トップ > ゲーム > ニュース > 「明治東亰恋伽」シナリオライター・魚住ユキコさんインタビュー

「明治東亰恋伽」シナリオライター・魚住ユキコさんインタビュー

2013年7月3日 (水)



「明治東亰恋伽」原作者 魚住ユキコさんインタビュー

携帯用恋愛音声ドラマゲーム『明治東亰恋伽(めいじとうきょうれんか)』。浪川大輔、KENN、鳥海浩輔、岡本信彦、福山潤、立花慎之介、森川智之、と豪華声優陣によるフルボイス化&新規スチル多数追加によるPSP版がいよいよ9月26日に発売となります。明治にタイムスリップしてしまった主人公と歴史上の人物たちが、ロマンチックで少し不思議なストーリーを繰り広げる歴史恋愛ファンタジーです。

ゲームシナリオライターやライトノベルで活躍される、本作のシナリオを担当された魚住ユキコさんにメールインタビューをさせていただきました!!ゲームの内容についてはもちろんのこと、ローソンHMV限定特典のドラマCD収録キャラクター「音二郎&泉鏡花」に関しての質問など、色々な角度から質問を投げてみました!

携帯版からプレイしてくださっているユーザーさんは、特に驚かれるのではないかと。


---携帯電話向けゲームから生まれた『明治東亰恋伽』が、今回PSPに発売となります。魚住さん自身、本作のどんなところに魅力を感じていますか?


やはり明治時代を生きた著名人たちとのラブストーリーが楽しめるという部分ですね。文豪と恋愛できるゲームというのは、前代未聞なのではないでしょうか(笑)。 あと、明治時代の常識や食文化などの豆知識もふんだんに盛り込んでいるので、プレイしていると自然に明治時代に詳しくなれるところも、ちょっとおトクなポイントだと思います。実際に携帯版をプレイしたユーザーさんから、「明治時代が好きになった」というお言葉をたくさんいただきました。

そして『めいこい』といえばやはり、ダミーヘッドマイクを使った臨場感あふれるラブシーンですね。イヤホンやヘッドホンを着用していただくと、本当に耳元で愛を囁かれているような気分が味わえます。これはPSP版でも同様です。

---すでにゲームはプレイされましたか?オリジナルと比べていかがでしょう?

今まさに作っている真っ最中です。ですがチラっとデモ版を見せていただいて、キャラクターたちの目や口がよく動くことにビックリしました!すごく多彩な演出が盛り込まれていて、最近のゲームはここまでできるんだなと素直に感動しました。携帯版からプレイしてくださっているユーザーさんは、特に驚かれるのではないかと。

---声優さんの収録に立ち会うこともあるかと思うのですが、本作の収録現場にも行かれましたか?そこでのおもしろエピソードや脚本に活かせたエピソードなどがあれば教えてください。

収録にはほぼ立ち会わせていただきました。誤字脱字などのミスが多くて泣きそうになりましたがそれはすでに修正済みなので置いといて(笑)。 『めいこい』は明治時代という背景もあって、台詞に難しい漢字がたくさんあったり、普段使わないような言い回しが多かったりするんですよね。なのでキャストの皆さんは収録後、だいたいグッタリされていたような記憶があります。

あと、歌とか劇中劇とかお座敷遊びなどの特殊なシーンもちょこちょこあって。 それにダミーヘッドマイクで収録するシーンもありましたね。とにかくキャストの皆さんには無茶振りの連続でした。この場を借りてお詫びいたします!


「ミルクホールで逢いましょう」とかどうでしょう?

---『明治東亰恋伽』というタイトルが決まる前はどのようなタイトルを予定・イメージしていましたか?

タイトルを決めたのはドワンゴの方々なのですが、わたしのほうから「ミルクホールで逢いましょう」とかどうでしょう?みたいな安直な提案をさせていただいた記憶があります。本編のどこにもミルクホールなんて出てこないんですけどね(笑)。

---魚住さんはサイクリングがお好きとのことですが、サイクリングをテーマにした恋愛シナリオを書くとしたら、どのような内容になりそうでしょうか?そして、そのタイトルは!?

