マライア唯一のライヴ盤がCD化

2013年11月6日 (水)

清水靖晃、土方隆行、笹路正徳、村川ジミ－聡、渡辺モリオ、山木秀夫による伝説のグループ、マライアの1981年渋谷エピキュラスにて収録したライヴ盤が限定再発。

1979年ユピテル・レコードよりリリースしたサックス奏者：清水靖晃のリーダー作『マライア』に参加していた、笹路正徳（kyd）、土方隆行（g）、山木秀夫（ds）、村川ジミー聡（vo）が意気投合し、結成されたのがマライア。その当時、“マライア・プロジェクト”と称し、セッション・ミュージシャン集団である彼らが、互いのソロ・アルバムや関連アーティストのサポートを行なっていたという背景・沿革もあるようだ。そのプロジェクトを含め、メンバーが関わってきたアルバムは、

スマッシュ・ザ・グラス/土方隆行 (1980年)
クリシュナ/村田有美 (1980年)
ベルリン/清水靖晃 (1980年)
HOT TASTE JAM/笹路正徳 (1980年)
アトミック・ルースター/土方隆行 (1981年)
神経衰弱/亜蘭知子 (1981年)
頭狂奸児唐眼/カズミ・バンド (1981年)
HELL-TER SKELTER/笹路正徳 (1981年)
「太陽の使者鉄人28号オリジナル・サウンドトラック」ギミック (1981年)
IQ-179 愛究壱百七拾九/清水靖晃 (1981年)
ガネシア/カズミ・バンド (1982年)
Rolling 80's/秋本奈緒美 (1982年)
Original DE-MOTION PICTURE/村川ジミー (1982年)
One Night Stand/秋本奈緒美 (1982年)
色彩感覚/亜蘭知子 (1982年)
案山子/清水靖晃 (1982年)
コンチネンタル/清野由美 (1983年)
などが関連作として残されている。

そして1980年、グループとしてのマライアのファースト・アルバム『エン・トリックス』をリリース。スタジオ系の名うてのミュージシャン達による、ロックとクラシックを癒合させた非常に完成度の高いプログレッシヴなアルバムとして、今もなお語り継がれている名作だ。

1981年にはセカンド作『アウシュビッツ・ドリーム』をリリース。前作同様、ホーン・セクション、ストリングス、女性コーラス=イヴを巻き込み、超絶技巧を駆使した緻密なアンサンブル、複雑な変拍子に彩られたドラマチックで構築美に溢れたプログレッシヴ・サウンドにて、ナチスドイツの重いテーマを圧倒的な音世界で表現した。

1981年のサード・アルバム『マージナル・ラヴ』はLA録音。前作までのコーラス、ホーン、ストリングスは押さえられ、これまでの宇宙的スケール感より内省的かつバンド・サウンドが強調・再構築されている。また、スティーヴ・ルカサーが参加しているもの注目された。

そして今回発売されるアルバムが、マライア4枚目にして唯一のライヴ盤である『レッドパーティ』。1981年3月9日、10日、渋谷エピキュラスで行なわれたライヴを収録し、1982年当時2枚組みLPとして発表。『エントリックス』、『アウシュビッツ・ドリーム』という2枚のアルバムに加え、『ベルリン/清水靖晃』、『アトミック・ルースター/土方隆行』からの楽曲による全14曲で構成された。

プログレッシヴで高難易度を誇る楽曲と完璧な演奏力によるマライアと、そして女性コーラス・グループJADAが融合した分厚いシンフォニックなジャズ・ロック絵巻。二度と実現する事のないであろう貴重な記録であると共に、日本のロック芸術の財産と言えるアルバムとなっている。

1982年には『うたたかの日々』をリリースし、日本伝統の祭り囃子のリズムとロック・ビートの融合を試みた。このアルバムがマライアとしての最後の作品となる。彼らの活動は1979年～83年の4年間で、その後はプロデューサー、ミュージシャンと活動の場を広げていくことになるが、マライアの崇高なサウンドに、今も信奉者は多い。

収録曲

【Disc 1】
1. Yen Tricks
2. Black Mariah
3. Let It Blow
4. Auschwiz Dream
5. Captor Of Your Love
6. Fate
7. We Are The Same
8. Crash The Curse Of Christ

【Disc 2】
1. Estancia Lover
2. In Search Of
3. Key Of Gold
4. Atomic Rooster
5. Helter Skelter
6. Burning P.M.