SOZORO ×あがた森魚 対談 5
2007年8月13日 (月)
“SOZOROというものを全部吐き出した”
吉原:あとはジャンルとかはあとから勝手についてくるであろうと。もう、そん時に僕はある程度曲とかはあったんで、そういう方向で行こうって頭の中にあったので。 笠原:聴かせてもらって、すごくイメージが沸いたというか、ぜひ色づけをしてみたいなと思って始めんですけど。 吉原:今となってはそれ以降メンバーは見つからず、2人でやることの手軽さと… 笠原:限られた中で表現するのが、難しいけども、また色になっていく。 あがた:おおかた2人?おおかたライブも2人?
吉原:そうですね、多くても、イトケンさんが入る3人とか、最近はできるだけ少ないほうが。前に僕がバンドをやっていた後で、特にこう少ない音で、歌を楽しむというか、サウンドで、爆音でノリを楽しむということから、ちょっと歌を楽しむというか、そういうことがしたくなって、僕はシャンソンが好きだからきっと、そういうのがやりたくなったんだろうなと思って。
笠原:生音で。 吉原:うん生音でもできるし、フラットな場所でも演奏できるっていうのが、すごく最近気に入っていて、わざわざライブハウスとか行かなくても。 笠原:お客さん対演奏者って感じじゃなくて、一空間の中に。 あがた:それこそここでやったっていいわけだよね。
吉原:そうですね。僕が20、30年の音楽を好きな理由の一つでもあると思うんですけど、なんかこう、そんなにこう音楽をあがめてないような気がするんですよね。音楽をみんな好きなんだけど、音楽をやってる人も、今ほど敷居が高くないような、ステージが高くないような、チケット代はもしかしたら高いかもしれないけど、その辺でいたるところでみんながやっていて、みんなが手が届くというか、どういって表現していいかわかんないですけど、みんなで楽しんでるような感じがすごく伝わってくるんですよね。
あがた:そうだね。どの辺りのが好きなんだっけ? 吉原:いやもう世界中。 簡単にレコードとかも無い時代だし、酒場とかで普通に、今となってはすごい贅沢な感じがするけど、当時としては酒場で演奏してるとかいうのは普通のことじゃないですか。 あがた:そうだね〜。でもどうなの今CDとかこうやって作ってて、何年ぶりになるんだっけ?2年ぶり? 吉原:1年ぶり。 あがた:1年ぶり?そうか、年1枚ぐらいは作りたい感じ? 吉原:今のところはまだ考えてないですけど、とりあえずこの2枚で、今までに作ってきたものを、一旦リセットしたかったっていうのがありまして。さっきあがたさんにどうやってアルバム作ってるのかって聞いたのは、今後もちょっと、ひとまずここまではSOZOROのなんて言うんですか、ベストまではいかないけどSOZOROというものを全部吐き出した感じで、これから少しそういうコンセプトアルバムまではいかないですけど、そういったものもやってみたいなと思ってるんで。 あがた:どんどん作って欲しいな。自分達のやりたい場所で、過不足無く自分達らしくできてればそれで何の問題も無いんだよな、もっとこう問いかけのある音楽をもっとみんなつくればいいのにとか思うこともあるし、もっと問いかけなきゃいけないなとか、自分の中では自分になんかこう、そういうなんていうのかな、プレッ シャーじゃないけど、投げかけを発してるんだけど。 久保田麻琴は、僕がこれから20年活動するためのこれは第一歩だとか言ってんだよ(笑)。来年還暦だぜ俺。で、俺、今度80歳に向けてお前出発しろって言う感じで、え〜って(笑)。お〜やるぞって感じもちろんあるけど。 でも一つだけ、はっきりしてるのは……、じゃいつまで歌えんの?とか思うわけよ、でもね、ジョアン・ジルベルトじゃないけど、やっぱり、歌は一生歌えるんだよ。だから、だんだん足腰も動かなくなり、声も出なくなるかもしれないけど、生きててしゃべってる気があれば、生きててしゃべってみたいっていう、何かを突き出したいっていう、何かがあれば歌うよね。 だから曲は、だんだん年に1曲か2曲しかひょっとしたら書かなくなるかもしれないけど、でも毎日のど渇いたとか、今日のこの飯まずいぞとか、言うのと同じく歌うよね。 だからSOZOROはそういうなんか、歌と演奏の素朴なところから出発してるところがあるから、うん、すごい親しみはあるよね。だから、わかんないんだけど、ディランやさジミ・ヘンドリックスにさ俺は何を感じたのか、出発点は色々あるけども、でもやっぱり寝る前に夢の中に聴こえていたい歌は何かな?っていったら、そういう歌もあるわけだしさ。そういうものはすごくSOZOROからは感じ取れるし、だからこのアルバムはぜひ聴いてほしいよね(笑)
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