蔭山 VS Michal!2ページ目!
Wednesday, February 22nd 2012
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関西メタルシーンのボス! MANIPULATED SLAVES を率いる 蔭山豊氏が様々なバンドと対談を行う企画!“蔭山対談 『無礼王 the LAW』”!
- --- (前頁からの続き)
- --- K: あ、メンバーチェンジの話しやったな(笑)。マニピュでの話しになるけど、良い?
M: はい。
- --- K: マニピュには俺という動力付きの電車があって、その行き先は決まってんねんな。でも、一人じゃソコへは行けないから、メンバーという車両を連結するねん。連結してるって事は共感してるって事やから、心の底からメンバーを尊敬してるし大切にもするよ。逆に助けてもらってる事も多いけどね(笑)。でももし連結を離したい人が居たら自由にどうぞ、ってね。引き留めませんっす(笑)。俺の電車の行き先に共感出来なくなった時点でマニピュなんてクソ面白くないバンドやからね。俺らはまた新しい車両を連結すれば良いだけやから。今までも連結してると思ってたら微妙に繋がってなかったヤツとか、同じ方向へ進んでるっちゃあ進んでるんやけど、よぅ見たら実は自分のエンジンで走ってたヤツとか色々居たわ。みんなで連結して同じ方向を見てないと進めるもんも進めへんからね。結果としてそういうヤツらは辞めて行きましたとさ(笑)。まぁ、これは音楽的な事とか活動のスタイルの事やけど、実際はカネとオンナの絡みで辞めたヤツがほとんどやで。不義理ばっかりよ。ミュージシャンの前に人としてそんなヤツは要らんっす。俺、ドライかな? これからは俺の事ドラいもんと呼んでくれや(笑)。って誰の体型がドラえもんやねん!!(笑)。
M: 言うてませんやん(笑)。
リーダーとしても色んなタイプがありますもんね。うちは珍しいタイプかもと思うんですが、私と Naoki がそれぞれ違う局面でのリーダーで、私が経営的なリーダーとしたら Naoki は音楽面でのリーダーという、二人が真逆のタイプやから、対立はよくしますね。人外の意見vs人間の意見と言いますか(笑)。どちらもバンドのためを思って言うてるのに、視点が違うから噛み合わないんですよね。こういう時、完全独裁型のリーダーやったら楽チンやのになーって思うことはあるんですけど。私は、メンバーみんなに対して「自分がリーダーや、主人公やねんで」って思ってアクションして欲しいって願ってます。蔭山さんはどうですか?- --- K: 俺、その完全独裁型のリーダーやけど、バンドの主役はヴォーカリストとリードギタリストで良いと思ってる。まぁ、太鼓が目立つのもメタルやけど、目立ちすぎはちゃうと思うし…。せやから、ウチはジョー君(Vo)と萩君(G)がもっとスター扱いで良いと思ってるわ。俺は「実はアイツが本当の主役です」って分かる人にだけ分かれば良い、というような立ち位置がホンマの理想やからなぁ。…と言いながらガンガン前に出とるけどな(笑)。
M: ホンマですやん(笑)。
じゃあマニピュさんは今がベストメンバーですか?- --- K: う〜ん、さぁどうやろ? さっきも言うたけど、俺と活動する事に魅力を感じなくなったヤツが居たら引き留めへんし、しかも俺って自分の考えで暴走するタイプやから、メンバーチェンジはまだあると思うで(笑)。とか言いながらも、ホンマは同じメンバーでずっと活動したいと思ってるよ。でも俺、ポジティヴなところがあって、新しいメンバーになったらなったで、また別のグルーヴっちゅうの? それが出来てくるのが楽しみでしゃーないねんな。実際、前のドラマーと比べたら今のキャンディ君は技術的には劣る部分が多いんやけど、アイツのあんな感じの天然っぽいキャラも手伝ってか、今はバンド内の雰囲気がめちゃエエねんな。それが確実に音に出てるから面白いねん。アイツが入ってスグに録ったミニアルバムを聴いた友達が「めっちゃ風通しがよくなってますね」って言ってくれたからね。これ、メンバーチェンジが正解やったって意味やし、俺としては嬉しい言葉やったなぁ。
M: そうですよね。メンバーチェンジってバンドを客観視出来る良い機会かも知れませんね。前の人では出来なかった事が今の人は出来る、とかその逆もあったりしてバンドを見直す事が出来ますし、なんでも前向きに考えなあきませんね。
- --- K: ホンマそれ。
メンバーチェンジの話しは辛気臭いし、さっき出てたオカルトの事、もっと聞かせて。色々と興味あるし、なんか面白そうやん。 M: 私の存在自体がオカルトなんですけど(笑)、一番「人間の生活や感覚を吸収したろ!」って思ってた時代にウィザードリー、ファイナルファンタジー、ドラゴンクエストに出会ってしまったので、ゲームで育った世代の方々と近い「人間の感覚から見たオカルトやファンタジーの世界」の感覚を持っていると思います。ゲームは自分の音楽の入り口の一つでもありますし。こっちの世界って、オカルト関連の本、めっちゃ高いですよねえ。けっこう一冊一冊が高いんで困ってますけど、何処に自分のことが載ってるのかな…と、つい集めてしまうんですよ。
- --- K: アメ村に有名なオカルトショップあるやん? あの人とかとは共感するんちゃうん?
