HMVインタビュー: Ananda Project
2007年4月16日 (月)
☆『Fire Flower』発売記念インタビュー!
アトランタをベースに活動するプロデューサーChris Brannによる、ソウル、エレクトロニカ、ハウス、アフロ、ブラジリアン、ジャズといった幅広い音楽要素を取り込んだプロジェクト Ananda Projectが、4年ぶりとなる待望の3rdアルバム『Fire Flower』をリリース!過去にはWamdue Project名義でのシングル「King Of My Castle」が200万枚のセールスを記録し、 Ananda Projectとしても「Cascades Of Colour」はUKのMuzik誌において98年度Best Singleに選出されるなどのキャリアを持つ彼らのセクシーかつスタイリッシュなディープハウスは、クラブミュージックファンのみならず、多くの人に受け入れられるであろうポテンシャルを秘めた傑作アルバムとなりました!
そんな作品のリリースにあわせ、Ananda Projectの中心人物 Chris Brannにお話をお聞きすることが出来ました!
Interview with Ananda Project (Chris Brann)
○ 3rdアルバム『Fire Flower』完成おめでとうございます。リリースにあたってご自身の率直なご感想をお聞かせ願えますでしょうか?
Chris Brann(以下:C): アルバムの音にこだわりすぎて永遠に出せないかと思ったけど、結果的に完成させることができて、これで前に進めると思うと最高の気分だよ!
○このアルバムの制作に入ったのはいつ頃からですか?
C: 2006年の頭くらいから始めたんだけど、ミックスを終えるまでにはまる1年かける事になった。ただ、アルバムの制作に入る前からDenise Whiteがヴォーカルをとる「Stalk You」が一曲だけはあって、これは昔からライブでも良くやっていた。
Ananda Project 『Fire Flower』
○アルバムタイトルの『Fire Flower』に込められた意味を教えていただけますか?そしてアルバムのテーマはどのようなものですか?
C: 僕は映画監督である北野武の大ファンで、「Hana-bi」が今まで観た映画の中で最も好きな映画のひとつで、この映画の宣伝にひまわりのイメージが使われていた事にとても心を動かされたんだ。アルバムに取りかかったときに、テレンスと僕で「Fireworks」(花火)という曲に取りかかった時に、この事を思い出して「Fire Flower」というタイトルがアルバムにぴったりくる事に気づいたんだ。それはほんの一部分でしかないんだけどタイトルを以て北野武の映画に敬意を払っているという部分もあるよね。
○今作において、新たに取り入れたことはありますか?ありましたらその理由もおしえてください。
C: いつも驚くことだけど、作曲に取りかかると新しい曲を作り始めると、新しい事が勝手に起り始めるんだ。これは直感でもあり魔法でもあるんだよね。技術的に新しい事となると、もう昔からコンピュータやシンセを使い続けてきて感心がなくなっている。そうなると、作品に込められている感情を明らかにしていくことにしか関心がなくなるんだよ。
○楽曲制作の際に、どのような事象からインスピレーションされますか?
C: 僕は「悲しみ」という感情が好きなんだ。これ以上落ち込めないほど究極に悲しんでいるときは、逆に嬉しくなろうとすることしか道がなくなる。そして、そのときにちょっとでも嬉しくなれた時というのは、ただ嬉しさに偶然遭遇したのちがって、とてもスイートなんだよ。
○『FIRE FLOWER』の制作過程での印象的なエピソードがありましたら教えていただけますでしょうか?
C: アルバム制作中は公私ともに、人生の色々な周りの変化があり自分の変化があった。自分の人生観を大きく変えるような現実の問題に対して、自分にかなり大まじめな問いを投げかけなくてはならなかったりしてアルバム制作を放り投げるところでもあったんだ。ただ、友達や周りのみんなのおかげでなんとか完成させることができて幸せだよ。
Ananda Project 関連作品 左から 1. Ananda Project 『Relight』(2004年) / 2. Ananda Project 『Re-release』(2001年) / 3. Ananda Project 『Release』(2000年)/ 4. Chris Brann 『Deep Fall』(1998年)/ 5. P'taah 『Compressed Light』(2000年)
○現在までにリリースされているアルバム2枚にはRemix盤が存在しますが、今回もRemix盤のリリースを予定されていますか?
C: まだ分からないけど、おそらく出すと思う。すでにたくさんの素晴らしいリミックスが続々とできていて、自分自身すごく楽しみにしているんだよ。
○数ある名義の中で"Ananda Project"というプロジェクトの位置づけや、プロジェクトとしてのテーマがありましたら教えてください。
C: Ananda Project は、親密である自然への最も個人的な鏡のような物なんだ。 Ananda Projectの音楽は水や自然、山や鳥たちと繋がっている。そしてもちろん太陽ともね!
○こちらは一度お聞きしてみたかったのですが、Ananda Projectを代表する名曲「Cascades of Colour」はどのようにしてうまれたのでしょうか?エピソードがありましたら教えてください。
C: 良く覚えてるよ。Gaelleと僕の二人で色々なコードや展開、アプローチなどを延々とためしながら完成するまで何日もスタジオにカンヅメになって取りかかっていたんだよ。僕たちのその時のエネルギーや生み出していた音はとても張りつめたものだったよ。終わった瞬間に僕は5時間もかけて海岸へ車を走らせ、ビーチでぼうっとしなきゃやってられなかったくらいだったんだよ!
○あなたに強く影響を与えたアルバム(曲)を3枚(3曲)あげていただくことは出来ますか?その理由も教えていただけますでしょうか?
C: まずはGeorge Dukeの「Feel」だね。魔法としか言いようが無いし、Airtoのパーカッションも素晴らしい。この時代の音楽には、音楽への愛がすごく感じられるね。
・ George Dukeの「Feel」収録の自身がコンパイルしたコンピレーション。 Various 『Chris Brann Presents Inspirations』(2002年)
C: それとSteve Reichの『Music for 18 Musicians』。とてもコズミック。しかもそれがものすごく高級なヴァイブから発生していて、高揚するチャクラなんだ。
・Steve Reich 『Music for 18 Musicians』(1996年)
C: 昔からずっと言っているんだけど、人生の大半Keith Jarretの音楽しか聞いていないと言っても過言じゃない。『Koin Concert』は彼が自分の真の力へと昇華していく様が記録されていて、とてつもない旅の記録だとおもうよ。
・Keith Jarret 『Koin Concert』(1987年)
○時代の流れによって、デジタル配信等の音楽流通形態の転換期の真っ只中ですが、そういったことについてご自身の見解はどのようなものでしょうか?
C: Great!なんじゃないかな?でもやっぱり自分が買う物は見て触ってから買いたいよね。音楽をダウンロードするということが、現在のカルチャー内に存在する「音楽を消費する」という構造に加担してしまうことを危惧している。ただ最近僕も音楽を配信で買うようになってきているのも事実だけどね。
○今後の予定について教えてください。
C: 今年の終わり頃にWamdue Projectのアルバムを出す予定でいる。また、Heatherや Terranceのソロアルバムも制作に取りかかっている。あとSky Hyというヒップホップのアルバムもプロデュースしたんだよ!
○ありがとうございました!!
協力: avex
