EXODUS インタビュー!
Thursday, May 14th 2015
Lee Altus(gt), Gary Holt(gt)
Exodusに前置きは必要ないでしょう。先日来日したGary HoltとSteve "Zetro" Souzaに話を聞いた。
- --- Mirai Kawashima (以下、M): それでは始めましょう。日本の印象はいかがですか。
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Gary Holt(以下、Gary):日本は俺のお気に入りの国だよ。
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Steve "Zetro" Souza(以下、Zetro):人々も素晴らしいしね。皆メタルを本気で愛しているのがわかるよ。Exodusをとても良くサポートしてくれるし。戻ってこられてうれしいよ。
- --- M : ニューアルバム"Blood In Blood Out"ですが、最近のアルバムに比べると速い曲が多めのように感じたのですが。
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Gary:いや、他のアルバムより速いということはないと思うよ。曲が前のアルバムに比べれば短め、とは言っても十分長いのだけど、そのせいで急いでいる印象があるのかもしれない。BPMで言ったら、前のアルバムはクソ速かったからね。
- --- M : このアルバムも非常に素晴らしい音質ですが、Exodusのアルバムの音作りというのは、すべてのメタルバンドにとって理想ですよね。どのような秘密があるのか、教えてもらえますか。それともトップシークレットでしょうか。
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Gary:別にトップシークレットではないよ(笑)。俺自身ギタリストとしては、音というのは右手の弾き方ですべて決まると思ってる。
- --- M : ドラムはどうでしょう。ドラムもいつも素晴らしい音を出してますよね。
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Gary:そうなんだよ、そりゃTom Huntingみたいな素晴らしいドラマーがいれば、簡単に良い音が出るものだよ(笑)。ああいう素晴らしいドラマーを見つけるのが秘訣だね。
- --- M : Exodusのアルバムタイトルには'Blood'という単語が使われることが多いですね。
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Gary:あれはわざとではないんだ。俺自身何でかわからないんだよ。ヴォーカリストが変わって、今回のアルバムに'Blood'とついているのは何か意図があるのではないかと思う人もいるようだけど、それは不測の事態で、曲はその前にすべて書き上がっていたんだよ。
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Zetro:俺たちは血が大好きだからね。
- --- M : (Steveに)10年の時を経て、Exodus復帰するというのはどのような気持ちでしたか。
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Zetro:とてもエキサイティングだったよ。今回の方がヴォーカルなど肉体面、そして精神面でも調子が良いしね。俺も含め、全員にとって一番良い状況だと思う。
- --- M : できあがっていた新曲を聴いて、どう思われましたか。
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Zetro:「え、この曲を歌うのか、これは最高だね!」って感じだった。実際にレコーディングしてみて、Exodusの最高傑作になったと思うし、ファンのリアクションもとても良い。収録されている11曲、頭から最後まで全部好きだよ。
- --- M : Hatriotの活動もあると思いますが、両立は難しいですか。
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Zetro:いや、大丈夫だよ、彼らは理解してくれてる。俺がExodusに復帰したことで、Hatriotもバンドとして成長するだろうし、俺がExodusでいない時は、息子がヴォーカルパートもやりながら練習しているようだ。彼らは非常に才能もあるしね、大変だけど両立はできるよ。
- --- M : お子さんと一緒にバンドをやるというのはどのような感じですか。
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Zetro:素晴らしいことだよ、もちろんお互いを良く知っている訳だしね。
- --- M : お子さん達は、あなたが伝説的なスラッシュメタルシンガーであることをどう思っていますか。
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Zetro:いやいや、彼らは伝説的なシンガーだなんてまったく思ってないよ(笑)。彼らにとっては、ただの親父さ。もちろんExodusの影響力はわかっていると思うのだけど、決して口には出さないね。
- --- M : Exodusの結成当時は、どんなバンドから影響を受けていましたか。
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Gary:Judas Priest、Black Sabbath、AC/DC、Van Halen、それからNWOBHM、Motorhead、Discharge、Anti-Nowhere League、UK Subsなどイギリスのハードコアパンク。
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Zetro:The Exploitedとかね。
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Gary:Venom、Mercyful Fate。
- --- M : その後どんどんスピードアップしていきますが、そのきっかけは。
