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06年 ヒップホップ・ベストセレクション

Thursday, December 14th 2006

〜2006年ヒップホップ・スタイル別ベスト・アルバム〜



  ◆シーン全体
2006年、振り返ってみればなんとプッシュバックの多かったこと!1ヶ月・2ヶ月は当たり前。出るぞ出るぞと煽り・煽られ、何度悔しい思いをしたことか...。アルバム制作から実際に発売されるまで時間がかかった一方で、ネットに音源がリークされることもしばしば。音源リーク⇒制作し直し⇒発売延期という見事な悪循環が音楽業界を脅かすようになりました。また シングルのデジタル市場へ移行は顕著になり、アルバム未収録曲のエクスクルーシヴDLや、 リングトーン(着メロ)・ダウンロードの記録をヒップホップのアーティストが塗り替えるということも。 またヒップホップの勢力地図は、今年も サウス勢の猛攻、ベイエリアを中心としたハイフィー・ムーヴメント、NY復権の兆しなどが挙げられるでしょう。 トピックとしては、Gnarls BarkleyとBlack Eyed Peasのジャンルを超えたブレイク、Snoop久々の来日、P.Diddy音楽活動再開、Game vs G-Unit〜Dipset vs Jay Zのビーフ延焼、Jay Zのラッパー復帰、Nasデフジャムからの新作...etc。 そして毎年恒例とはいえ、年末のクリスマス商戦を狙ったリリース・ラッシュは凄まじかった...。いやホントに。

No.1!

Game4 Game/Doctor's Advocate
“コンプトンの正しき継承者”としてDr Dre、50 Cent全面バックアップでG-Unitレーベルから鮮烈デビューを飾ったGameが約1年ぶりにリリースする2ndアルバムは、ヒップホップ史に残るビーフを展開したG-Unitから離れ新天地Geffenからのリリースとなる。ストリート・レベルで既に話題だったReefa & D Rocが手がけたJunior Reid"One Blood"ネタの激ヤバ・ハーコー・チューン"It's Okay(On Blood)"、Scott Storchがプロデュースした"Let's Ride (Strip Club) "、9分に及ぶ長尺曲"Why You Hate The Game"など、終始貫かれたむせ返るような男気に眩暈を起こすほど。心配の種であったWill I Am曲も想像以上にハードで締まった仕上がりだし、ソウルフルなKanye曲も良い。Dr Dreに向けたタイトル曲、ウェッサイファンにはたまらない"California Vacation"&"Bang"の連続攻め等、その他は言わずもがなである。多くのリスナーが欲していた鳥肌が立つような劇画調のヒップホップ・アルバムをDr Dre抜きで作り上げてしまうとは。06年最強のアルバムに決定!



Young Jeezy「Inspiration: Thug Motivation 102」、Nas「Hip Hop Is Dead」、Snoop Dogg「Tha Blue Carpet Treatment」、Pimp C 「Pimpalation」、Busta Rhymes「Big Bang」


T. I.「King」、DMX「Year of The Dog Again」、Lupe Fiasco「Lupe Fiasco's Food & Requor」、Gnarls Barkley「St Elsewhere」、Jay Z「Kingdom Come」


Ghostface Killah「Fishscale」、Lady Sovereign「Public Warning」、Roots「Game Theory」、Rick Ross「Port Of Miami」、Diddy「Press Play」




ウェッサイ&ベイエリア&チカーノ
Dogg Pound新作へのSnoop Dogg参加はもちろん、ベイエリアのハイフィー旋風、交通事故から復活したRoscoeの頑張り、大物Ice Cubeの意地、Coolio突然の復活、ボンサグメンバーの乱れ撃ち、ベテランToo $hortの精力絶倫、はたまたダズの南部化、Xzibitの移籍&SAS脱退、Dr Dreから卒業したGame、Snoop原点回帰、没後10周年記念の2 Pac新作まで...(以上Kurupt&Dazアンリリースト集Newsより抜粋)。まぁ〜06年も西は頑張りましたよ。しかし(Gameは頑張りましたが)。Eazy Eの息子のデビュー、そしてDr Dreの「Detox」が9月に出るという噂を信じて来年に希望を託しましょう。 一方、ベイエリアではハイフィー・ブームが到来。特にアブストラクト・ヒップホップのカリスマDJ Shadowのハイフィーへの傾倒は、ベイエリアに見向きもしなかったその筋の人々にも興味を持ってもらう良いきっかけとなりました。。 チカーノ・ラップは比較的安定。どちらかというとFrankie JなどR&B市場でラテン系アーティストが活躍しました。

