【追悼】 ジョー・サンプル
2014年9月18日 (木)
現地時間の9月12日、70年代を代表するジャズファンク・バンド、クルセイダーズのメンバーとしても活躍したフュージョン/クロスオーヴァー・ジャズ・ピアニスト、ジョー・サンプルが闘病の末にこの世を去りました。享年75。
近年は、ニューオリンズのザディコ・ミュージックなどアメリカ南部の音楽を深く掘り下げた新ユニット“クレオール・ジョー・バンド”の結成や、ドイツの名門NDRビッグバンドとの共演など、さらに多岐にわたる活動を精力的に展開。また東京JAZZへの出演をはじめ、ほぼ年1回のペースで来日公演を行なっていただけに、私たち日本のファンにとってもその死が惜しまれてなりません。
こちらでは、2008年2月に再結成クルセイダーズとして来日公演(@渋谷Bunkamuraオーチャードホール)を行なった際のインタビュー記事を、追悼の意も込めて再度ご紹介させていただきます。クルセイダーズのことから、スティーヴ・ガッドやランディ・クロフォードらサブ/共演メンバー、60年代のワッツ暴動、そして日本のことに至るまで・・・ときにユーモアを交えた氏の熱っぽい語り口が今でも忘れられません。
ジョー・サンプルのジャズおよびブラック・ミュージック史に残した偉大なる功績をあらためて称えるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私はピアノ弾きではあるけれど、ただ弾くだけでは自分の求めている満足感を得ることはできなかったんだ。
-- ジョーさんは、昨年(2007年)の東京JAZZ以来の来日となりますが、これまでの来日回数を踏まえると、もはや「親日家」とお呼びしてもさしつかえないですよね(笑)。
そうだね(笑)。ここ何年間、確かに日本各地の色々なところを見てきたよ。やっぱり日本に戻って来れるっていうのは喜ばしいことだね。今のところ、年に1回のペースで呼んでもらっているわけだけど、できれば今後は年に2回ぐらいは来れたらいいなと思っているよ。
基本的に東京や大阪のような大都市が好きなんだ。あとは、札幌もかなりいいね。実は時間があったら是非やりたいことがあって。できれば春のような暖かい時期に港町に行きたいんだよ。美しい海岸線を眺めながら、ゆっくり温泉に浸かりたい(笑)。以前に1度だけ別府に行ったことがあるんだけれど・・・そこはちょっとイメージとは違かったんだよね。ラスベガスみたいだった(笑)。もっと小さな町で、自然が豊かで、温泉と針治療なんかも受けれるところがいいね(笑)。これを実現するには1ヶ月以上の休暇が必要なんだけど(笑)。
-- 日本食も?
大好きだよ。ここ何年かの来日で、日本食にも各地それぞれのスタイルがあるんだっていうのに気付いたんだ。
-- 札幌といえば、昔アルフォンソ・ジョンソンらとゲレンデでスキーを楽しんだそうですね。
そうそう(笑)。どこでそんな話を訊いたの? 今回は残念ながら札幌に行く予定はないんだけど・・・でも本当に札幌はいいところだよね。スキーは、ここ3年ぐらいやってないんだ。腰の方をちょっと痛めていて、膝の具合も良くないし。老化のせいかな(笑)・・・1年半ぐらい前に注射は打ったんだけど。スキーは大好きだからやりたいんだけど、でもやるならジムに通ってワークアウトしてからじゃないと難しいね(笑)。
-- ではお話を戻させていただきまして、今回は”再結成クルセイダーズ”としての来日になります。『Rural Renewal』のリリースおよび活動再開から早5年が経とうとしていますが、バンドのモチベーションやコンディションは今現在いかがですか?
