トップ > 音楽CD・DVD > ニュース > ロック > NATALIE IMBRUGLIA TRACK BY TRACK

NATALIE IMBRUGLIA TRACK BY TRACK

2007年10月2日 (火)

Torn

みんな知ってると思うけどこの曲は私が書いたんじゃないの。だからフィル・ソーナリー(The Cure)とスタジオ入りして曲を書いているときに、彼はよく色んなカヴァー曲をプレイしてくれたの。その時私は21歳で、ちょうど曲を作る作業に慣れるのに精一杯だったのを憶えているわ。

そしてある日、彼と曲作りしているときに彼が昔Ednaswapっていうバンドをやっているときに作った曲があるんだって言って、その曲をプレイしてくれたの。それがこの「トーン」で、私はすぐにこの曲を好きになったの。いつも言っていたことなんだけど、もし誰かの曲をカヴァーするのなら、その曲が自分の曲のように感じられ、メロディと歌詞に本当に共感できる曲がよかったの。だから私は「トーン」をすぐに気に入って、デモを作ったの。

このビデオですごくおかしいのは、私の最初のビデオがすでに最高の出来だと感じているから、これから先どうすればいいの?っていう感じなのよね。今憶えているのは、大きな赤いソファーに座っているときに、いよいよ私の出番が来て、「どうしよう!腕はどう動かせばいいの?」って焦ったわ。だってビデオでの演技は全然考えてなかったの。当時はソングライティングばかりしていたから、突然ビデオの撮影が始まって何をしたらいいか分からなくてすごく怖かった。私の苦悩と不安感を表現すべきだと思ったし、見る人はきっと私の演技を評価するんだろうなって思ってた。だって私はは女優出身だったし、とりあえずやってみたわ。だから“生っぽさ”や“自然らしさ”みたいなものが出ていると思うし、それはやらせや演技ではできないことだと思う。だって撮影中自分が何をしているのかさっぱりわからなかったんだもの。私がしていた不思議な手の動きや足の蹴りはなんでそれをしたのか分からないけど、でも撮影は楽しかったわ。


Big Mistake

「トーン」のビデオで監督のアリソン・マクリーンと仕事をして、すばらしい経験になったので、2ndシングル「ビッグ・ミステイク」のビデオでも彼女と仕事することにしたの。撮影はスペインで行ったんだけどそれはすごくいいアイディアだったわ。私たちはすぐにスペイン人クルーの性格と“マニャーナ・マニャーナ”(スペイン語で「そのうち、そのうち」の意)という言葉を学んだの。つまり物事が進むのがちょっと遅いのよ。でも撮影はすごく楽しかったわ。内容は、私が道を歩きながら、たくさんの事が私の周りで同時に起こるっていうのが、アリソンのもともとのアイディアだったんだけど、とにかく楽しかった。それに撮影には私の親友も連れて行ったの。イギリス国外で撮影ができて、ちょっとした休暇も取れたのは素敵だったわ。

曲のレコーディングも興味深かったわ。マーク・ゴールデンバーグとLAの渓谷でスタジオ入りしてたんだけど、彼はキュートなバセット・ハウンド・ドッグを飼っていて、その犬がすごく可笑しいの。スタジオがあるマークの家はとても素敵で、そこに行くと私は床に寝そべって、彼は機材をいろいろいじりながらいろんなビーツやサウンドをプレイしてくれたの。そして私は小さなディクタフォン(小型録音機)を片手にメロディを口ずさむの。もちろん私は自分が何をしているのかあまりわかっていなかった。だってまだ曲作りの作業に慣れてなかったから、それらしいことを真似てみてただけなの。そしてこの曲のメロディを考えていたときのことは特に記憶に残っているわ。それは私がやっていた他のことと違っていたの。もっとアグレッシヴだったわ。結局ヴォーカル・パートをレコーディングしているときに、このデモを使うことにしたの。だって質も良かったし、それ以上のものを録れなかったから。そしてマークが最終的にこの曲のプロデュースもすることになったの。彼がプロデュースしたEelsの作品がすごく好きだったから、彼と一緒に曲作できたことはすごくエキサイティングだったわ。