M: あの御大は格が上すぎるので、共感というよりは尊敬なんですが、むかーし行った時に店の奥から「こんなん好きちゃう?」って恐ろしい鎌を持って来はって「凄い。でも狩られる〜」って思いましたわ(笑)。もうちょっとで店頭に並ぶとこでした(笑)。
- --- K: それ死体やん(笑)。殺人は日本では犯罪やで、犯罪。って日本だけちゃうか(笑)。いや、そもそもMichalちゃんは人間じゃないからこういう場合何て言うたらええの(笑)?
じゃあ、Michalちゃんの音楽には、そういうオカルトとかファンタジーがリンクしたものになってるって訳なんやね。 M: ウチのレーベルメイトにも RPG METAL って名乗ってるバンドが居てはるんですけど、感覚的には彼らと近いかものがあるかもしれませんね。ファンタジックではあるけど、バンドって生モノやしリアルやから、その辺りをどうやってリスナーの方に伝えていくのがいいのかな、と悩むことはあるんですが。
- --- K: おお、考えとるねぇ。
M: 自分が食べて育って来たものを、存分に一緒に味わえるのが「メタル」というジャンルを好むリスナーさん達なんやなーと感じることはよくあるんですよ。偏見っぽいですけど、大概のメタラーは悪魔というキーワードに反応してくれはるし、私みたいな人外の存在を歓迎してくれはるので。流行り廃り関係なく、自分の好きなもんを好きって言う人達が多いジャンルで良かったなあって。そんな私のメタルへの想いは、新しいPVで発揮しようと思っています(笑)。
- --- K: PVか…。ANCIENT MYTH はイチ早くPV制作にチカラを入れたバンドやもんね。じゃあ新作のPVとかももう企画してるの? 差し支えなかったらどんな感じになる予定なんか教えてや。
M: 今回の PV は、「メタルだからこそできる」内容にしたいなあ、と思ってます。裏テーマは、「反抗心」ですかね(笑)。現代の音楽、メタルの動向に対する私の個人的な思いも入り交じりつつ、過去2作品ではやっていなかったことも盛り込んでみるつもりです。メンバー全員をもっと前に出したいですね。
- --- K: それは興味深々やなぁ。また公開したら教えてや。スグ観るわ。
で、俺からの質問やけど、Michal ちゃんって人生を変えたバンドとかってナニなん? M: まずメタルというかメロハーに目覚めたのは FAIR WARNING なんですけど、その頃メタル専門店に通ってたら店員さんにオススメされて DARK MOOR にたどり着いたんです。それまでは女性ヴォーカルにはソフトなイメージを持ってたんで、DARK MOOR は男らしい、というか勇ましい感じがして、それが衝撃的やったんです。
- --- K: じゃあそういう影響とかが今の ANCIENT MYTH での歌にも出てるん?
M: の前のヴォーカルさんは NIGHTWISH 的なオペラっぽい歌い方もされてたんですけど、私はその DARK MOOR のエリサに憧れてたから、オペラっぽいのは自分のキャラとも違うんで…。考えたんですけど、ある日「自分らしくてエエやないか」って思って今のスタイルでやる事にしました。
- --- K: Michal ちゃんの歌は“母を訪ねて三千里”やからな(笑)。「さあ、出発だ! 今、陽がのぼる!」って感じやから個性的で良いと思いまっせ(笑)。
M: NHK の歌のお姉さんって言われたこともありますね(笑)。
- --- K: その辺のマルコ唱法も新しいアルバムでは聴けるのよね?