先週、ニューヨークのブルーノートで1週間ライヴを行なっていたんだ。2日目ぐらいまでは、バンドのメンバーみんな古い曲を思い出すのに四苦八苦していたんだけど、週末ぐらいになるとすっかり思い出すことができて、何を演奏すべきかパッと出るようになっていたんだ。今回日本に来て、特に昨日のライヴ(2/27@ブルーノート東京)なんかは、さらに前進したような感じになっていたね。もっと自由というか。普通、演奏の中では、ある程度の“ロードマップ”が決まっているものなんだけど、昨晩に関しては、着地点に対して「あっちに行ってみろ」「こっちに行ってみろ」みたいな相互のフリーなやりとりができたので本当に楽しかったよ(笑)。
もちろん私たちメンバーはみんな音楽を分かっているし、お互いのフィーリングも分かり合っているから、何をやるべきかというのが本能的に分かるんだ。チームワークが素晴らしく、しっかりしているということを改めて感じたよ。そういう部分はオーディエンスにもすぐに伝わるんじゃないかな。
-- ドラムにスティーヴ・ガッドを迎えたスペシャルなプログラムになりますね。
スティーヴは本当に素晴らしい才能を授かった人だと思う。彼は敬虔なクリスチャンで、才能を与えてくれたのは神様だということを分かっている。だからこそ、そこに敬意を表してものすごい練習をするんだよ。想像を絶するほどの練習量を重ねてきて、テクニックをしっかり培ってきている。
私自身もそうなんだけれど、若い頃は音楽が何よりも大事で、それより重要なものはなかったんだ。実際ピアノを弾くとやっぱり癒される。音楽を演奏することがそのまま薬になっていたぐらいだから。スティーヴもその点は一緒だと思うんだ。いずれにしろ、本当に才能のあるミュージシャンだよ。
-- レイ・パーカーJr. も、ツアーメンバーとしてすっかり馴染んでいるようですね。
70年代当時のジャズやフュージョン系のスタジオ・ミュージシャンのギタリスト達というのは、みんなギターソロの練習だけに勤しんでいたんだよ。「オレはリード・ギター、あいつはリズム・ギター」みたいなおかしな区分けをする流れもあったしね。それに対して、「何を言ってるんだ? バカじゃないか」って私は常々思っていた。リズムなしにリードを弾けるわけないだろって。だから、ギタリストはみんなバカだと思っていたんだ(笑)。そういった中で、レイがまだ19歳の時に、フィラデルフィアでのモータウンのセッションで初めて会ったわけなんだけど。彼は本当にリズム感に優れていたね。いやもう、ズバ抜けていた。
そのセッションの時に、ジム・ペローというイタリア人のドラマーがいたんだけれど、彼はリズムが全く安定していなかったんだ。でも周りは、彼がちょっとクレイジーなヤツだったから恐くて何も文句が言えなかったんだよ。だけど、レイだけは当時若くて恐いもの知らずだったから、「おい、お前!オレのリズムを乱すんじゃねーよ」って(笑)。とにかく、レイはそんなことが言えるぐらい優れたリズム感の持ち主。クルセイダーズの初期のアルバムでも何枚かに参加しているんだ。
-- ジョーさんとは長いお付き合いとなるウィルトン・フェルダー。彼の人間性やプレイ、音楽への姿勢などは改めていかがでしょうか?
ウィルトンはとても物静かな男。レコーディングの時などは”道路整備員”のような役割を果たしてくれているよ(笑)。昔気質のミュージシャンは大抵そうなんだけど、サックス・プレイヤーとして、はっきりとした自分の音を持っているんだ。私たちより少し下の世代になると、トランペット奏者だったらマイルス・デイヴィス、サックス奏者だったらチャーリー・パーカーの真似をみんなしているんだよ。真似したってしょうがないのにね(苦笑)。そういった中、私やウィルトン、それにウェイン・ヘンダーソン、スティックス・フーパーは独自のユニークな音を持っていたんだ。これは本当にラッキーな事だと思う。
独自のユニークな音というのは、自分の中から出てくるんだっていうことだね。30歳ぐらいの頃というのは、まだそのことに気付かずに不安で・・・まぁ駆け出しの頃なんて誰だって不安なものなんだけど・・・もちろん私もすごい不安だった。でも、ある日ピアノを弾いている時に、自分の中から自然に湧き出てくる音がすごくユニークなものだということに気付いたんだ。ウィルトンもきっと同じように感じたと思うよ。
ただウィルトンに関しては不安要素みたいなものが1つあって・・・それは、当時クルセイダーズには決まったベーシストがいなかったということ。レコーディングの時は、いつも本職のサックスを置いて、ベースを弾かなければならなかったからね。彼にとってもメンバー全員にとっても頭の痛いところだったんだ。クルセイダーズの音を分かっているベーシストがいなかったから仕方なかったんだけど。だからサックスはオーヴァー・ダビング。でも、今は私の息子・ニック(ニクラス・ サンプル)がベーシストとしてクルセイダーズに入ったから、グループとしてはだいぶ安定してきたかなと思ってるよ。
