HMVインタビュー:DJ Ryow a.k.a. Smooth Current

2014年7月30日 (水)

Kenichiro Nishiharaの新レーベル<Jazcrafts>より、Hydeout Productionsの黄金期をレジデントDJとして支えたDJ Ryow a.k.a. Smooth Currentの4年ぶりとなる ニューアルバムが完成。HMV ONLINEでは1st『Maintain The Focus』発売時の2009年、『Scenes from Life』時の2010年と節目の作品でインタビューしてまいりましたが(Shinsight Trioとしても2度!遡れば『Blue Chronicle』も!)、今回ももちろんやります!
インタビュー:久保(HMV ららぽーと横浜)

-- まずはアルバムリリースの発売おめでとうございます!!! Shinsight Trioを挟んで、ソロは4年ぶりで良かったですよね?率直なお気持ちを聞かせて貰えますか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 構想1年、制作1年半と、製作期間がホントに長かったので、ようやくリリース出来たか、って感じですね。


-- 今回はKenichiro Nishiharaが主宰するレーベルからのリリースになったとの事ですが、決め手はコレ!のようなモノはありました? また西原さんとはこれが初めての繋がりになる気がするのですが、どう言う経緯から発売まで至ったのでしょう?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: う〜ん、これに関しては本当に悩んだんだけど、というのも、ありがたい事に、他にも何社かオファーをもらっていて、ただ、自分的に今回は時間がかかるのが解っていたから、それでも良いという条件で、熱意もある所、というのがポイントだったかな。 彼が自分の音楽を支持してくれているのを知って、そこからマメにコンタクトしてくれて、一番熱意を感じて、という感じでした。


-- 内容の方について、伺います。 4年ぶりのソロと言う事でかなり色々と作り込んだり、試行錯誤をしたりしたと思うんです。Ryowさん、曲は常に作ってると言っていたのを思い出しまして(笑) このアルバムに入ってる曲は昔から温めていた曲をアップデートしたりした曲もありますか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 今回の作品「Trace The Roots」は、今までと同じレベルで作っていてはダメだと思って。といっても、過去のタイトル「Maintain The Focus」も、「Scenes From Life」も好きだし、精魂込めて作った作品だけど、それはあくまでサンプリング・ベースでの話で、そこは自分なりにやりきったし、元々楽器もかじってきた自分の目標として、サンプリング・ソースに頼らない楽曲作りを〜という意識がドンドン強くなっていったので、今回はそういった意味でのスキルアップに終止したかな。 なので、自分で演奏して作り込んでいく分、時間もかかったし、サンプリング・ソースの決められたコード進行やキーの制約も無いから、妥協も出来ず、これまた時間がかかるという。 なので、ストックの中から出した曲はほとんどなく、1年半でひたすら作り溜めた6〜70曲くらいの中から選んでブラッシュアップしていった感じでした。


-- 1stの「Maintain The Focus」やShinsight Trio、またはmidicronicaのアルバムで聴けるJazzの風味を感じるアルバムの中の曲は今回さらに幅を広げた印象を受けました。Jazzy HipHopと言う言葉もありますが、ご自身で表すとしたら、どう言う風に表現しますか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 当所はJazzy Hiphop??とか突っ張ってみたりもしたけど、そう言って話題にしてもらえるだけ幸せなことかな、なんて思うようになりました(笑)。 幅に関しては、そもそも、昔からHiphopだけを聴いてきたわけじゃないし、今回の「Trace The Roots」、自分の軌跡を辿る、という意味では、色んな音楽を聴いて、かけてきた自分のルーツを示す為には、楽曲に幅があって然るべきだと思って、まずは、流行り廃りばかりに捕われず、自分が好きで納得のいく音を!というのをメインテーマにして、それを表現出来る作曲スキルを模索するのに1年以上かかっちゃいました(汗)。


-- 曲の方についてもお伺いします。今回ゲスト参加やスクラッチなど、普段から馴染みのあるメンバーが並んでますね。

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 確かに、昔から繋がりのある面子が多いですかね。


-- 中でも異彩を放ってるなぁと思ったのが、2曲目のブレイクビーツハウスのような曲、そして個人的に一番ガツンと来た盟友Substantialとの3曲目などが印象に残ってます。

