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2012年4月12日 (木)


『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第24弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!




mito mito from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
MMMatsumoto MMMatsumoto  from「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。



どもです、ミトです!!お待たせいたしました!『MMM Radio Psychedelic』vol.24の配信開始です!!今回は『MMM』始まって以来の1アーティスト総特集編!!選んだアーティストは、ジャーマンロックの始祖でありテクノ、エレクトロミュージックの基礎を作ったと言っても過言ではないバンド「CAN」であります!!この番組の中ではもうおなじみでもあり、僕ら2人の中では避けて通ることのできないアーティスト。僕もMMMatsumotoさんもお互いメンバーと直接逢っていたり、個人的にはイルミン・シュミットと一緒にアルバムを作ったり、ダモ鈴木さんとセッションをさせていただいたこともある縁、いやがおうにも気合いが入ります!!今回は雑誌『MARQUEE』だけの盤紹介の音源もしっかり配信しちゃいます!その尺、なんと1時間50分!!濃い、、、もう超濃厚でございます!!ではでは、いってみましょうか!!





【MMMRadio Psychedelic 2012 Vol.24】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介

1st set   CAN / Ege Bamiyasi


彼らの商業的な意味でのヒット曲「SPOON」が収録され、内容的にもコンパクトでキャッチーな楽曲が並ぶ4th Album。ジャーマン・ロックの入門編としても素晴らしいが、それよりも音楽好きなヒトだったら誰にでも楽しめる許容力を持つ、ドイツ随一のロック・アルバムでもある。小節のアタマに「ポツン」と鳴らし、あとは弦を擦ったりパーカッションのように鳴らすベース音が特徴的な「Pinch」を初めて聴いた時の衝撃…スネアの「バサバサっ」という拍子抜けする音と、時に初老のソウルシンガーにも聴こえ、性別が曖昧なボーカルが印象的な「Vitamin C」、そして呪術的なリズムボックスと半ば強引な解釈のインド音楽調に乗せて、全く調整のなってないシンセの刻みが究極にサイケデリックな「SPOON」と、全てがギリギリのバランスで成り立つ音楽の妙。時に90年代のトリップホップの音源にさえ聴こえてしまうくらいの、時代を感じさせない音像にただただ言葉を失う。

解説 by mito

mito 「松本さんが最初にCAN聴いたのってどんなタイミングなんですか?」
MMMatsumoto 「大学生の時…いや、高校生の時?ベスト盤が出たんですよ当時。それを聴いたのが最初だと思う」
mito 「僕は多分中学の頃…レコ屋さんで初めて(CANの)『Tago Mago』がかかってたのを聴いて。CANって面白いのが、アルバムごとに非常にコアとキャッチーなモノが混在してるじゃないですか。課外活動めちゃめちゃやってるんですよね、連中。映画音楽やったりとかCM音楽やったりとか」
MMMatsumoto 「『Ege Bamiyasi』は最初に聴くにはすごく良いんじゃないかと思うんだよね。聴きやすいと思う。コンパクトにまとまってるし」
mito 「そう、まず勘違いしちゃいけないのが、CANはすごい良いメロもちゃんとあって短い曲もちゃんと書ける、要するに“垂れ流しのバンド”っていう発想だけではない、っていうか」
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2nd set   CAN / Monster Movie


ジャーマンロック元年と呼ばれる1969年に発売された、記念すべき1st Album。まだ1枚目だというのに、この頃から執拗なくらいに大きなドラム、ベースの細かいシーケンス・フレーズ、多重録音によるポリリズムの応用、そして「テープループ」の様に同じフレーズを繰り返し、そこからミニマルな展開とサイケデリックな高揚を促すCAN特有の音楽スタイルが形成されているのが凄い。どちらかというと大きな音の塊ではなく、スピードがあってブツブツした音像でまとめ上げるホルガー・シューカイの編集スキル、レコーディングエンジニアの個性も「ミニマル・テクノ」などという言葉が存在していなかったこの時代にしては異端中の異端であり、他のドイツのアーティストの音源でも、こういった傾向は彼らだけである。このアルバムのハイライトは何といっても最後の「Yoo Doo Right」であろう。このアルバムを発表した後に神経衰弱で脱退してしまったマルコム・ムーニーの絶唱は、いつ聴いても鳥肌が立つ。

