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【特集】Akira Kosemura 『MANON』 vol.1

Friday, May 25th 2012

最も愛する楽器、ピアノと真正面から向き合ったアルバム『How My Heart Sings』を昨年4月に発表した小瀬村 晶。今回は、新作にして自身が手がける初の劇伴盤ともなる2枚組の超大作アルバム『MANON』をリリース。 ダンサーであり演出家でもあるキミホ・ハルバートからの熱いラブコールにより実現した本作『MANON』は、その彼女が主宰するダンスグループ“UNIT KIMIHO”の公演『MANON』のために制作されたものであり、この舞台もまた小瀬村 晶の音楽なくしては結実しなかった作品である。 小瀬村 晶とキミホ・ハルバート、劇伴制作のデモ段階から両者の綿密なイメージの交感を通して作り上げられた本作を知るために、舞台『MANON』が如何なるものなのか、まずはそこから紐解いていこう。




Akira Kosemura 『MANON』  [2012年05月23日 発売]

18世紀フランスロマン主義文学の名作「マノン・レスコー」(アベ・プレヴォー原作)を、キミホ・ハルバート演出・振付によって現代にも重なるアレンジを施したダンス公演「MANON」。本公演の劇伴を担当した小瀬村 晶による書き下ろし楽曲、2枚組 全80分に及ぶ超大作のサウンドトラック。

風の様に天真爛漫で、終いには自分が巻き起こす竜巻に巻き込まれ死を迎えるマノンと、彼女との出会いから運命に翻弄されつつもマノンを愛し続けるデ・グリュー。二人の壮絶な恋愛劇を、時に美しく、時に儚く、そして時に残酷に、運命に翻弄される二人の人生に呼応するように書き下ろされた音楽からは「生きることへの喜びと、生き抜くことへの困難さ」という、現代にも通じる普遍的なテーマへと重なっていく。
前作のオリジナル・アルバム『how my heart sings』は、自身のピアノ演奏に重きを置いた飾らない演奏によるシンプルで美しいピアノ・アルバムだったのに対して、今作では、演奏家に白澤 美佳(ヴァイオリン)、人見 遼(チェロ)、良原リエ(アコーディオン)、三沢 泉(マリンバ・パーカッション)、高坂 宗輝(ギター)、荒木 真(フルート)、Shaylee(ボーカル)を招き、様々な顔を持った楽曲アレンジを施している。さらには、ギミックの効いた電子音楽や、ノイズ・ミュージックなど、これまでの小瀬村 晶作品では見受けられなかった作風も大胆に散りばめられており、オリジナル・アルバムとはまたひと味もふた味も違った、職人としての側面も垣間みれる充実の作品に仕上がった。
舞台作品のサウンドトラックでありながら、一音楽作品として非常にエキサイティングな聴覚体験が続く全80分、19曲を完全収録。

※舞台作品としての一連の流れを徹底した美意識で追求した本作は、小瀬村 晶 本人の希望によりCDフォーマットのみでの発売となります。


関連作品





物語解説

【第一幕】

01. Prologue
02. Amiens
03. Innocent Children
04. Depth of Sorrow
05. First Love (Light Dance)
06. Alone for the First Time
07. Invasion of the Dark
08. Holy Place & Manon
09. Promise
10. Lies and Betrayal
11. The Lines in Between
12. Silence to Capture

【第二幕】

01. Walls of Uncertainty
02. Love Theme
03. Truthful Heart
04. Playground of Justice
05. Nightmare
06. Manon Theme
07. Vision of a Dream

をクリックするとその場面の動画が再生されます。



原作:アベ・プレヴォー「マノン・レスコー」
18世紀、フランスを舞台に繰り広げられる騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語。

    【第一幕】

  • 01. Prologue   [試聴]

    プロローグ。物語の序曲。

  • 02. Amiens   [試聴]

    フランス・アミアンの町で賑わう学生たちと人々。 出会いや別れ、再会が交錯する町。 修道院に入るためやってきた少女マノンを兄レスコーとその恋人アイリスが出迎える。

  • 03. Innocent Children   [試聴]

    社会階級の差が激しかった時代。 純真な心を持つホームレスの子供たちとその親分の踊り。 学校を終えたデ・グリューと友人のタイスが現れる。

  • 04. Depth of Sorrow   [試聴]

    アメリカに流刑される予定の囚われた娼婦たち。深い悲しみの奥に垣間みえる一人の美しい娼婦の舞。引き裂かれる娼婦とその娘。

  • 05. First Love (Light Dance)   [試聴]

    広場で出会うマノンとデ・グリュー。二人は恋に落ち、パリへ駆け落ちをする。

  • 06. Alone for the First Time   [試聴]

    パリでの生活。二人だけの時間。つかの間の愛。そして忍び寄る影。

  • 07. Invasion of the Dark   [試聴]

    裕福な身分であるGMがマノンに一目惚れをしてしまう。 後を追ってきたレスコーたちがそれを知り、お金を手に入れる事を計画する。そして、手持ちのお金が尽きてきて不安だったマノンもその計画に乗る事にする。 マノンに裏切られたデ・グリュー。

  • 08. Holy Place & Manon   [試聴]

    タイスによって神学校に連れ戻されたデ・グリュー。GMとの裕福な暮らしを始めたマノン。

  • 09. Promise   [試聴]

    始めは満足していたGMとの裕福な暮らしにも、段々と違和感を覚え始めるマノン。デ・グリューへの愛を抑えきれず、とうとうデ・グリューの元へ。 困惑するデ・グリューだったが、マノンへの愛を抑えることはできず、二人はもう一度一緒に生活することを約束して別れる。

