HMVインタビュー: Jerome Derradji
Thursday, July 19th 2007
| インタビュー |
| Jerome Derradji |
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―― コンピレーション収録アーティストについて、それぞれご紹介して頂けますでしょうか?
Jerome Derradji: OK、じゃあ、収録アーティストをそれぞれ紹介していくね。 SAM & GIGI Jerome Derradji: 彼らの名は今では世界中で知られているよ。一緒に仕事をしはじめてからもう4年は経つかな…Samはフィンランドでアンダーグラウンドなウェアハウス・パーティーもオーガナイズしていて、そこで彼はGigiと出会ったんだ。特にGigiの音楽背景であるクラシックやジャズが彼らに特別な影響を与えていると思うよ、だから彼らのライヴはエモーショナルでクオリティーが高いんだ。 PATCHWORKS Jerome Derradji: PatchworksはBrunoのプロジェクトで2000年頃からフランスの数々のレーベルでリリースを重ね既にJazzanova、Koop、Gilles Petersonなんかがプレイリストに挙げていたよ。ちょうどその頃が<Still Music>の1stリリースを準備している時期で、彼にアプローチしたんだ。そしてAmp Fiddlerのリミックスが入った「The Sugar EP」をリリースしたんだけど、それが本当に多くの評価を得ることができたし、次の「Brothers On The Slide EP」は世界中でヒットしたよ。彼らはレーベルの看板とも言えるかな。そして今は彼らの1stアルバムを準備しているんだ。 Delano Smith Jerome Derradji: 彼はデトロイト・ビートダウン・サウンドの旗手さ。そして自身でも<Mixmode Recordings>を主宰している。ラテンのリズムやアシッド・ハウス、ディープ・テクノをロング・ミックスでつないで、常にダンス・フロアのヴァイブを忘れない素晴らしいDJだ。彼は常に自分の音楽に自己を投影し、デトロイトにそれを刻むんだって言ってるよ。 Rondenion Jerome Derradji: 彼は最近サインしたアーティストの一人で、ヒロフミ・ゴトウという日本人だよ。2002年に<U.S.B.>レーベルから「AMERIA EP」でデヴューして、それをDerrick Mayなんかがプレイしていて…それからRondenionという名でウチにアプローチがあったんだ。ディープでソウルフルで色々なものが複雑に入り組んでいる日本人らしい雰囲気がとてもユニークだろ? Paul Randolph Jerome Derradji: 彼はデトロイトのミュージシャンで6歳の時から音楽を習い始めた素晴らしい才能の持ち主だよ。実際にP-FunkやWar それにBrian Setzerなど、数え切れないほどの有名なミュージシャン達とも一緒にステージに立っていたんだ。それにデトロイトのアンダーグラウンド・シーンを支えてきたといっても過言ではないね。<UR>のMad Mike、Octave Oneの<430 West>、Carl Craigらと一緒に彼は素晴らしい仕事を見せているし、<Mahogani Music>からは『This Is What It Is』をリリースしているよ。 Gerald Mitchell Jerome Derradji: 彼もまた最近サインしたアーティストの一人で、皆が知っているように既に大きな成功を収めているUR/Los Hermanosのメンバー。今回のコンピレーションに収録した「Strongholds」は今度12インチでリリースしようと思っている彼の待望の新曲さ。 Irfan Jerome Derradji: 彼はマンチェスターで<Rainy City Music>レーベルを主宰していて、長いキャリアを誇るDJでもあるんだ。同郷のA Guy Called Geraldに曲の作り方なんかを教えてもらっていたよ。とはいえ、テクノやハウスだけでなく今ではブラジリアン・ミュージックのDJとしても有名でBlazeやTony Allen、Bah Sambaのリミックスも手掛けている。 Grupo X Jerome Derradji: Grupo Xはラテン/ブラジルの音楽をうまくブレンドしているロンドンを拠点に活動するバンド。コンピレーションに収録した「Brand New Love」は既にシングルでリリースしていて、ソウルフルなラテン・ディープ・ハウスで、僕らも本当に気に入っている曲だよ。