M: マルコ唱法(笑)!ネーミングありがとうございます(笑)。あいつの歌はメタルに合わん、下手クソやて言われてきてますけど、石の上にも666年というか、粘り勝ちを目指してます(笑)。
- --- K: 個性が一番よ♪ ○○みたいにならなアカン、とか考えてるヤツが一番カッチョ悪いからね。
新作アルバム沢山売れたら良いね。ま、プロモーション次第とは言うけど、やっぱ「売る人」じゃなくて「作る人」として考えたら、プロモとかどうでも良くて、純粋に完成した時が満足の頂上やん。ちょっと落ち着いたら一人でも多くの人に聴いてもらって共感して欲しいと思うようになるけどな。まぁ、そうして結果としてレーベルとかの人のプロモーションに頼ってしまうという事になるんやけど…(笑)。そして「作品」が「商品」になる段階を感じて行く訳よ(笑)。俺なんか作る人の時間が終わったら、売る人に変身するから、心の整理に苦労するわ。
で、ANCIENT MYTH は今後はどうなっていくの? M: やっとウチにしか出来ひん事が、ちょっとづつ見えてきたんで、それを突き詰めて行こうと思ってます。ひと言で言えばシンフォニック・メタルなんですけど、その中でも ANCIENT MYTH らしさを追求していけたら良いなと思っています。
- --- K: 素晴らしい!
じゃあ楽屋に戻ろう。打ち上げって出るやんね? じゃあ続きは打ち上げで飲みながら(笑)。 - いかがでしたかぁ〜?
またしてもアタシのアホッぷりが満載ですな。しかも後輩や思ってイキッてるし…。まぁ、Michal ちゃんのバンドに対する気持ちや、ANCIENT MYTH で表現したい世界とかが皆さんに伝わってたらエエんですけどねぇ。とりあえず、アタシら MANIPULATED SLAVES も Michal ちゃんら ANCIENT MYTH も同じ2012年2月24日に新作CDが発売されるし、どっちのバンドもHMV特典を用意してるから、気になった人は迷っとらんとソッコーで購入されたしよ〜。
そして感想なんかは、ライヴ会場で直接言うてくれるか、オフィシャルサイトからメールでももろたら、とても嬉しく思いまっす。
またこんな人と対談してくれ〜、みたいなリクエストも歓迎しまっせ。ほぼそのリクエストは通らんと思うけどね(笑)。

では、また次回もお楽しみに〜。
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- 『Akashic』
ANCIENT MYTH - 2012年最新作!
【HMVオリジナル特典】
ANCIENT MYTHトレーディング・カード(HMVオリジナル絵柄を含む2枚セット)プレゼント!
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- 『Astrolabe In Your Heart』
ANCIENT MYTH - 2010年発表1stフル・アルバム
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- 『Love & Death』
MANIPULATED SLAVES
【HMVオリジナル特典】
別ヴァージョンを収録したスペシャルCD-R!

東京出身。2002年結成。バンド名は「古代神話」の意。
シンフォニックなキーボードをフューチャーし、クラシカルかつ印象的なメロディーと哀愁を感じさせる楽曲を特徴とするヘヴィ・メタル・バンド。
ゴシックな要素も併せ持ち、現在は細分化されつつあるヘヴィ・メタルのジャンル分けの中では「シンフォニック・メタル」がその音楽性を指す時に最も似つかわしい。
Michalは2007年に脱退した前任Vo、旭に変わって2008年1月に加入したヴォーカリスト。彼女が加入後リリースされた 1stシングル「AURORA」を発表して以降、バンドは積極的なライヴ活動を重ね、2010年10月に初のフル・アルバムとなる「Astrolabe In Your Heart」を発表!その後、メンバーの脱退などのトラブルに見舞われるも、新メンバー2人迎え完全復活!最新作「Akashic」での進化を遂げたシンフォニック・サウンドにメタルファンの注目が集まる!
Members:
■ Michal - Vocal
■ Naoki - Bass
■ YURI - Guitar
■ YUHKI - Drum
■ PUZZY - Keyboad

