2007年10月4日 (木)
System 7
手塚治虫とのコラボレーションアルバム!
UKテクノシーンの超大御所、
Steve HillageとMiquette Giraudyによる
System 7の、なんと12枚目となるアルバム作品
『Phoenix』のリリースが決定!今回の作品である『Phoenix』は、手塚治虫による『火の鳥』からのインスピレーションを元に制作されたアルバム作品です。
そんな作品について、System 7のお二人にインスピレーションの源となった部分について楽曲ごとに解説して頂きました。
Steve HillageとMiquette Giraudyによる
『インスピレーション源解説』
| | 火の鳥は人間界の出来事に介入する時、神秘的なテレパシックな声を使い、人の心に直接語りかける。人間界の争いの勝利、悲劇、そして死と再生の物語の全てを上空から見おろし、心に迫ってくる。その結果、そこには喜びと悲しみの混在した強い感情が芽生えてくる。火の鳥が持つ力、神秘的な声、そしてその感情を、音楽に代えて讃えることが私達の願いと言える。 |
| | 02. SPACE BIRD (collaborate with JAM EL MAR) |
| | ある宇宙飛行士が、「宇宙空間で巨大な生き物のような飛行物体を目撃した」と報告する。普通ならば生き物など存在しえない真空の宇宙で、それは確かに生きていた。更にその物体は、光り輝く長い尾を持つ鳥の形をしていた。彼らが目撃したものは宇宙の創造と関連があるように見えたが、それは鳥の姿をしてゆっくりと現れた為、違和感なく受け入れられた。鳥は彼らに語りかけ、難なく船の中へと侵入する。これは「太陽編」のあるシーンであるが、他の章でも語られており、特に「鳳凰編」においては、火の鳥は原子中の粒子が巨大な銀河へと変成する素晴らしいヴィジョンを喚起するものとして描かれている。このことから、スペース・バード(宇宙に現れた鳥)は宇宙の誕生そのものを表現していると言えるのではないだろうか。 |
| | 03. SCRAMBLE (collaborate with SLACK BABA) |
| | 空中をまるで虹色の蝶のように踊る若いカップル。開拓星ザルツにあるダンスホールは、無重力の状態にあった。宇宙開拓者達によって発明された、その変った形態のダンスは“スクランブル”と呼ばれ、ダンスが高潮すると人口重力が働き、ホールの全てをかき回し、一種の陶酔状態を生み出す。この無重力ディスコの“スクランブル”は「宇宙編」において私たちがもっとも注目した場面の一つである。漫画に登場するアナウンスの言葉をこの楽曲でも引用した。「では、スクランブルを始めます。ご用意ください!」 |
| | 04. MASATO ETERNITY (collaborate with JAM EL MAR) |
| | マサト=山之辺真人は、「未来編」に登場する主人公である。ハイテク都市ヤマトの宇宙パトロールであるマサトは、あらゆる幻想を叶えてくれる“ムーピー”と呼ばれる魅力的な不定形生物と恋に落ちることで指名手配される。この事件はやがて地球上の全ての生き物を消し去ってしまう、核戦争を引き起こす引き金となる。火の鳥はマサトに不死の血を与え、新たな文明の興隆を見守るよう指示する。マサトは無限の宇宙と時を越え、無数の世紀を生き続けるが、深い孤独の中で再び愛するムーピーとの再会を熱望する。 |
| | 舞台は古代日本。オグナという王子が美しい火山湖の中にある小さな島で、火の鳥を発見する。冷酷な父親である王から、火の鳥を捕らえるよう命じられながらも、彼にはそれが出来ない。火の鳥の美しさと温もりに引き込まれたオグナは、笛で美しい音楽を奏で始める。その音色にとても感激した火の鳥は、その見返りとしてオグナに不死の血を差し出す。オグナはやがて自分自身の為ではなく、故郷ヤマトで過酷な運命に直面している大勢の人民を救うため、その申し入れを受け入れ、火の鳥の助けを得てヤマトへ帰還する。一方、兄を殺した仇を討つことを誓いながらも、深くオグナを愛してしまったクマソの王女・カジカも、彼を追ってヤマトへとやってくる。時を越えた愛と情熱が、古代日本の歴史を交えながら悲劇的な結末を迎えるこの物語は、手塚治虫の複雑で時に超現実的な「ヤマト編」に収められている。 |
| | 06. STRANGE BEINGS (collaborate with DAEVID ALLEN) |