Irfanがリミックスしているけどディープなニューヨークのテイストで完璧なミックスさ。 The Voice Jerome Derradji: 実は彼が唯一僕らの地元であるシカゴのアーティストCharles Matlockのプロジェクトで、「Horror in Sudan」はアフロビートを基にした曲、それをPhil Asherがダンス・フロア仕様にしたんだ。これはアフリカに対する問題意識を喚起する、ポリティカルなメッセージが込められた曲だよ。 Francois A Jerome Derradji: Francois A はフランス、リヨンのプロデューでこれから <Still Music>とサブ・レーベルの<Past Due>からシングルをリリースしていくよ。とにかく期待のアーティストさ! Isoul8 Jerome Derradji: イタリア生まれのEnricoのプロジェクト。彼はシカゴ・ハウスやデトロイト・テクノ影響を受け<ARCHAIV>レーベルを立ち上げた人物で今では<NERORI>も主宰しているよ。それにVolcov名義での作品やDomuとのコラボレーション・プロジェクトRimaでも皆知っているよね。 ―― <Still Music>を設立した理由について教えてください。 Jerome Derradji: 僕が<Still Musicを始めたのは、もっとメディアへの露出と成長が必要だと思った音楽やアーティストを世に出していきたかったからなんだ。あと、12歳の時に初めてレコードを買ったときからの、子供の頃からの夢でもあったんだよね。 ―― <Still Music>のレーベルとしてのコンセプトはありますか? Jerome Derradji: レーベルのコンセプトは特にないんだ。アーティストと、彼らが公になる場の架け橋になるために設立したレーベルのようなもんなんだ。Still Musicをアーティストにとっても、オーディエンスにとっても魅力的でオリジナリティー溢れる存在にしたかったんだ。 ―― あなたが目標とするレーベルは? Jerome Derradji: たくさんもあるよ!今、思い浮かぶのは、<Motown>、<Blue Note>(の良かったころ)、<Kudu>、<Cti>、<Black Jazz>、そしてクラブシーンだと<Planet E>、<UR>、<Sonar Kollekty>などかな。これらのレーベルは日々目標にしてるよ! ―― 今回リリースされたPaul Randolphのアルバムを紹介していただけますか? Jerome Derradji: Paulは二年かけてアルバムを作成したんだ。デトロイト的のソウルフルな、素晴らしい作品だよ。ものすごく多才で、このアルバムには様々なジャンルが含まれているから、いわゆる「エレクトロニック」な作品ではないのさ。Waajeed, Amp Fiddler, Stephanie Mckay, Dj Dezなどのアーティストがフィーチャリングされていて、リミックスにはJazzanova, URのMike Banks, Todd Sines, Simbad,Moonstarrが携わっているよ。 ―― 差し支えなければ、あなた自身が影響を受けた作品をいくつか教えて頂けますか?可能であればその理由も教えてください。 Jerome Derradji: 挙げきれないほどたくさんあるね。僕は毎日数え切れないほどの音楽やアーティストから影響を受けている。新しい音楽と古い音楽の両方から影響を受けているよ。それが<Still Music>と<Past Due>を運営して、ハッピーでいられる秘訣だと思うんだ。 ―― <Still Music>の今後の展開について教えてください。 Jerome Derradji: Still Music はまだ成長期にあるんだ。Patchworks、Paul Randolph、それとDetroitからDL Jonesという新人ヒップホップアーティスト、その他多くの新作アルバムの発表が控えているんだ。また、Discoのリイシューレーベル<Past Due>から、僕のスペシャルミックスCD付きのコンピレーションを作成中だよ! 今回インタビューの場を設けてくれたことと、皆さんの応援に感謝します。どうもありがとう。 ―― こちらこそ、ありがとうございました! |
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(取材協力:Underground Gallery)
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