DADASインタビュー
Tuesday, September 18th 2007
| インタビュー |
| DADASインタビュー |
90年代に日本のミクスチャーシーンをリードしたYKZ。そのYKZのベーシスト田中秀基を中心に、同じくYKZの盟友、秋満謙章、Rizeのドラマーである金子ノブアキ、そしてFMや音楽番組のMC、VJなどでも活躍中の井手大介という豪華なメンバーによって結成されたDadas。
アンダーグラウンドで活動を開始し、その圧倒的なパフォーマンスで話題を集めていた彼らがついに公式音源をリリース!まずは挨拶代わりのミニアルバム『Stillness In The Moment』が発売です! そしてDADASのメンバーにメールインタビューを敢行!バンド結成からアルバム制作についてなどいろいろ聞いてみました! DADAS特集ページ
DADASプレイリスト
|
●デビューミニアルバム『STILLNESS IN THE MOMENT』の完成おめでとうございます!HMV.co.jpに初登場ということで、簡単に自己紹介をお願いします。
井手大介:ボーカルとギターの井手大介です。いつもはラジオ番組でしゃべったりミュージシャンのインタビューをしているので僕の事を知っている人がいたらそっちの印象が強いんだろうな。バンドでCD出しちゃった!
田中秀基:ベースの田中秀基です。YKZというバンドをやっていましたが、このバンド・DADASでやっている音楽のイメージが閃いちゃって、今はこっちに係りっきりです。
秋満謙章:ギターの秋満謙章です。現在、DADAS、counters、volonte、この3つのバンドでギターを弾いています。
金子ノブアキ:金子です。叩いてます。よろしく。
●DADAS結成時のエピソード、バンド名の由来を教えていただけますか?
井手大介:高校生の頃からずっとギターでバンドはやっていたんです。解散したり新しく組んだり人のバンドに入ったり。
ヒデキ君がもともと作ったバンドでギターを弾いていた事もある。その時にヒデキ君はもう辞めていなかったけどね。電話で「バンドやろう」って言われた後も恵比寿MILKで焼酎飲みながらだいぶ強引に口説かれたよ。これ、目撃者多数。
酔っぱらいながら「やろうやろう」って答えても「違う!マジでやるんだ!」と熱い田中さん。だからやるって言ってんじゃん。酔っぱらいノリでバンド名も考えた。ANTHRAXにちなんで「イデスラックス」も候補に。物販はスラックスのみ。
田中さんは断固反対してたな。そんなヒデキ君も「初期衝動が〜!」と繰り返し連呼してたな。思い出深い酒の席でした。
田中秀基:YKZをやっていたときに、リフレッシュしようと沖縄にひとりでぶらっと旅に行きました。そして海洋博公園ってところを散歩しているときにふと大介の「IN THE SUN」という楽曲を思い出したのです。まあ、この曲は次のアルバムに入れると思いますけど。
で、何か演奏も熱くて、俺なりのYKZとは違うロックのスタイルを世の中に提案出来ないかな?と思い、大介に電話をしたのがきっかけです。
その時、全く大介は俺の作戦の訳が分かっていなかったようだけど…。俺の中には何か眩しい光が見えちゃって。そのあと、YKZでは2代目のギタリストとしてバンドのイメージを踏襲しつつ、自分のプレイをしていた謙章の根本的な資質がこのバンドにピッタリだと思い、三宿の焼き肉屋に呼び出して「YKZとは別にお前とやりたいことがある」と口説きました。
最後にYKZの渋谷クアトロに遊びに来ていた金子を拉致して駒沢のノアに連れて行ったら彼も「で、次はいつ?スタジオ代は割り勘でね」みたいな感じになり、バンドが始まりました。
バンド名はまったくくだらなくて、俺が見た夢からです。どんな夢かと言うと、アムトラックでアメリカを旅行している夢だったんだけど、そのときに乗り合わせた奴に「バンド名はなんて言うの?」と聞かれたときに俺は「DADASだよ」って答えたんだとリハのときに言ったら、DADASになっちゃったって話です。なんでDADASなのか自分にも全く分かりません。
秋満謙章:YKZの盟友・田中秀基の誘いを受け、4人揃って音を出した瞬間、皆の音が爆発しました。
金子ノブアキ:好きな人に誘われて音を出した、バチッと来た。そういうワケです。
●今回のミニアルバム『STILLNESS IN THE MOMENT』のタイトルに込められたメッセージは何でしょうか?
