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【特集】 TRIBE CALLED WEST 4

Tuesday, February 24th 2009

tribe called west





 
「ALTZ×THE HENIRCOOTS」 福井リュウスケ

henircoots

大阪DUBと言われるシーンのアーティストの中でも、
レゲエ/DUBとは最もかけ離れた存在が「THE HENIRCOOTS」であり、
彼らはレゲエ/DUBやラテンをスキル豊かにプレイすることはあっても、
そのジャンルに身を埋めることは決して無い。
彼らはオーセンティックを確信犯的に消化したオルタナティブな存在であり、
ダブワイズで感動させてはラテンで踊らし、放っておけばノイズ音響をやらかしているという、
オールドスクールなシーンにおいてはウソつきパッション・フルーツのような毒を内在した存在だ。
その本質は高い演奏力によって騙されやすく、一見見分けにくい。
THE HENIRCOOTSがそういうアーティストであることを外側のシーンから最初に見抜いたのがALTZである。
最後に、THE HENIRCOOTSのドラマーであり、
オーガナイザーとして「CAMP HIGH」など独自のパーティーも展開し、
本作のジャケットのアートワークも手掛けている福井リュウスケに、
彼がシーンの現場で感じる事などを聞いてみた。
(以下、福井リュウスケ=RSK)

  


   
ALTZのREMIX。あれは凄いですよ、マジックですね。

henircoots

---「PASSION PASSION」は今回、ALTZにREMIX依頼したんじゃなくて、ALTZの方からあの曲をREMIXしたいっていう 希望があってTHE HENIRCOOTSが録音したんですよね。

RSK:あの曲実は曲としての着地点がまだ見えてなくて、アレンジを練ってる段階だったんですよ。 でも僕ら曲を揉みすぎたらイマイチになってしまったりするから、このまま練って同じとこを堂々巡りするより、 一旦置いて寝かそうということになって、曲そのものを封印しかかってた時にアルツさんのREMIXのオーダーがかかって、 録音することになったんですよ。

---実際にALTZにREMIXされた感想は?

RSK:あれは凄いですよ、マジックですね。音を出してるのは僕らなんですけど、曲の全体的な構成は そんなに変わってないはずなのに、エフェクトとか音色の処理や反復の仕方によって別のストーリーが生まれてて。 僕らは誰も曲を書かないから、僕らの曲自身も自分らで自分の出したフレーズをREMIXしている感覚があるんです、常に。

---誰かが曲のアイデアを持ってくるのではなく?

RSK:セッションのみですね。そこから徐々に構築されていくんです。 だからフレーズの出てくる順番っていうのはあって無いようなものなので、 それをある程度決めていく作業が僕らの曲作りの部分ですね。 今回のアルツさんのREMIXでは僕らが作った順番通りに流れてるにもかかわらず、 全然僕らが意図している流れ方とは違うストーリーが展開されいくんです。 聞こえ方や意味がALTZ変換された感じですね。

---実際にREMIXされたことで初めて実感したALTZの特徴をポイントで挙げるとしたら?

RSK:超スペーシーな宇宙感というか、コズミックなんですけどメカニカルな感じのない自然な、 有機的な感じがありますよね。で、実際に触られてみたら、やっぱ遊びのある部分の作り方が 凄いと思いました。無定形の部分っていうか、決まってる部分の繰り返し方も もちろん凄い巧いと思うんですけど、その部分よりも浮遊している感じの出し方が凄いです。 センスだけじゃなくて確実に音楽的な裏付けも感じるし。 その辺はバンドやってはった部分が大きいかも知れないですね。

---大阪のシーンでCAMP HIGHのオーガナイズとかを通じて思うことは?

RSK:ライフスタイルっていうか、僕らがかっこいいと思ってるものを単に見せたいだけなんですよ。 自分が感じるリアリティっていうか、意味があるかどうかっていう。 そういう意味では、人との繋がりを大事にしてるかどうかっていう事じゃないですかね。 だから無茶苦茶でも形になるし、繋がってるから。 このニュアンスって、ジャンルとかシーンって見方しかしない人には絶対伝わらないです。 客が入るためにこの人をブッキングしてこうするっていうんじゃなくて、 そこに無理のない流れっていうか、必然性をすごい孕んだ偶然も含めて全部がいいように なるような流れが大事であって、人との繋がりを間違いないものにしていくっていう部分では、 僕は絶対に失敗してないと思うんです。



彼の主催するCAMP HIGHだけでなく、ジャンルレスなハードコア祭典の様相を呈する「POWER PLAY」や、 DUB-I-ROOTSのSAK"DUB"-IがレゲエDUBに限らず新しい融合を試みる「HIGH RISE」や、 サウンドチャンネルの話でも触れた「BANG A RANG」や 「RebelCuture」などを手掛けるオーガナイザー達は、ジャンルやシーンに属するキーワードでは説明できない ある一種の「必然性を孕んだ繋がり」を張り巡らしており、その必然性の正体は言葉ではうまく捉えることができないが、 それはリアルな時代感覚としての何かであり、現場に足を運ぶとそれがヒシヒシと伝わってくる。

TEXT by MTR ( WESTribe )

 



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4 TRIBE CALLED WEST

 トライブコールドウエスト、大阪DUB三部作の完結編!西の現場濃縮ドキュメント・レーベル、ウエストライブが放つトラシリーズ第3弾は、大阪DUB三部作の最終章として、世界的な独自性を誇るその魅力を要素ごとに解体し、レゲエ/DUBのフィールドを越えた斬新な手法で既存の枠に収まらない全方位型ダンスミュージックとして再構築。sound-channel、ALTZなど西のあらゆるシーンの潮流を網羅し、融合・拡張・進化する瞬間を音源化。限定1,000枚のレア・プレス!





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