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ピンクな宇宙、横尾忠則。

2007年11月25日 (日)

ピンクな宇宙、横尾忠則。



横尾忠則って、どんな人?


本名:横尾ただのり (よこおただのり)
生年月日:1936年6月27日

兵庫県西脇市生まれの、美術家、グラフィックデザイナー。

神戸新聞社にて、グラフィックデザイナーとして活動後、独立。

1980年7月にニューヨーク近代美術館にて開催された
ピカソ展に衝撃を受け、その後、画家宣言。

以来、美術家として、さまざまな作品制作に携わる。
長女の、横尾美美も美術家。





彼に初めて、まるで事故のように出逢ってしまったのは、学生時代の、ある日の古本屋でのこと。いつものように、なんとなく物色していたら、『私と直観と宇宙人』なんて、ネーミングなる本に遭遇。背景は赤黒く、人間の体を持った、でも頭にぼつぼつのついた大仏?でも、宇宙人?と妄想させる、なんだかよくわからないけれど生きてる物体が、妙にけだるく、あヘンなポージングで傾れかかっていて。それが異様なエネルギーを放っていたもので、誤って?この本を手に取ってしまったことから。

その後のわたしは、すっかり彼の言葉の虜になってしまい、貪るように、一気にこの本を読破してしまったのは、あまりにも懐かしく、忘れられない思い出で。この本の中身はもう、衝撃的なほど突き抜けていて、だけれど同時に、圧倒的な頷きを与えてくれたもので、これは宇宙からの?彼からの?啓示なのではないか、なんて思わせるくらいに。

次の日も、この本の2度目の読書をしていたら、「君、いいの読んでるね。じゃあ来週から、横尾忠則特集やろう!」なんて、忌野清志郎様に似た美術の先生に、唐突に言われたものです。

その週明けからの授業は、うっとりするような、夢のような授業内容でした。 次々と、スライドで流れる、寺山修司氏主宰、劇団「天井桟敷」の「腰巻お仙」のポスターや、唐十郎氏主宰の、劇団「状況劇場」(紅テント)アイテム。三島由紀夫氏の「薔薇刑」や滝のモチーフが入った作品群・・・。特に好みだったのが、ピンクシリーズ(今昔物語)で、ピンクな女の子たちが、人に見せちゃイケナイことを、見せちゃってるシリーズ。お堀、よだれ、モナ・リザ、カミソリ、オートバイ・・・なぞというタイトルで、そのようなワードから連想されることを、しちゃってます。(ちなみに、わたしのお仕事ノートは、これ♡)

彼の世界に本から入ったわたしは、授業で彼の作品に触れることになったのも、あの時、あの本屋で出逢ってしまったのもきっと、彼の言葉を用いると、導かれていたんだな、とその時思ったのです。





大島渚監督作品『新宿泥棒日記』は、横尾氏主演のATG。この当時、彼はすでに、ニューヨーク近代美術館に作品がコレクションされ、国際的な画家として知られていた頃。

このオファーが来た時、彼は真っ先に、自分のお相手役は、彼の永遠のヒロイン、「浅岡ルリ子さんにお願いしたい!」と言ったそうだけれど、「ラヴシーンがあるため、本人に断られた」とは、彼による談。

上でも少し触れさせて頂いた、状況劇場の唐十郎氏ら劇団員、俳優の佐藤慶氏、性科学の第一人者・高橋鉄博士などが実名で出演し、安保闘争期の新宿を舞台に、若者たちの混沌とした世界を描いたドラマ。60年代の自由と混沌に溢れた時代の空気が、そのままパッケージされたかのような作品。





ミュージシャン・あがた森魚氏が製作・監督・脚本・音楽・主演した、『僕は天使ぢゃないよ』は、「ガロ」に掲載されていた、林静一氏の人気漫画『赤色エレジー』原作で、1970年代伝説のインディーズ・ムービー。漫画家を目指す、駆け出しアニメーター一郎と、彼の周囲の人々の生活をノスタルジックに抽象的に描いた作品。横尾氏を始め、大瀧詠一氏、鈴木慶一氏、桃井かおり氏、泉谷しげる氏、山本コータロー氏、三上寛氏、友部正人氏、岡本喜八氏・・・と、何とも言えずな豪華キャスト!また、音楽もグッときちゃう、贅沢なお仕事ぶり。棒読みな台詞、微妙なニュアンス、そして、若かりし頃のキャストの方のお姿にも、ご注目。





横尾氏自らが演出・編集した映像作品として、『記憶の光景 Yokoo By Yokoo』では、エジプト、ベネチア、ニューヨーク、生まれ故郷の西脇を巡り、作品解説字幕を交えながら、彼の作品の真実に迫るといった内容。





各界の著名人に、彼のファンと公言している方は相当いらっしゃるのですが、特によく話題に出るのは、普遍的なテーマを目指したと言う、Y字路シリーズ。そして、こちらのシリーズは、殿方が特にお好みのご様子で。ちなみにあの、タモリ氏は、「横尾さんの描き続けているY字路の絵って、居心地の悪い気持ちよさが不思議で・・・」などと発言。またあの、高田純次氏もご自分で、このY字路の絵をご購入したとか。

ずいぶん前に、東京都現代美術館で開催された、「森羅万象展」では、ほぼ日の糸井重里氏とともに、横尾氏自身が学芸員として、ご自分の作品を解説などされていて、「Y字っていうのは、股広げたみたいだよね」なんて発言を♡ だから、このシリーズ、殿方がお好みなのかしら?なんて、妙に頷いたりした次第で。


現在は、温泉シリーズな作品群を描かれているので、たまに街の銭湯なぞに赴くと、そんな彼のお風呂ポスターがお目見え♡すること、稀に。


ちなみに、彼の最新刊はすごいですよ、タイトル長すぎます。

悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって下さい。』ですもの。

だけれど、妙に深く感銘を受けてしまったのは、わたしだけではない、はず。





もう、彼の存在はわたしの中で、ジャンルにカテゴライズするなんて不可能で、細胞を肥大化し、イマジネーションを湧き起させてくれる、まさに、宇宙のような存在。脳内にメーターがあるのなら、とっくり振り切れてしまって、もう行く先がないから、自分の潜在意識の奥深くまで入り込んで来るような方。

林屋ペー様に、少しお顔が似ていますが、それはご愛嬌。 演じる横尾に、動く横尾、観る横尾に、読む横尾と、As you likeの精神で、どうぞご堪能下さい。その方の趣味趣向により、若干、気分を害されるかもしれませんが、そうなってしまった方は、お許し下さいね。

と、そんなご様子で、わたしを開眼させてくれた、ピンクな宇宙、横尾忠則。





横尾忠則

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