―― まずは『RF Presents』を立ち上げたキッカケをお話頂けますか?
Rasmus: ヨーロッパでは人気があるんだけど、日本ではまだ知られていないアーティストが僕の周りには沢山いて、彼らを日本のみんなに紹介したいと思ったことがキッカケなんだ。日本ってアメリカのハウスシーンは比較的知られていると思うんだけど、ヨーロッパのハウスシーンについてはあまり伝わっていないように感じたんだ。そしてビクターからリリースされているボクの作品のように、数々の12インチ作品をコンパイルするという作業は比較的慣れていたから、いろんなアーティストの12インチ音源をコンパイルしてCDでリリースしたいって思ったんだ。
―― 第一弾としてサイモンの作品をリリースされましたね。
Rasmus: このシリーズをスタートしようと思い立って、まず最初にと考えていたのがサイモンなんだ。今回、彼の作品をリリースできたことにとても満足しているよ。この作品はコンピレーションとしてだけでなく、一枚のアルバム作品としても機能する作品になっているよ。
Simon: こういうCDアルバムという形で自分の作品集を聴いたことがなかったんだけど、聴いてからはボクもラスマスと同じ考えを持ったよ。あと、この作品に収録されている2曲目はまだ12インチでもリリースしていない音源で、いろんなところから問い合わせがあったんだけど、こういうかたちでリリースすることが出来たからみんなにも喜んでもらえるんじゃないかな。(そして今回のアルバムのパッケージを見つつ…)そういえば、このパッケージを見るのは今日が初めてなんだ(笑)。このジャケットに写ってるのは僕じゃないよ(笑)。
―― サイモンは今まで12インチをベースとした活動でしたが、今回CDでリリースすることに対してはどう思いましたか?
Simon: ラスマスから、日本のマーケットは僕らが作るような楽曲に対してすごく好意的であるということを聞いていたし、日本の人たちにCDアルバムとして紹介する価値があるというのは感じたんだ。だからこの話をもらったときはとても嬉しかったよ。
―― 第一弾としてサイモンを選んだ、その理由というのは?
Rasmus: 最初に何人か思い浮かべていたんだけど、すでに日本でも認知されているようなアーティストだったり、なによりもコンピレーションCDとして成り立つくらいの曲のストックがなきゃ出来ないからね。そんな中でも彼の楽曲は、聴いただけでサイモンの楽曲だという特徴を持っているし、アルバムとしてまとまりやすいと思ったんだよね。そういう意味で、サイモンは『RF Presents』の第一弾にふさわしいアーティストだったんだ。
―― そして第二弾は「夏」をテーマとしたコンピレーション作品ということですが?
Rasmus: うん、アーティスト単位だけじゃなくて、あるテーマを元にしたコンピレーション作品もリリースしていこうと考えているんだ。
―― 「夏」というテーマにした理由は?
Rasmus: うーん、、、まあ単純にこれから夏が来るからっていうのと、ヨーロッパでは夏をテーマとしたコンピレーションは定番のようにリリースされているしね。
Simon: これからっていうか、今がもう夏だよね(笑)?
Rasmus: そうだね(笑)。(インタビュー時は梅雨前の晴れ晴れとした日でした)
―― 話を変えますが、そもそもお二人の出会いというのは?
Simon: ラスマスの名前は前から知っていたし、実際彼のつくった楽曲からインスピレーションを受けていたりもしていたんだ。そしてラスマスの作品はボクと同じ目線で曲作りをしているように感じていたんだ。もともとメールとかでは彼と連絡を取り合っていたんだけど、去年初めてストックホルムに行って、そこで彼の曲作りのベースはボクと同じジャズやラテンということを再認識したんだ。
Rasmus: 僕らはもともとキーボーディスト/ピアニストという共通点もあるしね。
―― キーボーディストであったがゆえに、お互いが惹きつけられたということでしょうか?
Shin-Ski: うん、そうだね。やっぱり制作時とかに感じるフラストレーションとかもたぶんサイモンと一緒だろうし、お互い共感できる部分というのが他の人よりも多いと思うんだ。もともとぼくらは他のアーティストのキーボーディストとして参加していて、そこからソロアーティストとしてハウスシーンに足を踏み入れたという点でも一緒なんだ(注:サイモンはニー・ディープなど、ラスマスはスモーなどの作品に参加)。
―― お二人の音楽的バックグラウンドについて教えてください。
Simon: ハービー・ハンコック!同じキーボーディストであるということもあるし、作曲やプログラミングという点においてもかなり影響を受けているよ。あとは、ミッシェル・ンデゲオチェロかな。
Rasmus: ボクはサイモンと違って、特定の誰から影響を受けたというのはあまり無いんだよね。幅広いジャンルのいろんな部分から影響を受けていると思うんだ。たとえばクラシック作曲家だったりとか、ジャズ・ファンク・ムーブメント全体からだったりとかね。最近、坂本龍一の「美貌の青空」(OST『バベル』に収録)が気に入っていてよく聴いてるよ。あと、ここ最近は良くも悪くもダンスミュージックからの影響を受けたりしていると思うんだ。シーンに密接に関わりあうようになってきたしね。
―― サイモンのホームページにはmoogシンセが大きく掲載されてますよね?
Simon: ボクの音楽の中ではとても大きい存在だよ!昔からウェザー・リポートとかハービー・ハンコックとか聴いていたから、彼らの音楽とともにアナログシンセに対して魅力を感じていたのは確かだね…あ、そういや昨日は渋谷のヴィンテージシンセが置いてある店(えちごやMUSIC)に行ってきたんだ!ついKORGのシンセを買っちゃったんだよね。買ってホテルに帰ってずーっといじってったよ。今回一緒に来日しているクルーがいるんだけど、彼と3時間くらい、まるで取り憑かれたようにね(笑)。
担当ディレクター: 彼ら、2時間くらい店に居ましたからね…。あ、そういえばラスマスも1台買ってました。
Rasmus: うん、ボクも買った(笑)。結構小さいやつ。
Simon: あれはスーパーマーケットでライブやるとき用に、わざわざ小さいやつを買ったんでしょ?(笑)
Rasmus: そうそう(笑)。