| | 冷酷な将軍の子孫である左近介は、不思議な癒しの力を持ち、800歳になると噂される八百比丘尼をいう尼を密かに殺すよう命じられていた。しかし左近介は実は若い男ではなく、男として育てられた女だということが明らかになり、時空の輪と因果応報により比丘尼の力を引き継ぐことを運命づけられる。私たちが注目したのは、この比丘尼の力が火の鳥の導きによって、鬼や妖精、さらに異形の生き物といった、あの世の者達にまで及ぶということである。タイトルにもあるように、「異形編」とは手塚治虫の『火の鳥』の中でも、最も風変わりな物語であり、そのラストでは、様々な妖怪変化の絵を描いていた左近介の家来が、時間の輪から解放された後、近代漫画の遠い祖先をもいえる有名な日本画の原型をつくった絵描きであることが明らかにされる。 |
| | 07. CHIHIRO 61298 (collaborate with SON KITE) |
| | 『火の鳥』の中で最も暗いと感じる「復活編」の中で、手塚治虫は「ロボットは心を持つことが出来るのか?」もしそうならば「それはどうやって生まれるのか?」という多くのSF作家の興味をかき立て続けて来た問題に取り組んでいる。主人公レオナは恐ろしい事故の後、最先端の科学技術によって医学的に再生されたが、人間よりロボットに共感を抱くようになる。そして彼の目には美しい女性として映る簡易型秘書ロボット・チヒロ61298を深く愛するようになる。2人はやがて死が訪れた後に合体し、『火の鳥』のストーリー全体におけるシンボル的なキャラクターの一つとなる、友好型ロボット・ロビタの心として存在していくこととなる。これは背景を飛び回る火の鳥の神秘的な導きと、暗い感情の物語である。
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| | 08. MAKIMURA-SPACE PILOT (collaborate with MITO) |
| | 牧村とは「宇宙編」、「望郷編」と、2つの物語に登場する主人公である。彼は良心的な一面もあるが、宇宙の法を著しく犯す極めて悲劇的な人物といえる。彼は「宇宙編」で、火の鳥から不死の贈り物を受け取るがそれが永遠に続く恐ろしい罰であったことを知る。地球に生まれながらも、生涯の殆どをザルツ星で過ごし、宇宙ディスコでスクランブルを踊る。「宇宙編」より過去に遡る物語の「望郷編」では、彼はよりユーモアがあり繊細な人物として描かれているが、宇宙植民地や宇宙盗賊など荒れた世界にやがて蝕まれていく。
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| | 09. WOLF HEAD (collaborate with EAT STATIC) |
| | 手塚治虫の『火の鳥』の中で、あらゆる面において最も複雑で過激は話といえるのが、宗教への信仰心がいかに政治権力によって人民の心を支配するために濫用されてきたかを暴く「太陽編」である。長い物語の中では、地上での争いが反映された、異なる神々による怪奇な「天国での戦い」が詳細に語られる。唐と百済の戦いで破れた主人公・ハリマ(犬上)は、顔面の皮を剥がされ、代わりに狼の頭皮を被せられる。奇跡的に命を取り留めた彼は日本へ渡り国内闘争のリーダーとなるが、奇妙なことに時代の違う21世紀で光の教団とシャドウの間での似たような闘争の中で、地下活動の戦士として活動する未来の自分のフラッシュバックを見続ける。この編で私たちが注目したのは、火の鳥と太陽信仰の繋がりを示す彫刻が施された古代のストーン・サークルが発見される場面である。 |
System 7 / Phoenix
System 7 リリース作品一覧
1曲目「HINOTORI」のPV完全版がご覧頂けます!
『火の鳥』とは...
生命の生と死とは何か。この単純でもっとも重大な問題、人間が有史以来取り組みながら、いまだに解決できないテーマに、正面からアプローチした壮大なスケールの長編連作漫画、それが『火の鳥』である。手塚治虫の数ある作品のなかでも、氏自身がライフワークとして取り組んだ代表作とされる。物語は、その血を飲めば永遠の命を持つとされる“火の鳥”(西欧ではフェニックス、中国では鳳凰と呼ばれる)を狂言回しに、3世紀頃の日本から35世の超未来の地球までを舞台とし、過去と未来を交互に、それぞれ独立した数奇な人間のドラマが描かれている。最後に現代編が描かれて完結するはずであったが、作者の早すぎる死によって未完に終わっている。描かれたシリーズ12編は、「黎明編」「未来編」「ヤマト編」「宇宙編」「鳳凰編」「復活編」「羽衣編」「望郷編」「生命編」「異形編」「乱世編」「太陽編」またシリーズとして描かれる以前の作品として、「漫画少年版・黎明編(未完)」「エジプト編」「ギリシャ編」「ローマ編」がある。
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