深い鉢のようなフロアは、ファイナルの緊張感や期待感とは別の、不思議な心地の良さが体をつつみ込む。 その新作より「YOUTH」でスタートしたライヴは、前半で「marm」、「ZITTA」と過去作の人気曲を前半に配置し、フロアの温度を一息に上昇させる。「僕らの音楽は言葉がないんですが、全力でぶつかっていくんで」というギターのフルサワのMCの後は、『pavilion』からのナンバーをがっちりと演奏。特に最新作でも個人的にいちばん好きな曲、エフェクティブなギターを多用した音響作「レダロ」とそこで赤い照明に照らされたバンドのフォルムのかっこよさや、USインディー感たっぷりの「Fashion」から疾走感に満ちたコーラス入りの「Sarliban」への巧みな流れ……

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toe

toe "For Long Tomorrow release tour 2010"
2010.2.15 (mon) @ Shibuya O-EAST, Tokyo

昨年末に『For Long Tomorrow』がリリースされて以来、この日が来るのを心待ちにしていた。生演奏を主体としていながら、ライヴでどう演奏されるのかがここまで予想出来ない作品もない。toeの楽曲制作は各々が予め作り込んできたデモを4人の演奏に置き換える工程からスタートする。だからこそこの『For Long Tomorrow』という作品は、ひとつひとつの音はどこまでも生々しい質感を残しながら、ステージ上で再現出来る限界を超えた構成に仕上がっている。この作品をステージでどのように再構築するのだろうか。あるいは彼らのプレイアビリティを考えれば、完全再現もあり得るのかもしれない。そんな期待に胸を高鳴らせながら、O-EASTに向かった。

入場するとすぐにサプライズが待っていた。通常は聴衆がいるはずのフロア中央にステージがセッティングされている。つまり彼らは会場の中で最も視点の低い位置に立って、聴衆から囲まれ、見下ろされる形で演奏が行われるようだ。

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OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND "New Acoustic Tale tour"
2010.2.7 (sun) @ Shimokitazawa GARDEN, Tokyo

BRAHMANの4人にスコットランド系アメリカ人のMARTIN(Vln、G、Vo)とパーカッションのKAKUEIを加えた6人組アコースティック・バンド、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(以下OAU)。昨年11月に1stアルバムから約3年半ぶりのニュー・アルバム『New Acoustic Tale』をリリース後、バンド最長という19本のツアーを行ってきた。その最終日となったのが、下北沢GARDENでのライヴである。 このツアーのオープニングはいつも最新作の1曲目「A Strait Gate」だったらしいが、この日は意外にも前作のミニ・アルバム『all the way』収録の「Reportage」から始まった。フラメンコのリズムを大胆に取り入れた、OAUでも異色の曲だ。引き締まったシャープな演奏と、 TOSHI-LOWのクールなポエトリー・リーディングとがせめぎ合ってピンと張った緊張感を生み、いきなり有無を言わさず彼らの最もディープなところまで引きずり込まれたような気分になる。そこから通常通りの「A Strait Gate」へとなだれ込んでいくという、実に鮮やかなオープニングだ。

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bonobos

bonobos "東海道三次 Vol.3"
2010.1.22 (fri) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo

bonobosの東名阪ツアー"東海道三次 Vol.3"の初日。オープニングで繰り出されたのは、AVERAGE WHITE BANDで知られるインストゥルメンタル・ファンク「PICK UP THE PIECES」だった。ムンと熱気がたちこめるサウンドで、驚くほど音がブ厚い。それもそのはず、ステージには総勢9名がズラリ。バンド4人に加え、ギターに木暮晋也、キーボードにHAKASE-SUN、そしてホーン隊3名という豪華メンバーが揃っている。そのまま「Mighty Shine, Mighty Rhythm」から「光のブルース」まで、アッパーな4曲を立て続けに披露。狂騒のアフロビートにゴキゲンなブラジリアン・サンバ、スピーディなスカ…… しょっぱなからbonobosの奔放な音楽性が全開だ。 この日はbonobosにとって2010年一発目のライヴ。「とくに言うことないんですけど、明けましておめでとうございます」というヴォーカル・蔡の脱力MCを挟んで、「THANK YOU FOR THE MUSIC」が始まる。