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Gary:Dischargeみたいなスーパーファストなハードコアパンクだね。
- --- M : アメリカ西海岸のメタルバンドは、Circle JerksやDead Kennedys、それにサンフランシスコにやってきたMDCやDRIなどのハードコアバンドから影響を受けているという印象を持っていたのですが、あなたたちはむしろイギリスのバンドからの影響が大きかったのでしょうか。
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Gary:そうだね、俺はイギリスのバンドが好きだった。
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Zetro:ハードコアだけでなく、Oi-Punkも好きだったよ。スラッシュメタルというのは、ハードなロックンロールと、パンクのエネルギーや獰猛さが合体したものだと思っている。俺は当時Dead KennedysやCircle Jerks、Wasted Youth、Minor Threat、Angry Samoans、Los Olvidadosなど、全部見たよ。MDCはMulti Death Corporationだとか、Millions of Damned Christianとか、色んな言葉遊びをやってたよね。最高だったよ。
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Gary:Millions of Dead Copsとかね。
- --- M : 当時"Live at Ruthie's Inn"というコンピレーションアルバムがあって、あなたのバンドLegacyも収録されていましたよね。あれを聴くと、あの当時何か新しいムーヴメントが始まっていたんだという熱気を感じるのですが。あの頃のサンフランシスコというのはどんな雰囲気だったのでしょう。
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Gary:最高だったよ。最初はThe Old Waldorf、Wolfgang's、On Broadway、Mabuhay Gardens、The Stoneとかでライヴをやっていて、それからRuthie's Innがオープンしてね。
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Zetro:The Old Waldorfでは、月曜日にMetal Mondayという企画をやってた、そこで初めてMetallicaを見たんだ。Metal Mondayは、月曜日の夜だというのに、いつも超満員だった。何か新しいことが始まっているという雰囲気は、確実にあったよ。
- --- M : あなたたち自身も、何か新しい物を作っているんだという意識はありましたか。
-
Gary:うん、あったね。もちろん俺たちもただやりたいことをやっているだけのガキで、それほど深くは考えていなかったけど、新しいムーヴメントの一部なんだという自覚はあったね。80〜81年の時点でスラッシュメタルをプレイしているなんてクレイジーなことだったし。俺も若かったよ、Exodusに入ったときはまだ17歳だったからね。一番下の子とほぼ同じ年だよ。
- --- M : お子さんたちはおいくつなのですか。
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Gary:22歳、20歳、一番下がもうすぐ17歳。
-
Zetro:うちは25歳、21歳、17歳、それから15歳と16歳の養子が2人。俺たちの子どもたちはわりと大きいんだよ。すでに仕事を持っていたり、大学に行ったりで自立しているからね、色々と心配をする必要は最早ないんだ。
- --- M : なるほど、それならばバンドに集中することができますね。
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Zetro:そうなんだよ。余計な心配をする必要がないからね。
- --- M : それにしてもお子さんがへヴィメタル好きというのは素晴らしいですね。うちのはまったく興味がありませんよ。
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Gary:うちもだよ!うちのはJ-POP大好きなんだよ。だからいつか日本に来るときは、一緒に連れて来てやろうと思っているのだけど。
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Zetro:うちは娘ですらメタルを聴くよ。
- --- M : 子どもをメタル好きに育てる秘訣は何なのでしょう。
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Zetro:俺はとにかくへヴィメタルが大好きで、家や車でもいつもメタルを聴いているからね。Michael SchenkerやUFO、Iron MaidenからSodom、Slayerまで、メタルなら何でも聴く。一番上の息子は、Black Dahlia Murderとか、新しめのバンドが好きなんだ。
- --- M : ファーストアルバム"Bonded by Blood"からすでに30年が経っていますが、30年後の今振り返ってみて、あのアルバムについてどのような気持ちをお持ちですか。
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Gary:もちろん今でも大好きだよ。まさか30年後も、スラッシュメタルの金字塔としてたたえられるなんて想像もできなかった。もし明日死んだら、間違いなくこのアルバムを墓場に持っていくよ。
- --- M : ではセカンドアルバムをリリースした1987年頃は、"Bonded by Blood"についてどのように感じていましたか。セカンドアルバムではすべてが変わった気がするんですよ。Steveが加入したというだけではなく、例えばリフのスタイルにしてもトレモロ主体からパームミュートを多用したクランチーなものになり、歌詞ももっと社会的になりましたよね。
