「バーチャル債務者YouTuber」天開司 スペシャルインタビュー！

YouTube活動で借金返済を目論む“バーチャル債務者YouTuber”天開司。企画やゲーム配信、麻雀、音楽など多彩な活躍を見せつつ、麻雀団体リーグ戦「神域Streamerリーグ」主催など、スケールの大きな活動を続けている。そんな天開に、麻雀との出合いから好きなもの、今後のビジョンまで、たっぷりと話を聞いた。

天開司(テンカイ ツカサ)



自身のチャンネルでのプレイ配信やオンライン配信ゲーム「雀魂 -じゃんたま-」の公認プレイヤーなど、雀士として活躍している天開。麻雀との出合いは高校生の時だったという。

「高校生の時にみんなのたまり場になっている家があって、そこにたまたま麻雀牌とマットがあったんです。集まっている面子に麻雀ができる人はいなかったんですけど、あるならやってみようかという感じでした。ネットで調べつつ、みんな手探りで始めました。友達とゆるく、ジャラジャラと賑やかにやっているのが楽しかったです。やっていると初心者でも、すごく気持ちの良い上がり方ができたりするんです。それを味わってしまったらやっぱり離れられないですね。その逆で、まくられる（※1）こともあるんですけど（笑）」

麻雀のトッププロだけが出場できるプロリーグ・Mリーグをはじめ、麻雀人気が高まっている昨今。これから始めたい初心者も少なくないが、麻雀はやや難しいイメージも。だが天開はぜひ気軽にプレイしてみてほしいと語る。

「麻雀は敷居が高くて、難しいゲームだと思われがち。でも、実は初心者でも強い人に勝てちゃうことがあるんですよ。もちろん、上手下手や有利不利みたいなところもあるんですけど、それを上回ってしまうくらいに運が良ければ勝ててしまいます。なので、難しく考えず、思うままにやってみてほしいです」

巷ではよく“麻雀には性格が出る”と言われるが、実際のところはどうなのだろうか？

「性格はめちゃくちゃ出ますよ。麻雀を打つと、その人がわかりますね。自分みたいに失点しないように堅実にいくタイプもいれば、他の人が捨てた牌を積極的にもらって進めるタイプ、逆に自力だけで進めていくタイプなど、本当に人それぞれ。どちらのタイプが強いということはなくて、強さもやり方も人それぞれなんです。例えば、今「神域Streamerリーグ」に出てる歌衣メイカなんかはすごく漢気を感じるような強気の打ち方でポリシーを感じます。守備とかはあまり考えずに大きな手を打って上にいっている選手で、すごく結果を出しています。天宮こころという選手は、ドラ（※2）が好き。ドラは持っているだけで点数が上がる牌で、それをいっぱい使って上がろうとします。そういう“この人っぽい打ち方”みたいなのが見えてくると、麻雀はもっと楽しくなると思います」
※1＝逆転すること　※2＝表示されている牌の次の牌で得点に加算される牌

歌衣メイカ考案の人気シリーズ『漢気麻雀』でも、その名の通り漢気溢れる打ち筋を見ることが出来る。



日々のゲーム配信の中で、麻雀配信もおこなっているが、プレイの際に意識していることなどはあるのだろうか。

「実は、麻雀って配信に向いてないんですよ（笑）。自分の手牌だけじゃなく、相手が何を捨てたのかとか、常に考えていないといけないし、見ておかなければいけないことも多くて。だから喋ることを考える暇がなくて、変なことを言いそうになったり本当に難しいんです。なので、自分の場合は『アカギ』（麻雀漫画）とかのキャラクターのセリフを言ったりしてます。自分がやっている他のジャンルの配信と比べると、麻雀はいっぱいいっぱいになっているかもしれません（笑）」

高校生の頃から実牌、オンラインなどで麻雀をプレイし続けてきた天開は、その魅力をこう語る。

「オンラインは気軽にすぐメンバーが集まれてプレイできるのがいいですよね。初心者の人が初めてやってみよう！という時には、（設定で）何の牌が待ちになっているかなどをコンピュータが教えてくれます。でも、やっぱり麻雀は4人でやるコミュニケーションゲームなんですよ。それは実牌でやってもオンラインでやっても感じられる面白さ。結局、高校生の時に初めて麻雀で感じた“みんなで賑やかに楽しんでる感じ”は、今も変わらず麻雀の魅力だと思います」