Wishing I Was There

この曲のビデオもまたアリソン・マクリーンに監督してもらったの。彼女と組んだその前の2作がとても良かったから。この作品で私たちはもっと大掛かりなものにしようとしたんだと思う。私はミュージック・ビデオをちょっとした映画のようなものにするのが好きなの。でもUKヴァージョンの方はストーリをちょっと詰めこみすぎたんだと思う。だからちょっと難しいものになってしまった。でも撮影は美しい建物のなかで行ったの。ニュー・ジャージーにある古い劇場なんだけど、綺麗な金のモザイク・タイルとかがたくさんあって、すごく美しいセットだったわ。残念ながら期待していたほどのできではなかったので、アメリカ向けにマシュー・ロルストンと作り直したの。これは白黒のビデオで私はこっちの方が気に入っていると思う。

とにかく、私たちはUSヴァージョンを撮るためにLAのダウンタウンに行ったの。その時は「ワオ!アメリカ!」って思ったわ。だって大きなトレーラーは走ってるし、マッサージ・セラピストもいるし、ヨガもあるし、イギリスにないものばかり!って感じだった。だからマシューと仕事ができたことにすごく興奮したの。彼は多くのキャンペーン映像を撮っているし当時すごく有名だったの。ビデオもすごく楽しいものに仕上がったし。あと素晴らしいスタイリストやいろんな人たちに出会えたし。だから「スモーク」のビデオも彼に撮ってもらいたいって思ったの。


Smoke

そこでこのビデオもマシューと撮ることになったんだけど、彼の書いたシナリオでは私の体が煙のなかに溶けてなくなるといった、すごくクールな内容だったの。それは今までテレビで見たことのないようなすごい特撮のはずだっただけど、なかなかうまく行かなかった。マシューは撮影の終わりに結局ホリデーに行ってしまったんだと思う。ビデオは私の体の切り抜きの回りで黒いお香が焚かれたみたいな映像になってしまい、私たちは危機的な話し合いをしたのを憶えているわ。結局他の特撮のスペシャリストに頼んで撮影したものを編集段階で修正してもらい、おかげですごく改善されたわ。でも私が想像していたものとは違ったものに出来上がってしまった。だから多くの人がこのビデオが一番好きだっていってくれることがとても不思議だわ。


That Day

自分のパーソナルな経験について曲を書くのは時として難しいけど、でもそれ以上に私にとって問題なのは、自分が書く曲のほとんどが個人的なものだっていうこと。他人を観察して自分以外のことを書くことはもっと難しいのよ。だから私にとってのチャレンジは時々他の人と反対なの。だって人間関係における自分自身の感情的な経験について曲を書くことのほうがより自信があるし気楽にできるから。だからそれはちょっとした安全地帯なの。でもたいては自分が知っていることから始めて、そこから広がりをもたせるでしょう。マドンナの多くのヒット曲を手掛けたパット・レナードとLAのスタジオに入って作業をしたのを憶えているわ。彼と一緒に曲を書くことはとても楽しかったし、彼にはすごく勇気付けられたの。彼は私に他に追随することに対してプレッシャーを感じることはないって励ましてくれたの。そのことが「ザット・デイ」に反映されていると思う。私が書いた歌詞を彼に見せたときなんだけど、この歌詞では一種の意識の流れを表現しいて、彼はそれをとても気に入ってくれた。でも私は彼に「この歌詞にはコーラスが必要なの」って言ったんだけど、そしたら彼は「本当にコーラスは必要なのか?」って言うの。「とにかくこのままで曲にしてみよう。だってこれは意識の流れから生まれたようなものだから」って。彼はそれを崩したくなかったのね。だから私はそれにチャレンジすることにして、結果すごく言い曲になったと思うわ。

ビデオに関しては、まずはたくさんのシナリオ案を読んだの。私はジョン・ヒルコートっていう監督の大ファンで、彼はニック・ケイヴの多くのビデオを手掛けているんだけど、特にその中の一つが好きなのよ。それは多くの固定カメラとスロー・モーションを用いていて、ジェイソン・ドノヴァンが出演していたと思う。またそれは、パフォーマンスがメインになっていて、まさに私がしたかったものだった。それはシンプルで「ザット・デイ」の感情を捉えるようなもの。それに彼は一緒に仕事するには素晴らしい人で、このビデオは完璧な出来だと思ったの。特にライティングが徐々に変わっていく様が好きなんだけど、それはまるで私が太陽に向かって歩いていく感じで、この曲のクライマックスみたになっていると思うわ。だからそれは曲にすごくハマったと思う。


