ニコラス・コロン&フィンランド放送響/シベリウス:交響曲第5番、他
2025年04月18日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック

ニコラス・コロン&フィンランド放送響、待望のシベリウス・アルバム
第2作は壮麗な交響曲第5番。テツラフを迎えた2曲も圧巻の出来ばえ
フィンランド放送響の首席指揮者は1927年の楽団創設以来フィンランド人が務めてきましたが、その歴史に新たなページを開いたのがイギリス人のニコラス・コロン。わずか1度の客演で首席指揮者に任命され、2021年9月に就任すると国内外で高い評価を樹立して任期も延長されています。
このコンビのデビュー作となった交響曲第7番ほか(2022年5月発売)以来となるシベリウス・アルバム第2作が登場。交響曲第5番は前作でも示されたコロンの明晰かつ繊細な音楽作りが生きており、明るさや壮麗さのみならず、内声の動きがもたらす陰影によって曲に深い奥行きを与えています。翳りを感じさせる箇所でのオーケストラが奏でるサウンドに特有のほの暗さがあるのもこの楽団ならではの魅力。暗から明に至るグラデーションが豊かになり、クライマックスが一層輝かしく感じられるのもコロンの巧みな指揮の賜物です。
交響曲に劣らぬ魅力となっているのがテツラフを迎えた2曲。彼は2002年にシベリウスのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集を録音しており、これらの曲が長らくレパートリーに入っていることが想像できます。当時の演奏は輝かしいサウンドでメリハリが利いてダイナミック、曲の持つシンフォニックな立派さを感じさせるものでした。一方、今回の録音では、近年の彼がブラームスやシューベルトで見せるような細部の徹底した彫琢とそこから生まれる陰影の深さ、表出される情感の豊かさが増して、心理的なドラマを感じさせるものとなっています。サロン風の小品ともヴィルトゥオーゾ・ピースとも異なる、これらの曲の真価に迫った圧巻の演奏となっています。
セレナード第1番や『白鳥姫』の中には交響曲第5番と共通する音型も現れて、アルバムを通して聴くと発見の楽しみもあります。(輸入元情報)

【収録情報】
シベリウス:
1. 交響曲第5番 変ホ長調 Op.82(1915/16/19)
2. 2つのセレナード Op.69(1913)〜第1番ニ長調/第2番ト短調
3. 2つの荘重な旋律 Op.77(1915)〜わが心の喜び(賛歌)/献身(わが心からの)
4. 組曲『白鳥姫』 Op.54(1908)〜くじゃく/ハープ/薔薇を持った乙女たち/きけ、こまどりが歌っている/王子は一人/白鳥姫と王子/賛美の歌
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン:2,3)
フィンランド放送交響楽団
ニコラス・コロン(指揮)
録音時期:2024年4月(1,4)、2024年9月(3)、2022年9月(2)
録音場所:フィンランド、ヘルシンキ・ミュージック・センター
録音方式ステレオ(デジタル/ライヴ:2,3)
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