Janne Stark (OVERDRIVE)インタビュー!
2014年10月2日 (木)
Kenta Svensson(Gt), Pelle Thuresson(B)


Overdriveは1980年に結成されたヘヴィメタルバンド。40代以上のヘヴィメタルファンであれば、その音は聞いたことがなくても、83年のデビューアルバム"Metal Attack"や、その翌年リリースされた"Swords and Axes"のジャケットは、当時輸入盤屋で頻繁に見かけた記憶があるのではないだろうか。残念ながらバンドはセカンドアルバム発売後、翌85年には解散をしてしまうのだが、インタビューにもある通り、その後リユニオン・ショウなどを経て現在はまた継続的な活動を行っている。ギタリストのJanne Stark氏はとにかく多才で精力的な人物である。Overdriveの他にも数々のバンドに参加、ギタリストとしてはスウェーデンの" Guitar Battle"というコンテストで2年連続決勝に残るほどの腕前。さらにはアルバムジャケットのデザインや、執筆業もこなしており、この度(と言っても実際発売されたのは昨年末だが)出版したのが、スウェーデンのハードロック・ヘヴィメタル百科事典の第3弾だ。
- --- Mirai Kawashima (以下、M): 日本へようこそ。日本は初めてですか。
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Janne Stark(以下、J) :いや、実はもう4回目なんだよ。Overdriveとしては初めてだけど。
- --- M : 日本の印象はいかがですか。
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J :最高だよ。だから何度も来てるんだ。スウェーデンやスカンジナヴィアのバンドにとっては、日本に来るのが夢みたいな部分があるんだよね。>Deep Purpleの"Made in Japan"、Cheap Trickの"At Budokan"などの影響で、80年代にも皆日本でプレイしたがっていた。Overdriveも、Rubicon Musicが日本盤をリリースしたこともあり、旅行とプロモーションを兼ねてついに日本に来たって訳さ。皆あっという間に日本を気に行ったよ。人々や雰囲気、すべてについてね。
- --- M : 今回のインタビューでは、あなたが出版された"Encyclopedia of Swedish Hard Rock and Heavy Metal"にちなみ、スウェーデンにおけるへヴィメタルの歴史について、色々お話を伺いたいと思います。まずはじめに、スウェーデン初のへヴィメタルバンドはこれだというのは定義できますか。
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J :最初の本当にへヴィなロックバンドというであれば、1970年にファーストアルバムをリリースしたNovemberだね。スウェーデンにおけるハードロックの歴史は、1970年に始まったと考えている。
- --- M : Black Sabbathがデビューした年ですね。
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J :そうだね。Novemberは初めCreamやJimi Hendrixなどから影響を受けていて、その後それを推し進めてさらにへヴィに、リフ主体のMountainのような音楽性に発展していったんだ。
- --- M : なるほど。では、80年代初めのスウェーデンのシーンはどのような感じでしたか。あなたたちやHeavy Load、Axewitch、Gotham Cityなど、多くのバンドがいましたね。
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J :70年代後半にNWOBHMのムーヴメントが起こると、スウェーデンのシーンもそれに大きく影響された。スウェーデンにはバンドがリハーサルをしたり、ライブを企画したりできるミュージック・アソシエーションという場所があるのだけど、70年代終わりにそれぞれParadaizeというもっとAORよりのメロディックなバンドと、Oceanというハードロックバンドにいた俺たちは、そこで出会ってへヴィメタルバンドをやろうと盛り上がり、Overdriveを結成することになった。ミュージック・アソシエーションでは、その頃同じような経緯で非常に多くのへヴィメタルバンドが誕生したんだ。さらにPang Records等の小さなレーベルができて、バンドは自腹でレコーディングしなくてはいけないような規模だったけど、マイナーな作品をたくさんリリースされた。フェスティヴァルもいくつかあったし、バンドは増え続けて行ったよ。NWOBHMの影響で、First Wave of Swedish Heavy Metalのムーヴメントが起きたんだ。
- --- M : スウェーデンのシーンに最も大きな影響を与えたNWOBHMのバンドは誰でしたか。
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J :やっぱりIron Maidenだね。あとはDef Leppard、Tygers of Pan Tang、Judas Priestあたり。まあJudas PriestはNWOBHM以前から活動しているし、俺も『Rocka Rolla』(1974年)の時点でファンになっていたけど。
- --- M : Janneさん個人的にはどのあたりのバンドがお好きでしたか。
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J :俺はもっとマイナーなのが好きだったよ。Jameson Raid、Oxym、Witchfinder GeneralやAngel Witch、Witchfyndeとか。俺は基本的には70年代の音楽で育ったんだ。日本の作品も色々聞いたよ。
- --- M : オカルティックなバンドがお好きだったのですか?