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SOIL&"PIMP"SESSIONS

SOIL&"PIMP"SESSIONS "WORLD TOUR 2009"
2009.12.1 (tue) @ Shibuya AX, Tokyo

今年のSOIL&"PIMP"SESSIONSは7月にヨーロッパ・ツアーを敢行し、その直後にはフジ・ロック・フェスティヴァルに出演し、そして9月に6枚目のアルバム『6』をリリースするなど、相変わらずの多忙さだった。その1年を締めくくる全国ツアーの東京公演である。

ライヴは『6』のオープニング曲でもある「SEVEN」のジャズ・セッション的演奏でスタート。当然ながら最新作『6』からの曲をメインに演奏していくのだが、ツアーも終盤とあってどの曲もスタジオ盤よりも格段パワフルになっていて、かつ自由度も高くなり、エネルギッシュにグイグイ押していく。社長が「今日の音は今日しかない、だから悔いのないように楽しんでくれ」という熱いセリフでアジり、フロントのタブゾンビと元晴が身軽なアクションで動き回り、後方のリズム系3人がしっかり支えつつ暴れまくる、というこのバンド特有の構図も、もはや鉄壁でチームワークも絶妙だ。

ワンマン・ツアーのファイナルとなるこの日のリキッドルームも、ロックンロールに飢えたオーディエンスでみごとに膨れ上がっていた。視線がステージ上に集まる中、いよいよ4人が登場。すぐさまモータウン譲りの軽快なビートが鳴り始める。

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THE BAWDIES

THE BAWDIES "ONE MAN TOUR 2009"
2009.12.4 (fri) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo

誕生から50年以上の月日が経つ"ロックンロール"という言葉には、時の流れと共に、随分と曖昧で観念的な意味合いが付きまとうようになった。ロックンロールは自由な音楽? 確かにその通り。じゃあ作り手やメディアが、"これがロックンロールだ"と言ったら何でもそうなのか。もちろんそんなわけはない。互いに帰る場所を持たない者同士の間に生まれた混血のダンス・ミュージック。それがロックンロールだ。そして今年、このロックンロールという音楽を正しくリスナーに伝えるバンドが日本のメジャー・シーンに登場した。

THE BAWDIES。メジャーからの1stアルバム『THIS IS MY STORY』をリリースして以降の彼らの快進撃は、考えれば考えるほど痛快だ。根っからのロックンロール好きはもちろん、巷で騒がれるポップスにはどうもなじめず、居場所を見つけられずにいた若い世代が一斉に彼らを発見し、飛び付いたのだ。THE BAWDIESを通して彼らは"ロックンロール"という未知の音楽に出会った。これに興奮しないわけがない。

ワンマン・ツアーのファイナルとなるこの日のリキッドルームも、ロックンロールに飢えたオーディエンスでみごとに膨れ上がっていた。視線がステージ上に集まる中、いよいよ4人が登場。すぐさまモータウン譲りの軽快なビートが鳴り始める。

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凛として時雨

凛として時雨 Presents "Tornado Z"
2009.11.29 (sun) @ ZEPP TOKYO, Tokyo


アルバム『just A moment』リリース後、2度目のツアーとなる凛として時雨 Presents "Tornado Z"のファイナルが行われたZEPP TOKYOは、冗談抜きに立錐の余地ナシ。開演前からデンジャラスなムードが流れる。そんな中、「こうれもう音出てんの?」と聴き覚えのある声が。なんとピエール中野がカゲアナしてる! 湘南乃風のマネ? に場内爆笑。 だが、そんなお楽しみムードを切り裂くように静謐な「mib 126」でライヴがスタートした。いつも感じることだが、時雨のライヴはTKのギターと声、345のベースと声、ピエールのドラムと絶叫しか鳴っていないにも関わらず、とても3ピースとは思えない第六感的なサウンドが聴こえてくる。それが楽器で会話するようなミディアムのナンバーから始まったことで、この日はそれがより鮮明に浮かんだ。

