アルゼンチン音響派シーンを俯瞰！

2005年12月15日 (木)

こんなガイド・ディスクが欲しかった！

アルゼンチン音響派と呼ばれるシーンと、その先を行く新たな才能達・・・シーンの全貌を網羅・俯瞰すると共にJuana Molinaフアナ・モリーナ以降の未知の才能をプレゼンテーションする決定的コンピレーションTropicalismo Argentinoが登場します。

新録5曲、入手困難曲多数から定番までを含む選りすぐりの15曲を収録した本作、Juana Molinaフアナ・モリーナが平井堅のアルバムに参加し、Alejandro Franovアレハンドロ・フラノフがKama Ainaカマ・アイナ(青柳拓次)と共演。

そして音響派のパイオニアFernando Kabusackiフェルナンド・カブサッキがROVOやBuffalo Daughterバッファロー・ドーターのメンバーと録音を行うなど、日亜の音楽的交流がますます盛んになる中、シーンの「現在」と「これから」の動向を左右するキーパーソンをくまなく網羅。

Fernando Kabusackiフェルナンド・カブサッキとその盟友Fernando Samaleaフェルナンド・サマレア、Alejandro Franovアレハンドロ・フラノフ、Santiago Vazquezサンティアゴ・バスケス、新鋭Florencia Ruizフロレンシア・ルイス、Ezequiel Borraエセキエル・ボーラ、Sami Abadiサミ・アバディまで。

さらにフォルクローレの今後を担うLiliana Herreroリリアナ・エレーロも収録。そしてカブサッキ、フラノフ、マリア・エバ・アルビストゥールによるスーパーバンド「イマーン」の音源を世界初収録！

土佐有明氏による選曲・監修。さらに各アーティストからのインタビューを元にした詳細なバイオグラフィーと、シーンの概要が一望できる入魂の解説も読み応え十分なものに。

60年代末期におけるブラジルのトロピカリズモ運動にも比肩する革新的音楽が今、アルゼンチンで生まれつつあることを本作が証明する。

ジャケットには、Fernando Kabusackiフェルナンド・カブサッキの妻であり気鋭の画家として注目されるモニカ・ペラルタのペインティングを採用。絵の美しさが伝わる、特製紙スリーブ・ジャケットも素晴らしいものに。

収録曲
01. アレハンドロ・フラノフ / トレン
02. リリアナ・エレーロ / チャジータ・デル・ビダレーロ
03. エセキエル・ボーラ / オトロ
04. サンティアゴ・バスケス / ミニ・バップ
05. デ・ラ・グアルダ / マレア
06. サミ・アバディ / アイレ・フレスコ
07. フトゥーラ・ボールド / アゴニア
08. マリア・エバ・アルビストゥール / ケ・セラ？
09. フェルナンド・サマレア / ラプスス＊
10. プエンテ・セレステ / スダン
11. イマーン / テテラ- インスクリプシオン - ピエス・デ・ピエドラ＊
12. フロレンシア・ルイス / ボレアル＊
13. リリアナ・ビターレ / オリゾンテ・シルクラール
14. アレハンドロ・フラノフ / トロロ
15. フェルナンド・カブサッキ / ザ・サード・アンド・モスト・ヴルネラブル・ループ・ファンファーレ＊

アルゼンチン音響派～ポストロック　重要作

Juana Molina / Segundo
アレハンドロ･フラノフの協力を得て作り上げられたアルゼンチン･ポスト･ロック/音響系歌姫による金字塔作。アコースティック､エレクトリック･サウンドがひとつに絡み合い､透明度の高い地下水脈に深く沈み込んでいくかのような幻想的な世界に淡々と物語るかのようなフアナのヴォイスが優しく冷ややかに溶け込んでいく。

Fernando Kabusacki / Luz De Oro De Chipor
アルゼンチンの鬼才フェルナンド・カブサッキによる2002年リリースのサード・アルバム。映画音楽なども手掛けるだけに、その想像力は無限大。『プラネット』の伏線ともいえるキラキラしたアニメーション世界...。フアナ・モリーナも参加してます。

Florencia Ruiz / Cuerpo
カブサッキや、フェルナンド・サマレアらポスト･ロック/音響派の人脈からも既に絶賛され、ブーム以前から早耳な音楽リスナーがマークしていた歌姫。現代音楽、ポピュラー・ミュージック、フォルクローレといった取り合わせの妙で生まれるアカデミックな香りとデカダンな空気感が充満、独自の世界を創造しています。

Alejandro Franov / Rio
昨年のフアナの来日公演時には陽気に巨体を揺さぶりオーディエンスに強烈なインパクトを与えたアレハンドロ、アルゼンチン音響系アーティスト中最も変態度が高いフラノフ。この新作では、彼のまた別の一面が垣間見れる、とにかく驚きの美しさ！リリカルでまるでフアナの描く世界的な浮遊感と、マチュー・ボガートみたいな仏宅録的なローファイさもあったりでストレンジなんだけど美しい、というニクイ味わいの傑作。

Gaby Kerpel / Carnabailito
アルゼンチン＝パフォーマー集団”ビージャビージャ”の音楽担当を務めるガビー・ケルベル～初ソロ・アルバム（2001年発表）作品がようやく日本上陸となりました。なんとプロデューサーはフアナ・モリーナを手掛け、カフェ・タクーバで知られる敏腕グスタホ・サンタオラージャ。南米産の民族音楽+エレクトロ+オルタナ・ロックな強烈なサウンドに流石の一言。

Fernando Samalea / Fan
新しいアルゼンチン・ポピュラー音楽シーンを牽引するサマレア初の国内盤登場！ノスタルジーとテクノロジーが交錯するエレクトロニックなサウンド、そして疾走するバンドネオンが細胞をシャッフル。ゲストにフェルナンド・カブサッキ、チャーリー・ガルシア他、シーンの重要人物たちが数多く参加したハチャメチャに面白い作品です。

Ezequiel Borra / El Placard
フアナ・モリーナと共に2003年に来日も果たしている新鋭～弱冠23才の美少年エセキエル・ボーラのデビュー作品。フアナ作品の延長線上にある作風で、ポップス～ロック、電子音楽、フォークなど渾然一体となった、正にタイトル通り、クローゼットからいろんな音が飛び出してきます。ヴァン・ダイク・パークス、パスカル・コムラード、マシュー・ボガードなどが好きなコア・ユーザーには刺さりそう。

Santiago Vazquez / Raamon
フアナ、カブサッキからペドロ・アスナールら大御所の作品へも参加。また、アレハンドロ・フラノフも在籍するプエンテ・セレステのメンバーでもある奇才パーカッショニスト、サンティアーゴ・バスケス。トランス系ロック、ジャズ・ファンにもオススメのアヴァンでフリーキーなトランス・グローバルな音響グルーヴ!?が爆裂したこの2ndは衝撃作。

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