解説 by mito

MMMatsumoto 「ドイツは69年を境に急にこういう突拍子もない音楽がパーンと出てきて。脈絡がないんだよね。系譜がないっていうか」
mito 「CANのテーマというか掲げてた内容がまさにそうじゃないですか。「英米音楽はやらない」っていう。それが起点だったというか」
MMMatsumoto 「出自がすごく面白くて。CANの連中とかGuru Guruなんかもそうだけど、みんなバンド始めた時にもう30歳ぐらいですよ。それまでにフリージャズとか通ってきてて。だからちゃんとした意思を持ってCANというバンドを始めてるし」
mito 「やっぱり彼らがすごいなと思ったのは、まさに頭でちゃんと考えているからこそ、こういうセッションに堪えて“垂れ流さない”。で、そこがあるからこそ、そこに対して全く脈絡のない、むしろ世の中としてアウトローな存在をコマの真ん中に充てる。そのバランスも非常に確信的というか」


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III
※廃盤

3rd set   Dunkelziffer / III


『Future Days』発表後に脱退したダモ鈴木、そのダモ脱退後に加入し、以後解散まで在籍していたパーカッショニスト、リーバップ・クワク・バーがいたバンドがこの『Dunkelziffer』(ドンクルツィッファー)である。このアルバムは1986年に発売された3枚目であり、彼らの音源の中でも聴きやすい作品の一つである。多国籍なパーカッションサウンド、80年代を彷彿させるシンセ、エコーの効いたサックス、そして雲をつかむようなトーンであるのに、聴くヒトをゾクゾクと興奮に導くダモ鈴木のボーカルが渾然となって、素晴らしいセッションを聴かせてくれる。音像は「Tago Mago」の時のCANのサウンドにそっくりであり、本家の80年代のやたら奇麗でスタンダードな音像の味気なさに比べると、遥かにこちらのほうが勢いもあり、刺激的である。とあるニューウェーヴイベントでこの音源にある「take Off Your Heavy Load」とPOP GROUPをDJでかけた時のオーディエンスの盛り上がりは異常だったのを、今でも覚えている。

解説 by mito

mito 「やっぱりCANに関わった人間って、一貫して基本的にはセッションからモノを作って、なんていうか…ブラックも含めユーモアを持った多幸感が含まれた音に昇華していくモノが、基本多いような気がするんですよね。メンバー個々に持っている笑いのセンスというか、ユーモアのセンス?が、どれだけ離れてもみんなの中に共通して持っているような」
MMMatsumoto 「そうだね、あるね。共通した暗黙の空気感っていうのは持ってるよね。というか、そういう人達と一緒にやってる気がする。(ダモ鈴木氏とのセッションについて)どう?実際やってみて」
mito 「いや〜、やっぱり正直なことを言うと…ちょっと舞い上がってあんま憶えてないっていう(笑)」
MMMatsumoto 「(笑)。まぁそうかもね」
mito 「しかも(場所が)UFO CLUBですよ、高円寺の。UFO CLUBがあんなにでっかいホールに感じたことは今までなかったっていうぐらい、大きな存在に立ち向かってたような気がしましたね」
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4th set   JAH Wobble,Jaki Liebezeit And Holger Czukay / Full Circle


ホルガー・シューカイの別名儀音源で必ず一番に挙がるのがこの音源だろう。かの坂本龍一が惚れ込み、日本のCMにまで使われた「How Much Are They?」は、今聴くとまるでAphex Twinの初期音源の様に聴こえるほど斬新で前衛的で格好いい!!P.I.Lのジャー・ウォブルのいなたいベースとヤキのドラムのビートは、10年後に到来するトリップ・ホップやモンド・ミュージックのはしりみたいにも聴こえるし、ホルガーの手がけるカットアップ・コラージュは、2000年代のハードコアなヒップホップの手法ともリンクする。。。まさに彼が手がける音楽は、気が付くと時代を10年、いやヘタをすれば20年を超越する、先見の音楽と化しているのである!数多の有名プロデューサーに「狂人」と呼ばれるだけの発想力…彼のような時代の先見者は、未だみたことが無い。