No.1! *(全体1位のGameは除外)

Snoop4  Snoop Dogg/ Tha Blue Carpet Treatment
もはや「西」という狭い範疇で括れない存在となってしまったSnoop Doggが8作目のコンセプトにぶち上げたのはウェッサイ・ファン感涙の「原点回帰」だった。しかし、実際にはアートワークも例のスヌープ犬から今風のアー写に変更され、ゲスト陣も豪華絢爛(Stevie Wonderまで参加!)。タイトル通り「レッドカーペット」以上の「ブルーカーペット」を歩くSnoopの現在のステータスを誇示した作品となった。だからと言って近年のSnoopがとってきた軟弱(?)路線ではなく、想像以上に硬派な仕上りとなっており、西復権の旗手としてのメンツを保ったとも言える。特にFrequencyが手がけた"Think About It"、"Nate Doggとの抜群の相性を見せ付ける"Crazy"、今年のネプ・ワークスの中では上位に入る"Vato"、ハイフィーにも色気を出した"Candy"といった前半部分と、後半ではD'Agnelo参加が大きな話題となったDr Dre作の"Imagine"など素晴らしい。贅肉部分を削ぎ落とし曲を厳選していたらと思ったファンも多いのではないだろうか。非常に惜しい!



E-40「My Ghetto Report Card」、Too Short「Blow The Whistle」、New Ridaz「New Ridaz」、Xzibit「Full Circle」、Dogg Pound「Cali Iz Active」


Reyes Bros「Ghetto Therapy 」、Ice Cube「Laugh Now, Cry Later」、Roscoe「I Luv Cali 」、 Team「World Premiere」、Suga Free「Just Add Water 」



ダーティ・サウス
メインストリームとシンクロしつつあるサウス・シーン。特にT.I.、Young Jeezy、Jermaine Dupriなど擁するアトランタはヒップホップの主流と言っても過言ではありません。その他地域では、 昨年に引き続きHタウン・ブームが吹き荒れ、日本でもようやくUGKやZ-Roらローカルのスター達の名前が知れ渡り、スクリュー盤も比較的入手しやすく なりました。 さらにカトリーナ災害からの復興が未だに続くニューオリンズでは、JuvenileやWeezyことLil Wayneらが大活躍。アカデミー受賞で盛り上がったメンフィスのThree 6 Mafiaもメンバーは減ったもののパワーアップしています。

No.1! *(Young Jeezy、T.I.は除外)

Pimp C4  Pimp C/Pimpalation
2001年から加重暴行罪で獄中生活をしてきたUGKの片割れ、Pimp Cが出所後初となるソロ・アルバム!Tom Pettyの"Free Fallin"を使った超キャッチーな"Free"、超ど真ん中サウスチューン"Knockin Doorz Down"、Boyz N Da HoodのJody BreezeとTelaを迎えたJazze Phaプロデュースの"Honey" 変態Mannie Fresh節が堪能できる"Ceat On You Man"、スクリューを最高にカッコ良く取り入れてる"Gitcha Mind Right"、相方Bun BのバリトンヴォイスとMike Jonesのある意味投げやりなラップの対比も見事な"Pourin' Up"はコスリも入ってメタメタカッコイイー!!さらにラストはZ-RoとScarface作品でも知られるTanya Herron嬢をフィーチャーしたAaron Hallのヒット曲ネタでシメ!プロデューサーはMr Lee、Jazze Pha、Mannie Fresh、Myke Diesel、Clay D、Corey Moと強力ラインナップ!相方Bun Bのソロ・アルバムに負けぬ内容!降参デス!



