【発売】サヴァール&ル・コンセール・デ・ナシオン/ブルックナー:交響曲第0番、シューマン:ツヴィッカウ交響曲
2025年06月05日 (木) 15:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
驚くほどのあふれるロマン
サヴァール率いるル・コンセール・デ・ナシオン、シューマンとブルックナーの交響曲を録音!
音楽史譚からロマン派交響曲まで、ヴィオラ・ダ・ガンバから指揮まで、さらには難民のミュージシャンたちとの素晴らしい共演など、「多彩な」などという言葉ひとつでは表しきれない活動を展開しているジョルディ・サヴァール。このたびシューマンとブルックナーを初めて録音で世に出します。サヴァールの演奏ということで誰もが期待するように、不当に忘れ去られてきたレパートリーにまったく新しい光をあてています。
このプログラムが生まれたきかっけは、2024年のブルックナーフェストで、シューベルトとシューマンの未完の交響曲(それぞれ1822年と1832年に作曲)、そしてブルックナーの交響曲ニ短調を演奏するよう招かれたことでした。2021年末にはベートーヴェンの全集、そして2022年にはシューベルトの『グレート』と『未完成』、さらにメンデルスゾーンの『イタリア』や『真夏の夜の夢』、『ミサ・ソレムニス』を録音するなど、ロマン派作品へのリードアップは完璧な順序で行われておりました。
2024年9月3日から9日まで、第1回「YOCPA(Young Orchestra and Choir Professional Academy)」をカタルーニャ州で開催。9月10日のコンサートに続き、9月12日にはリンツ・ブルックナーフェストで「プレゼンテーション・コンサート」を行いました。そして、9月23日から29日までナミュール・コンサート・ホールで開催された第2回「YOCPA」アカデミーで、シューマンとブルックナーの交響曲を録音したのです。ル・コンセール・デ・ナシオンのメンバーのほか、「YOCPA」のメンバーも録音に参加しています。
サヴァールが譜面から細やかに読み取ったブルックナーのスピリチュアルな面や、シューマン独特の衝迫的な緊張感のあるリズムとうねるような旋律、そしてあふれるロマンを、オーケストラのメンバー全員が機敏に感じとって、大きなうねりとなって表出しています。
【シューマン[1810-1856]:(未完成)交響曲ト短調 WoO.29】
シューベルトは22歳で独自のスタイルを確立し、25歳までに傑作『未完成』交響曲を作曲しました。その『未完成』から10年、1832年11月18日(当時シューマンは22歳)に、シューマンの「未完成」交響曲第1楽章はクララ・ヴィーク主催の演奏会で初演されました。ヴィークにオーケストレーションの弱さを指摘され、改訂をかさね、翌1833年4月にはライプツィヒのゲヴァントハウスでふたたび第1楽章が演奏されています。改訂版では3本のトロンボーンを加えて楽器編成を強化しています。第2楽章および3、4楽章もスケッチなどは施されましたが、全体としての最終的な完成には至っていません。
ここでサヴァールがよりどころとしたツヴィッカウ稿の特徴は、上行する分散和音の音型による短い序奏(Adagio)を伴うこと。楽器編成は、ライプツィヒ稿とも称される改訂稿によっており、トロンボーン3本を伴う編成となっています。対位法による息の詰まるような鬼気迫る迫力と、ロマンあふれる旋律もあわせもつエネルギーに満ちた作品です。
【ブルックナー[1824-1896]:交響曲(第0番)ニ短調 WAB.100】
「未完成」の交響曲をそれぞれ25歳と22歳で作曲したシューベルトとシューマンとは異なり、ブルックナーは最初の交響曲を1863年に作曲し始めます。当初、交響曲第「2」番ニ短調と題されたこの曲の作曲に着手したとき、ブルックナーは先人たちの2倍近い年齢になっていました。最近の研究では、ここで演奏する版の作曲は1869年1月24日から8月19日の間とされています。当時、ブルックナーは自分自身に対して非常に批判的で、師の「しかし、主題はどこにあるのか」という言葉が決定打となり、「第2番」を消して「Anullierte(無効)」としました。それにもかかわらず、彼はこの曲を破棄せずに残しておいたのです。ブルックナーの交響曲にはすでに「1」から始まる番号が付けられていたため、交響曲「第0番」と題されました。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューマン:交響曲ト短調 WoO.29『ツヴィッカウ交響曲』(1832-33)〜ツヴィッカウ版に基づく。ライプツィヒ版の加筆も一部採用(19:20)
I. Adagio - Allegro molto - Un poco Andante - Piu mosso (11:47)
II. Andantino quasi allegretto - Intermezzo quasi Scherzo. Allegro assai (7:34)
● ブルックナー:交響曲(第0番)ニ短調 WAB.100(1869年版)(1869年1月24日〜1869年6月23日)(43:38)
I. Allegro (15:13)
II. Andante (11:55)
III. Scherzo: Presto - Trio: Langsamer und ruhiger - Presto (6:19)
IV. Finale: Moderato - Allegro vivace - Andante - Allegro vivace (10:10)
ル・コンセール・デ・ナシオン(コンサートマスター:リナ・トゥール・ボネ)
ジョルディ・サヴァール(指揮)
録音時期:2024年9月23-28日
録音場所:ベルギー、ナミュール・コンサート・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND
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