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J :へヴィでDoomyなのが好きだったんだよ。何しろリフが好きだからね。
- --- M : その後EuropeやYngwie Malmsteen、それから220 Voltも含めて良いかもしれませんが、これらのアーティストは商業的にも成功しましたよね。当時スウェーデンにおいて、へヴィメタルというのはメインストリームの音楽だったのでしょうか。
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J :最初はそんなことなかった。まずEuropeがRock-SMというコンテストで優勝したんだ。誰もまさかEuropeが優勝するとは思っていなかった。何しろハードロック・へヴィメタルというのは非常にアンダーグラウンドなものだったからね。ラジオでかかることもなかった。ところがEuropeが優勝してファーストアルバムをリリースすると、だんだん商業的なものになり始めたんだ。Europeが成功したことで、ハードロック・へヴィメタルというのは売れるという風潮になり、色々なレーベルが興味を持ち始めた。Epic Recordsもへヴィメタルバンドを獲得しようということで、2つのバンドに目をつけたんだよ。それが220 Voltと俺たちOverdriveだったんだ!結局彼らは220 Voltと契約をして、俺たちはPlanet Recordsとサインをしたのだけど。Finger Print RecordsがAxewitchやTorchと契約したり、多くのレーベルがハードロック・へヴィメタル専門のサブレーベルを持つようになったんだ。なのでその頃にはへヴィメタルというのはメインストリームの音楽になったと言えるんじゃないかな。
- --- M : その後世界的にはスラッシュメタルのブームがやってきます。今お話し頂いたように、80年代初めスウェーデンには多くのへヴィメタルバンドがいて、90年代にはデスメタルブームを巻き起こしているにもかかわらず、80年代後半のスラッシュメタルムーヴメントにおいては、スウェーデンのバンドというのは多くなかったように思います。
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J :確かにスラッシュのバンドは少なかった。せいぜいAgonyやManinnya Bladeくらいかな。
- --- M : Bathoryとか。
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J :Bathoryはスウェーデン初のデス・ブラックメタルかな。Agonyはかなり早い時期から活動をしていたんだ。
- --- M : 彼らは元々ハードコアをやっていましたよね。
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J :Agoniという名前でね。Agoniというのはスウェーデン語のAgonyだよ。やがて演奏がうまくなって、スラッシュメタルをやるようになった。あとMidas Touchもいたね。いずれにせよスラッシュバンドというのは少なかった。スピードメタルも全然いなかったし。
- --- M : スラッシュメタルの期間だけ、とても不思議ですよね。
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J :そうなんだよ、とても不思議なんだ。何しろ初期のMetallicaやDeath Angelなど、スラッシュメタルやスピードメタルは当時スウェーデンでもとても人気があったにもかかわらずだよ。デモレベルのバンドもいたのだけど、大きなムーヴメントにはならなかったね。何故なのかはわからないけど。
- --- M : スラッシュメタル全盛の80年代後半最も活躍していたスウェーデンのへヴィメタルバンドというとCandlemassになるのでしょうか。
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J :そうだね。彼らはとてもビッグだった。
- --- M : Nihilistの登場と共に、デスメタルのムーヴメントが勃発しますが、日本から見ていた感じではまさに突然爆発したという印象でした。つまりスラッシュシーンは殆ど無かったのに、突然デスメタルバンドがたくさん出てきたという感じで。
