第172回芥川賞・直木賞 受賞作決定

2025年01月15日 (水) 19:00

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第172回 芥川賞・直木賞の受賞作が1月15日(水)に決定しました。
芥川賞は安堂ホセ『DTOPIA』、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』が、直木賞は伊与原新『藍を継ぐ海』が受賞となりました。


第172回 芥川賞 受賞作

安堂ホセ『DTOPIA』

恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズ開始。ミスユニバースを巡ってMr.LA.、Mr.ロンドン等十人の男たちが争う。
著者プロフィール
安堂ホセ(アンドウ ホセ)
1994年、東京都生まれ。『ジャクソンひとり』で第59回文藝賞を受賞しデビュー、同作で第168回芥川賞候補。

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鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』

高明なゲーテ学者、博把統一は、一家団欒のディナーで、彼の知らないゲーテの名言と出会う。
ティー・バッグのタグに書かれたその言葉を求めて、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが……。
ひとつの言葉を巡る統一の旅は、創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。
若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚!

第172回 直木賞 受賞作

伊与原 新『藍を継ぐ海』

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に――。なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。きらめく全五篇。
著者プロフィール
伊与原 新(イヨハラ シン)
1972年、大阪生れ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞、未来屋小説大賞を受賞。

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第172回 芥川賞 候補作

竹中優子『ダンス』

同僚三人が近頃欠勤を繰り返すのが気に入らない私は、その一人の先輩女性下村さんに、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られた下村さんの気ままな言動に翻弄される私の日々を描く、新潮新人賞受賞&芥川賞候補作。

永方佑樹『字滑り』掲載


乗代雄介『二十四五』

大事な人が、かつてここにいた確かなしるしを何度でも辿る──喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。乗代雄介、待望の新作!
著者プロフィール
乗代雄介(ノリシロ ユウスケ)
1986年北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。2018年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、2021年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞、2022年同作で第37回坪田譲治文学賞、2023年『それは誠』で第40回織田作之助賞、2024年同作で第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。そのほかの著書に『最高の任務』『皆のあらばしり』『パパイヤ・ママイヤ』などがある。

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第170回 直木賞 候補作

朝倉かすみ『よむよむかたる』

一冊だけ本を出したことのある〈小説家〉の青年が、平均年齢85歳の超高齢読書サークルに紛れ込む。最初は戸惑うが……。
著者プロフィール
朝倉かすみ(アサクラ カスミ)
1960年北海道小樽市生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞を、04年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。09年『田村はまだか』で第三〇回吉川英治文学新人賞を受賞。19年『平場の月』で第三二回山本周五郎賞受賞。

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荻堂顕『飽くなき地景』

土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。
著者プロフィール
荻堂顕(オギドウ アキラ)
1994年3月25日生まれ。東京都世田谷区成城出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職業を経験する傍ら執筆活動を続ける。2020年、「擬傷の鳥はつかまらない」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。2021年1月、新潮社から同作を刊行し、デビュー。

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木下昌輝『秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚』

気鋭の作家・木下昌輝が、現代にも通じる政治改革と、経済立て直しを目指す藩主と家臣の奮闘を描く。藍は借財に苦しむ藩を救うか
著者プロフィール
木下昌輝(キノシタマサキ)
1974年奈良県生まれ。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞。14年、単行本『宇喜多の捨て嫁』を刊行。15年に同作で第152回直木賞候補となり、第4回歴史時代作家クラブ賞新人賞、第9回舟橋聖一文学賞、第2回高校生直木賞を受賞した。19年『天下一の軽口男』で第7回大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で第7回野村胡堂文学賞、20年『まむし三代記』で第9回日本歴史時代作家協会賞第26回中山義秀文学賞受賞。近著に『愚道一休』がある。

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月村了衛『虚の伽藍』

より多くの金をつかんだ者が京都を制する――最後に嗤うのは仏か鬼か。日本仏教の最大宗派・燈念寺派で弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄。バブル期の京都を支配していたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。圧巻の社会派巨編。
著者プロフィール
月村了衛(ツキムラ リョウエ)
1963年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年、『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第三十三回日本SF大賞を受賞。13年『機龍警察 暗黒市場』で第三十四回吉川英治文学新人賞を受賞。15年『コルトM1851残月』で第十七回大薮春彦賞、『土漠の花』で第六十八回日本推理作家協会賞を受賞。19年『欺す衆生』で第十回山田風太郎賞を受賞。

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第171回、170回 受賞作品

歴代の芥川賞・直木賞

歴代の芥川賞・直木賞

第150回〜172回までの芥川賞・直木賞作品をまとめました。

HMV&BOOKS online-文芸|2023年07月19日 (水) 18:00

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