Wrong Impression

この曲はギャリー・クラークと共作したんだけど、彼と今までに作った曲の多くがスローなものだったの。だからこの曲のメロディが最初に浮かんだときに、これじゃダメ、もと速い曲じゃないと!って言ったの。だからメロディと曲の感じをアップテンポなものにするために頑張ったわ。私は今までメランコリックな曲を作る傾向があるし、それにちょっと飽きてきたから、この曲はできるだけアップテンポでポジティヴなものしようとしたのよ。だからこの曲の形が見えてきたときには私たちはすごくエキサイティングしたの。ビデオはLAのちょっと変わった郊外で撮影したんだけど、なんか『トゥルーマン・ショー』的な感じだったわ。つまり、すごく手入れされている庭や家などがなんだか作り物みたいだったの。撮影は楽しかったんだけど、実はその日はひどい二日酔いだったから、私の目が涙目でどんよりしちゃって大変だったわ。ビデオの中で私が自転車に乗っているシーンがあるんだけど、実は坂道が多かったから、車で引っ張ってもらったの(笑)。気づかなかったでしょう?


Beauty On The Fire

この曲のビデオの撮影ではバハマに行って、アトランティスというリゾートに滞在したんだけど、すごくエキサイティングだった。撮影では私が水中で泳ぐことになっていて、でも絶対に水着はイヤ!って言って、ジーンズで泳いだわ。事前に泳ぐシーンあることは知ってたんだけど、まさか酸素ボンベが必要なほど本格的なものだとは思わなかった。大きな水槽の底まで潜らないといけなくて、水槽の中には魚やマンタやサメがいるの。サメと一緒には入らなかったけどね。そして重りを腰に巻いて酸素ボンベで潜った後に、酸素ボンベを外してガラス越しに立ち上がり、魅力的な人魚みたいにまわりを見渡すっていうシーンがあるの。底まで潜って2秒以上じっとしているっていうのは、3テイクまでは平気だったんだけど、さすがに5テイクまで取り直したときは大変だったわ。でもすごく楽しんでやったけどね。撮影でバハマに行くこと自体決して悪いことじゃないしね。


Shiver

「シヴァー」のビデオはホント笑えるの。私がファンでもある素晴らしい監督のジェイク・ナーヴァに友達を通して連絡したんだけど、時として売り込みの電話をする方がいい場合があるってわかったわ。エージェントを通してコンタクトを取ると、監督自身はやりたがっていても、エージェントに断られてしまう場合があるから。だから今回はジェイクに懇願したのよ。そのお陰で彼はOKしてくれたわ。たぶん彼が引き受けてくれたのは、私が『ボーン・スプレマシー』のような映画的なアイディアを持っていて、彼がそのアイディアをすごく気に入ってくれたからだと思う。彼はとても興奮して私たちはたくさんアイディアを出し合ったわ。そして結局ウクライナのキエフで撮影することになったの。現地での撮影は他よりも予算がかからなかったから4日間も使ったわ。最近ではそんなに時間をかけて作らないわよね。

撮影はホント楽しかったし、ものすごいスタント・シーンも行ったの。私が運転しているシーンがあるんだけど、スピードを出しているように見えて、実はすごくノロノロ運転だったの。これはすごく演技力が必要だったから評価してほしいわ!ホント遅すぎてほとんど進んでなかったんだから。スタントの人たちは自分たちをランボーだと思っていたんじゃないかしら。彼らには恐怖心なんてないのよ。だって平気で車で何度も激突とかするんだもの。ある時なんて、車が柵をなぎ倒してクルーを轢きそうなったの。おかしかったわ。あ、おかしくないわよね。怖かったけど、やっぱりおかしかったわ。だって誰も怪我しなかったから。とにかく全ていい思い出。現地の人はみんないい人たちだし、彼らは私に「シヴァー」の掘り込みがされた8ミリ・カメラをプレゼントしてくれたの。素敵よね。嬉しくて泣いちゃったわ。