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J :おそらくは最初はバラバラの小さなシーンがいくつかあったんだろうね。パンクをやっていたミュージシャンが段々演奏がうまくなり、へヴィメタルをやろうという感じになって、でもヘアメタルやNWOBHMはあまりにコマーシャルだしということで、どんどんへヴィなサウンドを追求していったんだ。アメリカのバンドから影響を受けたりしてね。ヨーテボリ、ストックホルムなど各地で同時発生的にバンドが出てきたんだ。当時テープトレーディングが盛んに行われていて、それを通じてお互いのデモを聴いて「これは凄い!俺たちはもっとへヴィに、もっとイーヴルにやろう。」みたいな感じでデスメタルというものが急速にに広がっていった。
- --- M : スウェーデンのデスメタルのルーツはハードコアパンクだと言われていますよね。
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J :そうだね、パンクはスウェーデンでとても人気があったんだ。70年代の終わり頃はパンクとメタルというのは敵対していたのだけど、その後ディスコがブームになると、共通の敵を見つけたということでパンクとメタルが手を結んだのさ。
- --- M : 今では完全なへヴィメタル・ギタリストのMichael Amottでさえもパンクバンド出身ですよね。
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J :俺も実はパンクバンドをやっていたんだよ。TNTというバンドで、主にカバーをやっていて、Budgieの後に>Sex Pistols、その後Nazarethみたいに幅広く演奏してたけどね。70年代俺はパンクにハマっていて、Sex Pistolsのレコードも集めてたよ。最初ハードロックにハマり、その後パンク、そしてまたメタルに戻ったんだ。Sex Pistolsは今でも大好きだよ。
- --- M : 彼らは素晴らしいロックンロールバンドですからね。
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J :その通りだね。
- --- M : その後メロディック・デスメタルのムーヴメントが起こりましたが、またしてもスウェーデンがその中心地でしたね。個人的にはデスメタルというのはスラッシュメタルの発展型である一方、メロディック・デスメタルというのはデスメタルからNWOBHMなど古いへヴィメタルへの回帰であると捉えているのですが。
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J :とても興味深いのが、例えばDark Tranquillityのメンバーなどに「ヨーテボリのムーヴメントについて教えて欲しい」と言うと、「何のことだい?ムーヴメントなんて意識したことがないよ。」という感じなんだ。彼らはお互いのバンドを意識していたわけではなく、ただ単にへヴィメタルやデスメタルが好きで、それぞれがやりたいことをやっていただけなんだ。デスメタルにへヴィメタルのメロディを取り込むことでメロディック・デスメタルが誕生したんだね。どういう訳か彼らはヨーテボリという一つの都市に集中していたわけだけど、彼らに聞いても何故ヨーテボリでそのようなムーヴメントが起こったのか、説明できないんだ。リハーサルスタジオを共有していたり、一緒にライブをやったりということで、無意識に互いに影響を与えていた可能性はあると思うけど。
- --- M : GhostやEnforcer、Witchcraftなどヴィンテージ・ハードロック、へヴィメタルが人気を集めていますね。
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J :ここ6-7年かな、クラシックなNWOBHMの再燃が起こっていて、例えば俺たちOverdriveも1985年に解散をして、2003年に一度だけリユニオン・ショウをやったんだ。そうしたら突如ドイツでのライブオファーがあったり、アルバムを出さないかという話をもらったりしてね。ちょうどその頃Hammerfallが古いへヴィメタル人気を再燃させていたというのもあって、俺たちのリユニオン・ショウでもファーストアルバムがリリースされた頃にはまだ産まれてもいなかったようなキッズがたくさん集まってびっくりしたんだよ。彼らは「Gotham City、220 Volt、Overdriveみたいな古いへヴィメタルって最高!」という感じでさ。彼らは両親のレコードコレクションからデモテープを見つけたりして、再びデモというものに注目し始めたようだ。そういうキッズたちが自分たちでもバンドをやり始めてるんだ。俺たちのライブで最前列にHelvetets Portのメンバーがいたのを覚えてるよ。そしてレーベルも彼らに興味を持つようになって、さらにNo Remorse Recordsなどギリシャのレーベルがスウェーデンのバンドの古いデモを再発したこともあり、古いバンドの再結成の機運が高まったんだ。おかげで古いバンドと、新しいが古いスタイルをプレイするバンドが同じレーベルから作品をリリースしたり一緒にライブをやったりと、とても良い環境になっている。
