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【連載コラム】Akira Kosemura 『細い糸に縋るように』 第38回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2012年9月12日 (水)

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[小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA]

1985年生まれ、東京在住の音楽家。2007年にSCHOLE INC.を設立。
これまでに国内外の音楽レーベルから数多くの作品を発表しているほか、TOSHIBA, NIKON, nano・universe, JOURNAL STANDARDといった企業サイトのサウンドデザインやアパレルブランドとのコラボレーション、さらにはドキュメンタリー作品「ウミウシ 海の宝石」の音楽、ケンタッキー・フライドチキンTVCMの楽曲制作、キミホ・ハルバート演出・振付によるダンス公演「MANON」の劇伴を手掛けるなど、様々な分野での楽曲提供・コラボレーションを行っている。
コンサート活動も行っており、これまでにOTODAMA SEA STUDIOや中洲JAZZフェスティバルにも出演、2011年には全国7都市 / 中国5都市を巡るピアノコンサートツアーを開催し、日中両国にて高い評価と成功を収めた。
また自身の音楽活動と並行し、音楽レーベルschole recordsを運営、数多くの作品に携わっている。
最新作は、2枚組80分の超大作「MANON」オリジナル・サウンドトラック。




さて、なにを書こうかしら。もう38回目、今回でこのコラムも四年目に突入したわけです。月日が経つのは早いといいますが、四年ですかぁ。まだ、四年なんですねぇ。

先月お引っ越しをしてから最初にしていたことは、某企画のためのコンサート音源のチェックだったんだけれど、去年のツアーの演奏を掘り起こしてきて聴いてみていたら、これがなんともよく録れているもので、なんでこれまで全然手をつけてこなかったんだろうと我ながら抜けてるなぁと思ったわけです。
去年は日本ツアーのひと月後に中国ツアー、帰ってきた翌週に九州二公演という僕にしてみればかなりハードな夏を送っていたわけで、正直夏バテする暇もなく過ぎ去った夏、という感じだったのですが、そんなこんなでコンサート録音を録るだけ録ってすっかり手をつけていないまま放置していたわけです。
話が脱線すると、この夏はばっちり夏バテして、あまりの怠さに死ぬんじゃないかと思ったほどです。死ななくてよかった。

で、コンサート録音についてですが、ちょっとしたミスタッチはあるものの、コンサートの空気をそのままパックした録音で正直僕のハードディスクのなかにいつまでも眠らせておくにはもったいないと思ったので、ちゃんと手はずは整えております。もうしばらくしたら届けられると思うので気になる方はお楽しみに。

あとは例のごとく曲を作ったりしていたわけだけれど、夏バテもあり最近はあまり調子が出なくて、もしかしたらスランプ!?とちょっと意気消沈気味だったわけですが、お仕事でそれなりにまとまった数の作曲をする機会があり、一日12時間くらいピアノを弾きまくっていたら、あえなくそれも解消しました。やればできるものですねぇ。足りないのは気持ちだな、と。
頑張って模索した甲斐もあり、同時に新しい作品の方向性もうっすら見えてきたわけだけれど、普段は一日12時間も弾かないのであえなく腱鞘炎?指が痛いのでしばらくはゆっくりやっていかなくてはいけません。何事も焦りは禁物だな、と。
自分で書いていて、我ながら本当にどうでもいいことばかり書いているなぁということだけは自覚していますので、どうかお許しください。

そうそう、同僚に子供が生まれました。これは大ニュースです。
あんなに子供だめ絶対!だった同僚が、生まれた途端、携帯のディスプレイを子供の写真に切り替えた親バカぶりにはほとほと呆れましたが、正直僕には彼に子供ができたなんて全然信じられません。もうひと月くらい経ちますがまだ会わせてもらっていないことから察するに、たぶん嘘なんだと思います。
嘘はよくないなぁ、特にこういう嘘はよくない、うん。みんなも気をつけよう。


  http://www.akirakosemura.com/
  http://www.scholecultures.net/





Akira Kosemura 今月のオススメ

ghost and tape 『Home』  [2012年09月15日 発売]