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Gary:多分その通りだね。振り返って考えてみると、当時はさすがにサタンについてばかり歌うことにウンザリしていたというか。結局その後またサタンに帰ってきてしまうのだけど(笑)。
- --- M : 中には、"Bonded by Blood"しか認めないような頑強なファンもいますよね。そのようなファンについてどう思いますか。
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Gary:理解できるよ。あれは素晴らしいし、へヴィメタルにとっても非常に重要なアルバムだからね。
- --- M : なるほど。もっと寛容になれよ、とは思わないということですか。
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Gary:ああ、思わないよ。
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Zetro:"Bonded by Blood"が出たときは、俺もまだExodusにいなかったら客観的に聴いていたわけだけど、すべての曲が素晴らしい。全部シングルとしてリリースできるんじゃないかという感じだった。当時覚えているのはJudas Priestを見に行った時に、駐車場で飲みながらショウが始まるのを待っていたら、入ってくる車という車、全部がBonded by Bloodをかけているんだよ。本当に全部だよ。
- --- M : そんなExodusに加入した直後というのは、やはり苦労もありましたか。
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Zetro:最初のいくつかのショウは大変だったよ!ファンは飲むためじゃなくて、俺に投げつけるためだけにデカいビールを買うような状況でさ。ビールの缶が頭にぶつかることが何度かあったよ。
- --- M : あの頃のファンは激しかったですからね。
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Zetro:彼らは変化というものが我慢できなかったようだ。俺はLegacyのシンガーで、PaulがExodusのシンガーという認識だったんだろうね。もちろん俺もそれは理解できるし、例えば今でもRobがヴォーカルのExodusの方が好きな人もいるだろうしね。全員を満足させることはできないからさ。"Fabulous Disaster"が出る頃には、そういうファンもいなくなっていたよ。
- --- M : 今や伝説となっている、Venom、SlayerとのCombat Tourについて教えてもらえますか。何か面白いエピソードはありましたでしょうか。
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Gary:あれはツアー全部が面白いエピソードだよ!とにかく飲みまくってベロベロに酔っ払っていたから、詳しい状況は思い出せないんだよ。とても楽しかったけど。Jeffなんかと飲みまくってね、サウンドチェックからライヴ開始までずっと飲んでたよ。俺たちも若かったし、とにかく楽しかった。
- --- M : Tom ArayaがCronosの頭にオシッコをひっかけて、CronosにKOされたというエピソードを聞いたことがあるのですが、それは本当ですか。
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Gary:ああ、本当だよ。
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Zetro:その話は聞いたことがなかったよ!
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Gary:俺は詳細全部知ってるよ。
- --- M : 実際に目撃したんですか。
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Gary:詳しいことは明かせないけど、CronosがTomの顔面をぶん殴ったんだよ。
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Zetro:その場に居合わせなくて良かったよ。
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Gary:顔面をぶん殴って、でも次の日には仲直りして、わだかりもなく、でもTomは目の周りが黒くなっていてね。
- --- M : 本気で殴った感じだったのですか。
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Gary:Cronosはビッグガイだからね。
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Zetro:Cronosだからね、きっと本気で行っただろう。
- --- M : (Steveに)あなたの声はとても特徴的ですが、お好きなシンガーは誰ですか。
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Zetro:Bon Scottだね。死ぬほど好きさ。影響を受けたという意味ではLemmy、Jello Biafra、Johnny Rotten、Phil Mogg、Robert Plantとか、それから彼みたいには歌えないけどDio。Rainbowは最高だったね。Rainbowは一度聴き始めたら、止まらなくなってしまう。
- --- M : 高音のへヴィメタルシンガーがお好きなんですね。
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Zetro:初期のSlayerなんかでも、Tomは物凄い高音出してるだろ。最近はあまりやらなくなってしまったけど。俺は高音で歌うのが心地よいし、"Blood In Blood Out"でもかなりの高い声出してるしね。
- --- M : (Garyに)SlayerとExodusという二つのバンドでプレイするのは大変ですか。
