【特集】スクリーモの新しい風

2012年12月28日 (金)

スクリーモを総括。そしてシーンに新たな風を送り込む2つの注目バンド

文●望月裕介(GrindHouse)
現在知られている「スクリーモ」のスタイルは、2002年までさかのぼることができる。THE USEDFINCHの登場だ。この2バンドがパンクロックの疾走感やメタル/ハードコア由来のヘヴィネスを融合させるだけでなく、激情を爆発させた叫び声(スクリーム)と哀感のある歌(エモ)を曲の中で使い分けることで生まれた、新しい世代による新しいヘヴィミュージックだった。そのキャッチーさと激しさ、何よりも言葉にならない感情を目いっぱい詰めこんだ音楽性が、世界中のキッズから絶大な支持を得た。

その後FUNERAL FOR A FRIENDSTORY OF THE YEARといったバンドたちが次々と台頭。サーキット・ツアーTaste Of Chaosが世界各国で開催されるなどで、シーンとして大きな発展を遂げた。同時期に発生したメタルコアとも響き合うことで、より幅広いファン層も獲得。しかしその後次々と新たなサブジャンルが生まれたり、バンドがあまりにも増えすぎたり…その結果、もはや飽和状態に突入したのが正直なところだ。

そこでRoadrunnerが送り込んできたのが、AT THE SKYLINESTHE AMITY AFFLICTIONだ。どちらもスクリーモの流儀に乗っ取っていつつも、磨かれた独自性とパワーにあふれている。この2バンドがシーンに新たな風を送り込んでくれることを期待すると同時に、今一度スクリーモを見直してみたい。


AT THE SKYLINES 『THE SECRETS TO LIFE』 USカリフォルニアで2009年に結成したバンドの初フル作。ダンサンブルなリズムに重量級ブレイクダウン、華やかなシンセサイザー(若干チャラめ:笑)と、一見バラバラな要素が混在しているが、起伏のある親しみやすい楽曲としてビシっとまとめあげている。予想外にテクニカルなギターにも驚く。またアコースティック・セットでも成立するほど良質のメロディが全編に鳴り響いている。2010年以降に出現したバンド群から、あきらかに頭ひとつ飛びぬけている。
インタビューURL:http://www.grindhouse.jp/featured/AtTheSkylines.php


THE AMITY AFFLICTION 『CHASING GHOSTS』 本国オーストラリアでチャート1位を獲得した3作目で、ついに日本デビュー。ハードコア由来のパワフルなスクリームと戦闘的なビート、エモーショナルで甘めなメロディ、主張し過ぎずにサウンドを彩るプログラミングと、どれもシャープかつハイスペックで、ムダがない。メタルやハードコア等アンダーグラウンドなサウンドをしっかりと血肉にしていることも伝わってくる。スクリーモのリスナーはもちろん、よりヘヴィでアグレッシヴなバンドを好む人にも自身を持ってオススメしたい。
インタビューURL:http://www.grindhouse.jp/featured/TheAmityAffliction.php


