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2012年6月11日 (月)



『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとして配信!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第25弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!



mito from clammbon

mito クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
  clammbon オフィシャルサイト

MMMatsumoto from「MARQUEE」

MMMatsumoto ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。

  MARQUEE オフィシャルサイト




どもです、ミトです!!お待たせいたしました!『MMM Radio Psychedelic』vol.25の配信開始です!!
前回大好評をいただいた「1 アーティスト総特集」、MMMatsumotoさんから「これはぜひもう一回やるでしょう!」との熱ーいメッセージを受け、またまたやっちゃいたいと思います!
さあ、そのアーティストとはこちら!!「ロバート・ワイアット」〜!!!遂に…ついに、ワイアット大特集!イギリス音楽シーンに於いて究極の異端であるカンタベリー・シーン、その雄である彼の音楽の軌跡を、6枚のアルバムから追っていきたいと思います!!正直ワイアットには人一倍思い入れのあるボクたち、彼の思想感、音楽的スタンス、そしてそれを用いての独自の「ワイアット理論」が、ボクとMMMatsumotoさんのなかで熱く展開されてゆきます!今回も結局90分越えの長編!!みなさんじっくり聞いて、味わっていただければと思います!では、いってみましょうか!!



【MMMRadio Psychedelic 2012 Vol.25】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介

1st set  SOFT MACHINE 『Volume Two』


初期ソフトマシーンのいいメロいっぱいの2nd アルバム。ビートルズ譲りのUKビートとジャズ譲りのフリーフォームが混ざって、サイケな雰囲気醸しながらポップ、という60年代末のプログレッシヴなUK音楽状況を丸写しする。1st アルバム発表後、やむなく脱退してしまった創始者デヴィッド・アレンの“ふわふわなアヴァンギャルド”は、ロバート・ワイアットによって、この2作目へと受け継がれている。ソフトマシーンの前衛とは、つまりユーモアとも言えて、それは同時にフリースピリットを意味していた。ライヴでのバイクのシリンダーにマイクを突っ込んで大音量ノイズを発生させるといった悪行(笑)は、ダダイズムっぽく実験的だけれども、第一に遊びの精神だったという点が重要。この、ペロっと舌出す悪ふざけの思考が。これが同時代(今の時代だって)の深刻で生真面目ゆえに難解で最後袋小路に入って迷宮入りなアートを蹴飛ばして、今も自由精神の参考書として語り継がれている。そういう意味でこそヒップ、永遠に。
解説 by MMMatsumoto



mito 「聴きすぎて、私の中ではため息交じりというか、もういろんなモノがこみ上げてくるというか」
MMMatsumoto 「なんか分かりますね。とりあえず、最初に聴いた時の印象を教えて欲しいなと思って」
mito 「うーんと、すげぇかっこいいロックだなってイメージがあったんですよ。ジミヘンっぽいっていうか」
MMMatsumoto 「僕は初めて聴いた時“あれっ?”って思っちゃったんだよね。もっとすごい実験音楽なのかと思ってたらすごいポップだったんだよね」
mito 「もうこの頃からユーモアは確実に…」
MMMatsumoto 「そうですね。どっちかっていうと、たぶんユーモアが先にあって、それを音楽で広げてくとこうなる、ぐらいのが実態な気がするんですよ」

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2nd set  ROBERT WYATT 『The End Of An Ear』


ソフトマシーンがメンバーチェンジによって、『Third』『Forth』とプレイヤー指向のジャズに移行していく中、ロバート・ワイアットは孤立することに。そして脱退。鬱屈を爆発させたか、それとも自分を解き放ったか、バンド在籍中に制作したこのソロアルバムは、とてつもなく“ふわふわ”だった。思い付くままのサウンドスケッチ集のような作風。モーダルでオブスキュアなサウンド傾向のカンタベリー系にあっても、特級でフリーフォーム、もはや鼻歌状態(笑)。この気ままさだけで1枚を仕上げたというのは天然記念物ものだ。まさしくソロ。思いっきりプライベートだから。言って見れば、これは彼の音楽生涯を通じて感じられる“フリースピリット”の原点・原形なはず。当時ここに立ち返る程、彼の趣味からすれば、ソフトマシーンは残念なものになっていたのだろう。というのも、この1st ソロを制作後、「これが本物のソフトマシーン」と言わんばかりに、ソフトマシーンをフランス語読みし当て字したバンド MATCHING MOLE を結成するから。ふわふわだけど過激。デヴィッド・アレン然り、ケヴィン・エアーズ然り、初期ソフトマシーン出身者達に共通するメンタリティでもある。
解説 by MMMatsumoto



MMMatsumoto 「このアルバムすごい好きなんですよ、初めて聴いた時の刷り込みもあるんだと思うんだけど。連日連夜徹夜のバイトをやってて、朦朧として朝方コレのピアノの曲を聴いたらすごい良かったって思い出があって」
mito 「僕はやっぱり、不遇なアルバムなんだなぁ、と」
MMMatsumoto 「そうですね。まぁでも、コレを経たからマッチング・モールというロックバンド体制に固まっていったのかな、という気はするんですけどね」
mito 「あ、そうですね。そうかも。結局、憂さ晴らしでソフト・マシーンじゃないモノをやろうと思ったけれども、ソフト・マシーンと同じ様になってしまう、もしくはその影響があることに気付くアルバムなのかも。そこから変わっていく、オリジナリティを獲得する、いわゆるロバート・ワイアットという人間が出来上がっていくのが、このあとに続くわけですね」

