【インタビュー】STARMEN

■Interview with Starmen Red / Kristian Hermanson (g/vo)■

ーQ : デビュー・アルバムがまもなく発売されます。今のお気持ちは？

ありがたいフィードバックも届いている。まさにロックの旅路が始まろうとしているところさ。このアルバムに誇りを持っているし、人々が楽しそうに聴いている風景が目に浮かぶよ。最近は多くのインタビューを行っているし、いいレヴューも目にするようになった。まさにこれからだね。

ーQ ; STARMENの誕生について教えて下さい。

チャレンジすべきだと思ってバンドを結成した。Sweden Rock Festivalを毎年観に行っているうちに連れの友人と観る側から観られる側になるべきだってね。しばらくハード・ロック系の曲は書いてなかったけど、前へ進む決意をしたのさ。メンバーも揃って楽曲を創っていく中、ロック・マガジンを読んでいた。でもその中に登場するバンドはすべて黒いTシャツとレザー・ジャケットを着ているし、表情は固く、怒っているようだった。すべてが同じに見えたね。だったらSTARMENはその逆を行こうと思ったよ。それからクールな服を着て、KISS, SWEET, エルトン・ジョン、デイヴィッド・ボウイなどのヒーローのようにメイクをすることを決めたのさ。

ーQ ; デビュー・アルバムでの方向性はどのように描いていましたか？

まず重要なことは音楽が素晴しくなければ、クールな衣装も派手なメイクも意味のないものになってしまうということ。そして本当に良い曲を持つことが必要さ。オレたちは影響を受けた70年代、80年代のクラシック・ロックの良さを今に伝えることがミッションなのさ。すべてのヒーローに敬意を払っているからこそ実行できたと思う。

ーQ ; そのメイクはどうして星型にしたのですか？

すべてのメンバーが平等で、誰もが歌い、誰もが独自の色を持っている。ある種ヒーロー的な雰囲気を持っているメンバーだったからこのアイディアを具体化することにしたのさ。最初はクレイジーなアイディアだと思ったけど、実現するとかなり良い仕上がりになった。メイクすると別人に変身することができるから心地いいよ。今ではKISSのメンバーの気持ちが理解できるね（笑）。

ーQ ; 日本の戦隊ヒーローは知っていたのですか？そのイメージと重なりました。

残念ながら知らないよ。でもチェックしてみるね。

ーQ ; アルバムのレコーディングはいかがでしたか？

スタジオ作業は大好き！この世で最も創造的な環境さ。レコーディングは順調そのものだった。今はすでに次作の準備を進めているところさ。とにかくスタジオでの作業は止められないね。

ーQ ; アルバムのセールス・ポイントを教えて下さい。

特にセールス・ポイントはないよ。Rockさ。その情報はマネージメントが持っているハズさ。

ーQ ; 楽曲はどのようにして生み出していますか？

最初は自身ですべて書いていたけど、次のアルバム用の曲はメンバー全員で協力しながら創っているところだ。いい感じだよ。ずっと一人で曲を書いてきたけどあまり苦しむことなく生み出してきた。それが自分の中にDNAとして組み込まれているような感覚がある。今、STARMENがとても上手くいっているので、新しい曲を書くことが刺激的で楽しいね。

ーQ ; アルバムの中から特に聴いて欲しい曲を教えて下さい。

まずはSTARMENらしさ満載の“Ready To Give Me Your Love”さ。ブルージーで、グルーヴィーで、歌にはWHITESNAKEのデイヴィッド・カヴァデイルっぽいヴァイブが感じられると思う。彼は大好きなシンガーだからね。まさにメンターさ。オープニングに相応しい“Dreaming”もいいよ。ギターはまさにLED ZEPPELIN meets WHITESNAKE。“Stay The Night”はナイスなバラード。QUEENっぽいフィールもあるだろ？3曲を挙げたけどすべての曲を聴いて欲しいね。気に入ってもらえると思うよ。

ーQ ; メンバーを紹介していただけますか？

ギターのアンドレアスはIRON MAIDENの熱狂的ファンだよ。またDEEP PURPLEとイングヴェイも大好きさ。ドラムのマーカスもIRON MAIDENファンさ。KISSやDAN REED NETWORKもね。ベースのオルジャンはデイヴィッド・ボウイ、DEEP PURPLE, WHITESNAKEをはじめとした70年代クラシック・ロック・ファン。オレはTHE BEATLESと恋に落ちて以来、音楽ファンとなった。特にポール・マッカートニーだね。それからWHITESNAKEのデイヴィッド・カヴァデイルの洗礼を受けたよ。中でも『Slide It In』は強力。KISSももちろん大好きだよ。メンバー全員音楽好きだし、そのテクニックと表現する能力にあふれたプロのミュージシャンさ。

ーQ ; あなたにとって大切な5枚のアルバムを教えて下さい。

■1.　DEEP PURPLE / Stormbringer 今でも週に一回はターンテーブルにのせる傑作さ。グルーヴィーだし、デイヴィッドとグレンのマッチングが最強だと思う。
■2.　THE BEATLES / Magical Mystery Tour 史上最高のポップアルバム！
■3.　WHITESNAKE / Slide It In サウンドと曲がグレイトすぎるよ。”Love Ain’t No Stranger”が一番の曲だと思わないかい？
■4.　QUEEN / A Night At The Opera QUEENはこのアルバムだね。様々な要素が凝縮されているし、クラシック・ロックを代表するリフも素晴らしい。
■5.　KISS / Destroyer 7歳のときに初めて聴いたロックの基本。曲とプロダクション、そしてアートワークが最高だね。

ーQ ; 最近のバンドで気になる存在はいますか？

そうだなあ、RIVAL SONSとTHE STRUTSはいいと思う。

ーQ ; 今後のロック・シーンと音楽業界はどのように変化していくと思いますか？

だれかが「Rock n’ Roll is Dead」なんて言っていたけど、そんなことは全くない。クラシック・ロックを養分にした新しい世代のバンドも登場してきているし、これからも有望な新人がでてくると思うよ。音楽ビジネスはいつの時代も風のように変化するから、時代にあった戦略が必要だよね。今はクラシック・ロック系の音楽がヒット・チャートを賑わすことはないけど、いつかは80年代のようにチャートを占めることになるはずさ。

ーQ ; これからのスケジュールは？

今は次のアルバムの制作を開始している。それからはリハーサル・モードに入る予定だ。今年の8月からはツアーに出かけると思うよ。

ーQ ; では日本のロック・ファンへメッセージをお願いします。

日本でオレたちのアルバムが発売されるなんて夢のようさ。セールスが順調に伸びてくれれば日本でのライヴも実現するかもね。そう願っているし、それが以前からの夢さ。ありがとう！