解説 by mito

MMMatsumoto 「ホルガー・シューカイのベースのフレーズってCAN時代からおかしいよね。効果音でしかないじゃないですか(笑)」
mito 「そう!そうなの!「ホルガー・シューカイのベース、カッコイイよね」って言う人間に改めて僕は問いたいですけども(笑)、「いやいやいや!1小節に1音しか鳴らしてないっスから!」みたいな(笑)」
MMMatsumoto 「(笑)。鳴ってない余白の方を演出してるぐらいの勢いですよね」
mito 「まぁ、あそこまで参考にならないベーシストはあんまりいないな、っていうぐらい(笑)」
MMMatsumoto 「通常のベースっていう概念はないよね」
mito 「あと、CANの作品のほとんどをミックスしたのは彼(ホルガー・シューカイ)ですからね。テープ編集、機材周りの発想、プロデュース力、全てにおいて異質というか。だから僕はどっちかっていうとベーシストとしては見てないですね」

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5th set   CAN / TAGO MAGO


ロック史上のミュータント領域“ジャーマンロック”を代表する筆頭バンドがCAN。そして彼等の最も肥大化した本領発揮作が、この3rd アルバム『タゴ・マゴ』。ということは、これがロックミュージックの異端さを示す代表作の一つとも言える。ので、“ブッ飛んだ”音楽を聴きたい人には、絶対のお薦め。LPでは2枚組でのリリースだった分量なので、骨の髄までCANで浸せます。前半がわりとロックテイスト、後半には実験色の強い曲?が並ぶ。ヤキ・リーベツァイトの人力ブレイクビーツが冴え渡る“Mushroom”や、アフロビートの反復がトランシーな長大曲“Hlleluhwah”、アルバム後半には大々コラージュ曲“Aumgn”や1971年にして早くもリズムボックスを使った“Pecking O”などを収録。CANの全作品中、このアルバムは最も音圧が高くダイナミズムも大きい。結果、迫力大。まさにやりたい放題の、最大スケールにしてヘヴィなアルバム。このアルバムを聴き倒すには、ちょっと時間が必要かも。という難関中の難関アルバムで、リスナーの資質を問う作品でもある。ホルガー・シューカイのポヨ〜ンとすっとぼける音響派ベースも、ダモ鈴木の昭和40年代風四畳半フォーク的なテイストも、どれもがダイレクトだ。

解説 by MMMatsumoto

mito 「僕ね、『Tago Mago』以降って録音(技術)のレベルが段違いだと思って。一番『Tago Mago』の中で好きなのは「Pecking O」って曲で」
MMMatsumoto 「サウンドコラージュのヤツ?」
mito 「途中でリズムボックスが突然入ってくるじゃないですか。僕ね、あれを聴いた時に「酒を呑まないでもトべたなぁ〜」っていう」
MMMatsumoto 「わかるわかる(笑)。あれ結構ヤバいと思うんだよ」
mito 「あんな狂った音源はないぞ、この世に!っていう」
MMMatsumoto 「CANの一番スゴイところっていうのは、その辺だと思うんだよね」