そして今年、自身主催によるプロアマ混合の麻雀リーグ戦「神域Streamerリーグ」を企画。主催兼プレイヤーとして出場している。

「 2〜3年前から、こういうリーグをやりたいって思っていました。でも、誰かしら偉い人や会社とかがやってくれるのではないかって思っていたんですが…なかなかやってくれなくて。それなら俺がやるしかないか、と思って主催をやることにしました（笑）。トップMリーガーの方々が監督として参加してくれて、VTuberとチームを組むってすごいことですよね。麻雀は初心者でも勝つ可能性があるゲームとお話ししましたが、神域リーグでも世界一強い人が下位に沈んだりしているんです。それぞれの選手が活躍する場面が多くて、いろんなミラクルが起こればいいなと思っていたんですけど、本当にそういう奇跡が起こるんですよ！　すごく面白いリーグになっているので、Mリーグを見ている人がVTuberに注目してくれたり、逆にVTuberが好きな人が麻雀やMリーグに興味を持ってもらえたら。本当に想像を上回る方々に観ていただいて、反響もたくさんいただいています。参加している選手からも『またやってほしい』という声をもらっていますし、今回残念ながら参加できなかった人たちもいるので、ぜひ次回につなげたいです」




麻雀界隈での大活躍の一方で、歌い手としてオリジナルアルバム「Origin」をリリース。クラウドファンディングで資金を集め、当初の目標金額を大きく上回る支援を得ることができた。

「 アーティストの人たちって本当にすごい！って思いました。CDを作るって本当に大変なんです。それを一気に、いろいろなことと同時進行でやったので、本当に大変でした。どの曲にも思い入れはあるんですけど、中でも『絶滅危惧』はファンへの感謝が詰まっている1曲で、歌っていてすごく気持ちがいいですね。ファンの皆さんの中でも評価してくれている曲なので、嬉しいです」



VTuberとして忙しい日々を送る中、好きなものに夢中になるような時間はあるのだろうか。

「配信の中で好きなものとか全部出しちゃってるんですけど（笑）、マンガは本当に大好きです。『スラムダンク』は名作ですね。最近の漫画も言葉を広げるためにいろいろ読んでいます。漫画の名言は配信中のネタになりますし、ちょっと時間が空いた時や移動時間などに、ジャンルを問わず読みます。映画とかも動画サービスに加入しているので、よく観ます。中でもマーベル系のアクションとかが大好きです。ここ最近、公開ラッシュが来ているので楽しいです。なんか爽快感があるんですよね。あとは『シン・ゴジラ』も面白かった！　ヒューマンドラマの部分がめっちゃアツかったですね。庵野秀明さんが監督で、そもそも『エヴァンゲリオン』が好きなのでハマりました」


これまでも様々な挑戦をし、それを実現させてきた天開だが、今後、さらにチャレンジしてみたいことがあるという。

「まだふわっと考えているくらいの感じですけど、ボードゲームを作ってみたいです。ボードゲームもすごく好きで、家にもいっぱいあるんです。20個くらいはあるのかな？　これも麻雀と通じる部分ですけど、ボードゲームってみんなで気軽にワイワイできるのがいいんですよね。心理戦が好きなので、そういう要素は入れたいなと思います。また、動画のほうでは、これからは実写系を増やしていけたら。なかなか実写系に踏み切れなかったのですが、この間やっと『つかさんぽ』を投稿したんです。時勢が良くなってきたら、旅行動画もあげられると楽しいんじゃないかな。債務者なのでお金は無いんですけど、旅行に憧れはあるので（笑）。沖縄とか行けるといいなぁ」



VTuberとしての活動を開始し、さまざまな企画を実現させてきた。その際、たくさんの決断を迫られたはずだが、その決断の拠り所となったものがあるという。

「それはやっぱり、福本伸行先生の作品たちです。初めて読んだのは高校生の時。それこそ麻雀を始めたころ、そのたまり場にコミックが置いてあったんです。博打に出るじゃないけど、何かを決断する時には大きく影響をしていると思います。アカギのように生きたいって思います。神域リーグを始めたことも、その他の大きな決断も、福本先生の作品がなかったらやれてなかったんじゃないかな」

VTuberとして目覚ましい活躍を見せている天開だが、活動を始めてからまだ5年目。今後の活動ビジョンをこのように語る。

「 今、5年目に突入して、毎年なんだかすごいことが起きていて、まったく予想ができないんです。でも、本当に長く続けていきたいと思っています。続けることの大変さは、最近になって身に染みて感じます。そのうえで、挑戦したいことをどんどん作っていきたい。それが出来なくなると、結果的に長続きしなくなるんだろうなと感じているので、新しい何かを見つけていきたいです。5年前には想像もつかなかった今にたどり着けたのは、やっぱりいろんな人との出会い。人との出会いを大切にしながら、ブレずに自分らしく、これからも決断していきたいと思います」

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