Rick Ross「Port Of Miami」、Partners N Crime 「Club Bangaz」、Yung Joc 「New Joc City」、Trae「Restless」、Birdman / Lil Wayne 「Like Father Like Son」


Z Ro 「Still Living」、Va「Day Hell Broke Loose: Vol.3」、Project Pat「Crook By Da Book: The Fed Story」、Juvenile 「Reality Check 」、Da Muzicianz「Da Muzicianz」



アンダーグラウンド
日本でジャジー系はハズレのないジャンルとして固定化。Cradle、Jemapurなど、ポストNujabesとでも言うべき新しいアーティストも登場。 一方、海外ではFive Deez久々の復活、 マッシュアップCDで名を馳せたLushlifeやDanger Mouseらの活躍、Lightheaded周辺、 Stones Throwレーベル、故Jay Deeの遺志を継いだデトロイト勢ら 手堅いところが精力的に作品をリリース。 また、StreetsやSpank Rockといった独自路線のUKやオランダなど欧州シーンも元気でした。

No.1!

Hi-Tek4  Hi-Tek/ Hi Teknology: 2
プロデューサーとしての評価がメキメキ上がっているHi-Tekが約5年ぶりにセルフ・プロデュースでアルバムをリリース。 以前インタビューで「ラッパーとしてというよりもプロデューサーとしての力を表現したもの」とコメントしたとおり、超豪華なゲストを多数迎えたHi-Tek絵巻の装いだ。また、Nas、Busta Rhymes、Common、Talib Kweli、Raekwon、Bun B、Kurupt、Q-Tip、Mos Def、Game、そして故J Dillaと東西南から均等にゲストをフィーチャーしているのもHi-Tekの才能に惚れこんでいるアーティストが多い証拠だろう。これまでのプロデュースワークにより築き上げられた人脈が活かした極上の仕上がり!ラストの"Music For Life"聴いて泣かないヒップホップ・ファンはいないのでは?染みた...。



Cradle「Attitude」、Procussions「5 Sparrows For 2 Cents」、Sound Providers 「True Indeed」、Pismo「Within Transition」、Pigeon John 「And The Summertime Pool Party」


Dabrye「Two / Three 」、Shinsight Trio「Shallow Nights Blurry Moon 」、Jel「Soft Money 」、Aloe Blacc 「Shine Through」、Exile「Dirty Science」



再発
2006年の大きな動きとして忘れてならないのは名盤発掘作業。90年代HipHopブームの先駆けとなったMain Sourceの名盤「Breaking Atoms」の再発からはじまり、Kool G Rap & Dj Polo、 Showbiz & AGやLord FinesseらD.I.T.C.再評価などなど、往年のファンにとっては嬉しい現象があちこちで起こりました。しかし、再発においての仕様やオリジナルとの若干の違いに不満を漏らす一部マニアとリーズナブルな値段でクラシックが入手できることを喜ぶ肯定派に分かれたりも...。色々な意味で盛り上がるヒップホップ・クラシック・ブームに遂にはメジャー・レーベルも乗っかり、来年も名盤発掘の動きは続きそうです。

No.1!

Main Source 4  Main Source/Breaking Atoms
まさにマスターピース、Main Sourceの「Breaking Atoms」が遂にリイシュー!しかもボーナス・トラックとしてWild Pitch契約以前に発表していた"Think"、"Atom"、そしてサントラ『White Men Can't Rap』に収録されていた3人でのラスト曲"Fakin' The Funk"、Brand New Heaviesとの共演となった「Heavy Rhyme Experience Vol.1」に収録の"Bonafied Funk"を追加。さらに世界初披露となる"Looking At The Front Door"の別ヴァージョンと、当時制作の未発表曲"Time"を収録!これを聴かないで一体何を聴く?!全ヒップホップ・ファン、ウルトラ・マスト盤!



