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超豪華キャスト! ウィーンの『こうもり』(DVD)

Thursday, October 20th 2005

ヨーロッパの歌劇場では年末に『こうもり』がさかんに上演され、その折にはどこでも豪華キャストが組まれる、とはよく聞くところですが、今回登場するこのウィーンでの上演は、それしても破格なまでに超豪華です。なにしろポップ、ヴァイクル、ファスベンダーというドイツ・オペラ界きってのスター歌手に、超絶的なコロラトゥーラ・ソプラノとして当時ウィーンで売り出し中だった若きグルベローヴァが参加、さらにベリー、クンツと、ウィーン国立オペラの重鎮バリトンふたりが加わるという、まさにオペラ・ファン垂涎の顔ぶれが凄すぎます。

 まさに芸達者な名歌手が集結したこの映像ソフト、まずはポップのロザリンデ役の素晴らしさが目を引きます。その豊満な健康美と澄んだ美声、そこはかとなく漂う気品と色香が秀逸で、この舞台全体の女主人といった感さえあります。
 バイエルン国立歌劇場の主というべき活躍で知られたヴァイクルは、重厚なワーグナー歌手としての普段の顔をかなぐり捨てたコミカル演技が見もの。声はさすがに立派ですが、第1幕では「夜の女王のアリア」のひとふしを披露するなど茶目っ気もバツグンです。
 ファスベンダーのオルロフスキー役は、バイエルン国立オペラの風物として長年にわたって知られた十八番中の十八番。この特異なキャラクターを演じさせて、たしかに彼女の右に出る歌手はいないと思わせる歌唱をここでも聴かせています。
 その他、若きグルべローヴァのハツラツぶり、カルロス・クライバーの映像ソフトでもアルフレートを歌っている同役のスペシャリスト(?)ホプファーヴィーザー、地のセリフでは誰よりも元気にしゃべりまくって駆け回り、歌えば若いヴァイクルと互角の声量でわたり合うベリー、節回しにも立ち居ふるまいにも「往年のウィーン」の雰囲気を感じさせるクンツ、演出家シェンクの長年の友人でもある舞台俳優ローナーの見事すぎるヨッパライぶり等々、とにかく全編、目の離せない面白さ。第2幕の夜会の場面で『電光と雷鳴』に乗って繰り広げられるらんちき騒ぎはその頂点といってよく、聴衆も思わず手拍子をはじめてしまう大盛況ぶりです。

 ウィーン・フィルの演奏はもう見事のひと言。オーボエをはじめとする木管楽器の独特な音色、当時まだ健在だった名コンマス、ゲルハルト・ヘッツェルの姿も見える弦楽セクションのとろけるような魅力など、いまや昔日のものとなりつつある悦楽がここには確かに存在しています。グシュルバウアーのさっそうとした音楽造りも素晴らしく、これほどの指揮者がなぜレコーディングが少ないのか不思議に思えます。

 演出はオットー・シェンク。さらにシェンクは映像監督も兼ねており、名舞台のほまれ高い自身の演出をさらに詳細に織り込むとともに、映像独自のアイデアも披露しています。序曲の部分ではそれぞれの役柄に扮した歌手たちの操り人形が登場するのですが、そこに指揮者グシュルバウアー人形に続いて自らの人形も登場させるなど、まさに「究極のシェンク演出」といいたい出来栄えです。

・J.シュトラウスU世:喜歌劇『こうもり』全曲

 ベルント・ヴァイクル(Br:アイゼンシュタイン)
 ルチア・ポップ(S:ロザリンデ)
 エディタ・グルベローヴァ(S:アデーレ)
 ブリギッテ・ファスベンダー(M:オルロフスキー公爵)
 ヴァルター・ベリー(Br:ファルケ)
 ヨゼフ・ホッパーヴィーザー(T:アルフレート)
 エーリヒ・クンツ(Br:フランク)
 アントン・ヴェントラー(T:ブリント)
 カリン・ゲットリング(S:イーダー)
 ヘルムート・ローナー(フロッシュ)
 カール・カズラフスキー(B:イワン)