テキサス州ヒューストンの高校の同級生だったウェイン・ヘンダーソン(tb)、ウィルトン・フェルダー(ts)、ジョー・サンプル(key)、スティックス・フーパー(ds)によって、前身となる「ジャズ・クルセイダーズ」が結成される。1961年『Freedom Sound』でデビュー。のちの71年にグループ名を「クルセイダーズ」に改し、翌年発表の『Crusaders 1』が高い評価を得て、続く『2nd Crusade』、『Unsung Heroes』といったアルバムで一躍ポピュラー音楽ファンからも注目。70年代フュージョン・シーンを代表するグループとなった。76年にオリジナル・メンバーであるウェイン・ヘンダーソンと、74年に正式メンバーとなっていたラリー・カールトン(g)が、83年にはスティックス・フーパーが脱退。その後はウィルトン・フェルダーとジョー・サンプルのユニットに、ゲストを迎えるというスタイルで活動を続けていたが、92年にウェインとウィルトンが「ネクスト・クルセイド」を名乗って復活。95年には「ジャズ・クルセイダーズ」名義でアルバム『Happy Again』を発表。2002年には、ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプル、スティックス・フーパーによる「クルセイダーズ」名義で『Rural Renewal』が発表された。2003年〜2004年には、このオリジナル・メンバーによる初めての再結成ツアーが行なわれ、2003年10月にはブルーノート東京などで来日公演を開催。このときの模様は『Live In Japan 2003』としてCD化されている。写真中央手前がジョー・サンプル。
1945年ニューヨーク州ロチェスター生まれのドラマー。軍楽隊に所属するドラマーのおじの影響で、7歳からドラムレッスンを受ける。そこで培われたスネアドラムの奏法を演奏に多く持ち込むスタイルが特徴的で、後に「ガッド・スタイル」と呼ばれる一つのスタイルを生み出す。1973年にはチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」に参加し、その後チャールズ・ミンガスのアルバム、アル・ディ・メオラのバンド「エレクトリック・ランデヴー・バンド」、マンハッタン・ジャズ・クインテットなどに参加。75年、ポール・サイモンのツアーに抜擢されたことで注目を浴び、翌年、70年代を代表するニューヨークのセッション・ミュージシャン集団“スタッフ”のドラマーとして絶大な人気を集めた。解散後はスタッフの中心メンバーであったコーネル・デュプリー(g)、リチャード・ティー(el-p.key)らを率いて、自身のバンド“ガッド・ギャング”を結成。84年には初リーダー・アルバム『Gadd About』(国内Electric Bird制作)を発表。現在も、エリック・クラプトンのツアーバンドをはじめ、ジャズ、ロック、フュージョンなどさまざまなフィールドで活躍。「世界一多忙な現代最高のセッション・ドラマー」の名を欲しいままにしている。2013年には、25年ぶりにして初のセルフ・プロデュースとなる3枚目のリーダー作『Gadditude:ガッドの流儀』をリリースした。
1954年デトロイト生まれ。10代の頃からセッション・ギタリストとしてモータウンやホットワックス・レーベルなどのレコーディングに参加。1972年、スティーヴィー・ワンダーからツアー・ギタリストの参加を依頼され、その後世界的大ヒットとなった名曲「Superstition」にヴォーカル参加。さらには『Talking Book』、『Innervisions』にギタリストとして参加し大きな注目を集める。その後L.A.に移り住み、セッション・ワークを行なう傍ら、ソングライティングを本格的に開始。ルーファス&チャカ・カーンのNo.1ヒット「You Got The Love」を生み出した。さらにはハービー・ハンコックのレコーディングに参加したのち、ハンコックの勧めで自身のグループ「レイディオ」を結成。第1弾アルバム『Jack&Jill」はミリオンセラーを記録する大ヒットとなった。81年には、全曲自身の作詞・作曲、さらにプロデュースを務めたアルバム『A Woman Needs Love』をリリース。84年夏、映画「ゴーストバスターズ」の主題歌「Ghostbusters」をリリース。世界各国で記録的ヒットとなり、アーティスト/プロデューサーとしてその地位を不動のものとする。一時期音楽活動を休止していたが、2000年より、再びスティーヴィーほか、ボズ・スキャッグス、クルセイダーズら旧知のベテラン・アーティスト達とのレコーディング〜ライヴ活動を活発化させ、2006年には15年ぶりのオリジナル・アルバム『I'm Free』を発表した。
-- その息子さんのニックに対しては、ベーシストとしてどのような評価をされていますか?
