【対談】野宮真貴×中塚武
2012年3月12日 (月)
日本を代表するポップカルチャーシーンのおしゃれアイコン!野宮真貴さんも今年、芸能生活30周年を迎えられて様々なプロジェクトが次々とたたみかけられております!数々の豪華ゲストをフィーチャーしたセルフカバー・アニバーサリーアルバム「30-Greatest Self Covers&More!!!-」のリリース、に合わせて行われるスペシャルライブもいよいよ3月19日に迫っている!このライブを総指揮する音楽監督に就任してくれた天才コンポーザー中塚武さんをお呼びしまして作戦会議を決行しました!
(インタビュー・テキスト/加藤賢崇)
- 賢崇 二人はいつから友達なの?
中塚 ピチカート解散してからですかね。
野宮 ピチカートを解散したときに仲良しのミュージシャンやDJが、ピチカートの曲をカバーしてくれて。
中塚 勝手にトリビュートですね。
野宮 それは私と小西くんにプレゼントするためだけに作られたコンピレーションアルバムでした。
中塚 けっこう、そうそうたるメンバーでしたよね。- 賢崇 そんなのが存在したんだ!もったいない。
野宮 そこに中塚くんも参加してたのよね。
- 賢崇 へえ。ぼくはQYPTHONEを初めて見たときに、ああ、これは2000年代のピチカートだな、て思ったから、二人の出会いは必然のような気がしてたけど。
中塚 まあ、ぼくはピチカート以前から野宮さんを聴いてたんで。
- 賢崇 ポータブル・ロックも知っていた?
中塚 知ってました。あとピチカート以前にCMの仕事をよくやられてたじゃないですか。
野宮 はい。中塚さんとも直接ではないけど、近いとこで仕事してたりしましたね。
中塚 だから、野宮さんの印象は「ピッチが正確な歌手」(笑)。これがないとCMの仕事はできないですから。- 賢崇 でも野宮さんが中塚さんの存在を強く意識したのはずっと後ですかね〜。
中塚 QYPTHONEとか見てないですものね?
野宮 ごめんなさい。90年代は忙しすぎて、他のアーティストのライヴに出かけることもなかったの。
中塚 ぼくはFPM田中知之さんが東京来られたばかりのころ、よく一緒にやってたんですが、田中さんがデモテープで野宮さんとコラボしてるのとか見て、いいなあ、とか思ってたり。QYPTHONEもピチカートと比較されたりしましたけど、時代は重なってないんですね。- 賢崇 じゃ、ほんとに仲良くなったのは…
野宮 中塚くんのソロアルバムのときですね。
中塚 ぼくのアルバムで1曲歌ってほしいな、と思ってオファーして。
※2008年リリース『Kiss&Ride』UNIVERSAL(B001B56IYU)収録「Beautiful」- 賢崇 そこでやっと、武さんて、この人かって?
野宮 いいえ、もちろん存在は知っていましたよ(笑)。
- 賢崇 そのときはライブは?
中塚 けっこう、ちょこちょこやりましたよね。
- 賢崇 そこで、この人才能ある!って、だんだんわかってきたんですね。
野宮 その通り!
中塚 そいえば、その前にOui Ouiもよく見に行ってましたよ〜。- 賢崇 ういういって何でしたっけ?
野宮 Oui Ouiっていうのは、2000年代にやっていたカバー曲を歌って踊るDJユニット。
※『miss maki nomiya sings』 ヒートウェーヴ(B00004WZNY)
野宮 私が2000年にソロアルバム『miss maki nomiya sings』をリリースして、京都のメトロで記念ライブすることになったとき「野宮さんDJもできないですか?」て聞かれて「できないです」って(笑)。でもせっかくなのでヘアメイクの冨澤ノボルくんにお願いして、私は横で立ってDJしてる風でもいいかなと思って引き受けたの(笑)。でも、それだけじゃつまらないので、何か演出をと思って、もうひとり私にソックリの女性と双子という設定にしようと思いついて、寺本りえこさんに声かけたの。
※ 寺本りえこ 有近真澄とのユニットT.V.JESUSなどで活躍。初期のピチカートのコーラスにも参加していた。
野宮 なんとなく姿形が似てる人がいいな、て思って(笑)。
中塚 それだけですか!