田中秀基:実は2005年の年末にはマスタリングまで終わっていて、レコーディングに関しては最初の2曲なんて2004年の8月。
精力的に活動をしようとしてた時期もあったんだけど、いろんな事情でここ1年くらいは休んでました。でも、みんなが何の号令も無い中で勝手にまた集まって来て、CD出そうぜ!みたいなムードになった。
過去に録ったモノも今回の作品以外にもアルバム1枚分あって、聴き直してみたら全然色褪せてない。あの魂を注いでた熱い瞬間がしっかりとパックされているんだなという風に思ったのと同時に、真実は永遠に不変なんだと思いこのタイトルを付けました。
●レコーディングの時のエピソードがあれば教えていただけますか?
井手大介:スタジオワークは魔法の時間の様でたまらない何かがある。本当は良くないんだろうけど声をからしながら歌ったりしてるうちに良いテイクが録れたりしてラフミックスしてもらったものを帰りの車で4人で聴いて。「ヤベー!カッケー!」と絶賛タイムでした。
早くみんなに聴いてもらいたかったけど時間がかかってしまいました。ついに解き放つ、そんな感じかな。山中湖合宿のときは本当は釣りに行きたくてね。
一回みんなで桟橋に言って釣りをした際に謙章君の誘い出したバスを横取りして釣り上げた事は今でもチクチク言われます。 釣れるとか釣れないとかじゃなくて、純粋に仲間に恵まれたフィッシングライフな時間を過ごしていた。
田中秀基:金子にクリックを使うのはあり得ないと思い、セーノで録った。俺なんて片耳はモニター、片耳は金子の生音を聴きながら、一緒の時間軸で録ったものしか残したくないと思いながらやったなと。
麻布台のサウンドシティと藤沢のイニックで録ったんだけど、みんなかなり一丸となってたなあと。そういえば山中湖に合宿にも行った。
なんか本当に有意義に人生の時間を使ってる感じだった。売れるとか売れないとかじゃなくて、純粋に仲間に恵まれたミュージシャンライフな時間を過ごしていた。
秋満謙章:殆ど何も用意しなかった、敢えて。その時の空気がうまく録れました。
金子ノブアキ:瞬く間に終わってる。
●それぞれの曲のサウンド、メロディ、構成、完成度どれをとってもさすがと言わんばかりで、まさに捨て曲なしといった感じですが、特に思い入れの強い曲を教えていただけますか?
井手大介:愛だの恋だの甘い歌は俺達が歌う必要はないと思う。俺は歌いたくない。そんなバンドつまんね。気持ちいい事ならいいけどね。
火の鳥での「全員燃えて死ね」ってメッセージはPTAから文句が出そうだけど今のロック界はぬるいからそんなバンドがあってもいいでしょ。そんな曲が一曲目に出来たなんていいバンドの始まり方したよ。
田中秀基:火の鳥の歌詞はバンドのメッセージの源泉かな?スタジオでジャムっていて一気に曲になった絵が脳裏に焼き付いている。
金子と目が合って、あいつがダンってスネアを一発ならしたら凄い量の脳内麻薬が出たなあとか。今回の作品には入ってないけれど、次作に入るであろう楽曲群にもそういうのが沢山ある。
秋満謙章:4人ともそうかって感じだけど「火の鳥」。最初に出来た曲だから。ここから始まりってことで。
金子ノブアキ:「火の鳥」。オレのアンセム。運命の1曲。
●『STILLNESS IN THE MOMENT』、ひとことで言うなら、ズバリなんでしょうか?
井手大介:個体状態の分子。細かく揺れて閉じ込められてる。気化して放たれたらだれにも止めらんない。
田中秀基:「真実」は錆びないよ。
秋満謙章:声も楽器も叫んでます。
金子ノブアキ:愛の結晶です。ご贔屓に。
●ヘビーでありながらメロディがしっかりと前面に出てきていて、今の邦楽シーンでは類を見ない骨太ロックですが、自分達の音楽性やこだわりなどお聞かせいただけますか?
