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レベッカ・ドレイファス監督 インタビュー

Tuesday, October 21st 2008

消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス


 

レベッカ・ドレイファス監督 INTERVIEW


消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス』が9月27日(土)より公開中の、
レベッカ・ドレイファス監督に今作についてのお話しをお伺った。

彼女のOFFICIAL PROFILEは、こちらより

1990年3月18日に、ボストンにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に、警察官に扮した2人が侵入し、
アメリカの美術品盗難史上最高額5億ドル相当(当時)の美術品13点が盗まれた"盗難事件"があった・・・。

美術館のオーナーであるイザベラ氏について、絵画探偵 ハロルド・スミス氏について、そして、フェルメールの「合奏」について。

監督ご自身がこのインタビューの最後に、「"こんなに有名な絵に一体、何が起きたの?"ってみんな言うと思うんだけど・・・
実際に何が起きたのかをぜひ、観て欲しいわ。」とおっしゃっている通り、物語の結末はぜひ、"劇場"で。

・・・のその前に?その後に?こちらのインタビューをご覧下さい。


INTERVIEW and TEXT and PHOT: 長澤玲美

   
フェルメールの「合奏」を観た瞬間から惹きつけられて、
魅せられてしまったの。何かがわたしの中で起きた感じよ。



---  本日は、よろしくお願いします。


レベッカ・ドレイファス(以下:レベッカ)  よろしくね(笑)。


---  8月2日から12月14日まで、東京都美術館で、「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」と題された個展が開催されていますが、こちらには行かれましたか?


レベッカ  今日はこの後、この映画の試写会がその美術館であるから、その時に観る予定よ。(「フェルメール展」特別企画として、本作の映画のプレミアム試写会が東京都美術館で行なわれました。) 今からとっても、たのしみなの!


---  来場者数が9月10日の開催34日目にして、20万人を突破したそうです。


レベッカ  そうなの!でも、驚かないわ、十分ありえることだと思うもの(笑)。


---  それだけ多くの方を魅了している、フェルメールに関するレベッカ監督の作品が9月27日より公開になりますが、この作品は2005年に制作されたものですよね?日本でのこの公開のタイミングというのは、偶然だったのですか?


レベッカ  インディペンデント系の映画は、出来上がってからだいたい、映画祭を順番にツアーして廻るのね。それで、"買い手を探す"というパターンよ。だから実際、アメリカでも、2005年に完成してからあと2年間は、映画祭とかを廻っていたから、公開が2007年、2008年というところが結構多いのね。だから、日本が遅かったわけではないと思うわ。でも本当に、このちょうどいいタイミングで、日本での映画の公開が出来て、すごくうれしく思ってるわ(笑)。


---  本当にすごくいいタイミングですよね(笑)。


レベッカ  ええ(笑)。


---  レベッカ監督ご自身が少女の頃に、フェルメールの「合奏」に出会い、その神秘的な美しさに圧倒された・・・とありましたが、幼い頃から絵画がお好きだったんですか?


レベッカ  そうね。すっごく美術愛好家っていうほどではなかったけれど、(絵画は)なんとなく好きだったわ。でもね、この絵を観た瞬間からすごく惹きつけられて、魅せられてしまったの。何かがわたしの中で起きた感じよ。だから本当に、わたしを揺り動かした芸術作品との出会いは、この、フェルメールの「合奏」ね。


---  現存するフェルメール作品は全部で35点ですが、その中で他の作品ではなく、この「合奏」の1点・・・?


レベッカ  ええ(笑)。観た時は全く、フェルメールって知らなかったの(笑)。


---  ボストンにある、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館には、フェルメールの作品はこの「合奏」以外、飾られていないんですよね?もし、そこに飾ってあった絵がフェルメールの他の作品だったら、そこまで、彼の絵に惹かれていなかったと思いますか?


