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ツミデミック

一穂ミチ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334101398
ISBN 10 : 4334101399
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan

Content Description

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗ったがー―「違う羽の鳥」 失業中で家に籠もりがちな恭一。ある日小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人にもらったというそれをたばこ代に使ってしまった恭一だがー―鮮烈なる”犯罪”小説全6話

【著者紹介】
一穂ミチ : 2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。『イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手がける。2021年『スモールワールズ』が大きな話題となり、同作は吉川英治文学新人賞を受賞、本屋大賞第3位。『光のとこにいてね』が直木賞候補、本屋大賞第3位。今もっとも新刊が待たれる著者の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    タイトルは「パンデミック」と「ツミ」の合成による造語だろう。6つの短篇から成るが、いずれもがコロナ禍の渦中の物語である。ただ、最後の「さざなみドライブ」だけは、ピークを過ぎた頃を描く。ホラーというわけではないが、これまたいずれの作品も、それぞれの登場人物の中に潜む魔的なるものの存在を前提に成立する。すなわち、コロナといった非日常が日頃は潜在化にあったものを炙り出し、日常に浮上させるのである。発表誌も「小説宝石」であり、通俗性は否めないが、それでも「祝福の歌」の終りあたりでは、ついつい涙腺が緩みそうになる。

  • starbro

    一穂 ミチ、4作目です。著者の新境地でしょうか、「罪」+「パンデミック」のミステリ短編集、オススメは「特別縁故者」&「さざなみドライブ」となります。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334101398 本書で、本年は読了、読み納めです。

  • 青乃108号

    直木賞発表翌日に予約が回ってきた図書館本。読まずばなるまい。即刻読んだ。読みやすいしまあ面白いと言えば面白い。しかし直木賞を取る程の作品とは感じられず。コロナのパンデミックを背景に書かれた短編集、としてしか特徴のない、ごくありふれた短編集だと思った。しかしながら「大衆性を押さえた作品」という直木賞の定義から言えば、パンデミックという現代の大衆誰もが経験した一大事を背景にしたこの作品はその点において他の作品より一歩有利だったと言えるだろう。その線を狙って三度目の正直で受賞を果たした著者はさぞ嬉しかろうな。

  • さてさて

    『マスクを求める人々が薬局の前に列をなし、転売が横行…今となっては「馬鹿馬鹿しい」のひと言に尽きるが、あの頃は誰もが切実だったのだ』。コロナ禍を背景に、それでも止まらない”犯罪”の数々を描き出したこの作品。そこには、まさしく「ツミデミック」な物語が描かれていました。コロナ禍の始まりから終わりまでを一冊に描いていくこの作品。そんな中にメジャーどころな”犯罪”が重なってもいくこの作品。“稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話”という紹介が伊達ではない、ぐいぐい読ませる物語が詰まった素晴らしい作品でした。

  • 佐藤(Sato19601027)

    無観客で実施された東京五輪から3年、大勢の観客の声援が戻って来たパリ五輪が行われている。テレビで歓声を聞きながら、息苦しい数年間の生活を振り返る良い切欠となった。新型感染症が世界を席巻する中、人との付き合い方に行き詰った人々の犯罪に焦点を当てた短編集。ホラー、ミステリ、ファンタジー、サスペンスと多彩な形式で、2019年からの数年に及ぶコロナ禍の人間模様を描き出す。人生が翻弄されたのは、登場人物だけではなく、他でもない私自身であることを認識させてくれる余韻の残る感動ストーリーだ。(第171回直木賞受賞作)

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