スクリーモ傑作アルバム10選

ここにスクリーモ/ポスト・ハードコアの入門編として、10枚をセレクトした。もちろんこのほかにも聴くべき作品は数多くあるし、泣く泣く削ったものもある。まずはこれらを聴いてみた後、気に入ったバンドを入り口としてさらに広げていってほしい。
FINCH 『WHAT IT IS TO BURN』 まさにスクリーモはここから始まったと言える名盤。DEFTONESのコピーバンドからスタートしただけあるヘヴィネスとドラマ性、2バスが生みだす疾走感、何よりも爽やかささえ醸しだすメロディと絶叫…とすべてが詰まっており、すでに完成系を提示している。衝動に任せた瑞々しさがみなぎる作品だ。1曲目のタイトルが“New Beginning”というのも出来過ぎ。解散と再結成、また解散を経て、2013年に二度目の再結成を予定している。
THE USED 『THE USED』 (2002年)
THE USED 『THE USED』 FINCHと並ぶ、スクリーモの代名詞であるデビュー作。バート・マクラッケン(vo)のキャラクターや、ステージ上で嘔吐してしまうこともあったという激しいスクリームに目がいくが、ストリングス等も効果的に使用したバラードも素晴らしい。これ以降、触れれば壊れそうなほどデリケートなメロディを指して「エモい」と呼ぶようになったが、今作を越える作品は未だに現れていない。ちなみにバートはオジー・オズボーンの娘ケリーの元カレだったりする。
STORY OF THE YEAR 『PAGE AVENUE』 日本にも定期的に訪れているSOTYのデビュー作。プロデューサーが同じジョン・フェルドマン(GOLDFINGER)ということもあって、当時は何かとTHE USEDと比較されていたが、こちらの方がスポーティなノリが目立つ印象だ。安定した演奏力とアクロバティックなステージングで魅せる、ショーマンシップに溢れたバンドでもある。作品を重ねるごとに筋肉質なハードコア/パンク色を強めていくが、この頃はスクリーモの流儀にのっとったサウンド。多少音楽性が変われど、そのまっすぐな姿勢で愛され続けている。
FUNERAL FOR A FRIEND 『CASUALLY DRESSED & DEEP IN CONVERSATION』 デビュー作。「FINCHへのUKからの回答」という触れ込みが印象的だった。IRON MAIDENばりのツインリードをキメるギターや、湿り気のあるメロディはさすがUK産と言ったところ。重厚なヘヴィメタルの要素と文学的な雰囲気が生みだす、ほかにはない上品さと構築美こそ持ち味だ。フロントマンが全ヴォーカルパートをこなすのではなく、ドラマーがスクリームを担当するというのも珍しかった。来年1月30日に新作『CONDUIT』をリリース予定。その前には来日も。
ALEXISONFIRE 『WATCHOUT!』 すでに解散してしまった、カナダ産バンドの出世作2nd。ナイフで切り合うようなテンションに驚くが、メタリックなリフやenvyあたりからの影響を感じさせる静かなパートを巧みに展開させてあり、一気に聴かせてくれる。絞り出す様な歌声とシンガロングも織り交ぜつつ、前のめりな勢いだけでゴリ押しは絶対にしない。当時はオタク丸だしだったルックス(後にオッサン化)のジョージ・ペティットの噛みつくようなスクリームも強烈だ。解散が非常に惜しい。
FROM FIRST TO LAST 『HEROINE』 現在SKRILLEXとして活躍するソニー・ムーア(当時18歳!)がかつて在籍したバンドの2作目。プロデュースはなんとロス・ロビンソン(KORNほか)だ。LIMP BIZKITのウェス・ボーランド(g)がいたく気に入り、ベースを弾いたことでも話題になった。不協和音満載のカオティックなサウンドのなかでソニーの上ずった声がのたうち回るさまは、同じロスが手がけたAT THE DRIVE-INを思い出させる。バンドは活動休止中だが、メンバー全員が今も一線で活躍中だ。
SAOSIN 『SAOSIN』 (2006年)
SAOSIN 『SAOSIN』 2003年にEP『TRANSLATING THE NAME』(廃盤)でいきなり注目を集めたSAOSINの、フロントマン交代を経ての初フル作。線の細い高音ヴォーカルを主軸にプログレッシヴな世界観を描いている。アグレッションは抑え目だが、ていねいに編み込まれたアンサンブルにじっくりと向き合いたい作品。日本にも単独ツアーやサマソニ出演で来日経験があり、特に人気が高い。ただこの次のアルバムをリリース後、再びフロントマンが脱退。バンドはいまも動向が明確にできずにいる。
THE DEVIL WEARS PRADA 『DEAD THRONE』 キーボードを取り入れたシンフォニック系の出世頭であるバンドの4作目。キャリアを重ねた結果か、初期作品につきまとっていた線の細さが払しょくされ、かなりタフになった。KILLSWITCH ENGAGEのアダム・D(g)のプロデュースによりメタル/ハードコアの側面を強化。ヘヴィネスとメロウさの対比が生まれ、迫力のあるダイナミズムで迫ってくるかのよう。今年キーボーディストが脱退したが、それを受けての次作にも期待が高まる。
UNDEROATH 『ANTHOLOGY:1999-2013』 すでに解散を発表したUNDEROATHのベスト盤。冒頭に新曲を2曲配置し、それ以降は新しい作品から順番に選曲され、並べられている。ごく初期の邪悪なヘヴィネスからキャッチーな王道スクリーモへ、そして実験的で沈み込むようなダークネスへ。キーボードを取り入れたシンフォニック系の先駆けの矜持を守りつつ、いかなる進化を辿ってきたかがわかるものになっている。解散が非常に惜しい。
Fear, and Loathing in Las Vegas 『ALL THAT WE HAVE NOW』 短期間で巨大に成長した、日本産エレクトロ/スクリーモの2ndフル。もともとメタルからトランスにアニソンまで何でもありなカオスすぎるサウンドが持ち味だったが、各要素を徹底的に研磨。たゆまぬツアーで鍛えた地力と持ち前のセンスが結実し、めまぐるしくも美しい流れが生まれている。「カオスであること」からも自由になり、完全に独自のサウンドを確立した。バラードから歌メロなしのメタルまで、破綻なくまとめる手腕には脱帽するしかない。同じ土俵で彼らに挑めるバンドはいない。

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スクリーモ傑作アルバム10選

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