レベッカ  そうね(笑)。でもね、この、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館がすごく特別な場所なのよ。ベニスの映画の中にある、貴族の家、"パラッツォ"を模した建物で、さらに、運河側に面した方を家の内側に・・・っていう、裏返した構造で建ててあるのね。日本やアジアやヨーロッパではめずらしくないかもしれないんだけど、それがアメリカでは100年以上経ってるから、そういう風に本当に古いものに出会う機会っていうのは、なかなかないものなのよね。日常的に接していないのよ、そういう文化に。


まだ若いわたしが本当に、過去から受け継がれたものの持つエネルギーとか、過去との出会いとか・・・アメリカにいたわたしにとってはすごく、この美術館に入ること自体が、わたしを解き放ってくれるような・・・開け放ってくれるようなね。


そして、そこにこの「合奏」があった・・・っていう、2つの要素が相俟ったのね。


---  では本当に、あのガードナー美術館に「合奏」があったから、監督が今こうやって、映画を撮られているんですね。イザベラ・スチュワート・ガードナーという女性が建てられた美術館ということもあり、イザベラさんという女性の魅力がこの映画にはたくさん描かれていて、そのこともすごく、興味深かったです。


レベッカ  そうね。特に女性にとって彼女は、すごく魅力的だと思うわ。あの時代にあって、先を行くようなことをしていたんだもの。


---  あの美術館には、"イザベラさんの肖像画"も飾られているんですよね?


レベッカ  ええ。あの絵はね、この美術館は4F建てなんだけど、その4Fの奥の角の部屋に飾ってあるの。だから、あたかも彼女がいつも、見下ろしてるかのように見えるのよ(笑)。


 

あの盗難事件はね、国としての損失という以上に、
世界的に重要な絵の損失という意味で、
未だに強く、覚えられている事件なの。




---  1990年3月18日に、ボストンにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館に、警察官に扮した2人が侵入し、アメリカの美術品盗難史上最高額5億ドル相当(当時)の美術品13点が盗まれたんですよね?これはその当時、メディアにも大きく取り上げられたりして、大きな話題になった事件なんですよね?


レベッカ  そうね。本当に事件が起きた時は、世界的にも大ニュースだったわ。その後、ボストンの人々にとっては、未だに大きなニュースというか・・・失くなった・・・損失というのは、みんな知っていることよ。特にこのフェルメールがとても作品数の少ない作家の作品だっていうだけではなくて、レンブラントの「ガリラヤの海の嵐」っていう、海を描いた絵っていうのは、世界に1点しかないのよ・・・。だから、国としての損失という以上に、世界的に重要な絵の損失という意味で、未だに強く、覚えられている事件なの。


---  イザベラさんの遺言には、「どの作品も動かしたり置き換えたりしてはならない」というのがあるそうですね。それによって、かつて名作のあった場所には、"空の額"だけがかけられているそうですが、その"空の額"を何度も、監督はご覧になっているんですよね?


レベッカ  ええ。すごくね・・・お墓を見ているような気分よ・・・。本当にすごく変な感じ・・・"呪われた部屋"っていうのかしら・・・その部屋は、"フランドル派の部屋"というか・・・"オランダの部屋"だったのね。目の前に一番大きい立派な絵がフェルメールで、そのもう一つ横にあった大きくて立派な絵がレンブラントだったの。だから、それが欠けてるってことは、すごく不思議で、変な感じなのよ。何かね、あそこに立つと、「あの世で一体、何があったの?」って思わずにはいられない感じなの・・・。



同じように、フェルメールの作品は、
71年には、「恋文」(アムステルダム、国立美術館)
74年には、「ギターを弾く女」(ロンドン、ケンウッドハウス)
同じ年に、「手紙を書く女と召使」(ダブリン、ラズボロー・ハウス)に盗難に遭い、無事戻っている。
・・・が、12年後に再び盗まれ、また、それぞれ所蔵する美術館に戻っている。


しかし、「合奏」の盗難の被害を受けたガードナー美術館は、500万ドルの懸賞金を出したが、時が経ってもどれひとつとして、戻ったものはない・・・。



---  ・・・雰囲気がきっと、あのガードナー美術館は違うと思うのですが、またその中で、そういう"空の額"が飾られているっていうことがより、監督をそう感じさせているのかもしれませんね。


レベッカ  そうだと思うわ。"お化け屋敷があるとすれば、あの美術館だと思う"もの。でも、あんまりシリアスに捉えないでね?(笑)。


---  ええ(笑)。時が経っても解決されない現状が盗難にあってからずっと続いていて・・・監督ご自身がこの絵画にまつわる多くの謎と魅力に取りつかれていることに気付いて、映画を撮るという形で、この絵画に関わった、アクションに移られたわけですが・・・今、作品を完成されて、この決断に対して振り返られると、どのようなお気持ちでしょうか?