- --- M : スウェーデンと他のスカンジナヴィアの国々とのシーンの違いをお感じになりますか。
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J :違いは大きいと思うよ。例えばデンマークはメロディックな傾向にあるというか、デスメタルバンドなどは多くないよね。一番有名なのはD.A.D.だし、Pretty Maidsなど、メロディックなハードロック・へヴィメタルの人気が高い。もちろんMercyful Fateなどもいるけど、そういうバンドの数は多くないね。ノルウェーは面白くて、TNTやStage Dollsのような非常にメロディックなバンドがいる一方、エクストリームな、サタニックで教会を燃やすようなブラックメタルも人気だ。ところがその中間に当たるクラシックなへヴィメタルバンドというのは多くない。
- --- M : おそらくブラックメタルがノルウェーにおける最初の大きなムーヴメントでしたよね。
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J :そうだね。彼らはスウェーデンのバンドは腰ぬけだと言って、Count(Varg Vikernes)はTherionのメンバーを殺したがっていたとか。フィンランドは独立しているというか、たくさんのへヴィメタルバンドがいて、彼らはフィンランドでは人気があるのだけど、スウェーデンではそうでもないんだ。隣国なのに、フィンランドのバンドがスウェーデンに進出してくるということはあまり無い。
- --- M : フィンランドというのはとてもへヴィメタルが盛んであるという印象のある国で、フィンランド国内では多くのへヴィメタルバンドがチャート入りしていますよね。
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J :そうなのだけど、それはあくまで自国内でのことさ。
- --- M : フィンランドは言語的にも他のスカンジナヴィア3国と大きく異なるんですよね。
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J :スウェーデン語とノルウェー語は非常に近いので、お互いの言葉で話しても意味はわかる。デンマーク語は、スウェーデン人は読むことはできるけど、聞きとるとなると少々難しい。とは言えこの3つの言語は関係が深いんだ。ところがフィンランド語は、まったく別系統なんだよ。なので俺たちもまったくわからない。そのあたりにも理由があるのかもしれないね。
- --- M : スウェーデンというのは世界で最もへヴィメタルが盛んな国と言っても良いと思うんですよ。Bathoryがブラックメタルを創り、Candlemassはエピック・ドゥームメタルの元祖です。現在もWatainやGhostなど素晴らしいバンドがたくさんいます。一体何故スウェーデンではここまでへヴィメタルが盛り上がったのでしょう。
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J :実は今、新しい本を書いているんだ。これまでに書いた3冊は、スウェーデンのバンドの事典だったけど、今回はスウェーデンにおけるへヴィメタルの歴史に焦点を当てている。そこで何故スウェーデンがヘヴィメタル大国なのか、是非その理由を見つけ出したいと思っているところなんだ。この本では、ただ単に歴史的事実を列挙するだけではなくて、70年代にハードロックバンドが、両親や先生など外部要因からどのような影響を受けたのか等、また80年代・90年代についても同様に背景まで調べたいと考えている。一つスウェーデンのバンドの特徴をあげるとすると、例えばアメリカのバンドなどと比べると、俺たちはなかなか自分たちに自信を持てないんだ。5年間ずっとリハーサルだけを続けて、「まだステージに立つレベルじゃない」なんて考える。アメリカのバンドだと、とりあえず衣装だけ揃えてステージに上がり「どうだ、俺たちはメタルバンドさ。」なんていう感じだろ。まったく演奏できないバンドもいるし。スウェーデンのバンドはライブをやったり、アルバムをレコーディングするにしても万全を期す傾向にあるんだ。それからスウェーデンでは無料のリハーサルスペースを使えるのも大きい。政府からリハーサルのための資金援助が得られ、かつ無料のリハーサルスペースも使えるんだ。音楽だけでなく、詩や裁縫など、色々な文化に政府が援助をしてくれている。お金がもらえて無料のリハーサルスペースまであれば、当然バンドのクオリティも上がるだろ。
