アーティスト、釣崎清隆。
Tuesday, March 25th 2008
釣崎清隆って、どんな人?
本名:釣崎清隆 (つりさき きよたか)
1966年富山県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。
AV監督を経て死体写真家となる。
1995年NGギャラリーにて初個展。世界各国の無法地帯や紛争地域を渡り歩き、これまで撮影した死体は1000体以上。
主な著書、作品に『ハードコア・ワークス』(NGP)、『死体に目が眩んで』(リトル ・モア)、『ファイト批評』(アイカワタケシ氏との共著/洋泉社)、『ジャンクフィルム』がある。
1995年にコロンビアはサンタフェデボゴタの無法地帯、カルトゥーチョのエンバーマー、オロスコに強い印象を受け、3年に渡って取材を敢行、血と暴力の本質にせまる問題作『死化粧師オロスコ』を完成させた。
この頃、映像作品を撮られている監督に直接、お話を伺う機会を頂いている。それは至極、贅沢な体験である反面、プレッシャーでもある。それはおそらく、「自らの内面が見透かされてしまうのではないか」という、畏怖からである。あるいは、対峙する方への畏敬の念によるもの、と言うべきかもしれない。
INTERVIEW=INTER(内面)をVIEW(覗く)と解釈するならば、それは、人と人が向き合い、お互いの内面に触れる行為。強い想いを抱きながら、”創作”されている方の眼差しはするどく、そしてあたたかい。どんな監督もひどく真摯に、わたしにでもわかるような言葉で、ストレートに想いを返してくれる。
そこで常に思うのは、どんな作品を撮られている方でも、わたしと同じ、一人の人間であるということ。10年以上に渡って、世界中の無法地帯、紛争地域で、死体現場を撮影してきた釣崎氏も、そういう方だった。
『死化粧師オロスコ』は、1999年に制作され、2000年夏に劇場公開した作品だが、2008年の現在、オロスコ没後10年記念として、UPLINKにて、現在公開されている。またこの作品がDVDとしても、完全版でリリースされる。
世界でもっとも治安が悪いといわれているコロンビアの中でも、特に危険なボゴタの”カルトゥーチョ”と呼ばれる界隈で、葬儀屋が軒を連ねる”モルグ街”に、最長老のエンバーマーとして、オロスコがいる。釣崎氏はオロスコの存在に惹かれ、3年という期間、彼を撮った。オロスコは、低所得者のために最低限のサービスを安価で提供するスタンスのエンバーマー。葬儀のために遺体を防腐処理し、損傷を修復し、死化粧する職業。それがエンバーマーの仕事であり、彼の”日常”である。
彼のエンバーミングを観ていくうちに、その存在がまるで司祭のように、そして、ひどく神聖で厳かな儀式のように思われた。彼の”仕事“のその所作は、ひどく美しい。オロスコが手に取り上げた心臓が、まだあたたかそうで、命の通っているものに感じるのはきっと、わたしだけではないだろう。また、オロスコが死体の女性の下半身に、下着やストッキングを履かせるシーンは女であるわたしでさえ、悦びを覚えた。
彼が生きていたという軌跡、そして、オロスコという人物に寄り添っていた釣崎氏の目線が、このフィルムには刻まれている。
続く、『ジャンクフィルム: 釣崎清隆残酷短編集』は、2007年の作品。タイ、コロンビア、ロシア、パレスチナ、インド、そして日本で、1995年から2006年にかけて撮影された、13の短編作品集。
タイのベジタリアン・フェスティバルでは、菜食をはじめとした禁欲の苦行として、神と一体化した行者たちが、過激な自虐行為をしながら街を行列する。インドの"バラナシ"という、聖地として有名な地は、ガンジス川のほとりにある町であり、そこでは、そのへんにいる野良犬と同じように、人々を火葬をする。タイの"サムットサコーン"、無念仏が土葬される龍山墓苑では、飽和状態になると古い遺体を掘り返して洗骨、荼毘をするという法会の様子を映す。会に参加した人々が、並べられた骸骨をケイタイのカメラで撮っているのが印象的だった。日本のシーンでは、火葬現場にカメラが寄り添い、骨壷に入れる骨の順番や儀礼の始終を捉えていく。そして、釣崎氏と交流もある、コラプテッドの「Llenandose de Gusanos」とともに、この短編集は終焉を迎える。
その国の民俗音楽とともに、死体を取り巻く人々の喧騒が、サウンドスケープも含めて、映し出される。 発見された死体の姿や、それらが処理されていく様子は、国や宗教、風習により、こんなにも違うものなのかと感じ知り、改めて、生と死について考えさせられた。
釣崎氏は、今日も世界のどこかの危険地帯で、カメラを廻していることだろう。”わかってしまった”という、表現者の宿命で。死が常に隣り合わせの状況の中で、死体を見つめる眼差しがあたたかいのは、彼が持つ”人間性”があたたかいからだ。彼はわたしに教えてくれたのだ、「死体は自分を映す鏡」だって。
そんな、アーティスト、釣崎清隆。について。
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for Bronze / Gold / Platinum Stage.
死化粧師オロスコ 限定版
Orozco El Embalsamador
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¥10,450
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¥8,569
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通常版
Orozco El Embalsamador
Price (tax incl.):
¥4,180
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(tax incl.):
¥3,428
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ジャンクフィルム: 釣崎清隆残酷短編集
Junk Film/Tsurisaki Kiyotaka Zankoku Tanpen Shu
Price (tax incl.):
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(tax incl.):
¥3,428
usually instock in 1-15days
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