  • 10. Lies and Betrayal   [試聴]

    そのためにお金が必要だった二人は、レスコーの元へ。いかさまのカードゲームをデ・グリューが教わる間、待ち合わせに呼ばれていたGMがマノンに会いにくる。 デ・グリューはマノンの弟としてGMに紹介され、みんなで食事をすることになる。

  • 11. The Lines in Between   [試聴]

    微妙な空気が流れるなか、GMはマノンに家族の大切な宝石をプレゼントする。 マノンの喜ぶ顔を見て、嘆くデ・グリュー。信じたい気持ちと自分が惑わされている屈辱との戦い。隙をみて、二人は逃げ出す。

  • 12. Silence to Capture   [試聴]

    アパートに戻り、お互いの愛を確かめ合い、眠りにつく二人。 そこへ突然訪れるGMと警察。引き裂かれる二人。





  • 【第二幕】

  • 01. Walls of Uncertainty   [試聴]

    牢獄に囚われたデ・グリュー。神父に助けを求めるが、罪を償えば半年で出所できると告げられる。デ・グリューはマノンを助けるため脱獄を決意する。

  • 02. Love Theme   [試聴]

    一方、フランスで最も恐ろしい牢獄に囚われたマノン。自分の行動を悔やみ、死を決意し始めていた。デ・グリューへの愛だけが、マノンにとって唯一の支えだった。

  • 03. Truthful Heart   [試聴]

    レスコーの助けで脱獄に成功したデ・グリュー。二人はマノンを牢獄から連れ出す。しかし、その途中でレスコーは殺され、二人は逃げ続ける。

  • 04. Playground of Justice   [試聴]

    街に着く二人。怯えるマノンを待たせ、タイスにお金を借りに行くデ・グリュー。 そこへGMが現れ、捕まってしまうマノン。

  • 05. Nightmare   [試聴]

    マノンの悪夢。現実かどうかも解らなくなりながら、生死の狭間をさまようマノン。

  • 06. Manon Theme   [試聴]

    マノンに駆け寄るデ・グリュー。マノンは自分に残された精一杯の力を振り絞ってデ・グリューへの想いを伝える。そして、息絶える。

  • 07. Vision of a Dream   [試聴]

    すべてを失ったデ・グリューは、マノンの亡骸を砂の中に埋め、その墓の上に横たわって死を待った。 けれど、マノンの魂が彼に生きて欲しいと伝え、デ・グリューはマノンを心に刻み付けると、彼女に見守られながら生きて行くことを決意するのだった。




プロフィール

小瀬村 晶 (Akira Kosemura)

小瀬村 晶 1985年生まれ、東京在住の音楽家。2007年にSCHOLE INC. を設立。これまでに国内外の音楽レーベルから数多くの作品を発表しているほか、TOSHIBA, MISAWA HOME, NIKON, nano・universe, JOURNAL STANDARD, AGATHA, petrarca, Wafflish Waffle などといった企業サイトのサウンドデザインやアパレルブランドとのコラボレーション、さらにはドキュメンタリー作品「ウミウシ 海の宝石」の音楽、ケンタッキー・フライドチキン TVCM の楽曲制作、キミホ・ハルバート演出・振付によるダンス公演「MANON」の劇伴を手掛けるなど、様々な分野での楽曲提供・コラボレーションを行っている。2009年には米国で最も影響力のある音楽批評メディア「pitchfork」にて高得点を獲得、また日刊20万部を発行する豪州のニュースペーパー「THE AGE」にてその才能を賞賛されるなど、海外での評価も高まっている。コンサート活動も行っており、2010年に OTODAMA SEA STUDIO への出演を果たすと、2011年には中洲JAZZフェスティバルにも出演、さらには全国7都市/中国5都市を巡るピアノコンサートツアーも敢行し、日中両国にて高い評価と成功を収めた。また自身の音楽活動と並行し、音楽レーベル schole records を運営、数多くの作品に携わっている。

  Akira Kosemura オフィシャルサイト

キミホ・ハルバート (Kimiho Hulbert)

キミホ・ハルバート ベルギー生まれのイギリス人。5歳より岸辺光代のもとでバレエを始め、ベルギー・アントワープバレエ学校を経て、1994年アメリカ・コロラドバレエ団入団。 1997年の帰国後は、新国立劇場バレエ団をはじめ、日本バレエ協会公演等で活躍する一方、振付家としての活動を開始。 2001年自身で振付・演出を手がけ、ダンサーとしても参加するユニット・キミホ結成。グループでの活動の他、日本バレエ協会、新国立劇場、青山劇場等の公演や、韓国、ベルギー、オランダ等、国外からも招待され作品を上演。 2007年オンステージ新聞アンケートによる新人振付家ベスト 1 に選出される。 2010年トヨタコレオグラフィーアワード、オーディエンス賞。 この他、Willy Decker演出オベラ「軍人たち」、アンジェラ・アキ PV、映画、演劇、CM、ミュージカル「Bonnie and Clyde」等、ダンス公演以外でも振付活動を行っている。 2007年ユニット・キミホ初自主公演「GARDEN OF VISIONS」、2008年札幌にて「AGUA」公演(札幌芸術の森主催)、2009年ユニット・キミホ公演 Vol.2 「White Fields」。 2011年新国立劇場バレエ団「Almond Blossoms」振付。2012年3月「Manon」を初演。



  Kimiho Hulbert オフィシャルサイト












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