野宮 りえ子さんも時々DJをしてるって聞いていたので。いざ、やってみたらライブよりDJのほうがウケちゃって(笑)。それから数年京都メトロで“おしゃれ天国”というイベントをやっていました。毎回お客さんが入りきれないくらいの人気だったんですよ。
中塚 めちゃめちゃカッコよかったですよ。
野宮 でも遊びの延長という感覚がコンセプトだったから。仕事になっちゃうとつまらないじゃない?- 賢崇 言いますね!
中塚 たぶん飽きちゃったんでしょうね? どっかで。
野宮 でも、かなりライヴはしたんですよ。台湾や、モスクワも行ったし。
中塚 そうそう。- 賢崇 へえ!ロシア人にもウケたんですか!
野宮 それで海外に行くと、Oui Ouiがピチカートの次の活動と受け取られてしまって、記者会見が用意されて質問攻めにあいました(笑)。そうなると遊びとは言えなくなって…。
中塚 ロシアいいですよね〜。
野宮 中塚くんもライヴしたでしょう?
中塚 人がめちゃくちゃフレンドリーだし、日本の音楽好きだし。普通に行っても、超〜もてなされますよ。て、りえ子さんにメールしたんだけど、彼女、心配性でしょ? ホントかな、て、すごい心配してて。
野宮 真面目な人だから。私と違って(笑)。
中塚 やっぱり帰ってきたら、楽しかったわ〜って言ってた。- 賢崇 Oui Ouiとしては何もリリースしてないんですね。だけどロシアにいる人は楽しかった〜って、まだ憶えてて、Oui Ouiを待ってる人もいるかもしれない(笑)。
中塚 絶対憶えてますよ。関西ではまだ根強い人気ありますよ。
野宮 そうね。Oui Ouiに影響されて、イェイェというDJユニットを作ったとか女の子たちもいましたよ(笑)。- 賢崇 それもったいないから30周年にも、なんかやればいいのに〜。
野宮 レコーデイングした曲は2曲あって、1曲はソロアルバム『Party People』でt.A.T.uの「Not Gonna Get Us」と、それから'80sのヒット曲をボサノバのアレンジでカバーしたアルバムに入ってる。え〜と、名前が思い出せない。あ、ボーイ・ジョージ!
- 賢崇 真貴ちゃん。。ボーイ・ジョージが出てこないようでは。。とうとう来たか(笑)。。。ボーイ・ジョージのやってたバンドの名前は?
野宮 何でしたっけ?
- 賢崇 カルチャー・クラブですよ!
野宮 あ、そうだ!最初にそれを言いたかったんだけど(笑)。
- 賢崇 そこが出てこないとは。。来ちゃったね〜。。
野宮 やれやれ。
※『COVER LOVER VOL.1 〜Bossa de Punk〜』GATE RECORDS(B0007QPSN6)に収録。Oui Oui「カーマは気まぐれ」- 賢崇 じゃ、中塚さんもそのソロ以前から狙ってたワケでしょ。いつかは、おれも、真貴と。。って。
中塚 ぼく、そんなキャラですか(笑)。ま、昔から尊敬してる人だから、一緒にやりたかったんですよ。また、やってみると歌録りが早いんですよ。2テイクくらいで完璧。
- 賢崇 ああ、ピッチが正確だから!