レベッカ  ・・・やっぱり、撮る前と撮っていた間は本当に、"何かに捕らわれていた"っていうのが事実だったと思うわ(笑)。美術館と絵画・・・両方にね。そして、作品を完成させるまでの間、そのただ中に、わたし自身が立っていて、そのいろいろな気持ちの上、感傷的な意味でもすごく、捕らわれていた部分はあったわね。だから、逆に今振り返ってみると、そこから抜け出せて、ほっとしてるわ(笑)。


 

行動ってね、何か・・・状況とか全ていろいろが整って
移っていく・・・ってことも、あるのよね。




---  (笑)。この盗難に遭ったという現状に対して、実際に行動に移される方って、なかなかいらっしゃらないと思うんですが、そこを「見つかるかわからない・・・」という、"先が見えない状況"の中、ご自身の作品で関わろうとした監督を尊敬してしまいます。


レベッカ  ありがとう(笑)。行動ってね、必ずしも、決断して取る行動ばかりとは限らないのね。何か・・・状況とか全ていろいろが整って行動に移っていく・・・ってことも、あるのよね。


---  もしかしたら・・・"お化け屋敷"・・・と先ほど、例えとしてお話しされていましたが、本当に、霊が・・・じゃないですけど、監督を突き動かす"見えない力"が働いたのかもしれませんね?(笑)。


レベッカ  ええ(笑)。大きいプロジェクトをやる時ってね、例えばそれは映画に限らず、小説でも絵画でも・・・だと思うんだけど、ものを創る時って、自分の深い深い・・・中の深い部分が何かをやらせる、突き上げてくるものだと思うの。だからそれを突き詰めていくと、「芸術って、どこから生まれてくるのかしら?」っていうような、哲学的な問答につながっていっちゃうんだけど・・・わたし自身、自分の中で決めたものをもっともっと揺り動かしていったものは、そうね、イザベラさんの力もあったりして、ね(笑)。


---  (笑)。そして、そういうお気持ちがあった上で、この作品のメインキャラクターである、世界的にも有名な絵画探偵、ハロルド・スミスさんにお電話されるわけですが・・・初めは彼のことを知らなくて、お友達に彼の情報を聞いて、紹介されたんですよね?


レベッカ  そうよ。実は最初にね、ギャラリーで働く女性と、この映画を撮ろうと思って話していたんだけど、インディペンデントの映画だから、資金を確保しなきゃいけない・・・それで、「保険会社に掛け合ってみたらどう?」ってアドバイスを受けたの。それで、特に芸術関係に関わってる保険会社のところに彼女が行ったの。そしたら、その保険会社の方がね、「お金は出せないけど、もしこのフェルメールについての映画を撮るなら、会っておくべき人がいるわ」って言われて、彼を紹介されたの。ただ、彼は"皮膚ガン"を患っているから、見た時にびっくりするかもしれないけれど、こういう業界でやっている"エキスパート"だから」って。


---  初めに、この作品のポスターだけを拝見していたら、本当にこういう方がいらっしゃるのか?と疑ってしまうくらい、嘘っぽい・・・コメディっぽいというか、彼をそういうキャラクターに仕立てているのかなって思ってしまったんですが、作品を拝見して、理解出来ました(笑)。


 

纏わりつくくらい?っていうのかしら(笑)、
追い払うことが出来ないくらい
すごい勢いでアプローチしてくれたのね。




レベッカ  わたしも初めは、そう思ったわ(笑)。実は彼とは本当に最初に、その分野の専門家のインタビューをしたかっただけだったの(笑)。だから彼には、"見解を伺う"というか、1回きりのつもりだったの。でもね、その後彼からしつこく、毎日のように電話がかかってきて、「あの人に会うべきだ。その後は、この人に・・・」っていうようにね、どんどんどんどん提案してきてくれたの(笑)。だから、プロデューサーと2人で、「どうする?」って(笑)。


彼を初めから追い払うつもりはなかったけど、纏わりつくくらい?っていうのかしら(笑)、追い払うことが出来ないくらいすごい勢いでアプローチしてくれたのね。ただね、お互いに目的は一緒だったのよね。「絵を取り戻したい」っていうこと。だから、「彼を起用しましょう・・・」って、決まったのよ。


---  ハロルドさんのアプローチは、そんなにすごかったんですね(笑)。


レベッカ  ええ(笑)。


---  例えばこれが、違う絵で依頼を受けていたら、ハロルドさんはそこまでになっていなかったと思いますか?