井手大介:恋愛ソングはあまり好きじゃないと言ったけど応援ソングも俺達はやるつもりはないよ。自分で作る音楽くらいは好きな事だけ言ってわがままにやりたいね。
田中秀基:嘘は嫌だ。あと、実態の捉えきれない市場をマーケティングだかなんだかで分析して、訳知り顔で毒気の無い音楽を作っている人々が早く消え去れば良いと思います。ロックは押さえきれない熱を放出するのです。
秋満謙章:自分にしか出来ないことをやるしかないし出来ない。音楽というより良い空気を創りたい。
金子ノブアキ:特にないです。人を嫌いになりたくない。
●LIVE活動は以前からやられていて話題を呼んでいましたが、DADASにとってLIVEとはなんでしょうか?
井手大介:久しくやってねーなぁ。
田中秀基:一期一会。
秋満謙章:その時限りのもの。レコーディングもライヴもその瞬間だけのもの。
金子ノブアキ:食事みたいなモンです。
●普段よく聴いている音楽や、気になるアーチスト、おすすめのCDなど教えていただけますか?
井手大介:俺もJUSTICE、BATTLESは大好き。あとPRINCE!最近家ではダンスミュージックを聴いてる事が多いかな。日本人で本当に言いたい事言ってるのは忌野清志郎さん。あの感じ、本当にかっこいいと思う。純粋に憧れる。
あとタモリ!いつかタモさん、と呼びたいです。タモリのCDは絶対聴いた方がいいとも、じゃなくて、いいと思う。
田中秀基:なんか色々です。JUSTICEからBATTLES、AREPAZ IMMIGRANTE ORCHESTRA、STONES THROWもの、GERARDO FRISINAとか生風味が好きなようです。
ごく最近は昔っぽい感じが自分にヒットしてCOMMONを聴いてたなあ。JAZZY SPORTSのMIX CDもお洒落定番っぽくて好きでした。
秋満謙章:なんでも聴くけど、最近は民族音楽みたいなの。
金子ノブアキ:最近何も聴いてないなあ。ニール・ヤング位か。
●今後、DADASとしてどのような活動をしていきますか?
井手大介:ゆっくりマイペースにやります。スケジュール、締め切りに追われて急いで間に合わせて作るのは性に合ってない。やりたい時にやりたいだけやりまくるぜ! レーベルもかっこいいものをどんどん出します!期待してね。
田中秀基:隠れながらやろうかなと。そしてライヴは、偶然見れた人が「ラッキー!」と思ってもらえるくらいのことをして…。DiSiLLUSiON RECORDiNGSを良いレーベルにするべく頑張りたい。
秋満謙章:ちゃんと腰を据えて、地に足をつけて、やるべきときにガッツりと。
金子ノブアキ:ベストを尽くします。
●最後に、HMV.CO.JPをご覧の皆様にメッセージをお願いします。
井手大介:まずは少しでも興味を持ってくれて最後まで読んでくれた事に感謝します。このCDは色んな人の力を借りながらも全て自費で制作したので制作費だけでも回収できたら奇跡だと思っています。自費で作ったからこそ好き勝手やることが出来て幸せです。
出すまでに時間はかかってしまったけど買ってくれた人は抱きしめたい!抱きしめられたくない人はあえて抱きしめないので買って下さい!
田中秀基:何か胸の内がストレートに伝えられるので気持ちが良いです。No 他人のフィルター、Straight from my heart。
秋満謙章:DADASはこの4人でしか出来ないことしかやってません。みんなの叫びを聴いてみて下さい。
金子ノブアキ:愛してます。有難う。
ご協力ありがとうございます!!

90年代に日本のミクスチャーシーンをリードしたYKZ。そのYKZのベーシスト田中秀基を中心に、同じくYKZの盟友、秋満謙章、Rizeのドラマーである金子ノブアキ、そしてFMや音楽番組のMC、VJなどでも活躍中の井手大介という豪華なメンバーによって結成された