- --- M : 有名ではないけれども、是非チェックするべきスウェーデンのバンドをいくつか教えてもらえますか。
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J :前に出版した本には有名なバンドの未発表曲を収録したCDをつけたのだけど、今回はアルバムを録音したものの、リリース前に解散してしまったバンドなど、無名だけど素晴らしいバンドがスウェーデンにはまだまだいるということを知ってもらいたくて、そういうバンドの作品を付属CDに入れたんだ。
- --- M : そこまで超マイナーな作品でなくても良いですよ。
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J :(笑)70年代に7"EPを1枚だけリリースしているAlexander Lucasは良いよ。もう少し有名でへヴィなバンドというとNeon Rose。70年代に3枚のアルバムをリリースしている。彼らはへヴィで、少々プログレッシヴでリフが素晴らしい。彼らのアルバムはスウェーデンではVertigoからリリースされたのだけど、国外では発売されなかった。俺がへヴィメタルを始めるきっかけとなったバンドの一つだよ。
- --- M : なるほど。80年代でお勧めはありますか。
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J :80年代はたくさん素晴らしい7"EPのリリースがあった。ブルージーなハードロックをやっていたAllan Beddo Band。もっとへヴィなところだとEpidemic。彼らはアルバムを1枚だけリリースしているのだけど、面白いエピソードがあって、元々のシンガーが酷かったんだ。アルバムのレコーディングの最中に、このシンガーではどうしようもない、彼はまったく歌えないということがわかって、地元の別のシンガーに代打をお願いしたんだ。ただ彼はポップスのシンガーだったので、引き受けてはみたものの実際に音楽を聴いてびっくりしたようだ。結果としては彼は歌もうまく、非常に良い作品に仕上がったのだけど。
- --- M : 日本のへヴィメタルファンにあなたのお書きになった本を紹介してください。
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J :最初の本は1996年に出版された。俺はレコードコレクターで、たくさんのレコードを持っているんだけど、そのリストを作ろうとしていたんだ。
- --- M : どのくらいのコレクションをお持ちなのですか。
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J :LPとCD合わせて18,000枚以上かな。LPが7,000-8,000枚、CDが11,000枚あたりだと思う。それで友人が、そのうちスウェーデンのバンドの作品がどのくらいあるか知りたがったので、リストを整理しているうちに、どうせなら本にしてみようかと考え始めた。スウェーデンのバンドの百科事典なんてなかったからね。いざ本が発売されてみると、非常に評判が良くて、日本も含めて世界中から「このレコードを探しているんだけど入手できない?」というような手紙が来るようになった。これはうまくすれば金儲けできるかも、なんて考えたけど(笑)。最初の本を作る労力は並みではなかったので、もう二度と本は書くまいとその時は思った。当時はインターネットの普及前だから、情報収集するにしても電話を使わなくてはいけなかったし。ところが当然本が出た後も、新しいバンドは続々と誕生するわけだろ。なので一応情報だけは書きためておいて、ついに2002年に第2弾を出版することにした。最初の本には1,000のバンドが掲載されていて、第2弾ではそこに載らなかった600のバンドを掲載した。今度こそこれで最後だと心に決めたのだけど、結局同じことが起こった。とりあえず新しいバンドの情報だけはメモし続けて、成り行きを見守っていたのだけど、4年前に出版社から「そろそろ新しい本を作る時期じゃないか?」なんて言われてね。毎日3時間、週6日、3年半かけて第3弾をまとめた。俺は3つのバンドでギターを弾いていて、音楽雑誌やウェブサイトに記事も書いている。さらに他にも仕事を持っていたからね。クリスマスまでには発売したかったので、昨年の9月が作業の締切だったのだけど、ギリギリまで新しいバンドを追加し続けたよ。レイアウトも自分でやっていたから、バンド一つ追加するのも大変だった。印刷会社に原稿を送る当日にもバンドを追加したくらいさ。結果として912ページ、3,600バンド掲載というボリュームになったよ。レコードかCDを出しているバンドに限定なので、デモしか出していないバンドは載せていないのだけど