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Gary:大変だよ、二つのバンドに加えて家庭もあるし、簡単なことじゃない。SlayerとExodusというバンドでプレイできることは素晴らしいけど、さすがに50になると一晩で2バンド分プレイするというのは肉体的にキツいよ!25歳の頃とは違うね。
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Zetro:Exodusでプレイして、1時間休んで、今度はSlayerというのも19回もやったんだよね。一晩で2時間半やるということだろ。
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Gary:大そのあとヘッドライナーのツアーもやった。
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Zetro:そうそう続けざまに12日間のヘッドライナーショウをやったね。
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Gary:6日間に11セットやった時もあったな。体はボロボロだよ。
- --- M : 若いスラッシュメタルバンドでお気に入りはいますか。
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Gary:ポーランド(注・正しくはフィンランド)のLost Societyが素晴らしいよ。
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Zetro:Havokがいいね。あとはHatriot(笑)。良いバンドはたくさんいるよ。
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Gary:Warbringer。
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Zetro:Evileとかね。多くのバンドがスラッシュメタルというものを継承してる。ヴェテランのバンドも良い作品をリリースし続けていると思うしね。Overkillの新作も素晴らしかったし、Anthraxの"Worship Music"も良かった。Testamentも良い作品をリリースし続けているし、Slayerの新作にも期待している。"World Painted Blood"も良かったからね。Megadethも好きだよ。スラッシュメタルというジャンル全体が「まあ悪くないね」というような状態ではなく、非常にストロングだと思う。
- --- M : 確かに現在のスラッシュメタルの状況は非常に良いですよね。一方で80年代終わりから90年代にかけて、デスメタルやグラインドコアなどが登場した時は、本当にスラッシュメタルは消滅してしまうのではないかと心配したのですが。
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Gary:あれは自然な発展だったと思うよ。俺たちは、俺たちより前にあった音楽を発展させてスラッシュメタルを作ったわけで、デスメタルやブラックメタルも同じように発展していったものだ。既存の音楽からインスピレーションを受けて、そこから新しい物を産み出すんだよ。
- --- M : 確かに今でこそ、スラッシュメタルもデスメタルもブラックメタルも共存していますが、当時はスラッシュメタルは消えてしまうのではないかという感じでしたよね。
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Gary:それはスラッシュメタルがアンダーグラウンドを離れ、メジャーな存在になったせいだよ。まだデスメタルがアンダーグラウンドだった頃すでに、メジャーレーベルはスラッシュメタルを殺し始めていたんだ。メジャーを切られたスラッシュメタルバンドが、一からやり直そうとしていた時期だった。
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Zetro:俺はデスメタルこそがメタルを救ったんだと思ってる。90年代初めはグランジがブームになり、へヴィメタルというものをシーンから消し去ってしまっただろ。でも、Cannibal Corpseのようなバンドが触媒となって、新しいタイプのメタルが生み出されることになった。さっきも言ったように、今はスラッシュメタルの状況は非常に良い。当時は「よし俺が一番に頂上に登ってやる」みたいな競争があったけど、今では皆で一緒に頂上を目指そうという連帯があるからね。この間ExodusはSlayer、Suicidal Tendenciesとツアーをしたけど、これは1987年には考えらないことだったよ。競争があったからね。今では一緒に素晴らしいことをやろうという風になっている。
- --- M : それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
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Gary:ファンの皆、愛しているよ。また日本に戻ってこられて最高さ。
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Zetro:日本に来られてうれしいよ、お気に入りの国だからね。日本で一週間くらい過ごしたいね。
- --- M : お子さんを連れて。
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Gary:そうだね、子どもたちと一緒に。いつも俺が日本に行くっていうとうらやましがられるんだよ、子どもたちは日本に来たことがないから。
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Zetro:昨日は原宿に行って買い物をしたんだ。最高だったよ。アイスクリーム入りのクレープ食べてさ。
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Gary:エンジェルクレープだっけ。
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Zetro:日本ではいつも最高のもてなしをしてくれるからね。
