ファジル・サイ/シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番、ベルク:ピアノ・ソナタ
2025年12月26日 (金) 12:15 - HMV&BOOKS online - Classical

ロマン派の終焉とモダニズムの誕生!
ファジル・サイが描く、シューベルトの告別とベルクの革新を結ぶ魂の対話
ファジル・サイは、ロマン派の幕開けと終焉を象徴する、対照的な2つのウィーンのソナタを並置しました。シューベルトのピアノ・ソナタ第21番は、1828年に死の直前で書かれた4楽章からなる壮大な絶筆。対して、1909年に発表されたアルバン・ベルクのピアノ・ソナタ作品1は、単一楽章の簡潔な形式の中に抒情性を湛え、モダニズムの到来を告げる一作です。
31歳でこの世を去ったシューベルトについて、サイは「この最後のソナタには、別世界や宇宙との繋がりを感じさせる天上的な響きがある」と語ります。そこには現世との別離に伴う深い悲しみだけでなく、生への喜びや生命力、情熱、そして反抗心までもが共存しているといいます。また、長調で悲しみを、短調で喜びを表現するというシューベルト特有の語法が、変ロ長調の本作にも色濃く表れていると分析。サイはパンデミックの最中にこの曲を深く掘り下げて録音しており、その抒情的な本質と特有の空気を捉えるに至りました。
一方、ベルクのソナタについては、15歳で出会い、そして学生時代の『ヴォツェック』の分析を通じて、その音楽世界に強く惹き込まれたと述べています。この作品はロ短調を基調としながらも大胆に無調へと踏み出しており、短編ながらオペラの一場面のような劇性を備えています。ピアノをオーケストラのように響かせ、色彩と緊張感に満ちた、極めて美しい作品です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ベルク:ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.1
● シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
ファジル・サイ(ピアノ)
録音時期:2024年8月6-9日
録音場所:トルコ、イズミル、アフメト・アドナン・サイグン・アーツセンター
録音方式:ステレオ(デジタル)
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