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VOLA & THE ORIENTAL MACHINE

VOLA & THE ORIENTAL MACHINE "『SA-KA-NA ELECTRIC DEVICE』 RELEASE PARTY Dead or Dance!! TOUR 2009"
2009.11.3 (tue) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo


新メンバー楢原英介が加入して初となるフル・アルバム『SAKANA ELECTRIC DEVICE』のリリース後、約4か月を経てようやく実現したレコ発ツアー3本の最終日。ある意味、4か月待ちきれたファンだけが集合してるワケで、会場の空気も密度が濃い。中には邦楽フェスのTシャツ着用の人もいて、リリース後の夏フェスやイヴェントで新たに付いたファンの存在も伺わせる。そこへ待ちかねたのは自分たちも同じ! とばかり意気揚々とメンバー登場。 最初のブロックを「ORIENTAL MACHINE」「Turnig Turnig」というニュー・アルバムの曲順どおりに展開し、シンセのパッドを叩いたり、ハンドマイクで歌い、オリジナルでオリエンタルなダンスをしたり、誰にも似てない"パフォーマー・アヒト"の突きぬけっぷりに圧倒される。楢原もギターにシンセにと忙しい。セッティング的にはBATTLESのような"マスロックの最果て"バンド並の機材が並びつつ、曲そのもののポップさで機材の存在を忘れてしまう。

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ハナレグミ

ハナレグミ "TOUR あいのわ"
2009.10.28 (wed) @ NIHON BUDOKAN, Tokyo


じつに9千人のオーディエンスで埋め尽くされた日本武道館。いろんな武道館の公演があったけれど、こんな自由なムードのライヴはなかったんじゃないかと思う。巨大な空間に生まれた一体感というよりも、9千通りの思い思いの楽しみ方が繰り広げられながら、しかもすべての人がなにか温かいものを共有していた。
ステージ上の、布やクッションなどが気ままに配置されたカラフルかつ手作り感あふれるセットもあって、ゆったりとくつろげるムード。これまでも様々なスタイルとミュージシャンを迎え活動してきたハナレグミだが、今回のライヴではギターに石井マサユキ、キーボード・皆川真人、ベース・真船勝博、ドラム・楠均、ブルースハープ・曽我大穂と、これまで以上に実力派のミュージシャンを迎えてのステージとなった。茶目っけのある公演タイトルと相反するような、決して派手ではないけれど、堅実なアンサンブルは、会場の雰囲気をじんわりと新たなハナレグミの空気に変えていたことは間違いない。

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LOW IQ 01

"LOW IQ 01 presents MASTER OF MUSIC"
2009.10.10 (sat) @ Tokyo JCB HALL, Tokyo


今年でソロ・デビュー10周年をむかえたLOW IQ 01。3月にライヴDVD『LOW IQ 01 SUPER DOUBLE SHOWS at EXCITING PLACES』、6月にベスト盤『THE VERY BEST OF 01』、7月にシングル「NOT ALONE」を発表し、ツアーやフェスなど精力的に活動してきたイッチャンが、アニヴァーサリー・イヤーのピークといえるライヴを敢行した。その"MASTER OF MUSIC"は、彼にとって初の主催イヴェントでもあるのだ。ゲスト・アーティストは、イッチャンのカヴァー・アルバム『HELLO ! LOW IQ 01』にも参加した気心の知れた強者ばかり。 超満員のJCBホールに、まず怒涛のサウンドを轟かせたのはBRAHMANだ。曲間なしの全力疾走ライヴで、観客は早くもモッシュ&ダイヴの嵐。続いて登場のACIDMANは、壮大かつパワフルなサウンドで観客を魅了する。そして、イッチャンの盟友である横山健率いるKEN BANDは、最高にポップで勢いたっぷりのライヴをめいっぱいやりきった。

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clammbon

clammbon "10月10日に10周年 ありが1!!!"
2009.10.10 (sat) @ Tokyo HIBIYA YAGAI DAIONGAKUDO, Tokyo