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Gary::俺もBODYLINEで大量の買い物をしたよ(笑)。娘のために、ハラジュクガールのものをね。
- --- M : どうもありがとうございました。
さて、今でこそスラッシュメタルだけでなく、ヘヴィメタルの歴史上燦然と輝く名盤として名高いExodusのデビューアルバム"Bonded by Blood"だが、リリース当時は決して手放しに絶賛されていたわけではない。新しい時代を切り開く者の宿命ではあるが、特にここ日本における受容は酷いものであった。先見の明などあるはずもないメディアが酷評したことを受け、一部の熱心なスラッシュファンを除き、"Bonded by Blood"は黙殺されていた。音楽の好き嫌いすら自分で判断できない「メタルファン」が、商業誌が次の"Pleasures of the Flesh"に高得点を与えると、手のひらを返したように「Exodusいいよね!」と騒ぎ立てるのを見て、居心地の悪さを覚えた人も少なくないだろう。21世紀の今、"Bonded by Blood"のような歴史的名盤が酷評されたことはにわかに信じがたいかもしれない。だが、当時はExodus自身ですら、"Bonded by Blood"を恥ずかしい過去として捉えていたように、私には思えてならないのだ。"Bonded by Blood"を否定することにより生み出された"Pleasures of the Flesh"。そしてそれが後のメジャー契約への足掛かりとなったことは間違いない。だが30年という時の審判を経た今、歴史的名盤とされたの"Bonded by Blood"の方。今回の来日公演においても、"Bonded by Blood"からは2日間で6曲も披露されたにもかかわらず、"Pleasures of the Flesh"については二日目にタイトル曲が演奏されただけ。つまりはExodus自身も、一度は否定したはずのファーストを重視しているということだ。一体何故なのか。
86年のMetallicaの商業的成功を挟んで存在する"Bonded by Blood"と、セカンドアルバム"Pleasures of the Flesh"。この2作の隔たりは非常に大きい。変わったと考えられる点は、大きく分けて次の3つ。
2. リフのスタイル及びテンポ
3. 歌詞
ってこれ、変わってないところないじゃないかよ、というくらいの変わりようだ。
むしろ肝心の楽曲だが、1stと2ndでの差異は非常に大きい。まず、明らかに速い曲の占める割合が下がり、スピードよりもノリを重視したミドルテンポの曲が増える。速い曲にしても、1stほどの疾走感は無い。というのも、1st当時のExodusの代名詞とも言えるトレモロ主体のリフはすっかり鳴りを潜め、パームミュートを多用したいわゆるクランチーなリフ主体という、そもそものリフの作り自体が変わっているのだ。実際のBPMだけでなく、体感速度も下がっているのである。
そして歌詞。これがおそらくExodusの心境の変化を如実に物語っているだろう。
顔面を蹴り上げ、お前のワイフをレイプし殺してやる
お前の町を、家を荒らし、焼き尽くしてやる
音も立てずに俺のナイフがお前の背中を貫く
エクソダスアタック!
なんて歌詞を書いていたバンドが、次のアルバムではこの調子だ。
公害を垂れ流し癌をばら撒く
政治献金なんて所詮は賄賂
俺たちの命と引き換えに、奴らのポケットは膨らんでいく
どうですか、この前者の歌詞の酷さ!メジャーになることが目標でないことは火を見るより明らか。こんな歌詞、MTVなどで流せるわけがないことは、誰でもわかる。スラッシュメタルという音楽がメインストリームに成りうるなど、誰も想像していなかったからこそ書けた歌詞だ。ところがMetallicaの成功を目の当たりにしては、根本的に目標変更を迫られずにはいられない。確かにタイトル曲である"Pleasures of the Flesh"などは、食人について歌っていたり、表面上ブルータリティを保持しているように見せてはいるが、その実歌詞内容のマイルド化は相当なものだ。

誤解をしないで頂きたいが、私は何も"Pleasures of the Flesh"が悪いアルバムだと言いたいのではない。間違いなく良質な作品の一つである。だが、それは既に確立された枠組みの中での優れたアルバムでしかない。一方で"Bonded by Blood"は、Exodus自らが新たな枠組みを提示して見せた作品。革新性の次元が違いすぎるのだ。だからこそ"Bonded by Blood"は、既存の枠組みでしか物事を判断できない人間には酷評された。しかし30年という時を経た今、"Pleasures of the Flesh"が優れたスラッシュメタルのアルバムの1枚という位置に留まる一方、"Bonded by Blood"は歴史を作った別格作品として崇拝の対象となっているのである。そしてまた、Exodusが道を誤ったなどと言うつもりも毛頭ない。あの時代、Exodusがとるべき道は、あれしかなかったのだ。スラッシュメタルは一旦消滅しかかったが、現在の隆盛を見る限り、それも必要な回り道だったのだろう。
今回も盛り上がりっぱなしであったExodusのライヴだが、1stの楽曲が演奏されたときのファンのリアクションは特に凄まじかった。「Exodusの1stって名盤だよね。」などと改めて発言する必要は最早ないくらい、それはメタルファン、そしてExodus自身にとっても当たり前のことになっているのだ。

それにしても80年代初頭のサンフランシスコの雰囲気というのは、話を聞くだけでワクワクする。何か新しいものが確実に生まれつつあるのだが、それが後にどれほど大きなムーヴメントに発展していくのはまだわかっていない頃。月曜の夜にMetallicaを満員のライヴハウスで演奏し、Exodusを筆頭に後にベイエリアスラッシュメタルというムーヴメントを生み出すバンドたちが、「俺たちの方が速い」「俺たちの方がヘヴィだ」としのぎを削っていた時代。そんな時代、場所で十代を過ごした人たちがいるなんて、嫉妬するなという方が無理でしょう!

Gary , Mirai , Zetro
川嶋未来/SIGH
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