ニックは、まだ6歳の頃から、私が色々と音楽の話をしていたのを傍で聞いていたんだね。だから、ベーシストとしての下地を作ったのは私みたいなもんだ(笑)。その時期は、何よりグループのベーシスト不在問題があったから・・・だからウィルトンがベースの弾き方をわざわざマスターしたんだけど。そういえば、私はニックに「ミュージシャンにとっての一番の大きな悩みは、ベーシストがいないってことなんだよ」って、幼い頃からしょちゅうグチっていたらしいんだ(笑)。
60年代なんて、例えばL.A.でも、4、5人程度しかベーシストはいなかったんだ。いや本当に。ミュージシャンの電話帳を見ると、5000人もの名前が載っているのに、その中でまともに演奏できるベーシストなんて5人程度だったよ。だから息子には、「もしミュージシャンになりたかったらベースをやるのが賢いだろう。でもピアノは必ず習得しなきゃいけない、ピアノこそ音楽のバイブルだから」って話したんだ。そもそも彼も母親には「ベーシストになりたい」って密かに漏らしていたみたいだし。でも、私にはそう言ってきたことがなかった。おそらく怖かったんだろうな(笑)。でも母親の返事は「ノー」だったみたいでね。「ベースなんかじゃなく、ピアノを弾かなきゃダメよ」って(笑)。
-- (笑)偉大なお父さんみたいに、と。
ここでニックは完全に道を誤った(笑)。私にちゃんと相談してくれてたらもっと早い年齢からベースを弾かせていたのに!(笑) でまぁ、結局ニックは14、5歳までベースに触れることがなかった。とはいえ、やっぱり彼には本質的に抜きん出た才能があると思っている。この3年間クルセイダーズで演奏する中で、できる限りのことを私から学ぼうとしていたし、すごく頑張ってマスターしてくれたよ。
-- ソロでは、近年、おなじみのランディ・クロフォードほか、レイラ・ハサウェイ、リズ・ライトといった女性シンガーを起用した作品を積極的にリリースされていますが、とりわけ女性シンガーとの共演は、ジョーさんの活動の中でも昔からかなり重要な位置付けになっているんじゃないですか?
たしかにヴォーカルというのは、私にとって重要な位置付けだね。今まで一緒にやってきたシンガーは本当にユニークで、個性のはっきり分かるような声を持っていたんだ。歌う時に、きちんと詞で表現できて、そこに気持ちを入れて歌い込めるというのは、シンガーにとって最も重要なことなんだよ。フランク・シナトラ、トニー・ベネット、サム・クック、B.B.キング、ダイナ・ワシントン、グロリア・リン、みんなそれができる。詞を歌で表現する時にしっかりその世界に入り込めるんだ。そういう意味で、本当に一緒にやりたかったのが、ランディ・クロフォードだったんだ。彼女の歌い回しは驚異的だよ。レイラも、ビル・ウィザーズとの共演と同じように素晴らしかった。
それと、素晴らしいシンガーが素晴らしいバンドと組むと、本当にユニークなものができ上がるんだ。例えば、カウント・ベイシーとジョー・ウィリアムズ。彼らの演奏を聴くのがとにかく大好きだったよ。あとは、カウント・ベイシーとサラ・ヴォーンとかね。デューク・エリントンもとても美しい名曲をたくさん書いたし、それに乗せた歌詞もよかった。
-- ちなみに、ランディ・クロフォードが歌う1979年の「Street Life」は、ジョーさんがコンポーズされていますよね。当初から「歌モノを作る」という意識を持って書き始めた曲だったのでしょうか?