中塚 ほんと、そう(笑)。すぐ終わっちゃったね。
野宮 だから、つまらないの(笑)。自分のレコーデイングも歌録りがすぐ終わっちゃうから。ほんとはもっと歌っていたいんだけど。
中塚 あ、なんだ、そうなの? じゃ、もっと何曲かやってもらえばよかった。
野宮真貴
『30 〜Greatest Self Covers & More!!!〜』
2012年01月25日 発売
[収録曲]
01. マキのレキシ
/ Produced by レキシ
02. 東京は夜の七時
/ Produced by DJ FUMIYA(RIP SLYME)
03. 私の知らない私
/ Produced by テイ・トウワ
04. ベイビィ・ポータブル・ロック
/ Produced by ヒャダイン
05. スーパースター
/ Produced by 雅-MIYAVI-
06. スウィート・ソウル・レヴュー
/ Produced by DAISHI DANCE
07. マジック・カーペット・ライド
/ Produced by コーネリアス
08. トゥイギー・トゥイギー
/ Produced by □□□
09. 皆笑った
/ Produced by 高橋幸宏
10. ウサギと私
/ Produced by 鈴木慶一 & 曽我部恵一
11. 悲しい歌
/ Produced by 大橋トリオ
12. メッセージ・ソング
/ Produced by カジヒデキ
13. 陽の当たる大通り
/ Produced by YOUR SONG IS GOOD
14. マキのヤボウ
/ Produced by レキシ
- BONUS TRACK -
15. スウィート・ルネッサンス
/ Performed by ポータブル・ロック

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[野宮真貴]
1981年『ピンクの心』でデビュー。その後「ポータブル・ロック」を経て、80年代ニューウェイヴシーンを代表する存在に。90年代に「ピチカート・ファイヴ」に加入、渋谷系文化のアイコンとして、日本及び海外の熱狂的な人気を集めた。現在、独創的な存在感と歌声で、音楽に加え、カルチャーやアート、ファッションなど多方面で活躍中。そのエッセンスを凝縮したシアトリカルなライブパフォーマンスが近年の白眉として、注目を集めている。2011年にデビュー30周年を迎えるにあたり、2010年10月20日にはデビューアルバムがボーナストラックを加えて再発売、2012年1月25日にデビュー30周年記念アルバム『30 -Greatest Self Covers & More!!!-』をリリース。

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[中塚武]
1998年、自ら主宰するバンド「QYPTHONE」がドイツのコンピレーションアルバム「SUSHI4004」にて海外デビュー。国内外での活動を経て、2004年にアルバム「JOY」でソロデビューを果たす。以後、オリジナルアルバム「Laughin’」「GIRLS & BOYS」「Kiss & Ride」を次々とリリース。 ジャズ、ポップス、ラテン、ハウス、エレクトロなど、様々な要素を取り入れたサウンドは日本の音楽、映像、広告業界において高く評価されており、SMAP や広瀬香美など、多くのアーティストへの楽曲提供、「POs-Ca(グリコ)」「金麦(サントリー)」などのCM音楽や、「セクシーボイスアンドロボ」「ハガネの女 season1」「ニュースZERO」などのTVやドラマ音楽と多方面で才能を発揮。 2010年に「ROCK’N'ROLL CIRCUS」をリリース後、音楽活動の基盤を自身のレーベル「Delicatessen Recordings」へ移行。配信限定アルバム「53512010」、そしてオルビスのCM曲「キミの笑顔」が収録されたコンピレーションアルバム「歌うピアノ男子」をリリース。全国各地でのライブや野外フェスにも多数出演する中、「音楽×映像×食」が融合された自身主催のライブイベント BEAT COMMUNIST もスタートさせた。 2011年の元旦より、書き下ろしの新曲を定期的に無料配信するサービス「TAKESHI LAB」をサイト上に開設。6月には docomo AQUOS PHONE のCM曲として話題になった「Black Screen」を配信限定でリリースし、ミュージックビデオがiTunes Storeエレクトロニックチャートで1位を獲得。 ニッポン放送デジタルラジオSuono Dolce「Tokyo After 6 」木曜日のナビゲーターを務める。