レベッカ  彼にとってはね、「フェルメールだから・・・」っていうことだけではなくて、アメリカでの"最も大きな未解決美術盗難事件"だったっていうことが大きいわね。そして、彼の専門性から考えると、"盗難されたものを追いかけて見つけることが彼の専門職"だから、「最も大きい事件を扱いたい」、それも、"もう何年も解決していないものを扱いたかったんだろう"って。


---  ハロルドさんは、2005年2月19日に"皮膚ガン"のため他界されてしまったそうですが、そのことがあったことで、2005年に映画の制作を終えた、ということになりますか?


レベッカ  映画の収録はね、全てその前に終わっていたの。ただ、この映画を撮り終えた2週間後だったのよね、彼が亡くなったのは。だから、最初に作った、映画祭のために完成させたバージョンは、彼は観ているのよ。末っ子の結婚してなかった唯一の独身の末娘が結婚したのね。だからきっとね、娘が結婚して、映画が完成して、もう、思い残すことは何もなくなったから・・・だったのかなあって思ってるわ。


その"訃報"を受けて、最後のところだけアレンジしているのが、現在のヴァージョンよ。  


---  すごくいろいろなことが重なって、生まれた作品なんですね。ハロルドさんが監督に、しつこくお電話していたのは、ご自分の生涯がもうそろそろ終わり・・・というのが、なんとなくわかっていた上で、"絵画探偵"という仕事をやっている以上、あの"未解決事件"に関わりたかったっていう気持ちが、すごく強かったのかもしれませんね。 


レベッカ  わたしもそう思うわ。彼が死んでもね、この映画が残ることによって、この事件に関するインフォメーションが何か出てくるかもしれないでしょ?それからね、それ以外にも、この盗難事件が忘れ去られることなく、人々の記憶に・・・人々に思い出される・・・っていうこと、そして、彼自身の存在も、ある程度"伝説的に残る"・・・そういうことがあったんだと思うわ。


この映画の中でも彼はさんざん、言ってるでしょ?13点もの作品が盗まれてるわけだから、1人や2人が関わってるだけではないと思う。いろんな人がおのずとこのことに関わっていて、"重要な情報"を持っている人がきっと、いるはずなのよ。だからね、もう少し(時間が)経った後でもいいから、誰かが一歩、前に踏み出してくれたら、1つの絡まった糸が解けていくみたいに、全てがクリアになって、解決することもあると思うのよ。


 

彼の場合は、人を不愉快にさせないためっていうよりは、
自分の"個性"として受け止めているのよ。




---  "皮膚ガン"をずっと患っていて、監督と作品でご一緒していて、体力的な面などでも大変だったことが多かったと思うのですが・・・。 


レベッカ  彼はね、月に1〜2度は手術してたの。だから、彼の生涯のうち、3〜40年は100回を超える手術をしてたんじゃないかしら。そんな中ね、ある日、頭に巻いてある包帯から血が滲んでて。だから、「ちょっと、止めた方がいいんじゃないの?」って言ったんだけど、彼はね、「全然平気だ、気にするな」って言うタイプの人だったのね(笑)。でも、そんな状況でいたら、心配しちゃうわよね?(笑)。


---  ええ(笑)。皮膚ガンに侵された鼻を隠すために"義鼻"を付けられたりしているのが、映像を観ていてすごく、痛々しかったのですが、「人を驚かせないように」というハロルドさんなりの配慮があって、"フェドーラ帽"を被ったり、"アイパッチ"をしたりして、ご自身をキャラクター化するというか、コミカルに仕立てているのかな・・・とも思いました。 