私はピアノ弾きではあるけれど、ただ弾くだけでは、自分の求めている楽曲への満足感を得ることはできなかったんだ。クルセイダーズのために、あるいは自分のソロのために色々なタイプの曲は書いてみるものの、歌詞を書くことだけがやっぱりできなくて・・・結局、「歌詞を書いてくれる人」と「それを歌うシンガー」が必要だったんだ。そして70年代の後半に、この2つの要素が同時に満たされる時が来たんだ。ひとりは、ウィル・ジェニングス。彼は作詞家というよりは、まさしく詩人だね。
私は個人的にポップソングの類のものがあまり好きじゃあない。例えばトップ40系のヒットソングの歌詞とか。「誰々が誰々と愛し合った」みたいな・・・そんなものには微塵も興味がないんだよ(笑)。はっきり言って、バンドが演るような歌詞じゃない。だけど、フランク・シナトラが歌うブロードウェイの曲などは、歌詞にもしっかり耳を傾けることができるんだ。老若男女誰しにも訴えかけるものがあるよね。ウィル・ジェニングスに会ったときにも、同じように彼の歌詞に心を奪われてしまって、彼も私の書いたメロディを気に入ってくれた。そんな相思相愛の関係になれたのはウィルが初めてだったんだよ。
そしてもうひとりは、もちろんランディ・クロフォード。ワーナーからリリースされたランディの最初の2枚のアルバム(『Everything Must Change』、『Miss Randy Crawford』)はパーフェクト。私が書きたかった曲を理想的に歌ってくれるシンガーなんだということを、その2枚のアルバムを聴いて確信したんだ。
1952年米ジョージア州メーコン生まれ。幼い頃から聖歌隊で歌いゴスペルをバックグラウンドに、シンシナティからフランスまで各地のナイトクラブで歌手としてのキャリアをスタートさせる。キャノンボール・アダレイの作品への参加をきっかけにニューヨークに進出し、76年、ジョージ・ベンソンに見出され『Everything Must Change』でデビューを飾る。クルセイダーズの『Street Life』(79年)にメイン・ヴォーカルとして抜擢され、これが米国のジャズ・チャート20週連続1位を獲得、一気にトップ・シンガーの仲間入りを果たす。続く81年のアルバム『Secret?Combination』は、ビルボードのアルバムチャートに60週ランクインの偉業を成し遂げ、翌82年には英国ブリット・アワード「ベスト女性ソロアーティスト」を受賞。その後のソロ活動でも、「One Day I'll Fly Away」(80年)や日本のテレビドラマの挿入歌にも使用された「スウィート・ラヴ(原題:Almaz)」(86年)といったヒットを連発し、世界各国でその人気を揺るぎないものとした。ジョー・サンプルとの”ゴールデンコンビ”ではこれまで『Feeling Good』、『No Regrets』、『Live』といった3枚のアルバムをリリースしている。
私の書く曲というのは、いわゆるアフロ・アメリカン・ミュージックの様々な要素が組み合わさってできているんだ。ジャズ、ソウル、ブルース、ゴスペル、ニューオリンズ、全てのブラック・ミュージックの要素が入っている。あとはクラシックなんかも・・・でも実は、個人的には音楽をこういう風にカテゴリー付けするのは好きじゃないんだ。そんなことをするのはあまりにも馬鹿げてるよ(笑)。
-- ソロにしろクルセイダーズでの音楽にしろ、その根幹はまったく一緒というか、差別化することはできない。
そのとおり。ピアノがどのような音がするか、ホーンというものがどのような音で鳴り響くかをよく思い出してほしい。ピアノの世界があり、管楽器の世界があるということ。これはスティックス、ウェイン、ウェルトンにも言えることだが、私の場合、6歳の頃にまずピアノを経験したんだ。つまり私の人生はピアノありきだったんだ。だから、もう頭で考えてやるものじゃないんだよ(笑)。本当に空気や水のように自然に触れていたものなんだ。
-- 60年代の後半から80年代にかけては、ほとんどL.A.で過ごされていたと思いますが、やはりその当時のL.A.のジャズ・シーンも相当な盛り上がりをみせていたのでしょうね。
ただ、本当に西海岸でジャズが盛り上がっていたのは、30〜50年代ぐらいだったと思うよ。その後の60年代は、黒人住居区における暴動で何もかもが死んでしまった。65年から67年まで、毎夏大都市で何かしらの暴動が起こって、黒人達の音楽が殺されてしまったんだ。