わたしの場合、サイクリングと言ってもママチャリで河原をのんびりと漕ぐような優雅なものではなく、プロ仕様のロードバイクで1日100kmとか200kmとか漕いだり、箱根や奥多摩の峠をヒルクライムしたりするわりとガチな内容なので・・・恋愛は芽生えにくいかもしれないですね。疲れすぎてそれどころじゃない(笑)。

---実在の人物が登場する本作ですが、実はまだ登場させたかった人物はいましたか? 

春草の友人である横山大観や、鏡花の師匠である尾崎紅葉などでしょうか。 でも、PSP版ではなんらかの形で登場しています。がっつりと出ているわけではないんですが、もしその個所を見つけたらニヤリとしていただれば。

---また、実在の人物を参考にした要素はありますか?性格や外見など。

メインキャラに関して言えば、実在の人物とはあまり外見は似てないんじゃないでしょうか。実在の泉鏡花は丸眼鏡をかけていますし、逆に小泉八雲は普段眼鏡をかけていなかったかと思います。そのあたりの史実にはとらわれていません。 内面に関しては、史実にあった逸話などからデフォルメして広げていった感じです。鴎外が『饅頭茶漬け』をこよなく愛していたとか、八雲の日本マニアっぷりだとか、鏡花の潔癖症だとかは実際のエピソードにもとづいて取り入れさせていただきました。


鏡花シナリオと八雲シナリオにはやたらと大変だった記憶があります。

---『明治東亰恋伽』の中で好きなエピソードはありますか?

恋愛色が強いシーンはもちろんなんですけど、日常の何気ないシーンが好きかもしれないです。 たとえば音二郎と稲荷神社にお参りする場面とか、八雲と鶴を折る場面とか、藤田と料理する場面とか。あとはネタバレになっちゃうので。

---もっとも悩んだエピソードはありましたか?

悩んだエピソードというか、鏡花シナリオと八雲シナリオにはやたらと大変だった記憶があります。まあわたしの原稿をひたすら待っていたディレクターさんが一番大変だったと思うんですが……。 特に八雲は、ほっとくと主人公への愛情が暴走しまくるので、それをどうにかなだめて軌道修正するのが本当に大変でした。

あとチャーリーも、彼はメインというより隠しキャラっぽい立ち位置だったので、最初はさらっとしたシナリオになる予定だったんですが、最終的には一番ボリュームのあるルートになってしまったんですね。書いても書いても終わらなくてどうしようかと思いました。


『チャーリーとチョコレート工場』からは、いろんな意味で影響を受けていると思います。

---作業中、よく聴く音楽があれば教えてください。

邦楽はそちらに意識を持っていかれてしまうので、執筆中はあまり聴かないかもしれません。 どうしても耳が寂しい時は、映画のサントラが多いです。『ロスト・イン・トランスレーション』、『ヴァージン・スーサイズ』、『耳をすませば』などなど。 ちなみに『めいこい』を書いている時は、MONKEY MAJIKの『アイシテル』とKOH+の『最愛』をたまに織り交ぜて聴いていました。なんとなく登場人物たちと気持ちが重なるところがあって。めいこい主題歌である『東亰浪漫譚』も、もちろんヘビロテです!

---普段ゲームはやりますか?好きなジャンル、好きなシリーズはありますか?

仕事柄、いわゆる乙女ゲーをプレイさせていただくことが多く、普段はわりとそちらでいっぱいいっぱいかもしれません。 アクションがすごく苦手なので、プレイするとしたら『どうぶつの森』とか、最近だと『パズドラ』ですね。後者は行き詰まってやや放置気味ですが……。

---『明治東亰恋伽』の脚本作りに活かされた出来事、作品(映画)などあれば教えてください。

ティム・バートンの『チャーリーとチョコレート工場』からは、いろんな意味で影響を受けていると思います。作品の内容がというより、登場人物の名前とか造形とか、そういう意味で。 もともとチャーリーの名前はここから来ていて、当初は仮名だったんですがそのまま採用となってしまったという経緯があり(笑)。チャーリー自身にはウィリー・ウォンカみたいな得体の知れない感じを出したかったんです。

---森鴎外、菱田春草、川上音二郎、泉鏡花、藤田五郎、小泉八雲、チャーリーと個性的なキャラクターが登場しますが、このキャラクターたちを【動物で例えるとどんな動物になりますか?

これは難しいですね。藤田は狼、春草は猫、鏡花はウサギと言いたいところだけど子犬、八雲はフクロウ?あとは……ユーザーさんのご意見をお聞かせ願いたいです!