Counting Down The Days

夫のダニエルがプロデュースしたからっていう訳では決してないけど、この曲はアルバム『カウンティング・ダウン・ザ・デイズ』のなかですごく気に入っている曲のひとつなの。だからアルバムのタイトルにもしたくらい。それにこの曲にはアルバムのなかでも一番好きなサウンドがあるの。それは2つ目のヴァースで出てくるんだけど、鯨の鳴き声みたいな音よ。多分なんか不思議なものを通したチェロの音を逆回転させているんだと思う。どうやってしたか分からないけど、とにかく美しくてオーガニックなサウンドよ。そしてこれを聴くと鯨を思い浮かべるの。他の人にはどう聴こえるかわからないけどね。

ビデオのコンセプトは固定カメラを使ってたくさんの違なる日を描くことだったから、各日ごとに様々なライティングと衣装を試したの。それはすごく楽しかった。私はそれぞれのシーンで全く同じ動きをしないといけなかったので、最後の方はちょっと疲れてしまったけどね。でもすごくいいビデオになったと思う。


Glorious

「グローリアス」のビデオは私がメキシコにホリデーに行ったときに思いついたの。メキシコはすごくエキサイティングだったし、もう一度ホリデーで行きたいと思ったから、ビデオもそこで撮影したいと思ったのよ!まずは色んな人にメキシコの夏のヴァイヴが感じられるシナリオを作ってもらったわ。フランク・ボリンが一番いいものを考えてくれたんだけど、それは『天国の口、終わりの楽園』ていう映画にヒントを得たものだったの。実はこの映画の監督アルフォンソ・クアロンは私の友達なの。だからこのアイディアにはすごく興奮して、アルフォンソに電話で伝えたのよ。彼もまたすごく興奮して色々アドバイスしてくれたわ。ほんと凄くいい映画でとってもクールなの。

さっそく私たちは撮影の準備に取り掛かったんだけれども、ここ数年ビデオの撮影には以前と違って莫大な予算が使えないのよね。でも、少ない予算でもすばらしいビデオは作れるの。私たちは結局同じコンセプトを維持しつつ、LAで撮影することにしたの。でも気温が45度もある砂漠で撮影するとは聞かされてなかったわ!ビデオを見てくれるとわかるけど、屋外の撮影では私はあまり動き回っていないの。それでも1カットごとに化粧直しをしないといけないほど暑かったわ。自分の作品のためには辛い思いも時には必要なの。でも撮影自体は楽しかった。映画にはすごく興味があるし、演技にももっと真剣に取り組みたいと思っているから。あとビデオの中での私の友達役のキャスティングにはこだわったわ。単にスーパーモデル風の綺麗な女性をはべらすのではなく、本当の友達に見えるようにちゃんと演技ができる人がよかったの。結果はとてもいいキャスティングができたと思う。出演した2人の女の子は素晴らしく、とても自然な感じが出せたわ。すごく楽しいサマー・ホリデーがパーティで幕を閉じるっていうのが基本コンセプトだったんだけど、さらに花火を使ったお陰で親密な感じと、多分ちょっとセクシーになったと思う。ほんのちょっとだけね。でも私の過去のどのビデオよりもセクシーかも。


Be With You

ギャリー・クラークと曲作りのためにオーストラリアに行ったときに、夫のダニエルが家にいたの。彼はすぐに私たちのセッションに飛び入りしたわ。シドニーにホテルで彼といる時に彼に言ったの。「これからギャリーと一緒に曲をつくるから、今日もし他にすることがなければ、一緒に来ない?」って。そしたら「そうだね」って言って、セッションに参加することになったの。彼は優れたソングライターで音楽の才能もあるから、彼が参加してくれるときはいつもエキサイトするのよ。特にこの曲では彼に感謝してるの。コーラスの部分は彼が作ったんだけど、彼が口ずさみながらギターを弾くといつも素晴らしいメロディが生まれるの。それを見てるだけで刺激を受けるわ。私たちその後ニューキャッスルのギャリーの家に行って、セッションを継続したの。その間多量の赤ワインが消費されたわ。とてもリラックスできてた。テラスからは海が見えるんだけど、その水平線からもインスピレーションを得たわ。普段はあまりしないんだけど、屋外で曲を書くのもよかったわ。いつもはイギリスのスタジオにこもって曲を書くんだけど、それってとても憂鬱だけど有効なやり方なの。だって誰にも邪魔されないし、外に出れない分、ああしたい、こうしたいってイマジネーションが湧くの。でも今回求めていた曲の感じやヴァイヴがシドニーでのダニエルとのセッションやニューキャッスルのバルコニーがばっちり当てはまったと思う。とにかく、コーラスのところが好きなの。美しいしセンチメンタル。幸せと悲しみが同居している感じ。