- --- M : それほど多くのバンドがスウェーデンに存在したというのは驚きですね。
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J :たった人口9百万人の国だよ。
- --- M : 東京よりも少ない訳ですからね。
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J :人口が少ない分、俺のように3つのバンドを掛け持ちしているというような例も少なくないけどね。そのおかげでバンド間の関係も緊密になって、バンド同士仲が悪いというようなことも無いんだ。今回の本では11,700人のミュージシャンの名前も掲載されてるよ。俺は掲載されているバンド全部聴いてるからね。全部の作品を所有している訳ではないけど、音は全部聴いたんだ。すべてにコメントをつける必要があったからね。
- --- M : スウェーデンのメタルバンドを全部知っているということですね。
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J :それが実は2つ掲載されていないバンドがあるということが判明しているんだ。実際はもうちょっとあるかもしれない。レコードコレクター達は、所有している音源の情報を教えてくれないんだよ。もしこの本に掲載されていない作品があれば、それはすなわち超レアということになり、価値が上がるわけだからね。
- --- M : どうもありがとうございました。最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。
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J :ヨロシクオネガイシマス。また日本に来られて光栄だ。日本という国、そして日本の音楽が大好きさ。今回はOverdriveとして日本のメタルファンの前でプレイができて最高だった。今回俺の書いた本がHMV ONLINEを通じて日本でも入手できるようになったので、是非これを買って、君たちが今まで知らなかったスウェーデンのバンドを発見できることを祈っている。グッド・ハンティング!

※商品は1冊です。
これまでJanne氏が出版したスウェーデンのハードロック・ヘヴィメタル百科事典は3冊。インタビュー内でも語られている通り、第1弾に1,000バンドを掲載、第2弾はそこから漏れた600バンドが載っている。で、最新の第3弾はと言うと、3,600バンドという数を見てもおわかりのように、第1弾、第2弾に掲載されていたバンドはもちろんのこと、そこから新たに2,000バンドも追加され、現時点においてCD、レコードのリリースが確認されているスウェーデンのハードロック・ヘヴィメタルは、まず掲載されていると言って良い凄まじい内容なのだ。しかもただバンド名が掲載されているだけでなく、リリース年月日などのデータ類はもちろんのこと、Janne氏によるコメントやエピソードまでが逐一つけられている。そうそう、心配されている方もいるかと思うが、スウェーデン語ではなく英語、しかもとても平易な英語で書かれているのでご安心を。ヘヴィメタルファンなら『Heaviest Encyclopedia Of Swedish Hard Rock & Heavy Metal Ever!』を一家に一冊。届いた瞬間に「何これ、デカい!」と言ってしまうこと間違いなし。パラパラとめくっているだけでも幸せな気分になれます。

Mirai & Janne
川嶋未来/SIGH
https://twitter.com/sighmirai
http://twitter.com/sighjapan

※特典は無くなり次第終了となります。
※こちらの商品は HMV ONLINE のみの取り扱いです。HMV 店舗では販売しておりませんのでご注意下さい。
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販売終了
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2011年作品
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