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6th set   CAN / Soundtracks


CANが書き下ろしたサントラ曲をコンパイルしたアルバム。そもそもアルバムとして制作されたわけではないがゆえに、曲単位で聴けるという、実験主導なCANにしては逆に異例なアルバムでもあって、かなり貴重。ホルガー・シューカイと共にCANの二大頭脳の一方イルミン・シュミットは、シュトックハウゼンの門下生にしてリゲティ、ベリオ、ケージにも学び、ライヒ、ライリー、ラ・モンテ・ヤングとも共演経験がある一方で、こういうサントラ曲やCM仕事もしていた。CANの2作目になるこのアルバムは、1作目『Monster Movie』のパンク気質なロックセッション譲りの作風とは対照的に、すっきりコンパクトにまとめられた小曲が並ぶ。CAN全作品中、『Landed』と並んでポップな曲が多い。最大の成果は、このアルバムの最長曲“Mother Sky”。ミヒャエル・カローリのギターが全作品中最も正統にロックっぽく炸裂し、ヤキのハンマービートもアップテンポで走る。曲中の疑似モノラル/ステレオの切替えがカッコイイ。曲単位に制作進行したためか、ヴォーカルが1作目からのマルコム・ムーニーの担当曲と、新加入のダモ鈴木が取る曲とに分かれている。

解説 by MMMatsumoto

mito 「今回の中では一番ロック色があるんじゃないですか?」
MMMatsumoto 「まぁそうですね」
mito 「非常にコンパクトにまとまった良作というか、キャッチーな。長く聴かせなきゃならないCANの曲っていうのもあるじゃないですか。そういうモノではない、パッと「これCANなんだぜ、カッコイイんだぜ」っていうのはここら辺の…僕は“偶数アルバム”というふうに言ってるんですけども(笑)」
MMMatsumoto 「みんなの特徴がコンパクトに1曲の中にあるなって気はすごいする。あとヴォーカルのダモ鈴木の四畳半フォークみたいなしみったれた感じっていうのは、結構モンドな感じで好きなんだけどね」
mito 「(笑)。あ、でも分かりますねそのモンド感」

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今月のMARQUEE

商品ページへ

    MARQUEE Vol.90

    [ 2012年4月10日 発売 / 通常価格 ¥800(tax in) ]






去年6月のマーキーVol.85に続き、ねごとが表紙&第一特集で再登場! 今回は19ページ使ってシングル『sharp ♯』に集中した撮影×インタビュー×証言×対談で貫徹しました。それくらい『sharp ♯』という曲は、ねごとにとって重要曲なので。そのワケは是非紙面で。蒼山幸子(Vo.Key)、藤咲佑(B)の単独インビューまで取って徹底してます。また、マネージャー兼トータル・ディレクターへの裏からの証言、これはねごとを論理的に解き明かすかなり貴重な証言かと。これを延長し、幸子+佑が秋葉原のアイドルユニット、でんぱ組.incの夢眠ねむと初の同世代ガールズトークを展開。で、これが鋭く充実っ!撮影はCORNELIUSやフジファブリックのアートワークでも知られる北山雅和氏がアートディレクション。続いて第二特集がcapsule。中田ヤスタカとこしじまとしこ二人でのインタビュー。バッチリ決まっている今回のアー写の未公開写真も掲載。巻頭特集が今一番推したいロックバンド、オワリカラ。撮影&コラージュに12名からのコメント、5月リリースのアルバム『Q&A』徹底インタビュー、メンバー4人個別のコラム(漫画×1、原稿×3)と盛り沢山。巻末特集がまっすぐな歌でいよいよ頭角を見せ始めた山根万理奈を遊園地にてシューティングそしてインタビュー。更に8ページ綴じ込みの付録形式+インタビューで計10ページの特集を、今をときめくポップアイコン、きゃりーぱみゅぱみゅに割いてます。間違い探しやスゴロク等、マーキー必殺の暴走企画でお届けっ! その他、国内再活動のMEG、RAM RIDER、group_inou、書簡やり取りとイラスト描き下ろしでさよならポニーテール、撮り下ろし込みでフジファブリック、clammbon 4P、末光篤。YouTube世代の先鋭達ではハイスイノナサ 6P、joy、きのこ帝国、赤い公園、tricot。<歌>の個性というくくりでは、安藤裕子、Superfly、NIKIIE、たむらぱん、中村中、bomiなど。UNLIMITS、FLiPもフィーチャー。また、でんぱ組.incの夢眠ねむ、ex-erial TV dramaの新井弘毅、joyの天田優子の新連載もスタート!

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