5 Cent「5 Cent Deposit 50 Cent Fuk!」、Lord Finesse 「Awakening 」、Intelligent Hoodlum「Intelligent Hoodlum」、Showbiz & Ag 「Runnaway Slave」、Kool G Rap & Dj Polo 「Road To The Riches!」


Scientifik 「Criminal Scientifik」、K Solo 「Tell The World My Name」、Marley Marl 「In Control Vol 1」、Ed Og & Da Bulldogs 「Roxbury 02119」、Da King & I 「Contemporary Jeep Music 」



コンピレーション&Mix CD
コンピレーションの供給量の変化は特にありませんでしたが、取り扱うMix CDのタイトル数は異常に増加。 ヒット曲・リード曲をチェクするだけの大量消費の為だけのMix CDから、DJのセンスが問われるような重要作品までリリースされました。 DJで選ぶか、収録曲で選ぶか。リスナーの選択眼が試される時代です

No.1!

A Trak4  A Trak/Oh No You Didn't: Live In Vancouver
Kanye WestのツアーDJ、そしてスクラッチャーとしてKanyeの「Late Registration」、Commonの「Be」に抜擢、DMC、ITF、ベスタクスをはじめとする5つのワールドチャンピオンに輝いたこともあるモントリオール出身のDJ、A-TrakのミックスCD。しかもミックス作品は16歳の時にリリースしたミックス・テープ以来!昨年の秋に行われたバンクーバーでのライヴをレコーディングしたもので、サンプラーとエフェクターを使ったスキルはもちろん、パーティをロックするテクニックもばっちり!ルーティーンからロングセットに繋いでいき、De La SoulからDaft Punk、Mann Parrish、Mac Mall(!)など幅広いジャンルをミックス!



Eminem「Eminem Presents The Re-up 」、「Lost & Found」、Dj Vlad / Roc Raida「Champions: North Meets South」、「Chrome Children」、「Day Hell Broke Loose: Vol.3」


DJ Kaori「Dj Kaori's Inmix: II」、Muro「Kings Of Diggin'」、Dj Princess Cut「Undaground Queenz: Vol.2」、「Hi Records Old Gold Selected & Mixed By Dj Bobo James A.k.a. D.l」、DJ Mitsu The Beats「Bbe Sessions」



R.I.P.
06年、惜しくも他界した若きヒップホップ・アーティストたち...。心からご冥福をお祈りいたします。

No.1!

Jay Dilla4  Jay Dilla/Shining
今年2月に32歳の若さで亡くなった、ヒップホップの歴史に残る天才プロデューサー、J Dillaの遺作がBBEから遂にリリース。エグゼクティブ・プロデューサーはDillaと長年の付き合いになるジャズ・ドラマーのKarriem Riggins。ゲストには盟友Busta Rhymes、Common、Pharoahe Monch、Madlib、Dwele、そしてD'Angeloなど、彼と縁の深いアーティストが参加している。Soulquarians仲間であるD'AngeloとCommonを迎えたスモーキーな"So Far To Go"、MadlibとGuilty Simpsonをフィーチャーした早回しネタもの"Baby"、Impressionsの"We Must Be in Love"使いの"Love"、揺れるようなベースラインと浮遊感溢れるシンセ音で聴く者を暗闇に引きずり込む"Over the Breaks"〜"Body Movin'"等、まさにJ Dillaにしか作り得ない、黒くダビーで、どこまでも深い音世界が展開されている。改めて彼の偉大な才能を感じさせる傑作だ。



Proof「Searching For Jerry Garcia 」、X Clan「Return From Mecca」(Professor X) 、Hawk「Bad Azz Mix Tape Ii 」

*関連特集
⇒ Jay Dee追悼特集
⇒ Proof追悼特集



*担当者個人的ヘビロテ盤

Coup 4 Coup/Pick A Bigger Weapon
アフロ&もみあげの男前の Boots Riley(リリック&プロダクション)と、肝っ玉姐さんPam The Funkstress(DJ)の2人から成るオークランドのヒップホップ・ユニットCoup。9.11のテロを想起させるとして急遽ジャケットを差し替えてリリースされた4thアルバム「Party Music」から約5年ぶりとなるニューアルバムが到着。しかしそんなブランクを感じさせない非常に黒い1枚に仕上がった!Parliament/FunkadelicからPrinceの「Dirty Mind」時代、80年代後半のToo $hort、ベイエリアのニュームーブメントであるハイフィーのグルーヴまで感じさせるなんともファンキー極まりない傑作!ゲストにはTalib Kweli、Black Thought、Tom Morello、Silk Eらが参加!



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