HMVインタビュー：Stevie Hoang ダンス＆ソウル・インタビューへ戻る

-- ニューアルバムのリリースおめでとうございます。今作「All For You」のコンセプトを教えて頂けますか？

Stevie Hoang： 今回のアルバムは、シーンの流行に趣を置くというよりは、聴いてくれるファンの好みに合わせて作りました。前作「Summer Love」は「こういったサウンドがラジオ向きかな」とか、色々と考えて作った曲が多かったのですが、今回はあまり考えすぎないでファンが求めるような楽曲を作るように心がけました。


-- ファンの方の意見を直接聞いて、それを反映させたんですか？

Stevie Hoang：　 普段YouTubeをよく見るんですけど、各々の楽曲のレビューやコメントが見れますし、国によって自分のどの曲が人気があるのかが分かるので、YouTubeのページを色々と参考にしました。あと、今作を制作する前に自分自身の1stアルバム「This Is Me」を聴き直しました。あのアルバムがこの業界に入るきっかけの作品でしたし、自分のルーツとなる大切なアルバムですので、今の自分に必要なヒントが沢山詰まっていました。


-- Stevieが日本でデビューした2008年頃と比べると、現在はFacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が発達して、よりファンとの交流が取りやすくなっていると思いますが、SNSを使ってファンとの交流もしたりしていますか？

Stevie Hoang：　 普段はスタジオにこもる事が多いのでSNSを見る事も少ないですが、自分のアルバムがリリースされた直後はSNSをチェックするようにはしています。でも、今後はもっとSNSを活用しないといけないですね(笑)。


-- 去年、Stevieと一緒に食事をした時に「デビューしてから色々な経験をさせてもらったけど、自分の好きな事だけをやっていては音楽業界では生き残れない。」と言っていたのが印象的でしたが、今作を聴く限りStevie自身が目指す方向性は定まったように感じました。

Stevie Hoang：　 世界の音楽シーンの最前線で勝負をしたい場合は、その時代に合わせた音楽性を追究しなければいけないと思いますが、今作に関してはそういったアプローチよりも、自分自身が誇りに思えるような作品が作れればと思って制作しました。現在のシーンと照らし合わせた見られ方というより、自分自身とファンの皆さんが喜んでくれるアルバムを目指しましたし、それは達成出来たと思います。こういう気持ちになったのは1stアルバム以来でした。


-- 確かに、今作は1stアルバムに近いテイストの楽曲が多く収録されていると感じました。特に「Say My Name」は、1stアルバムに収録された「No Games」を彷彿とさせるアジアン・テイストなアプローチが印象的でしたし。

Stevie Hoang：　 今作が1stアルバムに近いと言える1つの理由に、自分自身が自然体でアルバム制作を行えたという点があると思います。「Say My Name」も含めて、自然に溢れてきたメロディの曲ばかりですので、よりファンの方達に喜んでもらえる作品になったのではないかと思います。


-- もちろん全曲お気に入りだと思いますが、特にお気に入りの1曲を挙げるとどの曲になりますか？

Stevie Hoang：　 1曲目の「Never Change」は、自分自身の経験を元に作った曲ですが、好きな人と付き合って2人の関係が上手くいっている時ほど、この関係が悪い方向に行ってしまったらどうしようと不安になってしまう感情を表現した曲で、男性目線としてはとても繊細な曲ですが、女性だけじゃなくて男性もこういう面を持っているという気持ちを歌っている曲です。今作の中でも特にお気に入りの曲です。


-- 1stアルバムからフューチャリングで参加しているラッパーのBlack Boiですが、Black Boiとは昔からの友人だったんですか？

Stevie Hoang：　 2006年にMyspaceを通じて知り合いました。彼はジョージア州在住のアメリカ人で、僕からメッセージを送って彼との付き合いが始まったのですが、これまでに6曲くらい一緒に作ってイギリスのツアーでは彼とステージを共にしました。写真だけを見ると体格も大きくてギャングスタ・ラッパーみたいな風貌ですが、元軍人なので非常に礼儀正しいですしナイスガイです。