---では、【音楽のジャンルで例えるとどんなジャンルになりますか?(ポップ、ロック、ジャズなど)

これも難しいです。音二郎はオッペケペー節の人なのでいいとして(笑)。でも芸者バージョンの音二郎なら三味線の小唄とか新内節とかですかね。『東雲のストライキ』とかも鼻歌でうたいそう。 鴎外はクラシック、チャーリーは奇術師なので『オリーブの首飾り』(笑)

---もし『明治東亰恋伽2』の製作が決まったら、やってみたいことはありますか?

もし実現するとすれば、新キャラを書きたいです。明治時代には魅力的な著名人がまだまだたくさんいるので。

---また、今作には収録されなかったけど、アイデアとして温めていたエピソードはありますか?

ありました。そこらへんも『明治東亰恋伽2』が実現したら盛り込みたいです(笑)。


音二郎は、とにかくカッコよく書くことに多大な神経を使いました。
泉鏡花は、最後の最後まで素直じゃないキャラでしたね。 

---今回のローソン・HMV限定特典ドラマCDには、川上音二郎と泉鏡花が収録されています。この二人に関しての質問です。

---実在の川上音二郎も芝居役者であり人物設定は同じですが、秘密の副業としての女装芸者という設定はオリジナル要素でしょうか?このキャラクターは魚住さんにとってどんなキャラクター像でしょうか?

芸者のアルバイト設定はオリジナルですね。この時代は女性が舞台に立つことを良しとされなかったので、女形修業という意味でもいい設定だったのではと思います。

音二郎は、とにかくカッコよく書くことに多大な神経を使いました。異性にはもちろん、同性にも好かれるタイプのキャラにしたかった。それでいて、ただのいい人には終わらせずオトコの魅力も出そうと(笑)。当初はもっとアダルトな雰囲気になるかな?と思っていたんですが、思いのほか音二郎が自制心の効くオトナだったので、そこらへんはちょっと予定外だったかもしれません。 まあたぶん、オトナに見えて本当はそんなにオトナでもないとは思うんですけどね。きっかけ次第ではいくらでも自制心を失う程度には、普通の男子だと思います。

---泉鏡花は実在の人物は小説家となっていますが、ゲーム内での泉鏡花は辛口で、実在の人物とはだいぶ印象が違うようです。とはいえ、うさぎには目がないのは実在と同じですね。このキャラクターは魚住さんにとってどんなキャラクター像でしょうか?

史実の泉鏡花とは、性格的にはかなり違うかと思います。でも極度の潔癖症だったり犬嫌いだったり雷嫌いだったり神聖なものを崇拝するような部分を盛り込んでいったら、自然とああいったちょっとエキセントリックで小生意気なキャラになったんじゃないでしょうか。

鏡花の見た目はわりと中性的で、ツンツンしてたりウサギ好きだったりと、思春期の女の子みたいなところがあるんですけど(笑)、でも中身はちゃんと「男」であってほしかったんですね。いざという時は身体を張って主人公を守れるような、頼りがいのある男子にしたいと思って書きました。それと幻想的な雰囲気を出したくて、日常の台詞のところどころにも、実在の泉鏡花が残した文章から引用した単語などを散りばめています。 こういうツンから始まるキャラは心を開くまでにすごく時間がかかるんですよ。書いても書いても一向に主人公に優しくならず、でもシナリオの締め切りはとっくに過ぎてるわけで、最後のほうは怒りながら書いてました。「もういいから早くコクっちゃえよ!」って(笑)。最後の最後まで素直じゃないキャラでしたね。

読み応えのあるロングインタビューありがとうございました!
今後のご活躍にも期待しております。


携帯用恋愛音声ドラマゲーム「めいこい」がPSP化!≪ローソンHMV限定特典≫ドラマCD付き!

©animelo/Dear Girl ©BROCCOLI Illustration:かる
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

あの恋愛音声ドラマゲームが遂にPSPに登場!

%%header%%閉じる

%%message%%

こちらは通常版となります。

%%header%%閉じる

%%message%%

初のホールイベントが待望のDVD化!


    • 欲しい物リストに入れる
  • %%header%%閉じる

    %%message%%

関連商品

邦楽&K-POP 2点で最大30%オフ このアイコンの商品は、 邦楽&K-POP 2点で最大30%オフ 対象商品です