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3rd set  Matching Mole 『Matching Mole』


SOFT MACHINE脱退後に結成されたバンド。バンド名は、SOFT MACHINEをフランス語読みしたものをもじったものである。つまり、彼がSOFT MACHINEで本来やりたかったサイケデリックでユーモアなポップ・ミュージックを余すところなく表現したのが、このアルバムということになるのだろう。冒頭で披露されるデイブ・シンクレアの究極の美曲「O Caroline」は、このアルバムが如何に名盤であり、語り継がれ愛される存在であるかを物語る。そしてワイアットしか出せないあの雰囲気が、初めてこの音楽シーンに登場した、祝福に溢れた瞬間でもある。基本的に録音は素晴らしいのだが、個人的には2004年にリマスターされた盤が特にお勧め。まだ事故で下半身不随になる前のしなやかさと力強さに溢れたドラムは、とても言葉で言い表せないほど豊潤な音楽の力に包まれている。ここでのデイブのキーボードソロも、古巣であるCARAVANから解放されたようなエネルギッシュな演奏が聴けて嬉しい。一家に一枚、どんな時にでも笑顔でハッピーになれる、素晴らしいアルバムだ!
解説 by mito



mito 「いや〜、名盤!」
MMMatsumoto 「傑作中の傑作ですね」
mito 「この盤ってやっぱり、もちろんオリジナリティの獲得っていう意味ではデカいんですけど、まだワイアット単体でいうと…何ていったらイイのかなぁ…、ちょっとヘンテコなポップ感はギュッと固まってないというか」
MMMatsumoto 「そうですね。そういう点でいうと、このあと大怪我をして下半身付随になってドラムが叩けなくなって、そのあとに『Rock Bottom』(アルバム)を作るわけで。そういうと『Rock Bottom』からですよ」

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4th set  Robert Wyatt 『Nothing Can Stop Us』


80年代初期にROUGH TRADEで発売されたEP2枚、そして新録2曲を追加したのがこの4thアルバムである。1曲目の「Born Again Cretin」以外全てカヴァという異色なアルバムながら、そのテーマは一貫して共産主義者として立ち上がった一人のアーティストが叫ぶ「プロテストソング」ばかり。当時の共産党讃歌にも使われた「もみの木」のメロディに別解釈のリリックが付いた「Red Flag(赤旗)」、ロシア革命での戦場地として有名で、ヨセフ・スターリンの名前がついた街をタイトルにした「Stalingrad」など、「ただカヴァした」という理由ではない大きな意義を持つ内容は、彼のひとなつっこいアレンジやボーカルによって日本人には細部まで理解されることは少なかったのではなかろうか?かくいうワタシもCHICのカヴァである「At Last I Am Free」の荘厳なアレンジを泣きのメロディーにただただ感激し、他の曲にもあるユニークさとキャッチーさに惹かれ、リマスター盤を買う2000年まで全くその意図を理解していなかったものの一人である。彼のストイシズムを最大に堪能できる一枚。
解説 by mito



mito 「私としてはその世界観も含め、いつもトップをひた走っているアルバムです。カヴァーを使ってこんだけ自分を主張出来る、それでいてオリジナルといわせてしまうカヴァー力というか。前のラジオでも話したかもしれないですけど、アレンジ力のすごさっていうのが実はロバート・ワイアットには必ず潜んでいるような気がするんですよ。まず“骨組み”を知っているというか」
MMMatsumoto 「昔ね、ワイアットのインタビューを録ったことがあるんですよ、電話で。彼はサイケデリックカルチャーだったソフト・マシーンの時代においても、ドラッグには反対だったんですよ。当時から。だから実は厳格な姿勢だったんじゃないかな、って感じたんですね。そう考えると、このアルバムの80年代の頃のポリティカルな部分を打ち出しつつ、っていうのもすごく納得するんですよね」

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5th set  Robert Wyatt 『set EPs』


1974年から1982年までに発売されたEPに、1997年に発売されたアルバム『Shleep』のリミックス4曲が入った編集盤。ここでワイアットがソロとして発売したシングルのほとんどが聴くことができる。冒頭のエモーショナルでスピード感溢れるピアノ・ロックアレンジな「I'm A Believer」、エルビス・コステロが「彼に唄って欲しい」と願い作られた名曲「Shipbuilding」、この2曲を聴くだけでもこのアルバムを買う価値があると思う。ちなみにこのEPたちにも先の『Nothing Can〜』と同じくカヴァが数曲入っているのだが、このカヴァたちがまた素晴らしい!!プロテストとして唄われていた前回とは違い、まさに「唄うって楽しい!」っていうワイアットの笑顔が見え隠れするようなスタンダードの名曲たち。特にベニー・グッドマンの超有名曲をエコーたっぷりのピアノとシンセソロ、多重コーラスで聴かせる「Memories Of You」は、いつ聴いても鳥肌が立ってしまう!!ひとりぽつりと家に帰る夜にこんな曲が流れたら、恐らく誰だって涙してしまうと思うのだ。
解説 by mito