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 2曲目の「Polar Night Vortex」は、前からこういう曲にはトライしていたんだけど、いつもフィニッシュまで行かないというか、何か物足りない曲になってしまって、まずは その壁を越えたい!という想いで、自分の作曲スキルを上げたいと思わせてくれた曲ですかね。 以前の自分では出来なかったコード進行やバッキング・パターンだし、それにカズタケさんとケンが花を添えてくれた、そんな感じの曲で、二人とも、僕の家で嫌な顔せず弾き毟って & 吹きちぎってくれて、本当に一緒に作れて良かったと思っています。

3曲目のスタンの曲「Needle In The Groove」、これはサンプリングだけど、往年の制作手法をとりながら、新しい側面も取り入れられた曲で、作ってる段階で「あ〜もうこれは絶対スタン!」って周りに言ってました。 スタンとはHydeout初期、自分がレジデントでDJやってた頃からの付き合いで、ホントに好きなラッパーだし、彼もいつも以上に良いものをあげてきてくれたので、アルバムの中でも大好きな曲ですね。


-- またShinsight Trioでも一緒に活動するInsightとの曲やRyowさんと共に長年DJとして活動してるDJ Kenzoさんや以前インタビューさせて貰ったDJ Kouさんなどが参加されていますよね?フックアップすると言う意味もあると思うんですが、その辺りはいかがでしょうか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: Insightはボストンのカリスマだし、スキルは文句ナシなので、この曲も作ってる時点で、これはサイトじゃないと!って自分の中で決めてました。サイトは男気溢れる人なんで、いつも何か熱いサプライズを用意してくれる。彼にも心から感謝しています。

Kenzoとは10年位一緒にはやってなかったんだけど、近年、俺は作曲、KenzoはダンスイベントでのDJが主軸になっていて、お互いスキルの高いプレイ、凌ぎあえる相手みたいなものに飢えていたのかな(笑)。Kenzoは正確無比、ノーミスの機械なんで(笑)、今年に入ってまた一緒にやるようになって、「あーこの緊張感久しぶりだな〜」って思わせてくれる、数少ない仲間ですね。

Kou君とは、やはりHydeoutのイベントが出会いで、彼はビル君とサーカスdj'sというグループで活動してて、彼らとは歳も近いし意気投合して、良く飲み行ったりしてました。彼もITFでスキルは立証済みだし、アルバムやるなら声かけよう、って決めていて、快くやってくれたので、声かけて本当に良かったと思ってます。


-- そしてアルバムの中で唯一と言って良い歌モノが7曲目に入ってますが、コレ凄く気持ち良い歌モノだなぁと思いまして(笑)。参加されているTamalaについてと、Ryowさんはどう言うイメージで作られたんですか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: この曲は、誰か良いシンガーいないかな、って西原君に相談して、色々アタックリストを提示してくれた中で、この人透明感あって良いな〜って思って、すぐオファーしてもらいました。四つ打ちのトラックで、あんまりベタな感じにしたくなかったので、この仕上がりにはホント満足してます。


-- アルバム全体の構成がRAP、歌モノが4割、インストが6割と言う感じだと思うんですが、コレは意図的にこの割合にしたと言う感じですか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: ボーカル曲は元々4曲、多くても5曲って言ってましたね。確かにボーカル曲の方が入りやすいのかもだけど、自分が歌を歌えるわけじゃないし、ラップも出来るわけでもないので、やはりインストやスクラッチでしっかり曲が作れないと、当想いはありました。それに、インストで聴かせるというのも永遠の課題(笑)なので、そこは必然的にこのバランスになりましたね。


-- ラストには僕も何度かインタビューさせて貰っているmidicronicaを迎えた曲がありますが、日本語ラップを入れた理由などがありましたら、教えて貰えますか?

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 確かに、今まで自分の作品に日本語ラップは入れてこなかったけど、日本語ラップ自体全然好きだし、彼らとは色々と作品を共有してきて、絶大な信頼を置いているので、今作は是非とも参加して欲しいと思ってました。この「Tokyo」が入ったおかげで、また違う顔、幅が出たと思うし、良い曲になったな〜なんて自画自賛してます(笑)。


-- 最後に全体を通して、制作時の秘話などありましたら、是非お願いします。また今のシーンなどに思う事やご自身の今後の活動などの予定などありましたら、お願いします。