毎年夏の恒例となったclammbonの野音公演は、今年は10月10日に決定。と同時に、彼らのデビュー10周年を祝うライヴでもあって、そんな祝福ムードあふれるこの日ばかりは正装したメンバーの真っ白な衣装がまぶしかった。ほとんど演奏されたことのないレアかつ懐かしいナンバー「みつばち」、そして定番曲「はなればなれ」からスタートし、往年のファンなら早くもその意図に気づいただろうけれど、彼らにしてはじつにシンプルに、アルバムの発売順に楽曲を演奏していく。

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the telephones

the telephones レコ発ツアー・ラスト
2009.10.3 (sat) @ Akasaka BLITZ, Tokyo


the telephonesのメジャー・デビュー・アルバム『DANCE FLOOR MONSTERS』リリース・ツアーの最終公演。10コ下だという今晩の主役に対し、VAMPIRE WEEKENDのようなトロピカルな新曲とやんちゃなロックっぷりでサポートしたYOUR SONG IS GOOD。そして「天才だけどバカ(笑)な愛すべき仲間」をタフでストレートなメロディで応戦したNorthern 19が終わり、ステージ・セッティング時にミラーボールが降りてきた時点で大歓声が場内を覆う。ソールドアウトとなった赤坂BLITZには、けた外れの期待と祝祭感が満ちていた。 「D.A.N.C.E to the telephones!!!」からスタートし、岡本伸明(Syn)がカウベルを持ってステージを駆け回る「Baby.Baby.Baby」「Urban Disco」と、アルバムと同じ曲順で繰り出されるオープニングには、彼らのディスコ流儀がビシッと伝わってくる。代表曲「it's OK」から新作からニュー・レイヴ以降のサウンドに対するthe telephonesなりの回答とも言える「Catastrophe」の流れなど、とりわけボトムのレベルアップがすさまじく顕著だ。

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ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS "MATSURI SESSION独演会〜スペシャルゲスト 立川志らく〜"
2009.9.10 (thu) @ Shibuya C.C.LEMON HALL, Tokyo


これがZAZEN BOYSのライヴ?開演前の会場には指定席のチケットを手にそれぞれの席に座り、そこに置かれている本日の演目に目を通す人たちの姿。ふとその紙を見ると、「本公演はオールシッティング・ライヴとなっております。心の高ぶりを抑えきれずに思わず立ち上がってしまう方もいらっしゃるでしょうが、今日ばかりは座ってお楽しみ下さい」という言葉が目に飛び込んできた。

ステージの上手には、寄席にあるめくりがあって、ザゼンボーイズと筆書きされている。そう、今日は落語家・立川志らくをゲストに迎えての特別な夜なのだ。

ステージに姿を現したZAZEN BOYSは向井秀徳を中心に向き合い、お互いを探るように音を出し始めた。一斉に音を出しては無音にする状態を繰り返していくうちに、いつの間にか音がつながっていき、"マツリセッション"に。なだれこむ音と歌に条件反射で体を動かしたくなる衝動に突き動かされる。いけない、なんせ今日はオール・シッティング。周りを見回すとステージを凝視する真剣は顔ばかり。客席の集中度は高まる一方だ。司令塔・向井のサインに呼応して、粒だった音のひとつひとつが緊張感をもって届いてくる。

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mouse on the keys

ZAZEN BOYS "MATSURI SESSION独演会〜スペシャルゲスト 立川志らく〜"
2009.9.10 (thu) @ Shibuya C.C.LEMON HALL, Tokyo


これがZAZEN BOYSのライヴ?開演前の会場には指定席のチケットを手にそれぞれの席に座り、そこに置かれている本日の演目に目を通す人たちの姿。ふとその紙を見ると、「本公演はオールシッティング・ライヴとなっております。心の高ぶりを抑えきれずに思わず立ち上がってしまう方もいらっしゃるでしょうが、今日ばかりは座ってお楽しみ下さい」という言葉が目に飛び込んできた。