Against The Wall

この曲もオーストラリアの「ビー・ウィズ・ユー」のセッションから生まれたの。この曲のコンセプト=恋に落ちることに抵抗するっていうアイディアが気に入ったの。私は逆に自ら恋に落ちてしまうけど、誰かへの想いがとても強くて、抵抗しても最後にはその感情に従ってしまうっていう、このアイディアが好き。ギャリーと曲を作っている最中に、曲の構成がちょっと変わっているせいで、途中で行き詰ってしまったの。そんなときにダニエルがセッションに参加して、魔法を使って解決しちゃったのよ。彼は既に出来上がっていたいくつかのパートを組み合わせて、さらにリズムとかも変えて、仕上げてしまったの。だからこの曲もすごく好き。


Stuck On The Moon

この曲もまたギャリーとダニエルと一緒に作ったんだけど、今度は自分とは全く関係ないフィクションの曲を作りたかったの。これはパーソナルな曲を作るよりも難しいから普段はあまりチャレンジしないのよ。今回は、ある女の子が朝起きてみたら地球には自分以外の人間がいないっていう曲を作ろうと決めたの。時として浮かんだアイディアが曲になるに従って、違った展開をみせることがあるんだけど、ギャリーは女の子が太陽と喧嘩して月から出れなくなるっていうアイディアを考え出したの。私は素晴らしいアイディアだと思ったわ。でもこの曲の全体のコンセプトは自分の置かれた状況と運命を受け入れ、自分の外からではなく自分の内側で幸せを見つけるって言うことなの。ちょっとディープでしょ?でもこれには真理があると思う。ポップ・ソングにもちょっとは物事の真理があるのよ。また、この曲はとても希望的だとも思うの。特にコーラス・パートは高揚感があり、いい気分にしてくれるの。


Amelia

この曲は、今度リリースするニュー・アルバムで一緒にレコーディングした、ベン・ヒリアーとデイヴ・マクラケンと作ったの。この二人は多くの曲を共作しているんだけど、それらの曲を私に聴かせてくれて、瞬時に気に入ったのがこの曲。でもその時はまだ曲の骨組みができていなくて、完成したものとはだいぶ違った曲だったわ。彼らには私に家に帰ってメロディを考えてみてって言われたの。これはすごく変な感じだった。だって私はいつも曲のアイディアを考え出すところから関わることに慣れていたので、既に他人によって出来上がっているアイディアにそれを崩さずに自分のものを付け加えるっていう作業に怯えたわ。だから実際に試してみようって思うところまですら、すごく時間がかかったし勇気が必要だった。

だんだん時間が迫ってきて、彼らに「もうできた?」って何度も聞かれるたびに、「ん〜、まだなの」って答えてた。ある日、家で苦しみながらできるだけ多くの異なるメロディを考えていたの。それは結構おもしろい曲作りの仕方だったわ。なぜなら多くのメロディが様々な形で曲に当てはめることができたの。そして、それらの多くのメロディをベンとデイヴが気に入ったものだけを選んで一つの曲に仕上げたの。結果うまくいったと思う。また歌詞の方も考えるのにも苦労したわ。この曲も自分のこと以外のフィクションなものにしようとしたの。ちなみに、今までの私のお気に入りの曲はなぜか曲のタイトルに女の子の名前が付くのよ。だからこの曲にもメロディに合った名前を探して、その名前からストーリーを考えたの。