-- SteiveはBlack Boiのどこに惹かれてコンタクトを取ろうと思ったのですか？

Stevie Hoang：　 彼のMyspaceのページをたまたま見つけて彼の楽曲を聴いた時に、その当時自分自身が作っている曲のテイストにぴったりだったんです。実際に一緒に仕事をしてからも僕らの相性はとても良く、彼は僕が何を求めているのかをすぐに理解してくれたから、とてもやりやすかったです。


-- Stevieがフィーチャリングで参加した、アジアのスターAziatixの楽曲「So Incredible」のカバーが収録されていますが、Aziatixとの制作はいかがでしたか？

Stevie Hoang：　 元々、この曲は自分自身のアルバム用に書いた曲だったんです。僕が以前に所属していたレコード会社から連絡がきて「Aziatix用に何か良い曲ある？」っていう話がきたので、この曲が合うかなと思って提供させて頂きました。実際に会ってレコーディングをする事が出来なかったのですが、スカイプを通じて彼らとやりとりしました。彼らの人柄も素晴らしかったですし、音楽を通して自己表現をしようとする気持ちが伝わってくるので、これからも応援したいと思っていますし、今後も海外の音楽シーンで活躍するアジア人が登場してくれば嬉しいですね。


-- StevieはJ-POPが大好きという話を伺っていますが、今回のアルバムにはStevie自身初となる日本の楽曲カバー(久保田利伸「LA・LA・LA・LOVE SONG」)が収録されています。これまでに色々なカバー曲を作ってきたStevieにとっても特別な1曲になったのではないですか？

Stevie Hoang：　 この曲を初めて聴いた時に、この曲が何故日本で人気があるのかという理由が直ぐに分かりました。凄く耳馴染みが良いし、キャッチーだし、それを自己流にアレンジしたのでとても楽しい作業でした。


-- 以前、Stevie自身が曲を作る際に「印象的なサビを持たせる事」というポイントを挙げていましたが、 楽曲のアイデアはいつどのように思い浮かぶんですか？

Stevie Hoang：　 決まったやり方というのは全く無くて、数週間何のアイデアも出てこない時もあれば、夜中に突然アイデアをひらめいたりもします。無理矢理アイデアを出そうとはしないで、自然なひらめきを待つ事の方が多いです。休暇をとっている時や、日本に来ている時など、リラックスしている時にアイデアを思い浮かぶ事が多いですね。


-- 確か、Stevieがデビュー・アルバムを日本でリリース後、初来日した時の滞在中に日本で思い浮かんだ曲が、セカンド・アルバムに収録された「All Night Long」でしたね。

Stevie Hoang：　 実は、日本に来る度に曲を書いていて、2年前に日本に来た時に書いた曲が前作のシングルになった「Summer Love」でした。今作に収録されている「I Hate Falling In Love」は、去年日本に来た時に書いた曲です。


-- 「All Night Long」、「Summer Love」、「I Hate Falling In Love」、何れの曲もキャッチーでアップテンポな曲ばかりですね！Stevieにとっての日本のイメージは正にそういった明るいイメージですか？

Stevie Hoang：　 普段は悲しい曲が多いですけど、日本に来るとポジティブな気分になりますね(笑)！


-- Kay B、Shay、Merico-Xなど、Stevieはこれまでに何人ものアーティストの楽曲をプロデュースしてきていますが、現在もプロデューサー的な活動はしているんですか？

