ジム・クロウチ ABC期オリジナルアルバム3タイトル＋ベストコレクション再発　30歳の若さでこの世を去った伝説のシンガーソングライターの名作がよみがえる

伝説のシンガーソングライター、ジム・クロウチ ABCレコード時代のオリジナルアルバム3作品と死後リリースされたベストコレクションが再発

クイーン「Bring Back That Leroy Brown」誕生に一役買った (？) ことでも知られる「Bad, Bad Leroy Brown (リロイ・ブラウンは悪い奴)」のヒットなどでおなじみ、1973年に不慮の飛行機事故で急逝した南フィラデルフィアの名シンガーソングライター、ジム・クロウチ。

大学時代から音楽活動を開始し、2枚のアルバムをリリースしたものの (うち1枚は妻イングリッドとのデュオアルバム) 商業的な成功に恵まれず、道路工事、教職などあらゆる職を経て、68年には全米中のクラブや小さなヴェニューをツアーしていた。

そんな彼が後にバンドメイトとなるモーリー・ミューライゼンと出会い、1972年にようやくABCレコードとの契約を手にする。その時クロウチはすでに30歳目前であった。幸先よくシングル「You Don't Mess Around with Jim (ジムに手を出すな)」や「Bad, Bad Leroy Brown (リロイ・ブラウンは悪い奴)」がヒットし、全米中の大きなコンサート会場に引っ張りだことなる。

Bad, Bad Leroy Brown

しかし1973年9月20日、ルイジアナで飛行機事故のため悲劇的な死を遂げる。その日はニューシングル「I Got A Name」のリリースされる前日でもあった。享年30歳。メジャーデビューからわずか1年の出来事だった。人生の悲喜こもごもを映したフォーキーで温かみのある声とサウンドは、死後45年以上経ってもなお多くの人たちに愛されている。

今回、ジム・クロウチがABCレコードに遺したオリジナルアルバム 3タイトル『You Don't Mess Around With Jim』『Life and Times』『I Got a Name』、そして死後に同レーベルからリリースされた追悼盤的ベストコレクション『Photographs & Memories: His Greatest Hits』が再発される。

You Don't Mess Around With Jim (1972)

ABCレコードからの第1弾となるジム・クロウチ通算3作目となる1972年発表のアルバム『You Don't Mess Around With Jim (ジムに手を出すな)』。アルバムからのファーストシングルとなるタイトルトラックは全米シングルチャート8位のヒットになったほか、セカンドシングルの「Operator」も全米17位を獲得する。

ジムの死を受け、アルバムからサードシングルとして「Time In A Bottle」がリリースされると全米シングルチャート1位を2週連続で獲得。彼にとって2曲目の、そして最期の全米1位ヒットとなった。このシングルヒットを受け、アルバムも1974年1月に全米アルバムチャート1位に。5週連続チャートのトップをキープし続けた本作は、カナダでもチャートの1位を獲得している。

Life and Times (1973)

1973年にリリースされた『Life and Times』。このアルバムからは、ジム・クロウチにとって最大のヒット曲であり、代表曲でもある「Bad, Bad, Leroy Brown (リロイ・ブラウンは悪い奴)」が生まれた。彼にとって存命中唯一の全米ナンバー1ヒットとなったこの曲は、1973年の年間チャートでも2位に。この曲でグラミー賞の〈最優秀男性ポップヴォ―カリスト〉と〈レコード・オブ・ジ・イヤー〉の2部門にもノミネートされた。

この他、Top40ヒットとなった「One Less Set Of Footsteps (朝の雨)」を収録した本作は全米アルバムチャートで7位を獲得。前作に続きアメリカではゴールドディスクに輝いている。

I Got a Name (1973)

ABCレコードからの3作目であり、最期のスタジオアルバムとなった『I Got A Name』。飛行機事故で不慮の死を遂げる少し前に、ニューヨークのThe Hit Factoryでレコーディングされたという本作は、計らずも彼の遺作となってしまった。アルバムからのファーストシングルであるタイトルトラックは、ジムの死の翌日にリリースされ、全米Top10ヒットに。また同曲は映画「ラスト・アメリカン・ヒーロー」のテーマ曲としても知られている。

この他、アルバムからは、ギターとコーラス、ストリングスが美しいバラード「I'll Have To Say I Love You In A Song (歌にたくして)」が全米9位、そして「Workin' At The Carwash Blues」がTop40ヒットとなっている。アルバムは全米2位を獲得。またカナダのアルバムチャートでも同じく2位となっている。

Photographs & Memories: His Greatest Hits (1974)

1974年、ジム・クロウチの死後にABCレコードからリリースされた追悼盤的ベストコレクション『Photograph & Memories』。アルバムタイトルは、ABCからの第1弾アルバム『You Don’t Mess Around With Jim (ジムに手を出すな)』の収録曲であり、全米ヒットとなったタイトル曲シングルのB面にも収録された楽曲のタイトルから。

本作には、短い活動期間に彼が遺したヒット曲、代表曲が余すところなく収録されており、その中には全米ナンバー1ヒットとなった「Bad, Bad, Leroy Brown (リロイ・ブラウンは悪い奴)」「Time In A Bottle」はもちろん、彼にとって初めての全米Top10ヒットとなった「You Don't Mess Around With Jim (ジムに手をだすな)」や映画「ラスト・アメリカン・ヒーロー」のテーマ曲にもなった「I Got A Name」、「I'll Have To Say I Love You In A Song (歌にたくして)」など、永遠のシンガー/詩人である彼の軌跡を辿るうえで欠かせない珠玉の楽曲が集められている。本ベストコレクションは全米2位を獲得。アメリカではプラチナディスクにも認定されている。

 

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