レベッカ  本当に彼はね、ハンサムな人だったのよ(笑)。だから、隠すためっていうよりは、頭の方はもう、皮膚がただれちゃっていて大変だから、帽子を被っているし、目がないから、"アイパッチ"をしているのね。だけど、彼の場合はそれを全部、自分の"個性"に変えているの。人を不愉快にさせないためっていうよりは、自分の"個性"として受け止めているのよ。


はっきり、言葉は覚えていないんだけど、「神様はわたしのことを気に入らなくて、一度に取り上げるんじゃなくて、ちょっとずつ、わたしの中のものを取り上げてる・・・」って言ったのよ。ずいぶん、皮肉めいてるでしょ?(笑)


---  ええ(笑)。大変だったこととは逆に、彼とのたのしかったエピソードや心に残っていることはありますか?


レベッカ  "PRIDE&JOY"って、洗剤の写真を見せるシーンがあったでしょ?(笑)。"PRIDE&JOY"って言葉はね、"わたしの誇りと喜び"っていう意味があって、子供のことを表すのね、アメリカでは。だから、「わたしの"PRIDE&JOY"を見て」って言った場合はだいたい、自分の子供の写真が出てくるのよ(笑)。


でも、ハロルドは本当に、"PRIDE&JOY"っていうあの洗剤の写真を見せちゃう・・・っていう(笑)、それが彼のジョークね。わたしにもあれをやったのよ?(笑)。


"大物のマイルス・コナー"っていう、美術品大泥棒の人にもね、ハロルドは同じことをやったの!(笑)。わたしは、あんなに怖い・・・"裏社会"の人と会うから、すごくナーバスになってたんだけど、彼は平然として、それをやったの。だから、それは逆に、笑えたって感じね(笑)。


---  そうなんですね(笑)。


 

「こんなに有名な絵に一体、何が起きたの?」って、
みんな言うと思うんだけど・・・
実際に何が起きたのかをぜひ、観て欲しいわ。


 


レベッカ  ええ(笑)。彼はね、相手に受けようが受けまいが関係ないの(笑)。それが、すごい収集家であろうと、FBIの超大物とか・・・そういう人に会っても、全然、誰とか位とか関係なく、そういう風に接する人なの。そういう場合でも、ちっとも態度を変えずにいれるって、なかなか出来ないわよね?


---  そうですね(笑)。この題材に関わって、おそらく膨大なフィルムになっているとお察しするのですが・・・編集をマーカス・ピーターズ氏とリズ・ルデン氏におまかせされていますよね?彼らには信頼をして、委ねられていると思いますが・・・。 


レベッカ  そうね。すごく信頼しているわ。ずっと一緒に編集作業をしたの。


---  完成のイメージとして、こういうバランスで・・・など、編集作業において、特に強く要望されたことは何ですか? 


レベッカ  イザベラのこと、ハロルドのこと、そして、フェルメールの絵自体についての、この3つの柱があって、それを1つに統合しなきゃいけないっていう課題があったのね。だから、その3つがそれぞれ、きちっと物語性を持ちつつ、1つのものにまとめ上げることを要求したわ・・・でもこれは決してね、簡単なことではなかったわ。


---  撮られたフィルムは、実際にどのくらいあったんですか? 


レベッカ  150時間は、軽く撮ってたと思うわ(笑)。


---  どういう情報がいつ来て、そこからそれに対して、実際に会いに行くのか行かないのか・・・というジャッジも含めて、どう転ぶかわからない状況の中ですから、きっと、ずっと撮影されてたんだろうなと思いまして・・・。その膨大なフィルムの中、82分でまとめるっていう作業の困難さをお察ししました(笑)。


レベッカ  ありがとう(笑)。


---  それでは最後に、映画をご覧になる方へメッセージをお願いします。


レベッカ  そうね・・・まずは、この映画を観て下さい(笑)。「こんなに有名な絵に一体、何が起きたの?」ってみんな言うと思うんだけど・・・実際に何が起きたのかをぜひ、観て欲しいわ。


---  本日は、ありがとうございました。 


レベッカ  (日本語で)ドウモアリガトウ(笑)。


消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミス



おわり・・・






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