R.I.P. Jay Dee....

Thursday, April 23rd 2009

DATE：2006年2月13日

先日、Stones Throwから「Donuts」をリリースしたばかりのJay Deeが、2月10日午前8時、ロサンゼルスの病院で亡くなったと報じられています。 Stones Throwのレーベルサイトのトップページにも"RIP J DILLA 1974 - 2006"という表記が...。享年32歳。

昨年、肝臓の疾患で入院しており、昏睡状態との噂も一時広まりましたが、その後回復し、今年は「Donuts」及び、BBEからの新作等も予定されており、本格的な活動を目の前にしていただけに早すぎる死が悔やまれてなりません。心からご冥福をお祈りいたします...。

新作はインスト作品

最新アルバムは Stones Throwからリリースしたインスト・アルバム「Donuts」。

「Donuts」は体調の悪かった昨年、スタジオと病院を行き来している間に作り続けたものをベースにしたもので、MC無しの44分間のインスト作品。1曲あたり2分も満たない全31曲を収録。時には70’sのソウルのミックステープのように聴こえるエレクトロニック･ミュージックのアルバムで、まるでJay Deeがプログラムしたラジオ局のチャンネルをクルクル回してるかのような不思議な作品です。

ちなみにタイトルの意味は単純で、彼の大好きなDonutsからとったそう（ダブルミーニング？）。

Pete Rockに続き、Jay Deeのリミックス・ワークも！

今度は名曲揃いのリミックス・ワークを収録した「J Dilla Remixes」を発売！

Pete Rockの同タイプの作品「He Invented The Remix」もかなりの話題になっていますが、同じくトラックメイカーとして絶大なる支持を集めるJay Deeもリミックス・ワークでは負けてません！

「J Dilla Remixes」には、初期のBusta Rhymesとの名仕事や、一気にJay Deeの名前が知れ渡るきっかけとなったTruth Enola、Mos Defが参加したDe La Soulの"Stakes Is High(remix)"、Pharcydeの"Y?(Be Like that)"、人気の高いR&B畑でのレアなJanetのQ-Tipのコラボ・リミックスやLucy Pearl、Macy Grayとの仕事、！"The Lights"やCommon、Q-Tip、Pharrellという超豪華メンツの"Come Close(remix)"まで収録。シングルのみのレア音源も！Jay Deeのリミキサーとしての魅力が凝縮された1枚となっています！

5月頃にはBBEからソロ･アルバム！

「Welcome To Detroit」をリリースした英BBEからもソロアルバム「J Dilla's The Shining」をリリースする予定。こちらは詳細未定ですが、Pharoah Monch、Karriem Rigginsらが参加予定とのこと。これが遺作となってしまうのでしょうか...。

Madlibも新作完成！

Jay Deeが最新作を発売したStones Throwからアンダーグラウンド・ヒップホップ界を代表するプロデューサーMadlibもニューアルバム「Beat Konducta: Vol.1-2: Movie Scenes」をリリース。

内容は、7吋や12吋のヴァイナルのみでリリースしていたMadlibの変名インスト・プロジェクト「Beat Konducta」をCD化したもので、 Jay Dee「Donuts」と同じく、ショート・トラックを数多く収録したアルバムとなっています。

無限にひらめくサンプリング要素、ため息が出るぐらいのセンスの良さ、最高のテクニック、やはりこの人は凄い...と思わせる一枚となっています！

■Jay Dee関連作■
・「Welcome To Detroit」(01年)
・「Welcome 2 Detroit Instrumentals」（05年)
・「Official Instrumental Series Unreleased Vol.1」(03年)
・「Vintage Jay Dee Of The Unmah」(04年)
・J88 「Best Kept Secret」(00年)
・Slum Village 「Fantastic: Vol.1」(96年)
・Slum Village「Fantastic Volume 2」(00年)
・Slum Village「Trinity (Past Present And Future)」(02年)
・Slum Village「Dirty District」(02年)
・Slum Village「Detroit Deli - A Taste Of Detroit」(04年)
・Slum Village「Prequel To A Classic」(05年)
・Jaylib「Champion Sound」(03年)

■05年のJay Deeのお仕事■
・Common 「Be」
・Dwele 「Some Kinda 」
・Dwight Trible 「Love Is The Answer 」
・Med 「Push Comes To Shove」
・Moka Only「Desired Effect」
・Oh No "Move Pt.2"
・Spacek 「Space Shift」
・Talib Kweli　「Right About Now」

■代表的仕事■

・

Jay Dee / F*ck The Police (『Exclusive Collection』)
・

Jay Dee / Think Twice (『Welcome To Detroit』)
・

Common / Be (『Be』)
・

Common / The Light (『Like Water For Chocolate』)
・

De La Soul / Stakes Is High
・

Tribe Called Quest / Find A Way (『Love Movement』)
・

Erykah Badu / Didn't Cha Know (『Mama's Gun』)
・

Pharcyde / Runnin' (『Labcabincalifornia』)
・

Busta Rhymes / Show Me What You Got (『Anarchy』)
・

Roots / Dynamite! (『Things Fall Apart』)
・

Biral / Reminisce (『1st Born Second』)
・

Talib Kweli / Stand To The Side (『Quality』)
・

Brother Jack McDuff / Oblighetto (J Dilla Remix) (『Blue Note Revisited』)

これらはごくほんの一部ですが、ぜひ耳を傾けてください。

Jay Deeとは...

元Slum Villageのメンバーとして、またプロダクション･チームのUmmahの一員として数多くの作品を残す人気プロデューサー、Jay Dee（J Dilla）。

デトロイト出身の Jay Dee（ジェームス･ヤンシー）は、Phat Katと共にPayday RecordsとFirst Downというユニット名で契約するもアルバムリリースは流れ、その後T3らとSlum Villageを結成。デトロイトを訪れたATCQのQ-Tipにデモテープを渡したのをきっかけにATCQの「Beats, Rhyme & Life」から、プロダクション・チームUmmah入りを果たす。

Jay Deeによる硬質なドラムとソウルフルなウワモノを駆使したサウンドはUmaah所属当初は賛否両論あったが、その独特のビート感が徐々に評価を集め、多くのメジャーアーティストからオファーを受けるようになる。

Pharcydeの「Labcabincalifornia」、De La Soulの"Stakes is High"やBusta Rhymesの"Whoo-Hah!!"のリミックスなどで注目を集め、Macy GrayやJanet JacksonなどR&B作品も手がけることもあった。またソウルクエリアンズの一員としてCommonなどの作品にも参加。

空間を感じさせる音響的なサウンドはソロ作から顕著になり英BBEからの「Welcome To Detroit」のほか、Up Aboveからもシングルをリリース。名前をJ Dillaに変更し2003年、MadlibとのプロジェクトJaylibを開始するなど活動範囲は幅広い。

メジャーからアンダーグラウンドまで幅広い層から支持を集めるJay Deeは、05年には盟友Commonのニューアルバム「Be」のプロデュースをあのKanye Westと並び担当し高い評価を得ている。

■　デトロイト特集～ヒップホップ
■　Stones Throwレーベル検索
■　ジャジー＆アンダーグラウンド・ヒップホップ注目リリース