ステージの上手には、寄席にあるめくりがあって、ザゼンボーイズと筆書きされている。そう、今日は落語家・立川志らくをゲストに迎えての特別な夜なのだ。

ステージに姿を現したZAZEN BOYSは向井秀徳を中心に向き合い、お互いを探るように音を出し始めた。一斉に音を出しては無音にする状態を繰り返していくうちに、いつの間にか音がつながっていき、"マツリセッション"に。なだれこむ音と歌に条件反射で体を動かしたくなる衝動に突き動かされる。いけない、なんせ今日はオール・シッティング。周りを見回すとステージを凝視する真剣は顔ばかり。客席の集中度は高まる一方だ。司令塔・向井のサインに呼応して、粒だった音のひとつひとつが緊張感をもって届いてくる。

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BOOM BOOM SATELLITES

BOOM BOOM SATELLITES "SPECIAL PREMIUM GIG"
2009.7.28 (tue) @ Shibuya O-EAST, Tokyo


ニュー・シングル「BACK ON MY FEET」のリリースを記念しておこなわれた、BOOM BOOM SATELLITESの一夜限定プレミア・ライヴ。平日の夜にもかかわらず、もちろんフロアは超満員だ。

1曲目「ALL IN A DAY」(ニュー・シングルに収録された新曲)のオープニングとともにステージ上のライトがゆっくりとせり上がり、黒幕にシルヴァーのラメで描かれた「b」マークが徐々に顔を出す。音の洪水に呑み込まれながらそれを見ていると、しだいに重力がなくなり、上下右左がわからなくなっていくような不思議な感覚に包まれる。たとえるならそれは、ライヴ・ハウスという名のスペースシップに乗って、宇宙遊泳を始めるような高揚感。

中野雅之と川島道行、ふたりの機長は次々と移り変わっていくリズムを自在に操り、右へ左へ激しく航路を変えながらばく進していく。

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80kidz

80kidz "THIS IS MY SHIT TOUR '09"
2009.6.23 (tue) @ LIQUIDROOM ebisu, Tokyo


今やジャパニーズ・エレクトロ・シーンに限らず世界中から注目を浴びている3ピース・エレクトロ・ユニット、80kidz。Ali&、JUN、 MAYUの3人からなるこのユニットは、07年にDJユニットとしての活動をスタートさせ、オリジナル・ミックスCDやクラブミュージック・マナーに乗取ったオリジナル・アナログ音源のリリース、また国内外の著名アーティストのリミックスを手掛けることで、まさに飛ぶ鳥落とす勢いでその人気と知名度を上げてきた。そんな彼らが待望の1stフル・アルバム『This Is My Shit』をリリースし、東名阪をツアー敢行。意外にも国内では数少ない彼らのライヴセットをレポートする。

彼らの主催するレーベル"Kidz Rec"所属のDJがフロアをあたためると、緩めのブレイク・ビーツと共に幕がひらき、Ali&、JUN、MAYUが登場。Ali&がシンセサイザーを鳴らし始めると待っていましたと言わんばかりの歓声がひろがり、繰り返すフレーズに観客が身を揺らし始めた。正直当初3人の音のバランスがとれていなく、全体の鳴りとして物足りなさを感じたが、それは演奏が進むにつれ徐々に、3人がシンクロしだし、それにまた観客がシンクロし、体を突き動かされるに充分な鳴りとなった。「最後まで楽しんでいってください」と今までKeyを担当してたMAYUがMCをすると突如ハンドマイクになり、今回のアルバムのタイトル曲「This Is My Shit」が始まる。

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BRAHMAN

BRAHMAN "ETERNAL RECURRENCE TOUR FINAL"
2009.7.1 (wed) @ Shinkiba STUDIO COAST, Tokyo


3000人以上を収容した会場は開演前からものすごい熱気。大半はTシャツ姿のキッズだが、よく見ればスーツ姿のサラリーマンも多数いる。11年前に発表されて爆発的なロングセラーとなり、バンドの名前を一気にメイン・ストリームに押し出した『A MAN OF THE WORLD』

当時BRAHMANには"時代の偶然"としか説明できない上昇気流があって(例えるなら2年前の9mm Parabellum Bullet、その数年前のELLEGARDENのような、なんか知らないけど今これがキテる!というムード、言葉にすると非常に軽薄で非理論的な興奮の集合体だ)、そんなものの渦中にいればどんな人間でも我を見失う。