mito 「日本においてのワイアットの認識というか、位置ってどんなところなんだと思います?」
MMMatsumoto 「うーん…、なんとなく思うんだけど、すごく音楽的なんだけどポピュラリティがある人、っていう。一番イイ位置なんじゃないですか?コアに実験音楽やっててすごい音楽的です、っていうと狭い世界の話だけど、童謡に近いっていうか、普通に聴けるんだけど音楽的っていうか」
mito 「肌触りとか距離感っていうのは、普通の実験音楽と呼ばれてるモノより柔らかいし、それでいて然として実験音楽にも聴こえるし。意外や意外、ワイアットは宅録の極致ですからね。なんというか、ベットルーム・ミュージック的な概念の始祖たるという部分では、非常に近いところがあるような」

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6th set  Robert Wyatt 『A Short Break』  ※廃盤


1996年発表の作品。発売当初はほとんどプロモーションもおこなわれず、その次の年に発売された大ヒットアルバム『Shleep』によって全く「無きもの」にされてしまった、個人的には悲しい末路を辿ったEPである。確かにテープでピンポン録音されたようなぼやけた音像、はっきりとしたリリックも無く朴訥としたスキャットが多重録音されているアレンジなど決してキャッチーな印象はないのだが、この音源を最初に聴いた時、ボクにはカンタベリー・ミュージックとポスト・ロック、果てはトリップ・ホップの深層にワイアットの音楽の繋がりを見たような気がして、それはそれは感激したものだった。半音進行で伸びやかに切なく鳴り響くオルガン、遠くに鳴るライドシンバル、つたなく点字のように展開を促すピアノ、そして力を入れずスキャットするワイアット…その音像はまさにDJ FoodやDJ SHADOW、そして1st、2nd時のTortoiseのサウンドからドラムとベースを抜いたようなイメージだ。彼の幼少時の青写真をコーディネートしたジャケットも秀逸、個人的には一番聴いているアルバムなので、ぜひまたリマスタリングして再発を心より願う。
解説 by mito



mito 「名盤だなと思うのは『Nothing Can Stop Us』なんですけど、一生聴けるなって思うのはコレなんですね。コレを聴きながらリズムマシンで手で(ビートを)打ち込んでマッシュアップしてみたり(笑)」
MMMatsumoto 「やってたんだ(笑)」
mito 「たぶん音源どっかテープで残ってます(笑)。いやでもね、この盤はイイですよ!ポストロックとか好きな人でも全然聴けるし。あとさっき言ってたワイアットのストイックさが、ものすごく柔らかいトラックの中に凝縮してるような」
MMMatsumoto 「ワイアットの持ってる根源的なところ、大事な部分が凝縮されてる感じもするんですよ。水増しがないっていうか」

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【今月のMARQUEE】

MARQUEE Vol.91  [2012年06月10日 発売]

さて、今回は問題のアイドル特集。このタイミングで特集するにはワケもあれば、タダでも済まさない。もうバンドだアイドルだとジャンル分けしている暇はない。我流マーキー、音楽専門誌ならではの視点で展開します(ハッキリ言って、ぬるくないです)。まず『超アイドル主義』と題し、計44ページの大特集でスタート。表紙とトップを飾るのは、作詞作曲をやくしまるえつこが担当し、相変わらず音楽面でも型破りな(アヴァンギャルドな)ももいろクローバーZ、計26ページ。アイドル戦国時代からアイドル個性化時代へと移り変わる瞬間を代表するももクロの暴挙を、12ページ撮り下ろし写真、新作インタビュー、多数コメント、メンバー直筆アンケート、振付師インタビュー、ライヴレポ、ディスコグラフィーで組み合わせ、更にこの視点で数あるアイドルから4組をピックアップ。今マーキーが絶対に自信を持って「面白い!」と断言できるBABYMETAL、でんぱ組.inc、Tomato n' Pine、Dorothy Little Happyへと続きます。この特集内には更に更に、ヒャダインやライター吉田豪へのインタビューや様々なコラムも。第二特集は裏表紙+大量撮り下ろしを含むMEG。ポップアイコン系つながりで、YUKI東京ドームのライヴレポ、きゃりーぱみゅぱみゅ、その新人達としてbomi、UCARY & THE VALENTINE、シシド・カフカ。巻頭特集に撮り下ろし込みで女王蜂、巻末特集も撮り下ろし込みのSEKAI NO OWARI。そして特殊仕様でamazarashi。ソロアルバムを控えたTK from 凛として時雨。killing Boy、cinema staff、メレンゲ、FLiP、Heavenstamp、ステレオポニー、レムチャップのバンド系。個性派なところで、0.8秒と衝撃。、宇宙人、さよならポニーテール、ハグレヤギ、SILLYTHINGも掲載。group_inouの新連載も今回からスタートです。

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