HMVインタビュー:Kay

Wednesday, August 1st 2007

  HMVインタビュー
  Kay
90年代は Exampleで活躍し、その後Mary J Blige、Meshell Ndegeocelloのツアーバンドのメンバーをしていたミュージシャンらと共にThe Foundationを結成、現在はATCQのAliのレーベルGarden Seekerの所属アーティストとして ソロ活動を続けるKay(ケイ)が、豪華アーティストのバックアップを受け、遂にソロ・アルバムを完成。ATCQのAli & Phife、Sa-Ra、Oh No、Nicolay、Strange Fruit Projectらとともに綴るソウルに満ち溢れたヒップホップの新機軸、それが『Talk Show』だ。

kay
  出来る限り、ありのままの自分でありたいと思ってる。
―― あなたのことを知らないヒトも多いと思うので、まず自己紹介して。Kay(ケイ)とは?いくつで何処に住んでいるの?


イエー、オレはThe FoundationのKay。32歳でテキサス・ヒューストンに住んでいる。


――テキサスやヒューストンからは一大旋風を巻き起こしているPaul Wallや、レジェンド:Scarfaceでも有名だよね。そういったタイプの違うアーティストとも交流ある?あと、テキサスからはStrange Fruit ProjectやK-Otix、Nicknackをはじめ多くの優良アンダー・グラウンドをも輩出してるけど、そう言ったバラエティー豊かな才能を多く生んでいるのは何故だと思う?


ヒューストンのシーンに関して、オレは凄くハッピーだよ。オレはこれまでにBun BやDevin The Dude ともコラボしてきた。テキサスのアーティストはみんなスタイルに関わらずに影響し、励まし合ってる。成功するのは難しいからな。


―― ヒップホップに興味を持ったキッカケは?何がアナタをヒップホップ・カルチャーに引き込んだの?いつ頃のこと?初めて聴いたレコードは?


ラン・DMCがオレがヒップホップにのめり込んだ一番の要因かな。1984〜1985年頃だったと思う。一番最初に聴いた曲は思い出せないな。たぶんSugarhillの曲じゃないかな。


―― 幼いときどんな音楽を聴いてた?


Jones Girls、Earth Wind & Fire、それとMarvin Gayeが大好きだった。グッド・ミュージックだけだよ。


―― 曲やライムを書き始めたのはいつ?


オレがライムを書き始めたのはちょうど1990年頃だったと思う。トラック・メイキングをはじめたのは1995年だよ。


―― アナタの楽曲をユニークでオリジナルだと思うのですが、自分自身で自分の音楽についてどう捉えている?


The Foundation関係について言えば、オレが全ての曲を手掛けているわけではない。オレのバンドはタレント揃いだから、プロダクションにフォーカスする必要はもうないんだ。クリス"ダディー"デイヴが、いまではThe Foundationをマネージしてる。オレはいまでは曲を選ぶだけだよ。『Talk Show』について言えば、オレはThe Foundationのサウンドを、オレの親友たちとコンバインさせたかったんだ。参加してくれたみんなに感謝したい。


―― 影響を受けたプロデューサーやアーティストはいますか?ジャンルを特定せずに教えて?


プロダクションに関して言えば、The Ummah、Pete Rock、あとはOrganized Noiseかな。アーティストなら…Commonと言わざるを得ないな!


―― 好きなプロデューサーは?


Dilla!!いつでも変わらなく。


―― 好きなアルバムか曲を3つ挙げて


Tribe Called Quest 『Midnight Marauders』、Outkast 『Aquemini』、あとはSleepy's Theme(*Sleepy Brownのユニット。98年にアルバムをリリースしている) かな。でも数日後には変わっているかもしれない。


―― ひとそれぞれ違うと思うけど、楽曲のインスピレーションはどこから来るの?楽曲が先?それともリリック?


曲が先で、オレにアイディアをくれる。MCとしては、楽曲に対してオーバー・パワーにならないように注意している。曲に添ってのっていきたい。昔はバトル・ライムも多く書いたが、たぶん大人になって、そういうのはつまんないと分かったんだろうな。


―― MCとして常に心がけていることは?


出来る限り、ありのままの自分でありたいと思ってる。オレに会った時にイメージと違って驚かれるのはイヤだ。オレは、レコード上でも、本当の生活、人生でも一緒だよ。



―― 次に、アルバム『Talk Show』について教えて?超豪華なプロデューサーやアーティストが参加しているけど、彼らについても紹介して?彼らとはどうやって知り合ったの?