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current: 秘話って程じゃないけど、このアルバムの制作にあたって、ホントに色んな人が協力してくれていて、例えば、スクラッチの言葉選びや、ラップの曲の英訳はShin-skiがやってくれているし、「Music is」はMarcus Dの日本での活動をサポートしてるYukaliが訳してくれて、あとは、いつも安定のエンジニア、Umeに、今回Nishihara君のレーベルのエンジニア、浅田君や、レーベルのA&Rの依田さん、レーベルの長で、裏方作業もサポートしてくれた、Kenichiro Nishihara、Shinsightでお世話になってるバッドニュースやテイチクレコードの皆さん、自分の活動をずっと横でサポートしてくれている、ファミリー店長のTkym、モチロン久保ちゃんや徳さんも(笑)、あとは、色んな土地でサポートし続けてくれている仲間達、自分の音を聴いてくれている方達、これから聴いてくれる方達、そして、一番身近で支え続けてくれた家族、フミや陸、琉偉に、今は自分の分身でもあるこの音を、早く届けたい気持ちでいっぱいです。


あと、今後の活動としては、まずは9月6日(土)に、渋谷のClub Familyでリリースパーティーをやって、そこからゆっくり11月くらいまでかけて、都内や日本各地を廻っていきたいと思っています。 この前宇都宮には行ってきたし、9月に東京3〜4箇所、あとは、11月の高知、香川は大体決まっていて、他は今話を振っている所なので、色んな土地で皆さんにあえるのを楽しみにしています。 さらに、来年には次のアルバムを出せるように、すでに動き出しているので、切らさず駆け抜けたいと思います。 何より「Trace The Roots」是非聴いてみて欲しいと思っていますので、お店で見かけたら是非連れて帰ってやって下さい。


-- お忙しい中、ありがとうございました!!!

DJ Ryow a.k.a. Smooth Current 『Trace The Roots』  [2014.7.25 Release]

Hydeout Productionsの黄金期をレジデントDJとして支えたDJ Ryow a.k.a. Smooth Currentが描く、ジャズの生み出す渦巻くグルーヴ感に、痛快なほど心揺さぶられ­る傑作。 さまざまなカルチャーの要素を織り込んだ、肉厚なジャズを基調したヒップホップ・サウ­ンド。90年代のアンダーグラウンドなヒップホップと共に歩んだ軌跡が、 2014年現在、アップデートされた活きた東京発のジャジー・ヒップホップ。Kenichiro Nishiharaの新レーベルJazcraftsより、満を持してリリース。 Shinsight Trioでタッグを組んだInsight、Hydeout黄金期を共にしたSubstantial他、Kenichiro Nishihara、Midicronica、タケウチカズタケ、DJ Kou、Tamala、福島健一、DJ KENZOなど、豪華フィーチャリング陣が参加。


DJ Ryow a.k.a. smooth current【Trace The Roots】Digest -Mix by DJ KENZO-


Smile / Ryow aka Smooth Current by Ryow Yoshihara on Mixcloud



DJ Ryow a.k.a.Smooth Current インタビュー

 『Maintain The Focus』発売時(2009年6月)
 『Scenes from Life』発売時(2010年6月)
 ShinSight Trio『Where's There A Moon That Is Mine』発売時(2010年9月)
 ShinSight Trio 『Moonlight Sunrise』発売時(2011年9月)

関連サイト

 レーベルサイト
 レーベルサイト内関連ページ
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DJ Ryow a.k.a. Smooth Current プロフィール

DJ・トラックメーカー。 Hydeout Productionsの黄金期をレジデントDJとして支え、Nujabesとの共作『Hydeout Sound Lab』、『Pleasure Unplugged』、『Family』『Optical Axis』をはじめ、ミックス作品も多くリリース。シーンの陰の立役者として絶大な影響力を持つカリスマ的アーティスト。 異例のビッグ・セールスを叩き出した『GEMS EP』シリーズやアルバム『Blue Chronicle』の他、09年にソロ・アルバム『Maintain The Focus』10年に『Scenes From Life』をリリース。 色彩豊かで流麗なサウンド・プロダクション、疾走感溢れる独特のグルーヴが、国内のみならず海外からも高い評価を得ていることは、OM Records 大人気MIX CD『Mushroom Jazz』 をはじめ、多くの国内外アーティストへ楽曲提供の実績にも強く裏付けられている。 ソロ活動の他、ShinSight Trioとして06年に『Shallow Nights Blurry Moon』10年に『Wheres There a Moon That is Mine』11年に「Moonlight Sunrise」をリリース。テイチクレコードよりメジャーデビューも果たした。 クラブ・フィールドにとどまらないその活動と、DJとしての「確かな耳」と「絶大な影響力」が多くのファンを魅了し続けている。
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