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ワンダーJAPAN × HMV 

2007年11月1日 (木)


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ワンダーJAPAN編集長B級日記 (第1回)
ワンダーJAPAN創刊時の裏話

「こんなの別にワンダーじゃないんじゃない?」

 いつもながらのデザイナー・セキネさんのブッキラボーな一言。この歯に衣着せぬ率直な意見が聞けるのがセキネさんのいいところだ。しかもいつも本質をズバリ突いてくる。血がブシューと吹き出る。
 セキネさんが「それほど不思議(ワンダー)じゃない」といったその物件は、志免町(しめまち)にある「志免炭鉱立坑櫓(たてこうやぐら)」。創刊号の表紙を飾っている。福岡空港から車で15分程の住宅街の中央、小高い丘の上にそびえ立っているコンクリートの奇怪な建物である。
三池炭鉱、端島炭鉱(軍艦島)、崎戸炭鉱など九州には無数に炭鉱跡があるが、これもそのうちのひとつだ。

志免炭鉱
(c)木村洋一郎
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創刊号の目次で使われた画像(背景の空が白く変更された)のオリジナル志免炭鉱。

 「蔦がびっしりからみついていたら少しはワンダーかもしれないけど、これから(10月下旬)撮影に行っても蔦は枯れちゃってるしねぇ」。しかし、今回はここでヒルんでいては先に進めない。とにかく1冊作り上げないと。
ネットから勝手に画像を拝借し(すいません)、Photoshop(画像編集ソフト)で画像を加工し、QuarkXPress(レイアウトソフト)で適当に画像や文字を配置して表紙や本文のイメージを印刷して提示し、こんな感じの本を作りたいと説明する。「タイトルの『ワンダーJAPAN』はまだ仮ですけど、ロゴはこのフォント(スランプDB)にしたくて、できればタイトル部分を白くして「ku:nel」のようにちょっとオシャレっぽく…」。いま考えると、顔から火がボーボー出る。雑誌のタイトルロゴはデザイナーの腕の見せ所なのに、「タイトルロゴはこのフォントで」とデザイナーに臆面もなく言い放ち、「不思議なものをいっぱい集めて本にしたいんですよ」と酔っぱらっいの戯言のように何度も同じことを口走っているのだから。


企画書
オンリーワンのデメリット

 思えば企画会議では、「ワンダーJAPAN」がどういうものであるか、どんなに説明してもなかなか理解してもらえなかった。それも仕方がない。類似誌があれば、「ああ、あんな感じね」と一発で理解してもらえるのだが、オンリーワンの雑誌を目指してたのでそんなものはどこにもなかったから。
いちお廃墟専門なら、「萬(よろづ)」や「愛知県漂流」(ともに休刊)が、珍スポットなら単行本で都築響一氏の『珍日本紀行』や宝島社の「VOWシリーズ」などがあるけれど、幅広いジャンルのB級スポットをカバーして、それをメインで紹介する定期刊行物は見当たらなかった。

最近は本屋さんに行っても、「どの雑誌も商業主義にばかり走り、ちっともワクワクするようなものがないなぁ」という不満が自分の中に確固としてあった。特に旅ジャンルでそれを強く感じていた。企画書にも真っ先に書いたのは、「旅行ガイドは温泉・グルメ・有名観光スポットの紹介ばかりでつまんない!」というフレーズだった。

 北海道や沖縄へ旅行に行くときなど、「やっぱり遠い所にわざわざ行くからには、最新の情報を仕入れてからだよなー」と思ってついついガイドブックを買ってしまうのだ。が、現地に行って思うのは、「沖縄ってもっとおもしろいところあるじゃん。お墓ひとつとっても変な形で不思議なのになんでもっと紹介しないんだろ。建物だってどれも本土のとは微妙に雰囲気が異なってて違和感があって不思議な感じなのに、そういう視点で記事を載せてもいいのに…」という疑問というか不満。

 
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イチバン上に「新刊のご案内」とかわけのわからないことが書かれた企画書のトビラ。 勝手にお借りした画像なので、モザイクかけてますが、企画会議ではモザイクなしで 使ってしまいました。この場を借りてお詫び&お礼申し上げます。
 

たしかに、墓とか地味に違和感を感じる建物を大きく紹介しても広告主がお金を出してくれないんだろうけど、こっちは気になるし、もっと見てみたいと思う。変なものをもっと見てみたい! 脳はこんなにも刺激を求めている!! きっと多くの人もそんな不満を感じているに違いない。ちょうどニンテンドーDSの「脳トレ」が発売されたのも、WJ創刊と同じ年の2005年だ。

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首都圏外郭放水路 志免炭鉱
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「首都圏外郭放水路」(春日部市)「の取材の時に撮影した別カット。なぜか非常階段に萌える自分にこのころから気づきました。洪水の危険性があるときは、このトンネルの中を濁流が流れていくという。
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車で住宅街を走行中、突如志免炭鉱立坑櫓がその姿を表し、びっくりした時に撮影したもの。風変わりな容貌ながらも街にどことなくとけ込んで見えた。右に見えるのはボタ山?
 
 


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