演者側も観客側も、今までどおりに実直に、冷静に何かを判断するなんて不可能だったのだ。しかしそれから10年の月日が経ち、興奮から醒めた当時のキッズは立派なサラリーマンとなって、BRAHMANの現場にまた足を運ぶのである。

こんな事実だけでもバンドが継続してきたことの意味は絶対にあると思う。

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凛として時雨

凛として時雨 TOUR2009 "last A moment"
2009.6.21 (sun) @ ZEPP TOKYO, Tokyo


この凛として時雨というバンドが現在のポップ・シーンで際立った存在感を放っているのはもはや周知の通り。僕もその音が鳴れば思わず耳を奪われてしまっている。
ただ、作品を重ねるごとに彼らを取り巻く環境が変化していくという事実をどう捉えればいいのだろう。

例えば作り手自身にリスナーの代弁者としての役割や、ある程度カテゴライズしやすいサウンド、マーケティング能力を強要するのが現在のJ-POPと呼ばれる音楽市場だとすれば、彼らの鳴らしている音は明らかにその範疇に属していない。最初から終着点など求めていないかのように複雑な楽曲構成も、独白的ではありながら捉えどころがない歌詞も、聴き手の安易な理解や共感を許さないどころか、端から拒んでいるようにすら聴こえる。

もちろん、いま支持されている音楽に一切コミットすることができず、閉塞感を抱えていた若い世代にとって、彼らの登場が福音であったことは想像できる。ただその支持層がここまで膨れ上がってくると話は別だ。

集まったファンは果たして凛として時雨というバンドをどのように受け止めているのか。そしてその前で彼らがどんなステージを見せるのか。今回のツアー最終日に僕が確認したかったのは、特にこの2点だ。

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SOIL&"PIMP"SESSIONS

SOIL&"PIMP"SESSIONS
"TOUR 2009〜WORLD TOUR KICK OFF PARTY〜三点天国攻め"

2009.6.12 (fri) @ Akasaka BLITZ, Tokyo


傑出したテクニックと破壊力をもって、ここ数年で熱狂的な評価と人気を獲得し、もはや定石となったSOIL&"PIMP"SESSIONSの海外公演。
今年も7月よりフランス、デンマーク、UK、オランダ、クロアチア、セルビア、ドイツと周るヨーロッパ・ツアーに先駆け、その壮行会とも言える日本でのライヴが行われた。

前作『PLANET PIMP』発表以降、とどまることなくアグレッシヴにライヴ、レコーディング、あるいは椎名林檎の『三文ゴシップ』制作への参加などでスキルを磨き上げてきたシクステット。
そうした高いミュージシャンシップが、ともすれば"渋い技巧派"へと転化してしまいかねないところを、彼らは観衆を扇動し楽しませることへと、どこまでも収斂(しゅうれん)させてきた。
その精神こそが、現在の向かうところ敵なしの存在たらしめている要因であるだろう。

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bonobos

bonobos "裸の錬金術師ツアー"
2009.6.16 (tue) @ Akasaka BLITZ, Tokyo


bonobosの『オリハルコン日和』は、ここ数年のなかなか作品をリリースできなかった胸のつかえが下り、彼らのクリエーションが純度100パーセントで輝いているアルバムだ。
そのツアー・ファイナルとなる赤坂BLITZのステージにも、全国を帯同したギターの木暮晋也、そしてキーボードに HAKASE-SUNら強力なゲスト・プレイヤーを迎え、バンドの現在の曇りのない感覚が如実に現れていた。

ダビーなインストゥルメンタルをイントロダクションに、「Thank You, My Buddy!」「オリハルコン日和」とオープニングから新作の楽曲が立て続けにプレイされる。
これまでの定番曲だった「THANK YOU FOR THE MUSIC」もさらりと、しかしより現在のタフなバンド感を感じさせるアレンジが施されており、新しいbonobosを出だしから存分にアピールする。

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