65年のワッツの暴動は特にひどかった。軍隊が出動して、戒厳令のようなものが敷かれたんだ。ある区域では、陽が沈んだら外出禁止令も出されていたよ。私も当時そのような区域からほんの100mしか離れていないところに住んでいたからね。暴動が続いていた間は本当に失望していた。勃発から4日目に収束したわけだけど、自分の中の感情的な部分に変化が出てきた。「なぜ黒人達が暴動を起こしたのか」というのが理解できるようになってきたんだ。彼らは暴動を起こさなければ仕方ない状況だったんだってね。暴力的で破滅的なものだけれど、それが起きないといけない状況にあったんだとしか言いようがないんだ。
71年には学校のカリキュラムから音楽が廃止されてしまったり、黒人の行くようなクラブが営業停止になったり、音楽を楽しむこと自体が許されなかったんだ。ニューヨークでも同じようなことがあったよね。70年代にはディスコなんかもあったけれど、でもそういう具合に、人から音楽が奪われてしまった時代でもあるんだ。その結果どうなったと思う? ラップが生まれたんだよ。そして80年代になると・・・もう私が知っているような音楽は終わってしまったんだ。
-- それでも80年代に入ってもジョーさんは、『Voices In The Rain』や『Spellbound』といった素晴らしいクロスオーヴァー作品を残しているわけですからね。と、そろそろお時間が来てしまったようで・・・では最後に、ジョーさんのオールタイム・フェイヴァリットとなるアルバムを何枚か教えてください。
このアルバムのこの曲が好きだったり、この曲のこの部分が好きというものは数限りなくあるんだけれど(笑)、特に大好きなのは、カウント・ベイシーとジョー・ウィリアムスの『Everyday I Have the Blues』。最も伝説的と呼べるレコードは、ビッグ・ママ・ソーントン『You Ain't Nothin' But a Hound Dog』。ありえないぐらいに素晴らしい。あとは、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、ビル・エヴァンス、彼らの作品はどれも本当に最高だよ。オスカー・ピーターソンが吹き込んだブロードウェイ作品集、ガーシュウィン集、リチャード・ロジャース集もいいね。それから、ジミー・スミスにスタン・ケントン楽団だ。
いやでも、今日はこういったサイトの企画に誘ってもらってすごく光栄だよ。私もようやくパソコンなんかをいじくるようになったから(笑)。今後は時間がある時にもっと小まめにチェックするようにしないとね(笑)。今日は本当にありがとう。
(Joe Sample)
1939年2月1日生まれ。テキサス州ヒューストン出身。本名ジョゼフ・レスリー・サンプル。1952年、高校仲間のウィルトン・フェルダー、ウェイン・ヘンダーソン、スティックス・フーパーとバンドを結成、1960年に「ジャズ・クルセイダーズ」の名でデビュー。1972年に「クルセイダーズ」と改名。徐々にポップ路線のアプローチを強め、79年、ランディ・クロフォードをフィーチャーした「Street Life」が大ヒットを記録。1988年に解散するも、2003年にウェイン・ヘンダーソンを除くオリジナル・メンバーで復活。新生クルセイダーズ名義で発表したアルバム『Rural Renewal』は、当時のフュージョン/クロスオーヴァー・ファンを中心に大きな話題を呼んだ。
一方ソロとしても、クルセイダーズ時代に発表した『Rainbow Seeker』(1978)、『Carmel』(1979)などは、クルセイダ―ズ時代から発揮されていたコンポーザーとしての才能をさらに進化させたフュージョン名盤中の名盤として現在も絶大な人気を誇り、また70年代のソウル/R&Bヴォーカリストの作品には必ずと言っていいほどジョー・サンプルの名前が記載されていることも忘れてはならない。90年代にはエリック・クラプトンとのコラボレーションを展開し、さらにファン層を広げた。2011年からは、ザディコ・ミュージックなど自身のルーツのひとつであるアメリカ南部の音楽を深く掘り下げた新ユニット“クレオール・ジョー・バンド”を率いて『Creole Joe Band』(2012年発表)、さらに2012年にはドイツの名門ジャズ楽団NDRビッグバンドとの共演盤『Children Of The Sun』を発表している。
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