プロダクション・チームでは、Chris“Daddy”Dave、Nicolay、S1、The Are、Sa-Ra Creative Partners、Oh No、Illmind、Mint Conditon、Ali Shaheed Muhammed、Luke Austin、 Justin Lewis、あとオレ。リリックで言えば、D.Rose、Chip Fu、Phife、Sy Smith、Nicola Hurst、SoulfruitのToby Hill、Stragne Fruit Project、K-Otix、Andre King、Starchy Arch、Petu、 それとCipherに、Sincereがコメントしてる。こんなにイイ友も持ててオレは幸せだよ。


―― アナタはTribe Called QuestのAliのレーベル:ガーデン・シーカーに所属してますが、どういう経緯で彼と知り合い、レーベル所属アーティストになったの?


Chrisが彼を紹介してくれた。ChrisがAliと一緒に仕事をしていて、Aliがオレのラップを聴いた。その後、オレたちは繋がったんだ。


―― このプロジェクトでは、MCingに焦点を置いていますが、トラックも作るよね?MCとビート・メイキング、どっちを先に始めたの? 何か違いある?


ラップを先に初めて、後からプロデュースもするようになった。最近はライムを書くので精一杯&忙しくて、プロダクションを手掛ける時間がほとんどない。


―― このアルバム以前にも長い間シーンで活躍してきたみたいだけど、これまでのグループ、ExampleとThe Foundationについても教えて?それ以外もある?


CipherとのExampleが最初のグループ。ヤツがASRの使い方を教えてくれたんだ。最近は一緒にやる機会がなかったけど、いつかまた一緒にやりたい。The Foundationは、Chrisとオレが中心で作ったグループ。彼と一緒にやることで、音楽のシステムや構造など多くのことを学んだよ。


―― これがソロとしてはファースト・アルバムだよね、でも昔から曲を取り貯めてきたの?


そうさ、長い間かけてるよ。『Talk Show』は、もう3年近くもかけてるかな。何曲かはもっと前のもあるよ。


―― いまでは多くの日本人がウェブ・サイト、”ラッパーズ・アイ・ノウ”(www.rappersiknow.com)のことを知ってますが、それがどんなものか簡単に教えて。どうオーガナイズされてるの?


ラッパーズ・アイ・ノウは、オレとFWMJとの間でのジョーク(おふざけ)に過ぎなかった。このアルバムに収録されている「January 13 2005」は、オレたちが話し合ったまさにその日なんだ。始めてすぐとんとん拍子にことが進んだ。The Areが参加してきてアルバムをリリースすべきと確信させてくれた。いまでは、ラッパーズ・アイ・ノウはFWMJ、The Are、そしてオレの三人が中心だ。


―― 今後共演したいアーティストはいる?また何故?


Benny Sings、J*DaVeY、J Electronicaとはやりたい。一杯いるな。みんなそれぞれ頑張っているのが曲からも感じられるから。


―― 今後のリリース予定は?いま何かやってる?


The Foundationのアルバムがロウカスから出る。あとは、The AreとのTogether Brotherもロウカスからリリースされる。いまちょうど、Nicolayとのプロジェクト:Time:Lineを秋に彼の新レーベル=ニコレイ・ミュージックからリリースしようとしてる。あとは、Oh NoとのJackson Projectにも取り組んでいる。来年のいつか出るよ。


―― アナタにとってヒップホップとは?


人生そのもの


―― 日本のリスナーになにかメッセージは?


日本に行きたい。日本人は音楽に関してはオープン・マインドみたいだ。みんなそう言ってる。いつか行ければいいと強く思ってる。
(協力:ULTRA-VYBE)
 
 
 
  テキサスから掘り出しモノ的な1枚  
 
Talk Show

CD Talk Show
Kay

ATCQのAliがバックアップしているクルーThe FoundationのMC/プロデューサーのKayがソロ・デビュー。プロデューサーにThe FoundationクルーやAliはもちろん、Sa-Ra、Oh No、Nicolay、Strange Fruit ProjectのS-1、The Are、Illmindらが担当。ゲストもPhife Dawg、Mint Condition、Sy Smithなど実力派が揃っている。グルーヴィーでソウルフルなビートをバックにKayが巧みなフロウで乗りこなす様はまさに「The Talk Show」そのもの。アンダーグラウンド・ヒップホップの新たな指針を示す快作だ。
 
 

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