Stevie Hoang：　 今は自分用の曲を制作する事がメインになっていますが、今後は他のアーティストにも曲を提供したいと思っています。


-- 是非日本のアーティストとコラボレーションして欲しいですね！

Stevie Hoang：　 実は、今ちょうどそのような話を進めている所なので、正式に決まったらお伝えさせて下さい。


-- それは楽しみですね！Stevieが日本でデビューしてから約4年経過して、アルバムも5枚リリース(オリジナルのフル・アルバムは4枚)し、これだけStevie Hoangという名前が日本に浸透すると、ここ日本でもStevie Hoangというアーティストを目指す若いシンガーやクリエイターもドンドン出てくると思います。アーティストを目指す方達へアドバイスはあったりしますか？

Stevie Hoang：　 とにかく仕事に熱心でなければいけないと思います。この業界に長くいたいのであれば、自分で曲を作ったり、楽器を弾けるようなったり、常に誰かにサポートを受けるのではなく、自分一人であらゆる事が出来る方が良いと思います。


-- Stevie自身が思う、人には負けない長所ってどこだと思いますか？

Stevie Hoang：　 自分自身をプロデュース出来て、自分自身で曲を作れる事は大きいと思います。光栄にも複数のアルバムをリリース出来ているのは、自分自身でプロデュースを行う事によって、ある程度安定した内容で作品をリリース出来ている事が大きいと思います。


--以前にも「多くのアーティストが1枚もアルバムをリリース出来ない状況の中で、複数のアルバムをリリース出来ている事は光栄です。」と言っていたのがとても印象的でした。デビューした頃から振り返ってみて、今の自分の状況は想像出来ていましたか？

Stevie Hoang：　 時々、夜中に目が覚めて「これって本当に現実なのかな？」って思う事もありますし、当時は今の状況を全く予想していなかったです。今、自分の身に起こっている事の全てを飲み込めている訳ではないですが、だからこそ感謝の気持ちも忘れないで持ち続けたいと思っています。多くの人がやらせてもらえない事を自分自身は色々と経験させて頂いているので、もっともっとファンに喜んでもらえるように良い音楽を作り続けなければいけないと思います。


--当時、日本のレコード会社から声がかかった時はどういう気持ちでしたか？

Stevie Hoang：　 最初はMyspaceから連絡がきて「これって本当かな？」って疑う気持ちもありましたが、その後正式に返信をさせて頂いてからの展開が早くてビックリしました。あんなに早くCDが完成して、あんなに早くCDがお店に並ぶとは思いもしませんでした。


--日本デビューを飾ってから約4年経過しました。色々な事があったと思いますが、今振り返ってみていかがですか？

Stevie Hoang：　 日本でデビューしてから本当に色々な事がありましたが、現在の状況には本当に満足しています。好きな音楽を今でも作る事が出来て、これ以上望めない人生だと思います。


--これだけ日本で人気者になった今のStevie状況を見て、周りの友人や家族などの反応はいかがですか？

Stevie Hoang：　 音楽活動をスタートさせた頃は本当に大変な事が多かったので、そういう状況を知っている方達は誇らしく思ってくれているようなのでとても嬉しいですね。


--ファンの方が、Stevieの音楽性のどのような部分に共感してもらえると嬉しいですか？

Stevie Hoang：　 自分自身の音楽に感情移入してもらえたりしてくれると嬉しいですし、それはとてもパワフルな事だと思います。


--これまでにインストアライブや、クラブサーキット、ビーチでのライブなど、様々なロケーションでライブを行ってきましたが、「こういったライブをやってみたい！」という願望はありますか？

Stevie Hoang：　 大きな会場というよりは、ファンが100人くらい集まるような規模感の会場で、ライブ楽器とピアノが弾けるような空間が良いですね。ビルボードライブみたいな会場でライブが出来たらまた１つ夢が実現しますね。


--着々と夢を実現していくStevieの今後の活躍を期待しています！最後にHMVオンラインをご覧の皆様にメッセージをお願いします！

Stevie Hoang：　 音楽シーンがこれだけ激変している中、お金を払ってアルバムを買ってくださるファンの方々に心から感謝したいと思います。これからも応援宜しくお願いします！