前作のデビューアルバムより2年、いまやSCHOLE 秋の定番アーティストghost and tapeの2ndアルバムがリリース。
セルフタイトルだったデビューアルバムの心地よいノイズの感触と、どこか朧げに見える景色の様な雰囲気そのままに、『Home』というタイトルどおり、温かな作品に仕上がっている。自身がコペンハーゲンとバルセロナに居住した経験が大きな影響を与えている今作のアルバム。オルゴールの様な可愛いらしい音から旅の始まりを告げるかのようにアルバムが始まり、異国の運河に沿って立ち並ぶカラフルな木造家屋さながら全体の統一感を崩す事無く、個性溢れる楽曲が展開される。アコースティックギターのメロディーが丁寧に繊細に重ねられ、心地よく響く中で、小気味良いノイズがリズムを刻み、まどろみを誘う。
マスタリングは12KのTaylor Deupree が担当。SCHOLEおなじみのPaniyolo、Sawakoのリミックス楽曲を含む全14曲入り。(レビューより)


ghost and tape 『ghost and tape』  [2010年10月05日 発売]

スペインはバルセロナ在住、Heine Christensenによるソロユニットghost and tape。「note of seconds - schole compilation vol.2 -」への書き下ろし楽曲や、CD&BOOKの複合メディア『CLARITY』に収録されていた「it's morning」も好評だった彼のデビュー作品が、満を持して<schole records>よりリリース!“ghost and tape”というその名のごとく、古いテープを再生させた様なノイズ混じりの音が誘うまどろみは、アコースティック/エレクトロニカの中間をなぞる、完全なるローファイ指向の蜃気楼サウンド。どこか古典ポップを匂わせるギターアルペジオのループで始まる冒頭曲の「onesome」打って変わりノイジーに高潮する展開が爽快な「bless the blind」、akira kosemuraが鍵盤で参加し、女性ヴォーカルのカットアップされた歌声が溶け出すトリップ感を与える「cradle」、Heine自身のソフトな歌声を浮遊感たっぷりにレイヤードした「ghostday」など、田舎風味の純朴なメロディラインを垣間見せながら、ひとひねり効いたポップネスを展開させる。トラック全体を覆うノイズのざらざらとした質感、角の取れた生楽器と主張し過ぎない電子音との狭間に生まれるハーモニーが奏でる、至上のリラクシングデイドリーム!(レビューより)






Akira Kosemura 最新作

Akira Kosemura 『MANON』  [2012年05月23日 発売]

18世紀フランスロマン主義文学の名作「マノン・レスコー」(アベ・プレヴォー原作)を、キミホ・ハルバート演出・振付によって現代にも重なるアレンジを施したダンス公演「MANON」。本公演の劇伴を担当した小瀬村 晶による書き下ろし楽曲、2枚組 全80分に及ぶ超大作のサウンドトラック。

風の様に天真爛漫で、終いには自分が巻き起こす竜巻に巻き込まれ死を迎えるマノンと、彼女との出会いから運命に翻弄されつつもマノンを愛し続けるデ・グリュー。二人の壮絶な恋愛劇を、時に美しく、時に儚く、そして時に残酷に、運命に翻弄される二人の人生に呼応するように書き下ろされた音楽からは「生きることへの喜びと、生き抜くことへの困難さ」という、現代にも通じる普遍的なテーマへと重なっていく。
前作のオリジナル・アルバム『how my heart sings』は、自身のピアノ演奏に重きを置いた飾らない演奏によるシンプルで美しいピアノ・アルバムだったのに対して、今作では、演奏家に白澤 美佳(ヴァイオリン)、人見 遼(チェロ)、良原リエ(アコーディオン)、三沢 泉(マリンバ・パーカッション)、高坂 宗輝(ギター)、荒木 真(フルート)、Shaylee(ボーカル)を招き、様々な顔を持った楽曲アレンジを施している。さらには、ギミックの効いた電子音楽や、ノイズ・ミュージックなど、これまでの小瀬村 晶作品では見受けられなかった作風も大胆に散りばめられており、オリジナル・アルバムとはまたひと味もふた味も違った、職人としての側面も垣間みれる充実の作品に仕上がった。
舞台作品のサウンドトラックでありながら、一音楽作品として非常にエキサイティングな聴覚体験が続く全80分、19曲を完全収録。

※舞台作品としての一連の流れを徹底した美意識で追求した本作は、小瀬村 晶 本人の希望によりCDフォーマットのみでの発売となります。



次回へ続く…(10/10更新予定)。






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