 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 テオドール・グシュルバウアー(指揮)
 演出&映像編集:オットー・シェンク

 演出&映像監督:オットー・シェンク
 装置:ギュンター・シュナイダー=ジームセン
 衣裳:ミレナ・カノネロ
 振付:ゲルリンデ・ディル

 収録時間:169分
 画面:カラー(4:3)
 音声:リニアPCMステレオ
 字幕:ドイツ語、日本語
 片面2層収録

プロフィール

オットー・シェンク(演出)
1930年ウィーンに生まれる。オーストリアを代表する俳優であり、カバレティスト(寄席芸人)としても有名。演出家や劇場支配人としても活躍し、マルチタレントぶりを発揮している。20歳台後半からオペラの演出も手がけており、高い評価を得ている。

テオドール・グシュルバウアー(指揮)
1939年ウィーンに生まれる。ウィーンで教育を受けた後、リヨン歌劇場を経て、1975年にはリンツ州立劇場の音楽総監督に就任。その後も、シュトラスブール・フィルやラインランド・プファルツ州立フィルハーモニーの常任指揮者や音楽監督を歴任している。

ルチア・ポップ(ロザリンデ ソプラノ)
1939年ブラチスラヴァ近郊に生まれる。最初は女優を目指したものの、やがて歌手を志すようになり、1963年にはウィーン国立歌劇場と契約。その後も各地でオペラ歌手やコンサート歌手として国際的評価を受けたが、1993年にミュンヘンで他界した。

エディタ・グルベローヴァ(アデーレ、ソプラノ)
1946年ブラチスラヴァに生まれる。郷里でオペラデビューを果たした後、1970年にウィーン国立歌劇場に進出。センセーショナルな成功を収める。コロラトゥーラ・ソプラノのレパートリーを次々と開拓し、今なお現役として世界的な名声を得ている。

ブリギッテ・ファスベンダー(オルロフスキー公、メゾソプラノ)
1939年ベルリンに生まれる。1961年からバイエルン国立歌劇場を中心に活躍を開始。男装役をはじめとして、メゾソプラノのレパートリーで国際的なキャリアを築く。現在は第一線から退き、劇場支配人を務めたり、後進の指導にあたったりなどしている。

ベルント・ヴァイクル(アイゼンシュタイン、バリトン)
1942年ウィーンに生まれる。経済学を学んだ後に声楽の道を志し、1968年にオペラデビュー。以降バイロイト音楽祭をはじめ、数々の舞台で活躍している。近年は彼のために作られたオペラ『ヴォルケンシュタイン』(ヒラー作曲)の初演で、話題になった。

エーリッヒ・クンツ(フランク、バリトン)
1909年ウィーンに生まれる。1933年にオペラデビューを果たし、その後1941年にウィーン国立歌劇場でもデビュー。戦中戦後を通じ、ウィーンのオペラには欠かすことのできない名歌手となった。80歳台半ばまで現役を続けたが、1995年に永眠した。

ワルター・ベリー(ファルケ博士、バリトン)
1929年ウィーンに生まれる。ウィーンで学び、1950年にウィーン国立歌劇場でデビューするなど、ウィーンを中心にしながら、各地の有名歌劇場で活躍した。フィガロや、『魔笛』のタミーノが当たり役と言われる。2000年にウィーンで息を引き取った。

ヘルムート・ローナー(フロッシュ、語り役)
1933年ウィーンに生まれる。シェンク同様、オーストリアを代表する俳優であり、演出家や劇場監督としても名を馳せている。ウィーンを中心にヨーロッパ各地の劇場に出演し、2004年に現役引退を発表した。シェンクとは演劇上の盟友として知られている。


⇒DVD情報

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